神々に祝福されし者達【完結】   作:マイマイ

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戦いは、終わりを見せない。
それぞれの力全てを出し切って、カズキ達は極東を守ろうと命を懸ける。


第4部捕喰194 ~防衛戦~(後編)

 

 

「ぐああああああっ!!」

「くそおおおっ!!」

「後退しろ、やられるぞ!!」

 

(くっ……このままじゃマジでヤバイ……!)

 

 近くに居たアラガミの身体に風穴を空けながら、コウタは目の前に広がる地獄の光景を目にし、最悪の未来を思い浮かべる。

 彼が率いる部隊が担当している北エリアも、他の場所と同じく激戦を繰り広げていた。

 時間が経てば経つほどに充満する血と死の臭い、耳には絶え間なく人とアラガミの断末魔の叫びが響いてくる。

 ここに居るだけで精神に絶大なダメージを負うようなこの地獄は、神機使いとしても人間としても強い意志を持つコウタですら堪えるものであった。

 それだけではない、アラガミは尚も数を増やし続けており、いくら倒しても一向に数は減らず寧ろ増え続けているような錯覚すら覚える。

 対するこちらは刻一刻と戦える神機使い達は減っていき、視界の隅で――また1人、アラガミに頭部を捕喰された神機使いが見えた。

 

 更に新種である“神融種”まで現われてしまった、アラガミの肉体に神機の刀身ないし銃身パーツを癒着させたその種は、今までのアラガミとは攻撃パターンも攻撃力も桁違いだ。

 

(クソ、クソ、クソ……どうすりゃいいんだよ、この状況は!!)

 

 このままでは押し切られる、かといって打開策が見つからない。

 そんな中、コウタの隣に着地したローザが叫ぶように口を開く。

 

「コウタ隊長、みんなを下がらせて!!」

「はあっ!? ローザ、何言ってんだ!」

「このまま一体一体相手にしてたら本当に押し切られちゃう、だから“あの力”を使うよ!!」

「あの力って……」

 

 あの力、その言葉だけでコウタはローザが何をしようとしているのかを理解する。

 かつて彼女が今回のようなアラガミの大群を相手にした時に使用した、他者の神機を複数同時に扱うというアラガミ能力だ。

 しかしあの力は負担が大き過ぎる、隊長としてコウタは使用を認めるわけにはいかなかった。

 

「駄目だ、あの力を使えばどうなるかローザだってわかってんだろ!?」

「わかってるよ! だけどこのままじゃ……」

 

 既に地面に落ちている神機には触れ自分の細胞の一部を組み込ませている、後は身体の中の細胞を活性化させれば準備は完了だ。

 コウタの制止の声を無視し、ローザは己の身体も省みずに能力をしようとして――銃撃が、響き渡った。

 

「おりゃあああああっ!!」

「だらあっ!!」

 

 続いて聞こえてきたのは上記のような雄叫びと、風切り音。

 それがそれぞれロミオとギルによる渾身の一撃を繰り出したものだという事を理解した時には、2人によって二体のアラガミが絶命し地面に倒れた後であった。

 

「間に合った!!」

「ブラッド隊、第一部隊の援護に入ります!!」

 

 コウタにそう告げ、シエルはすぐさま狙撃を開始する。

 宙に浮いているザイゴートやサリエル種を優先的に、短い動作と正確性で、一撃でアラガミの命を奪っていた。

 ナナとリヴィも近距離戦にて、確実にアラガミの数を減らしていく。

 

「よし、このまま一気に――」

「ローザ、よすんだ!!」

「っ、エリック!?」

 

 流れを逃すまいと今度こそ能力を発動しようとしたローザを、今度はエリックが止める。

 それもローザの右手を力任せに掴み上げるという強引なやり方でだ、これにはローザも怒り彼を睨みつけた。

 だがエリックは動じず、厳しい口調でローザへと言葉を返す。

 

「あの力は負担が大き過ぎる、ましてや激戦の疲労が残っているこの状況で使えば君の身体がどうなるかわからないぞ!!」

「そ、それはそうだけど……」

「ブラッド隊が救援に来てくれた以上無理をしてはいけない、頼む……」

「…………」

 

 ずるい、とローザは内心エリックを非難する。

 そんな悲痛な表情でそんな事を言われてしまえば、ローザとしても何も言い返せなかった。

 なので彼女は一瞬で気持ちを切り替え、チャージスピアを構え直す。

 

「わかったよエリック、コウタ隊長、でもどうしようもなくなったら使うからね!!」

「……本当は使ってほしくないが、了解した」

「よし、いくぞ!!」

 

 同時に駆ける3人、ここで一気に状況をこちらの有利なものに変えなければという思いを胸に、ブラッド達と協力して再び戦いの中へと向かっていった。

 

 

 

 

 

「……はぁ…はぁ…はぁ……」

「…………」

 

 南エリアから少し離れた荒野の中、アリサとアンノウンの戦いは続いていた。

 所々の箇所から血を流し、息を乱しながらも、アリサの瞳に宿る闘志は微塵も衰えを見せていない。

 一方のアンノウンも手傷を負いながらも、アリサとは違いまだ余裕の色を見せている。

 

(強すぎる……でも、まだ)

 

 左手をバックパックへと伸ばし、アリサは中から「回復錠・改」を取り出し飲み込んだ。

 痛みと疲れが和らいでいくのを感じながら、次はどう攻めようかと模索していると。

 

「――解せないなあ」

 

 アンノウンの、そんな呟きを耳に入れた。

 

「………?」

「本当に解せないよアリサ、どうしてそれだけの強さを持っているのに……その力を何もできない人間を守る事にしか使おうとしないの?」

「何を……」

「だってそうでしょ? アリサもカズキもその気になればどんな相手にだって負けない力と意志を持っているのに、わざわざ何の力も無い他人に縋る事しかできない人間を守る為にしか使わないなんて、理解できないよ」

 

 強い力を持つが故に、アンノウンは理解できなかった。

 彼女もカズキも本当に強い、充分に自分の命を奪う領域にまで届いている。

 だからこそ……その力を自分の為ではなく、他人の為に使うのがアンノウンにはわからない。

 

「利用されているだけだってわからない? 都合の良い言葉を並べて、守ってもらうのが当たり前だって思ってる連中を守って、一体何になるの?」

「…………」

「アリサだって本当はわかっているくせに、自分達の力がくだらない人間達に利用されているだけだって。それがわかっていてどうして」

「――私の心を掻き乱したいのならば無駄よ、そんな言葉では惑わされない」

「そうじゃないよ、これは純粋な疑問。それだけ強いなら2人で世界中の人間を支配できる筈なのに、こんな極東の地でアラガミを倒すだけに留まってるなんてどうかしてる。

 人間達が身勝手で傲慢で脆弱な生物だってわかってるでしょ? それなのに、アリサもカズキも人の領域を超えた存在になりながらもあくまで人として生きるなんて、ワタシは不思議でしょうがないよ」

 

 寧ろ見ていて悲しくなってくると、アンノウンは言った。

 その言葉は挑発でもなんでもない、言葉通りの……憐れみを込めた問いであった。

 だがアリサは人の醜さについて否定しない、アンノウンの言っている事は全てではないが正しいと彼女自身がそう思っているからだ。

 

 人は――弱い、どうしようもなく。

 他者を利用し、縋り、簡単に見捨てる事だってやってのける。

 実際にそんな光景をこの目で見てきた、だから決して否定はしない。

 だが、それでも。

 

「――私もカズキも人を信じているから。人の善性を……優しさを、信じているから人として生きているんです」

「…………」

「私達の力を利用している人は居るけど、同時にそんな私達を心から支えようとしてくれる人達も居るの。醜さも弱さも、優しさも暖かさも全て“人”だから」

 

 そう告げるアリサの瞳は、一切の穢れない美しいものだった。

 それを眩しそうに見つめながら、アンノウンは小さく笑う。

 彼女を嘲笑する笑みではない、純粋で……けれど確かな狂気を孕んだ笑み。

 

「……そうだよ。その目だ」

「…………」

「その人美しく眩しくて強い意志と想いが溢れ出しそうな目、その穢れ無い目を……壊したくて壊したくて、堪らなくなる。

 アリサぁっ!! カズキとの前に……ワタシはあなたとも(ころ)し合いたい!!」

 

 狂気の笑みを浮かべたまま、アリサに向かっていくアンノウン。

 

「生憎だけど、私にはちゃんと愛し合う旦那様が居るからお断りよ!!」

 

 迫り来る悪魔に臆する事無く、アリサは愛用の神機を右上段に構えながら地を蹴り、真っ向から迎え撃った。

 

 

 

 

 

「ぐっ………!」

「っ……」

 

 鋼がぶつかり合う音を響かせながら、カズキとフィアは大きく後退する。

 お互いに神機を構え直しながら、自分達が相手をしているアラガミ――魔神の強さに脱帽した。

 

(相当強いな……僕とフィアの2人がかりでも互角、単純な戦闘能力だけならアンノウン以上か)

 

 相手の力量を分析しつつ、勝利するための布石を模索するカズキ。

 一方、フィアは表情こそいつも通りなものの、内心は穏やかではなかった。

 

「フィア、時間は掛けられない。危険かもしれないけどブラッドレイジを使ってくれないか?」

「…………」

「……フィア、君の心中がどんな状態になっているのかある程度予測はできる。でも今の僕達がすべき事を忘れては駄目だ」

「わかってる、わかってるけど……」

 

 目の前の魔神を見ると、冷静さを保てなくなってしまう。

 だってそうだろう、目の前のアラガミはかつて自分を苦しめ……沢山の命を奪った悪魔の男、グリード・エグフィードなのだから。

 どんな経緯でアラガミとなったのかは知らないし知りたくもない、だが現実としてあの男は自分の前に立っている。

 それだけでフィアは乗り越えた筈の過去を蒸し返され、心を掻き乱されていく。

 倒すべき敵を前にして、戦う意志が消えて無くなりそうになってしまうのだ。

 

「――こんな程度ではない筈だが、少々拍子抜けだな」

 

 魔神が口を開く、その声色には確かな失望の色が見受けられた。

 

「フィア、一体どうしたんだ? 私の最高傑作であるお前の力はこんなものではない筈だ、あの時見せた不可思議な力はどうした? そして抗神カズキ、最強のゴッドイーターと謳われる君が、この程度な筈は無い。加減をしてくれているのならそんなものは不要だ」

「――――」

 

 同じだった。

 多少くぐもっているものの、魔神の放つ声は……フィアの脳裏に刻まれた、グリードの声そのもの。

 グリードの声を聴くだけで、フィアは身体を硬直させてしまう。

 正体がわかるまでは平気だったというのに、相手がグリードだとわかってしまってから途端に彼は魔神に対して弱腰になってしまっていた。

 だがそれも無理はない、フィアにとってグリードという存在はまさしく悪魔そのものと言えるのだから。

 

「……フィア、ここは僕に任せてブラッドに合流するんだ」

「カズキ……!?」

「今の君は足手まといだ、そんな事わざわざ僕に言われなくても君ならわかるだろう?」

「それ、は……」

「アレと戦う必要なんかない。対峙するだけで心を傷つけてしまうのなら、無理をするな。

 君は1人じゃないんだ、できない事を仲間に任せることは罪じゃない。だからここは僕に任せろ」

「カズキ……」

 

 彼の優しさと暖かさが、冷え切ったフィアの心を少しだけ癒してくれた。

 

「いくんだフィア、いけっ!!」

「何処へ行くんだい? まだ実験は終わっていないぞ?」

「これ以上フィアを苦しめるな、お前の相手は僕がしてやる!!」

 

 神機を右上段に構え、カズキは体内のオラクル細胞を活性化させていく。

 その力を刀身に集め――瞬く間に臨界に達し、光の剣と化した。

 

「ほう? 面白い力だ、調べ甲斐がありそうだ」

「消えろ!!」

 

 加減も躊躇いもせず、カズキは魔神に向かって光の剣を振り下ろす。

 それを見て、魔神は真っ向から光の剣を受けるつもりなのか、その場から動こうとせず。

 

――場に居た全員を、眩いばかりの閃光が包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

『――ブラッド隊、偏食因子の投与を! 活動可能時間はとうに過ぎています!!』

「ヒバリさん、偏食因子の携行キットは所持しています、まずは第一部隊を後退させてください。彼等も活動可能時間を過ぎている筈!!」

「そういうわけにはいかねえって、今も数を増やし続けてんだぞ!!」

 

 シエルの言葉に返事を返しながら、コウタは近くに居たアラガミの身体に銃撃による風穴を開ける。

 だがすぐさま三体のヴァジュラテイルが彼に襲い掛かり、大きく舌打ちをしながらコウタは迎え撃った。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……」

「ナナ、大丈夫か!?」

「う、うん……リヴィちゃんも、無理…しないでね……」

 

 ハンマーを杖のようにしながら、ナナは荒い呼吸を繰り返す。

 彼女を心配するリヴィであったが、彼女もまた表情に余裕の色はなく息を乱している。

 

――状況は、もはや覆せないほどの絶望感を漂わせていた。

 

 第一部隊、ブラッド、そしてリヴィにタマモ。

 極東の中でもトップクラスを誇る実力者達が集まっても尚、迫るアラガミ達に対処できなくなっていた。

 いくら倒しても、まるで無限に湧いて出てくるようなアラガミ達。

 それだけではない、“感応種”や“神融種”という強力なアラガミ達もどんどん数を増やしていっている。

 対するこちらは……仲間の死体が増え続ける事態にまで陥ってしまっていた。

 

『っ、新たなアラガミの反応です!!』

「くっ……!? オイ、このままじゃ……」

「ギル、諦めの言葉を口にしてはいけません! 私達がここで諦めてしまってどうするんですか!!」

「わかってる!! だがこのまま戦い続けてもこっちが――」

 

「――うわああっ!!?」

 

 突如として響き渡る、ロミオの悲鳴。

 視線を向けられる者達がそちらへと向くと、神機を持ったまま倒れているロミオに襲い掛かろうとしているセクメトの姿が視界に入った。

 

「ロミオ先輩!!」

「ロミオ!!」

(間に合わない……!?)

 

 すぐさま彼を守ろうと動こうとして、誰もが間に合わないという事実を思い知った。

 既にセクメトは翼腕に巨大な火球を形成しており、こちらの攻撃が届く前に彼に火球が届くのは明白。

 ロミオが死ぬ、間に合わないと理解しながらもシエル達は彼に向かって手を伸ばし。

 

――()()()がロミオの前に立ち、セクメトの火球を文字通り身体で受け止めた。

 

「…………えっ?」

『ぐ、あ……!』

 

 煙を吐きながら倒れる神機兵、その衝撃でコックピットが開き中から倒れるように出てきたのは……。

 

「マ、マリー!?」

「ぐっ……く、そ」

 

 額から血を流し、苦悶の表情を浮かべるマリーを見て驚愕するロミオ。

 そんな彼等の命を今度こそ奪おうとセクメトが動くが、その前にシエルの銃撃とギルの突きによって倒される。

 その隙にロミオはマリーの元へと駆け寄り、彼女を抱き起こした。

 

「おいマリー、しっかりしろ!!」

「……大丈夫、だ。だから、大きな、声を…出すな……」

 

 返事を返すものの、マリーは苦しげな息を吐き出す。

 先程のセクメトの一撃をまともに受け、衝撃がコックピットにまで響いてしまったのかもしれない。

 とにかく彼女を一刻も早く安全な場所まで避難させなくては、そう思ったロミオはすぐさまマリーを抱きかかえようとして……他ならぬ彼女に腕を掴まれ制止されてしまう。

 

「何を、している…は、早く……戦え、ロミオ」

「何言ってんだ、今のお前を放っておけるわけねえだろ!!」

「わたし、なら…大丈、夫だ……ぐっ、お前は神機使い、だろ? なら……」

「馬鹿言うな!! そんな息をするのにも苦しそうなお前を、このままにしておけるか!!」

「っ、わたしがここに来たのは、足手纏いになるためではない!!」

「…………マリー」

 

 力の限り怒鳴られ、おもわずロミオは動きを止めてしまう。

 

「ごほっ……はぁ、はぁ……ロミオ、頼む。これ以上…犠牲を、出さないでくれ……お前なら、皆と協力してこの状況を、打破、できる筈だ……」

「…………無理だよ、オレは結局足手纏いだ。「血の力」には目覚めない、ブラッドの中で一番弱い……そんなオレが、この状況をなんとかするなんて……」

 

 諦めたくはない、でも終わりが見えない戦いはロミオの心を容赦なく磨耗してしまっていた。

 ただでさえ彼はお調子者のである裏側で常に皆との力の差を嘆いていた、彼は……自分自身を信じていないのだ。

 だから彼はマリーの言葉を否定した、こんな自分にそんな大それた事などできる筈がないと。

 ……だが、それでもマリーはそんな彼に優しい笑みを向けた。

 

「お前は、戦いに…向かないな。だがな、ロミオ……お前は、誰かを守れる優しさと、強さを…持っている筈だ。「血の力」なんてなくても…守れるものが、あるだろう……?」

「マリー……」

「それに、お前達ブラッドは…ジュリウスを、助けるという…共通の、想いが…あるだろう?」

「っ、ジュリウス………!」

 

「そうだよ、ロミオ先輩!!」

「ナナ……」

「俺達はこんな連中に構ってる暇なんてねえ筈だ、ジュリウスが生きていてあの螺旋の樹で俺達を待ってるんだ!!」

「ギル……」

「諦めるわけにはいきません、今こうしている間にも戦っている人達が居るんです。最期の最期まで……諦めるわけにはいかないんです!!」

「シエル……」

 

 ブラッド達の想いが、決意が、ロミオの心に染み渡っていく。

 

「ロミオ」

「リヴィ……?」

「今ここで諦めてしまったら、今まで君達が守ってきた全てが無駄になる。それは……私も、認められない」

「…………」

 

 そうだ、ここで無理だと諦めればそこで終わる。

 守りたいと思った仲間も、友達も、この極東で生きる人達も、そして――ジュリウスも。

 ならば、自分にできる事をやるだけやらなければ嘘になる、ロミオは立ち上がり自分の神機を強く握り締めた。

 

「ロミオ……自分を、信じろ」

「自分を……信じる」

「お前は、足手纏いなんかじゃない……わたしは、いつだって…お前を、信じている」

「わ、私もだ! 私も……みんなも、ロミオを信じてる!!」

「…………ありがとな、マリー、リヴィ」

 

 信じてくれている、こんな自分を、心の底から。

 自分を信じていないのは……他ならぬロミオだけであった。

 

(信じるんだ……自分自身を。お調子者で、未熟者で、どうしようもない半人前かもしれないけど……オレにだってできる事がある筈だ!!)

 

 強い意志を瞳に宿し、ロミオは神機を構える。

 全てをこんな情けない自分を信じてくれた仲間達の想いに応える為、彼は再び戦場を駆け抜けようとして――自身の内側から溢れ出そうとしている“力”に気がついた。

 

「な、なんだ……!?」

 

 全身の細胞が躍動する。

 身体が熱い、けれど不思議と不快感は無くロミオはそれをすんなりと受け入れた。

 その熱は次第に暖かなものへと変わっていき、ロミオは本能でそれが何なのかを理解して。

 

「――もう、やめようぜ?」

 

 優しく、本当に優しく語り掛けるように、アラガミへと上記の言葉を口にして。

 瞬間、彼の神機から眩いばかりの白い閃光が溢れ始め――瞬く間に極東全域を包み込んでいき。

 

 

 

――その光を受けた全てのアラガミが、突如として動きを止めその場から去っていった。

 

 

 

 

 

To.Be.Continued...

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