きんいろモザイク‐ボーイズ・ビー・アンビシャス‐   作:星の翼

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3話:男共でこんな話して悪いか?

アリス・カータレットが日本に編入し数日。

忍達との交流を中心に此方の生活に馴染んできたアリスは少しずつではあるが俺達とも話ができるようになっていた。

 

一限目は数学…以前行われたテストの返却だった。

各自答案を返される―アリスは先日編入したばかりなので今回のテストは不参加だ。

 

「(72点か………まあまあだな。)……ドラ、如何だった?」

「……………。」

 

無言で見せられた答案の右上に赤ペンで86と書かれていた。

 

「流石ドラさん…良い点数をお取りで…」

「勉強は学生の本文と言いますが理数はあまり不得手でござるよ」

「お前らは?」

「人に聞くときはまずは自分からだぜたけちゃん?」

「72点……で?」

「それがしは63点でござるよ。」

「………48、負けたぁ」

「…………もう少し勉強が必要だな。」

「ハッハッハ、面目ござらん、文系は得意でござるのになぁ。」

「今度秘訣教えてくれよ―それで、大宮ちゃんたちは如何だったの?」

 

「私は普通よ。宗像君は?」

「俺がビリ…って所かなぁ、猪熊は悪そうだな?」

「わ、悪いかよ…」

 

答案を隠している猪熊…さて、問題は

 

「私はあまりよくなかったので、綾ちゃんに勉強を教えてもらうかと思いまして。」

 

そう言って見せる忍の点数は――

 

「「「「……。」」」」

俺達の四人はしばしの沈黙の後、自分達の目を擦って再度確認する。

答案いっぱいのチェックマーク…右上に堂々大きく書かれた赤い丸…いな、丸と言う【0】の数字。

ああ、これはつまり―

 

「れ、零点?!」

 

小路が俺達の言葉を代弁してくれた。

 

「あんまりよくないって…これより下の点数はないわよ。この点数は信じられなす……」

「ナス?」

「そこに反応するな。」

 

動揺から噛んだ綾―まあ、人生で0点なんか見る事はまず無いだろうから、俺たちにとってはかなり貴重(?)な体験でもある。

因みに宗吾は噛んだ台詞を何度も忍に(無悪意だが)繰り返されて顔を真っ赤にしている綾をちらちら見ていた。

 

 

 

 

「アリスもえー!」

「如何したいきなり?」

 

突然アリスに抱き着く陽子に驚く

 

「何やってるんだいきなり」

「そうでござるぞ!猪熊殿!!それに萌えに対する愛で方が全然なっておらんでござる!!!」

「そういう話でもねぇからな!!!」

 

「もえーって何?

「さあ、何だろう?」

「知らずに使ってたんかい……」

 

でも、言われてみれば確かにこのもえって何なんだ?

 

「お前ならわかるだろ?観九郎?」

「ふむ―そう言われますと、某にも何と答えたら」

「もえって確かこう書くわよね」

 

そう言って小路が黒板に字を書くが―

 

「あれ?何かが違う」

「見れば見るほどわからなくなる!」

そう―似ているのに、どことなく違う。

具体的には草冠の下が【非】になってたり【月】が二つになってたり。

 

「ゲシュタルト崩壊でござるな?」

「それはそれで違うだろう?…【もえ】ってこう書くんだろ?」

 

 

そう言って宗吾が書くが―

 

【燃】

「「「うん違う、あってるけど違う」」」

 

満場一致の返答―確かに【もえ】だが―今はそれじゃない

 

「わかってるよ、冗談に決まってんだろ」

「………………。」

 

徐にドラがチョークを手に取る。

書いた字は―

 

【絶】

「「「「何で?」」」」

 

ホワイ?何故?今?此処で?絶の字を?

そして―宗吾の書いた【燃】の字と【絶】の真ん中に【十】を書いて最後に【二】を書く。

 

「【燃十絶二】?」

「四字熟語か?けど、んなもんあったか?」

 

 

唐突な問いに全員が首をかしげる

そんな中で観九郎がきらりと自身の眼鏡を閃かせる。

 

「成程―そう言う事でござるな」

「!何かわかったのか観九郎…」

「うむ―まず最初に―この【十】と【二】は感じではござらん。これは数字の【プラス】と【イコール】でござる。」

 

そういわれて改めて見てみると―確かに【十】は二つの漢字より小さく書かれてるし、【二】は上下の横棒の長さが同じだ。

 

「つまりぃ~…これは【燃】と【絶】を足せって事?」

「(コクリ…」

「でも、これって漢字にならないんじゃないかしら?」

「フッフッフ、これは―ある人物を表しているのでござる。」

「「ナ、ナンダッテー!?」」

「龍寅殿―貴方が求める答えは―これでござろうッ!!」

 

 

「ずばりでござる―この二つから絞られるもの―それは!!」

 

チョークを手に大きく堂々と描かれたその言葉は――

 

【織田信長】

 

「【鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス】……そういうことでござろう!龍寅殿!」

「(コクリ」

「「「「えぇ~~~」」」」

 

何で今ここでそんなクイズを?アリスちゃん―サムライって呟いて観九郎に拍手送るのは止めて、見てるこっちがすげぇ恥ずかしいから―ってか件のもえと全然関係なくね?

ドラも時々見た目によらずお茶目なところがある―ってか、話完全に脱線してるんだが?

そうしてるうちに忍が本来の題だった【萌】の字を書く・

 

「これは当て字なんですよー。元はぴょーんみたいな効果音が語源です。」

「そうなの?」

「ほお、それは初耳でござるな。」

「違うからな」

 

珍しく忍が活躍すると思ったら、でたらめな講座が始まりやがった

仕方ない―変な知識を広められる前に俺が正しい漢字を教えてやる。

全員を座らせ―俺がチョークを片手に講座が始まる。

 

「この【萌】の字と言うのは【草の芽が出はじめる事】を意味し、その事から【物事が起こりはじめる】と言う意味になっているんだ。それ故にこの漢字には植物の事を関連付けさせるこの【草冠】が使われているのだ。」

「じゃあ、何でその漢字がアニメとかそこらへんに使われるようになったんだ?」

「大まかな意味は観九郎が話してくれた通りだ―そしてそこでの意味合いで言うのなら、この言葉が恋愛感情を意味するとは限らない。強いて言えば未成熟な恋愛感情と言う意味が有力説なのだろうな。」

「「「成程ぉ―」」」

 

全員が納得行った回答を出せたようだ―ってか、休み時間に何でこんな国語の授業やることになったんだ?

ってか、一応まだほかのクラスメートも居るからすげぇ恥ずかしいんだが!!

 

 

 

 

 

その日の昼休み―基本的に昼食時、俺達は男女は離れて食べる―集まりすぎて周囲の邪魔になるのを考慮したからだ。

 

 

「やあ、皆―」

「久遠―珍しいなこっちに来るなんて」

「僕だってたまには皆さんと楽しく食事をしたいですよ。」

 

弁当箱を手に隣のクラスから八房久遠がやって来た。

久遠は登校時や下校時位にしかこっちに来ない―軽くではあるが久遠もアリスとの面識を済ませている。

いきなり日本のでたらめな風習を吹聴してからかったのにはその場にいた全員が呆れたが―

 

「宗吾―食事中はそのヘッドホン外したらどうですか?」

「……外したらテメェの嫌味が聞こえるから外さねぇんだよ。」

「チッ」

「今打ちしたなてめぇ」

「っと言うか、聞こえているのでござるな。」

「………………。」

「…………珍しいなドラ、お前が弁当とは」

「………上の妹が、作ってくれた。」

「ああ、美鶴ちゃんだよな。もう中3だっけ?」

「(コクリ」

 

ドラ‐龍寅には下に4人の妹弟がいる…つまり5人兄妹の長男だ。

 

「美鶴ちゃんは高校何処に行くか決まってるんですか?」

「…………此処」

「まぁ~そうだろうなぁ、やっぱり兄貴と一緒が落ち着くよな」

「そういうなら―宗吾の妹さんは如何するのですか?」

「夏希も此処にするだとよ―。」

「他に高校と言っても勇さんが通ってる高校位しかないからな」

「家からも近いですし、何よりも女子からは制服が可愛いと人気でもござるからなぁ~、」

「……………他にも理由はあるが―」

 

そう言って―ドラが宗吾を見る。

 

「…? 如何したドラさん?」

「…………………何でもない。」

「え?何?すげぇ気になるんだけど……」

「………………。」

「? ?? ???」

 

半眼で睨んだ後何も言わずに黙々と弁当を食べるドラ―理由もわからず首をかしげる宗吾。

まぁ、何が理由かは―そこはまた今度の話としよう。

 

「はあ、一方通行でござるなぁ~」

「進展すれば良いんだけどな」

「お前らは何の話をしてるんだよ。」

「…………宗吾、万が一妹泣かせたら、お前を殺す。」

「え?は?!何でドラさん!?」

 

「ニヤニヤ…」

「久遠―お前こうなる事分かってて話振ったな?」

「おやバレました?」

「その顔見ればわかる―お前、恋人できないぞ?」

「ああ……それは確かに困りますね。」

「だったら、そういう内容で宗吾弄るのはいい加減止めとけよ?お前だって…………ん?」

 

 

 

 

「? 如何しました?」

 

そう言えば―久遠って―

 

「お前、好きなやつ居るのか?」

「はい?」

「いや―宗吾がバレバレだから気づかなかったが、俺達―そういう話題無いよな?」

「ちょっとたけちゃーん?すげぇ聞き捨てならない事普通に言われた気がするんですがー?」

 

宗吾が何か言ってるが今は無視―

 

「まあまあでござるよ。でも、確かにそう言われると気になるでござるなぁ~」

「恋話は何も女だけのものって訳じゃないからな―中学からの付き合いだ。払わって話してみるか_」

「…まぁ、だからと言って相手の名前まで出すのは気が引けるでござるよなぁ」

「じゃあまあ、居る居ないで決めるか?」

「(コクリ」

「良しじゃあ、周りには聞こえない程度で―俺は」

「「「「ああ知ってる」」」」

「おい、何だこの反応!?ってか何で知ってるんだよ?!」

「「「「いや、すげぇ分からるから。」」」」

「ファッ!?」

 

宗吾が慌てだす、だって中学からの付き合いだぞ?

お前すげぇ分かりやすいもん―

 

「いいいいいいいいいった、い、だだだだ、誰だと言うんだよッ?!」

「「「「………。」」」」

 

少し話し合い―回答役はドラさんに決定。

ドラさんがぼそぼそと耳打ちで答える。

さて結果―

 

「……………………。」

「成程、正解だな」

 

無言を貫くが顔真っ赤汗だらだら―完全な図星である。

さて―宗吾が誰を好きなのかはこれを知るのはまたの機会にしてもらおうか。

 

 

「そそそそ、そんな事より次だ次ィ!!!ドラさん!!!」

「(フルフル」

 

話を強引に進めるようにあてずっぽうの宗吾からの指名に無言で静かに首を横に振るドラさん。

 

「その特に動揺もないからガチでござるな~」

「そんな事だろ!!ドラさん居るだろ?!居てくれよ!!!頼むから!!俺を救ってくれぇ!!!」

「宗吾落ち着け!皆見てから。」

 

変な注目の視線にさらされて湯気を吹き出しながらうつむく。

それに混乱しているとはいえ、次に振る相手を間違えたな宗吾、ドンマイ。 あとはお前の努力次第だからな。

 

「某も今の所心にどきゅんと来る女性はいませんなぁ~……三次元には」

「…………二次元には?」

「そりゃあもう!某の嫁が沢山居るでござるぞ!!永久不朽不滅の愛でござる!!」

「ガッツポーズ取られてもな……久遠は如何だ?」

「そうですねぇ~…まぁ、好きな人はいますよ?」

「おおやはり!それはどんな人でござるか?」

「宗吾です。」

 

 

 

「……はっ?」

「宗吾です。」

 

 

 

 

 

「っておいおいおいおい、何だこの変な間はッ?!」

「宗吾です。」

「もう良いよ!!言わなくていいよ!わかったよ!!」

 

顔真っ赤にする宗吾―まぁ無理もないか。面と向かって好きなんて言葉言恥ずかしいもんな。特に久遠は世辞抜きで美男子の部類に入るほど中世的な顔立ちだ―ガチで女装すればいけるかもしれないレベルの。だからと言って此処まで堂々とそんな台詞言うのには―聞いてる俺らもちょっと恥ずかしくなってきた。

 

「お前のはあれだろ?弄る的なそれだろ?!」

「それ以外何が?」

「この鬼畜眼鏡はぁ~~ッ」

 

怒りに震える宗吾をなだめる。

此処まではお約束だが―観九郎が不穏な言葉を放った。

 

「成程―やはりそう言う事でござるな。」

「ん?何だよ観九郎」

「宗吾殿―久遠殿―やはりお二人はそういう関係でござるね?」

「おい、待て観九郎!?何だ、その不穏な言葉は!?」

「知りたいでござるか?」

「いやだからなんのだよ?」

「わが学園が誇るBL鉄板―通称【鬼畜眼鏡のちょうk(止めろー、止めてくれ、何のことかは知らないけど聞きたくない!!!聞いちゃいけない、俺ぇ!!!!」

「だから落ち着け宗吾!皆注目してるから!!」

 

だが気持ちは分かるから!!発狂物だって事は察するから!!

 

「他にもあるでござるぞ―タイトルは【巨人とモノノフ】。」

「待て観九郎!!この話はもう止めよう、何の事かはわからないが開いてはいけない扉だそれはッ!!!一生南京錠掛けて隔離しておくべき代物だ!!」

 

いや―何のことかわからないがこれは俺達に矛先向いてる気がしてならないタイトルだ。触れてはいけない。腐臭を感じるッ!!

全く恐ろしい片鱗を見た―否、聞いた感覚だ。

出来るのならこの話題には二度と触れたくないぞ―

 

「…………武、これは何の話なんだ?」

「聞くなドラ。そして知るなドラ」

 

お前は―分からないが、綺麗なままでいてくれ。

切実に―そう願う。

 

とにかく―平常心を取り戻し等々俺の出番が来た。

 

「…で?たけちゃんは居るのかよ?」

「…………………居ない。」

「「「「(あ、これ絶対居るわ。しかも身近に)」」」」

「……何だ?」

「いやぁ~まさか武殿にも居ったとは」

「!いや、俺は居ないと答えたが?」

「隠すな隠すな―俺にはわかるぞぉ?その反応!!」

「宗吾と反応が似てましたからね」

「なんで俺が出て来るんだよ?!」

「ええい!相手は特定しないという話だろうが!!この話はこれで終わりだ!!」

「「「ええぇ~」」」

「ええぇ~じゃないんだよ。」

 

そう言って俺は話を強制的に終わらせた。

 




生徒手帳―その3

名前:千手 観九郎
なまえ:ちて かんくろう
身長:166cm
体重:43kg
好き・趣味:二次元・コスプレ衣装(着るのではく集める事)・オムレツ
嫌い・苦手:甘いもの(ケーキ類)・リアルメイド(夢が壊れる)
得意教科:文系全般 苦手教科:数学

座右の銘:知らぬが仏
キャラ印象:【ござる】・【眼鏡】・【オタク】

紹介
オタクの眼鏡男子。
一人称は【某】や二人称に【~殿】、語尾には【ござる】を付けるなどオタク道全開であるが優しく誰に対しても分け隔てなく接することができ、交友関係も広い。
女性に対しては敬遠されがちだが忍達のように接してくれる女子も多い―寧ろ㊙な情報源を持ち校内では【情報屋】としても有名人。
最近の悩みは語尾の影響でアリスから【サムライ】と勘違いされて居る事
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