終わりの惑星のLove Song   作:瀬川 蒼依

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2話 キミとみた夢、変わらぬ想い。

 予想以上に旅は厳しいものになった。

 世間知らずのキミにとってはなおさらだった。山や谷などの歩きづらく険しい地形、立っているだけで汗をかくような熱帯地域。

 かなりの距離を歩き続けて今──極寒の地へと辿り着いたわけだ。道という道はなく、辺り一面膝付近まで雪が積もっていて、一歩を踏み出すことでさえ苦労する。吹きつける雪達はボクとキミの体温を奪っていく。

 とても辛い。でもふたりなら楽しいこともたくさんあった。

 毎晩キミが語る夢は笑っちゃうんだ。とてもちっぽけで、どうでもいいような夢から、絶対に叶わないような夢だったり。たまに、とても馬鹿馬鹿しいような夢には笑わせられたりして──。

 

  ■ □ ■ □

 

 世界の果ては遠く食料も尽きた。

 辺りには動物や植物は一切見当たらない。それもそうだろう。ここは──。

 凍える厳寒の地。

 先ほどとはうって変わって状況が一変した。雪は胸の辺りまで降り積もり、夜という闇と吹雪が相まって1メートル先さえ見据えることが出来ない。

 そしてキミは何度も倒れ続けて、朦朧とした意識のまま歩き続けた。見ているこちらの方がとても苦痛だった。

 だけど、キミはまだ船があると信じて歩きだそうとした。

 

 ──その足はもう前へ出ない──。

 

 キミの寝顔は飽きるほど見てきた。喧嘩した夜だって、楽しかった夜だって、いつでも笑顔のような寝顔だった。でも、今の寝顔からは全く笑顔を感じられなかった。ただただ、悔しそうにで、後悔が残っているようで、とてもとても──。

 実はキミ自信も、宇宙に旅立つ大きな船なんて信じてなかったんじゃないかな? あの退廃していく世界でボクは絶望して生きていた。だけど、船の話を聞いて、それを口実にボクに希望を持たせようとしてたんじゃないかな?

 考えれば考えるほど、思ってしまうんだ。キミのために始めた旅だったけど、本当はボクのために始まった旅だったのかもしれない、と。そして、本当は、ボクのほうがたくさんのことを学んだ旅だったかもしれない。

 必ず見つけだす──と、夢を抱く無垢な心。宇宙へ旅立つための大きな船がある──と、わずかな希望でも信じる思い。世間知らずなキミにはなおさら厳しい旅になるにもかかわらず、夢を信じて歩き続けようとする──折れない強さ。挙げればキリがないほどにたくさんの事。

 ボクは冷たくて動かなくなった、その手をそっと、確かに握りキミに誓う。

 ──旅は続けるよ。となりに、いつもいてくれたキミがいなくても。

 ──世界の果てまで。どんな困難にぶつかろうとも、絶望することがあっても。

 ──キミの信じた船を見つてみせるよ。キミがくれたたくさんのものを胸に。

 

  ────ひとりでも。

 

 

        ──『ふたりだけのArk』END




 こんにちは瀬川です!
 『ふたりだけのArk』はどうでしたか?
 2話という短い構成になってしまいましたが、前回の『終わりの世界から』は自分の妄想を介入させ過ぎてしまったので、今回の『ふたりだけのArk』は原作に忠実に再現したつもりです。
 どうでしょうかね……。
 ここで原作者さんの言っていたことなのですが、主人公のボクは女の子なんですよ。そして、キミは男の子です。あくまでもこれはLove Songなので愛を語ったものになるのは、念頭に置いておいてください。
 あまり話し過ぎるのもアレなんで、ここらへんで幕を引くとしましょう。
 待っていた方! ありがとうございます! お待たせしました!
 そして、次はいつになるかわかりませんが、ぜひお待ちを!
  ※作者は応援メッセージ等をもらうと大変喜びます。
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