目が覚めた時には何処かの室内だった。
え、何この状況。
あれからったい全体なにがどうなった。頭の中にはクモの巣が張っているようだ。
記憶の糸を上手く辿っていけない。
確かオレは意識を失って・・・・今、目覚めた・・・と。
そこで今度は自分の体へと意識を向ける。
なにやら白の布地がオレを包んでくれているみたいで、暖かい。
体はだるくて脳からの電気信号が通りそうにない。どうにか首を軽く動かしあたりを見渡すとこれまた白い仕切りで身体の上半分が囲まれていて、それも意味がないようだ。
仕方ない。そう。仕方なくする事ががないのでもう一度寝ることにする。
体勢が辛いのでせめて頭だけでも、ともぞもぞ位置を整える。
ガサガサ・・・・ごそごそ・・・・ガララ・・・ごろごろ。
うん。ここがベストポジショ・・
「ああっー!!フィリス先生ーー!!依光くんがーーーっ!!」タッタッタッタ
・・・・ん?
・・・・・・。全く状況がわからないオレは 慌ただしく去っていく者に呆然とするしかない。
まぁ先生って言ってたし、ここは学校なのかな・・・?
で、察するにフィリス先生とやらにオレの事を伝えにいったの訳ね。 或いは告げ口か。
後者なら確実に報復しないとなぁ。どうしてやろうっかなぁ。
そんなことを考えていると、先ほど誰かが出て行ったドアから白衣を着た小さい女の子が入ってきた。 笑顔で。
え・・・・・なにこの子めっちゃ怖いんだけど。
ちょっ!それ以上本気で近づかないでっ、いやっ、こわいっって!!
ーーーー***ーーーーーー
ガミガ
ガミガミガミ
ガミガミガミガミ、
ガミガミガミガミガミガミ。
「ほんと、ほんとーにっごめんなさい」
「もうっ! ホントに反省してるの? 」
ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ・・・・・・・・・・・。
「ふぅ。私からはこれくらいにしておきます。 次は親御さんからですよ」
「・・・?」
ガララッ!!
「「涼・・・ッ!」」
ウルウルウル・・・・、 ハグッ!!
シクシクシクシクシクシク、ナデコナデコ・・・・・・・・・ガミ、ガミミ。
ガミガミガミガミガミガミ・・・・・・・・・・・・・。ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ・・・・・・・・・・。
ーーーー***ーーーーーー
「ーーーーーー分かった?! 門限は5時よッ! 出かける時はどこに行くか伝えること! 誰もいなかったらメモでもなんでも書きなさい! ・・・・返事は?」
「えー・・・ 「涼ちゃん?」 わかりました」
「ふふっ、今回は涼が悪いね。こうなった母さんは止められないぞ?」
「あとは携帯ね。 カタログ取り寄せておかないと・・・・・・。たしか防犯機能とかGPSとかあるのよねぇ・・・。涼ちゃんも携帯欲しい時期が来るだろうし・・・・よし、明日買いに行きましょう!」
「えぇ・・・ いいよめんどくさい 「・・・涼ちゃん。」 って顔、父さんがしてます」
「あなた。 すこしお話しましょうか」
「・・・涼 あとで覚えてろ」
3人での帰り道、オレは父さんに背負ってもらっている。
そこでいろんな話を聞いた。
さっきまで居たところは「海鳴大学病院」といって、ここ海鳴市で一番大きな病院らしい。 そんな中で働く医師の一人がフィリス。 どうみても白衣羽織った子供にしか見えなかった、その事を暗にほのめかしてからかってみると定期検診させられそうになった。
他にも、倒れていたところを見つけてくれた人がいて その人が病院まで運んでくれた事も聞いた。 両親が病院から連絡を受け到着した頃には 帰ってしまっていたようで、どんな人かは不明。 幸い フィリスの知り合いらしく、菓子詰め程度なら渡しておいてくれるらしい。 後日、お礼の品を届けに行くこととなっている。両親が。
その人がどんな人間なのか、少し興味を持ったので 自称知り合いに聞いてみた。
すると 巫女だの 女の子だの 優しい子だのと、必要以上なことまで嬉しそうに話してくれた。
・・・・守秘義務とはなんだったのか。
何が嬉しいのやら、にこにこしながら話し続けるこの女。
両親も微笑ましそうに聞いていた気がする。
とりあえずオレもニコニコしながら、「お前何言ってんの?」的な視線を投げかけておいた。
先ほどまでの説教ムード漂う病室が一転。
友達を一生懸命自慢している姿が 見る者のこころをなごませる空間になっていた。
満足いったのか、やりきった顔で話し終えたフィリスは、 なんというか 何処ぞの担任とよく似ていた。
まー、そのあと失態に気づいて 赤面してたけどね。
そん時のオレは滅茶苦茶ニマニマしてたと思う。
話していると時間が経つのも早いもので、豪邸とまではいかないがそれなりに大きな一軒家が見えてきた。
・・・ふぅ。何はともあれ これで一見落着だ。
生きていたんだし、また明後日からは学校行かないとね。
ーーーー生きる屍こと依光涼。只今、帰宅いたしましたぁー。ーーーー
そんなこんなでオレは2日ぶりの 我が家に帰ってきた。
「なぁなぁ、兄ちゃん。それからどうなったん?」
「ん、 モシャモシャ。 携帯買ってもらったんだけど、母さんセンスなくてさ。・・・・ほらコレ 」
そういって通学カバンから例のブツを取り出し、優に見えるようテーブルにのせる。
「うわぁ・・・。 黄色くてゴツゴツや~。」
デザインは壊滅的にダサい。朝食のカラフルな色合いが映えるテーブルの中で、異色を放つ黄色い物体。 まぁオレの携帯なんだけど。
「性能だけが取り柄でさー。 防水・対ショック・高画質・カメラ機能 、登録した人の現在地が分かるGPS とか色々頑張ってるんだけどね」
母さん、GPSにしか興味なかったし。
「ジィピィエス、ってスゴイやつ?」
「あぁー・・・。 GPSってのは ガリレオ・パーフェクト・スペシャルの略称でな。要するにガリレオさんスゲーって事」
「すっごぉっ! 兄ちゃんは何でも知ってるよね!」
そんな会話を盗み聞きしていたのか父さんが味噌汁を吹き出す。 うわっ、飛んできたんだけど。
「ねぇあなた。 涼がまた変な事いってるんだけど?」
「ち、違うって!僕は確かにジョークを教えたこともある・・けど!最初の1回で母さんに怒られてからは約束を破ってないんだっ!信じてくれ・・・ッ」
「・・・・・・・・・。涼ちゃん 怒らないから正直に言ってね。今の父さんの話は本当なのかしら?」
父さん、 そんな目で見つめないでくれ。
仕方ないんだ・・・。元関西人の俺に 「ノリ・ツッコミ・ボケ」を我慢しろだなんて・・・・ッ!
何より我慢することによって気力を消費してしまう。
だから、
「No Sir.」
犠牲となったのだ。
「それじゃ、行ってきますねー!」
おニューの携帯も持ったし、カバンも持ってる。よし、準備OK。
後ろから聞こえてくる悲鳴を楽しみながら家を出る。
・・・・猫かぶり猫かぶり・・・。
これは自己暗示みたいなモノで、特に意味はないんだけど毎日欠かさない。
幼稚園に通うなんて精神修養か何かと思っていないと生きてられなかったからな。
思えば、幼稚園が一番鬼門だったのではなかろうか・・・・。
お、おまるに、昼寝。プールの時は・・・・・裸。すっぽんぽん。全裸で、スッポンポン・・・・。
・・・・・・・・
あぁぁあぁぁああぁぁぁぁぁ、気力がぁぁぁぁぁ。。。。
・後者なら確実に報復しないとなぁ。どうしてやろうっかなぁ。
おぉ・・・黒い黒い。
・小さい女の子(フィリス)
身長 - 153cm、体重 - 40kg、スリーサイズ - 73/48/74 これは仕方ない。
・母「涼ちゃん」
こうなると恐い。とゆうよりも危ない。だから涼はトラウマ。
・豪邸とまではいかないがそれなりに大きな一軒家
まさかのオカネもっち。実は資金源には秘密が・・・?
・涼の携帯
これはひどい。が、結構役に立つ。
・GPS
涼はGがガリレオとしか知らない。あとは適当。
・元関西人
関西人でも大阪弁とは限らない。実は結構ノリがいい。
・涼の「オレ」と「俺」
後者が素の状態。(家位) 前者は猫かぶり状態。