――――――――近頃、帝都ではある事件が多発していた。
その事件は帝都の富裕層のみならず、貧困層にも恐怖されるものであった。
”悪魔に脊椎を引き抜かれる”
字面だけでも身の毛がよだつような事件。
あるものは真夜中に
あるものは昼間に
あるものは早朝に
その事件の犯人は時を選ばず、それでいて犯人の手がかりとなるものは一切残さない。
まさに人々に恐怖される”悪魔”其のもの。
しかし、この悪魔に襲われた人物は皆、自身の快楽のため、利益のため、単なる差別で、他にも数々の犯罪とも言える行為を表裏関係なく行ってきた者ばかりであった。
故に人々は考える。
これは悪事を行う愚かな人間を戒めるために神が使わした使途ではないのか?と
この考えについては、人によって意見が分かれるのだが揃って皆表では強気に装っているのだが、裏では等しく”悪魔”に怯えている。
”次は貴様だ”と言われるのかと・・・・・・
「あ、悪魔・・・・。――――――悪魔がでt」
ズシュ
今宵もまた
獲物が狩人の存在に気付いた時には、既に長さ約50cmほどの鍵爪状の刃物によって喉元を貫かれ、その体は軽々と持ち上げられていた。
息絶えた獲物を持ち上げている大人の平均身長を大きく上回る筋肉質な肉体の大柄な男。
無機質な仮面のようなものから覗く瞳は、狩りを成功させたことに喜びを感じているのか、くつくつと笑うように鍵爪を獲物に刺したまま、力任せに頭ごと脊椎を引き抜く。
グシュリッ
鈍く、お世辞にも良いとは言えない音を立てて、獲物の頭と身体が別れる。
抜かれた頭から滴る深紅の血は、月の光に当てられて妖々しく輝き、その血に塗れて真っ赤に染まっている鍵爪から頭部を抜いて、鍵爪を右腕にあるガントレットに格納する。
ドタドタと人が部屋にやってくる足音を聞いて、男は人間とは思えない跳躍力で飛び上がり、獲物の住んでいた豪邸の中庭にある木の枝から枝に移り動いて、外壁を飛び越える。
この鮮やかな手際で行われる殺人。
だが犯人は果たして虐殺目的でこの事を行っているのだろうか?
その真意は本人しか分からない。
――――――――――――――――――――――
「ぐう・・・・、今回もまた私の手駒を殺ってくれましたね・・・・・」
宮殿と思わしき場所のある部屋の椅子に踏ん反り返っている、一代の富を包容しているかのような腹を持っている男はテーブルの上に置かれた報告書のような紙を見て恨めしそうに呟く。
「月二、三回のペースで陣営の者が殺されていく、この事は武力で劣る私の陣営にとって政治の立場での力も下げられる許容できない自体ですね」
報告書を覗いてみると、今まで”悪魔”に狩られた
死因も書いてあるのだが、皆家並み同じような死因ばかりでこの書類を書いた人物はさぞ楽ができたのだろう。
そして備考に必ず綴ってあるのは、被害者は皆等しく、脊椎、頭部が無いままの死体で発見されること。
普通に考えても暗殺者として行動するのであれば、何故ここまで脊椎と頭部に執着するかのようにするのであろうか?
今一番有力な説は、犯人は脊椎、または頭部を収集する趣味があると言うことにされているが、確かな証拠が死体の状態しかないので正直お手上げな状況である。
「この事態の収束には、エスデス将軍が不可欠ですねぇ。ナイトレイドのこともありますし早めに犯人は始末しなければなりませんけど・・・・」
この男にとって”悪魔”は自身の目的を阻害する障害物の一つにしか過ぎず、多々ある策を使えば仕留める事はできずとも、計画の邪魔をさせないほどには痛めつけれるだろうと思っていた。
しかしこの男の脳裏に浮かぶ映像には、悪魔が断頭台に掛けられているものではなく、自身が”悪魔”に首を貫かれているものだった。
無論男はそんなことは絶対にありえないとばかりに首を横に振って、頭の中をクリアにしようとするが、あの姿が分からぬ”悪魔”の二つの眼に見据えられたような感覚は人間の危険を知らせる恐怖をかき立て、男を精神的に苦しめる。
「・・・・・・。今日はもう、寝ましょうか・・・・・」
男はふらふらとその場から立ち上がって寝床に向かう。この男は策略家であるのだが、やはり恐怖と言う人間の深層にあるものには打ち勝てないのだ。
すげー短い。正直流れでやってしまったからどうしようもない。
あとスカーさんマジイケメン。
その他設定類はのちのちしますので・・・・。
それと帝具と主人公の戦闘能力云々についてはじわりじわりと明かしていきます。
エイリアン登場に対しては、今は検討中。出したらそれこそ原作迷子になりかねないですけど。
評価の際には何か良い点や、改善したほうがよい点などを挙げてくださればと思っております。