「…ここはどこだ?」
何かまた同じことを言っている気がするが、決定的に違う部分がある。それは、周りが森であること、そして、
「なんで空が紫色なんだ?」
そう、空が紫色なのだ。何というかここが俺の知っている人間の住んでるところではないということだけはわかる。
悪魔とか天使がいるって話だから、ここは地獄やら冥界とかそんなところなんだろう。
それにしても、とても遠いがあっちの方で凄まじい爆音が聞こえる。それに…今俺が感じているものがドラゴンボールでいう''気”なのだとしたら、”三種類の気”が多数存在し、その”どれよりも巨大な二つの気”.そして、……数えきれないほどの”今にも消えそうな気”を感じる。……
「これは、急いだほうがよさそうだな。」
神様は傷ついているものたちを力を使って助けてあげて、と言っていた。俺が感じている気が正しいなら…
予想が外れて欲しいと祈りながら、人間には到底出せない超スピードで移動する。神様から貰った特典の力を実感できた。1分もしないうちに目的地に到着した。そこには、
「っ‼︎な…んだこれは」
想像以上の悲惨な光景だった。
森の木々は燃え、ところどころ抉れている。そして、見渡す限りの…死体……こんなこと…ありえるのか?
ドカーン‼︎
っ‼︎目の前の光景に驚愕していると、空から爆音が聞こえた。空を見上げると、たぶん悪魔と天使それと天使を黒くした奴ら、たぶん堕天使?だろうか。と赤と白の龍が戦っていた。
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本当ならば、神様から貰った力であの戦いをすぐに止めに行かないといけないんだろうが、今も龍にやられ地に落ちる者がいる中、俺は、死体の間を縫うようにして歩いていた。何故かはわからない。たぶん、誰か生きているんじゃないか、という望みと、一つ一つの死体を見るたびに何かが溢れそうになる。これが何なのか知りたかった。…
…それからいくつの死体を見ただろう。どれだけの時がたったかもわからない。その時、空でまた爆音が響いた。意識していなかった突然のことで歩みを止めずに空を見上げると、”死体”に足があたってしまった。言葉に出さず心の中で謝ると、
「そこに…誰…かいるのか?」
”死体”だと思っていたものから、声が聞こえた。
「おい‼︎大丈夫かっ⁈」
声をかけるが、
「誰も…いな…いのか?」
っ‼︎声が聞こえていないのか。目も見えていないのだろう。それが、すぐにわかるほどの酷い状態だった。
そばにいるのがわかるように右手を握る。
「そこにいるんだな……なら…頼…みたい…ことがある」
「こいつを…守ってやっ…てくれ」
そう言って”手”を握っている左手を上げる。
「こいつは…俺…の妻…なんだ…こいつだけには…生きて…いてほしい」
「だから…頼む‼︎」
っ‼︎俺はその悲痛な叫びに応じるように強く握り返す。
「あぁ…あんたは天使…なんだろうな」
何を言っているんだ?
「何も…見えないのに…金色の光を…感じる。」
そう言われて初めて気づいた。自分の身体が金色のオーラに包まれていることに
「あんたなら…あの龍を…なんとか…してくれる気が…する」
「頼ん…だ…ぞ…」
それを最期に、男の身体から命が抜け落ちた。だが、その”手”を握っている左手は死してなを”手”を握っている。身体のついていないその”手”だけを…
「…ふざけるな。」
そうか、やっと分かったこの身体から溢れそうなものがなんなのか。
「こんなことあってたまるか。」
これは、悲しみでも悔しさでも涙でもない
「あの、龍がやったのか。」
誰でも一度は経験してるはずの感情。だが、俺は前世から今までで初めての感情
「許さない…」
そう…これは…
「もう、誰も、傷つけさせやしない‼︎」
ーー怒りだー
「うぉああああああああああああああーーーーーーーっ‼︎‼︎」
そこに立つのは神々しい光を放つ黄金の戦士。
ここから伝説は始まる。