長らく筆を取っていなくて申し訳ないです。
しかしこの間にしていた勉学で防衛大に対する模試の判定がCに上がったぜ。(だが文才は変わらない模様、下手したら低下)
はい、ということで謎前後編使用の後編です。
それとコメントでもあったのですが、現在は原作に登場していたプレデターの猟犬っぽいのを出すか決めかねてます。
ではくだらない雑談はこのくらいにして。後編、どうぞ。
突然今まで飛んできていた弓矢がピタリと止む。まるで局地的な豪雨かと思えるほどの弾幕(?)は、どうやら相手側の矢切れで天候が好調したようだ。
となれば次の一手は誰もが思いつくこと。
打ち止めとなったガンナーは最早物言わぬ銅像に他ならない。
最後の一発と思える矢を展開したリスト・ブレイドで弾き、最も速度を出しやすいように回避兼移動に使っていた木の枝から飛び降り、木々に陽を遮られ青々しい草を踏みつけ走り出す。
弾かれた弓矢は音も立てず、サッっと草の上に落ち木々の隙間から差し込む微量の陽の光で鉄の矢じりが煌く。
それに呼応するかの如く、獲物に飢えるリスト・ブレイドの刃もきらりと輝く。
スカッフはフッと小さな笑みを漏らすこともなく、走る速度を上げていき空気を切り裂き続ける。
もし観客がいれば、この勝負はスカッフが頂いたと思うはずだった。
しかし次の瞬間。
突如としてスカッフの眼前に金属製の刃が飛び込んできた。
スカッフは当然前もって展開していたリスト・ブレイドでそれを弾き、一旦走りを止め先ほどまで勢いづいていた自身の体を、自分の心を戒めるかのようにズズズッと大きく音を立てながら停止させた。
彼の数メートル先に見えるは、してやったと言わんばかりの笑顔でこちらを見つめるサヨの顔と、人類が長らく付き合ってきた母なる恵みの一つである炎で燃え盛るボウガンに装填された弓矢であった。
スカッフが両腕のリスト・ブレイドを展開したのを確認するまでもなく、サヨはボウガンの引き金を引き、弓矢を放つ。
炎で燃えている弓矢は、既に矢じりの部分から箆へと炎が移動している状態でありながら落ちることなく直進し続ける。
ビュウ・・・という音を当てながら弓矢は突き進み、通った後の木の葉はざわざわと揺れ動き、宙には暗い森を照らす火の粉をまき散らす。
一瞬見とれてしまうほどの美しさを誇るが、それに惑わされてはいけない。
それは恐ろしくも生物の命を刈り取る力を持っているのだから。
最もこれを視認できるほどの視力を持っている人間などいるはずがないが。
これで本当に打ち止めであることが証明された弓矢を、正面にリスト・ブレイドで構えを取り数秒間の事だが、今か今かと待つ。
そして装着しているヘルメットのロックオン機能で赤い点が出てきた瞬間に――――――――――
「・・・・ハァ゙!!!!」
低い唸り声のような声を上げて、スカッフは右腕を全力で突き出して風を起こし、向かい風で微々たるものだが減速した弓矢を、左腕のリスト・ブレイドで燃え盛る矢を空へと弾き上げる。空へと打ち上げられた弓矢は木々の頭の上にまで飛んでいき、一瞬光った後にスカッフ近くの地面に突き刺さる。
勿論炎は地面に刺さった時点で消えており、森が燃えるということはなかった。
スカッフは地面に刺さった矢を抜き、矢自体に焦げ目が付いているだけの事に満足した様子で矢を仕舞ってサヨの方に目を配らせる。
当の本人であるサヨはクロスボウのレオプスと、刃を飛ばして残ったリスト・ブレイドの甲の部分をそこら辺に投げ置き、左腕にシミター・ブレイド、右手にはレイザーウィップを撓らせながら「さあ、かかってこい。相手になってやる」といった感じに構えていた。
ここで誘いに乗らない戦士はいない、いるはずがない。
スカッフはグググッと嬉しそうな素振りで喉を鳴らし、一切小細工の無いリスト・ブレイドをサヨに向けた後、再度走り出す。
ザッザッザと地面を踏みしめ、走った後には大きな足跡を残して突っ走る。
狙うはサヨのレイザーウィップとリスト・ブレイド。
今回は演習のため、戦闘続行不可能になり次第勝敗が出る事を考慮しての狙いだった。
スカッフとサヨの距離が数メートル以内に入った瞬間に、超近距離での格闘戦が始まった。
先手はサヨのレイザーウィップによるスカッフのちょうど一歩踏み出した右足で、相手の攻める勢いを削ぐ狙いでの攻撃であった。
レイザーウィップは風を勢いよく流しながら、スカッフの足に刃を絡めるべく撓る。
これに対してスカッフはわざと体制を崩し、頭を地面にぶつけると思わせるほどの速度で体を宙に浮かせ、彼女のレイザーウィップを躱し、更には彼女の胴に蹴りを入れて彼女を蹴り飛ばし、自身は体制を立て直して距離を取る。
人間の力を超えた存在に蹴りを入れられたサヨは、うっ、と吐き気に襲われるがそこは戦士としての訓練を受けた者、寸でのところで持ちこたえ気分を切り替える。
だがこれで両者互いに近接武器の間合いから離れることになったため、即座の追撃はなかった。
いや、これはスカッフの判断ミスなのかもしれない。この状況なら相手の反撃覚悟で一太刀浴びせるべきだったはずだ。
やはり戦士として人間から離れ始めたスカッフと言えども、この手の読みはまだまだと言えるだろう。
同族の戦士がいたら、馬鹿にされることはないだろうが何故あそこで攻めなかったと言われることは間違いないだろう。
とは言ったものの、スカッフも攻める事を失念していたのではないみたく、しっかりと好機と見て今度はスカッフが先手を取る。
先ほど同様、勢いを付けながら走り、立ち直ったばかりの相手に容赦なくリスト・ブレイドの突きや切り付けを繰り出す。
これに対するサヨの対応は、左腕のシミター・ブレイドで突き出された右腕のリスト・ブレイドを力任せに上へとかち上げ、上げられた事で連撃に狂いが出たスカッフの左腕のリスト・ブレイドにレイザーウィップを巻き付け、こちらも力任せに自身の方に引っ張る。
サヨの狙いはここでバランスを崩したスカッフの左腕、もしくは胴体に一発入れることだったが、その考えはいとも容易く崩れ去ることになった。
スカッフは引っ張られた勢いに任せて、右腕のリスト・ブレイドをハンマーの如く凄まじい速度で振り下ろしたのだ。
さすがにこんなものを生身(鎧でもやばいもの)で受けたら一溜りもないので、左腕のシミター・ブレイドを横にしてうまい具合に受けた衝撃を受け流そうとするが、そこはプレデターの人外の力、受け切ることはできたがサヨの左腕は衝撃で完全に感覚を失っていた。
サヨのもう一方の武装であるレイザーウィップはスカッフのリスト・ブレイドに巻き付いたままで使い物にならず、彼女の手札は終に切れたのであった。
そんな彼女はスカッフに対して、一言言った――――――――――――――――――
「こ、降参です」
彼女のクロスボウガンの試運転を兼ての演習は、やはりスカッフの方に軍配が上がったのであった。
っというわけで後編終わりました。
次回からは原作の話に絡みます。サヨちゃんとタツミの会話は後になると思いますが。
それとこの小説はタグにある通り、不定期更新ですので、これからも久しくお願いします。