魔法少女リリカルなのはINNOCENT ブレイブバトル   作:blueocean

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こんにちはblueoceanです。

前回の事件が解決していませんがEXTRAを挟ませてもらいます。



EXTRADUEL3 期待の新人ちびっ子ルーキー

「………」

「何かなのはの奴機嫌悪くないか?」

 

ここはホビーショップT&H。今日は日曜でもあり、イベントもあるので多くのお客さんが来ていた。

そこにいるなのはとヴィータ、そしてフェイト。

 

「えっとね………何時もはバルトが試合を見たり戦ってたりしてたんだけどここ最近居ないの」

 

と苦笑いしつつ答えるフェイト。

 

「バルト………?」

 

その名前に心当たりがあったヴィータだが、中々顔が思い出せず断念した。

 

「まあいいや。なのは、きょうはイベントで盛り上がってるんだしちゃんとしろよな」

「分かってるよぅ………」

 

とつまらなそうに呟くなのは。

 

「それじゃあお願いね2人共」

 

フェイトの言葉に頷き、2人は準備を始めた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………つまらん!!」

「きゃ!?」

「もう!いきなり叫ばないでよ!!」

 

バルトの突然の大声に1人の少女が文句を言った。

ここはエローシュ達の学校の体育館ステージ下にある一室。元々は物置部屋だったが滅多に使われることもない為秘密基地として勝手に使っているのだ。

 

そして今日は日曜日。朝にエローシュから連絡があり、集まっているのだが暫く時間が過ぎても呼んだ本人が来ない。

 

「わ、悪い、最近戦ってねえからストレスが………」

「エローシュに言われたでしょ?大会までに無闇に実力を見せ付ける必要は無いって」

 

と言う、目がキリッとした気の強そうな少女は千歳夏穂と言い、伸也の幼稚園の頃からの幼馴染でそれからの付き合いである。

 

「そうですよぅ………」

「黙れ劣化なのは」

「はうっ!?」

 

バルトにキツい一言を言われ、涙目で固まるもう1人の少女。同年代の女の子と比べても小さめで気の弱そうな彼女は真白雫と言い、夏穂とは違い、昔からの幼馴染では無いがとても仲がいい。

 

「ちょっと!!言い過ぎよ!!それに雫はまだ初心者なんだから無茶言わないでよ!!」

「だから劣化なのはじゃねえか」

 

とは言え全く実力が無い訳では無かった。なのはと同様にセイグリッド、そして同タイプのデバイスを使う為、なのはのスキルを使用可能。逆になのはには使え無いスキルがあったりと、この先はもしかしたらなのは以上に成長するかもしれない逸材なのだ。

 

「ふん、まだ慣れてないだけで少しすればあんたなんか直ぐ手が出なくなるわ!」

「ちっ………」

 

舌打ちをしつつ部屋を出る。

 

「ちょっと、どこ行くのよ!?エローシュが部屋に居ろって!!」

「散歩だ。来たら連絡寄越せって言っとけ」

 

そう言い残し出て行ってしまった。

 

「何なのよあいつは!!」

「で、でも言ってる事は事実だし………」

「雫は頑張ってるわよ!!私達の無理矢理な勧誘にも嫌な顔せず付き合ってくれたし、今じゃ雫がうちのチームの最大火力なんだから!!………あんな新人に言いように言われないように頑張りましょ!!」

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いた!わああぁぁ………!!」

 

日曜日のホビーショップT&Hは連日以上に大盛況で沢山の人の楽しそうな声で溢れかえっていた。

 

「凄い人〜!!」

「きょ、今日はイベントがあるからそれに参加する人、見に来た人が一杯いるからいつもよりも多く来てるのよ」

 

青い髪のボーイッシュな女の子とオレンジのツインテールの女の子が共にホビーショップへと来ていた。しかしテンションの高い青い髪の子に対してオレンジの髪の子は緊張気味だ。

 

「イベント………?あっ!!!」

 

店先に設置してあるモニターからイベントの映像が映し出されていた。そこには普段とは違う黒いウサギをモチーフにしたような私服姿で戦うなのはとヴィータが映っていた。

 

「なのはさんだ!!!かっこいいなぁ………」

「何処がだ?」

 

青い髪の子が見惚れている隣で金髪の上級生の男が聞こえるように言った。

 

「むっ………かっこいいじゃないですか!あの流れる動きに強力な砲撃。どんな相手だって逃げずに立ち向かう勇気!!」

「あいつの場合、ただの蛮勇だがな」

「あの………!!」

「だがまあ確かに強い。………だからこそ倒し甲斐がある」

 

怒りで言い返そうと思ったが、言うのを止めた。

 

「お兄さん、なのはさんを知ってるの?」

「まあな。そして本気のあいつに完全に勝つ事が今の目標でもある」

「そうなんだ………」

「しかし、今日イベントやってんのか………シミュレーターは空いてるだろうが相手がいなさそうだな………」

「ねえ、だったらブレイブデュエル教えてよ!!ランスターさんと一緒に!!」

 

そう言って先ほどから蚊帳の外だったツインテールの女の子を指差した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、ちびっ子!」

「ちびっ子じゃなくて先輩!!……ってあれ?バルト君久々だね」

 

店に入って早々慌ただしく動くアリシアを見つける。

何故かバニーガール衣装を着ているが、バルトには背伸びしている女の子にしか見えない。

 

「久々っていうほど前から時間経ってねえけどな。相変わらず注目を浴びるのが好きみたいだな。よくもまあ堂々とそんな格好できるな………今度はフェイトにもさせろよ?」

「フェイトは恥ずかしいって嫌がっちゃって………どう?可愛いでしょ、うさぎちゃん」

 

と長い耳をピクピクと動かしてみる。

 

「アリシアちゃん、実況実況!!」

「あっ、ごめんエイミィ!!それじゃあ私は司会しないと………今日はフェイトが近くにいるから用があったら声かけて!!」

 

そう言って後ろにいた2人には気が付かず、慌ただしく離れていった。

 

「忙しそうだな……取り敢えずフェイトは………と」

 

辺りを見渡すと直ぐにその姿を見つける事が出来た。

 

「……何かパニクってるな」

 

妙に大人の男ばかりで何かを質問しているように見えない。

 

「2人共、ちょっとここで待ってろ」

 

気になったバルトは2人を待たせ、フェイトの所へ向かった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからそう言うのは………」

「別に良いでしょ?ファンサービスも有名プレーヤーの仕事だと思うよ〜」

 

とチャラ目の男が呟く。

 

「ぼ、ぼ、僕はい、一緒にしゃ、写真を………」

 

更に小太りで少し汗をかいた男がカメラを持って迫る。

 

「ごめんなさい………写真も勝手に取らないで下さい!!」

 

と注意するものの、取り巻きになっている男達は言うことを聞いてくれそうにない。

助けを呼ぼうにも店の人は皆忙しく駆けつけられる状況では無かった。

 

「ねえ、だったら連絡先交換しよう!!お兄さんが楽しませてあげるよ!!」

「良い加減に……」

 

「すいませ〜ん、警察の方こっちで〜す!!大の大人達が少女を取り囲んで何かしようとしてま〜す!!!」

「「「「「!?」」」」」

 

男達が慌てて周りを見渡す。

 

「何だ警察なんていないじゃねえか………」

「だ、誰がこんないたずらを……酷いよね、フェイトちゃ………」

 

先程フェイトが居た場所にはホビーショップT&Hのプリントが描かれているエプロンを着けたフェイトの母、プレシアが居た。

 

「私の娘に何か用だったのかしら………?」

 

冷たく、そして冷ややかな眼差しは取り囲んでいた男達を震え上がらせる。

 

「そうだ!折角だし娘の話がしたいなら付き合うわ。さあこっちに来てちょうだい………」

 

男達は無言でその後を着いていく。逃げようとすれば容易に逃げられるだろう。しかし恐怖に支配されている彼等にその選択肢は無かった。

 

「本当に怖えなお前の母さんは………」

「…………」

 

バルトに見つからないように密着して隠れているフェイト。

 

「もう大丈夫だろう。全く、人気者は辛いな」

 

離れてそう話すがフェイトは固まって反応が無い。

 

「おーい、フェイトさんやーい」

「ふぇ!?……ああ、バルト………」

 

顔の前で手を振るわれ、やっと気が付いたフェイト。

 

「あっ、あの人達は?」

「今頃プレシアさんのオハナシタイム」

「そう………」

 

そう小さく呟くと大きく息を吐いた。

 

「災難だったな」

「今日は特に酷かったなぁ………」

 

と少し苦笑いしながら答えるフェイト。

 

「………無理に手伝う必要はないんじゃないか?お前の姉はあんなだけど無理矢理合わせる必要はないだろ?」

「うん、分かってる。………だけど私も沢山の人にブレイブデュエルを楽しんでもらいたいから………」

「そうか………」

 

そんなフェイトの言葉に感心するバルト。

 

(苦手なのに一生懸命頑張るか………健気だな………)

 

「まあ頑張れよ」

「ありがとうバルト」

 

微笑みかけられバルトの胸が高鳴る。

 

(人気の理由がよく分かるな………)

 

と思いながらも本題に入った。

 

「フェイト、ちょっと手伝ってもらいたいんだが………」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪い、待たせたな」

 

先程待ってろと言った場所に行くと、ちゃんと2人共待っていた。

 

「遅いよ〜!!」

「悪い悪い。こちら案内役の上位美少女ランカーフェイト・テスタロッサだ」

「び、美少女なんて………フェイト・テスタロッサです」

「な、中島スバルです!よ、よろしくお願いします!!」

「うん、よろし………ってティアナ?」

 

フェイトに名前を呼ばれてビクっと反応するティアナ。

 

「こ、こんにちは………」

「ティアナもブレイブデュエルしに来たの?」

「い、いえ、今日は………」

「凄い!!ランスターさん、フェイトさんと知り合いだったんだ!!!」

 

といきなりスバルが2人の会話を遮って話に入ってきた。

 

「でもそうか!!さっきお姉さんもここで働いてるって言ってたもんね、知っててもおかしくないか!!」

 

と、勝手に自己完結するスバル。

そんな中、ティアナは言葉を続けた。

 

「で、でね、まだ言ってない事があるんだけど………」

「えっ?何?」

「私、女の子なのに結構ゲームが好きで……特にシューティングゲームが好きで、そんな女の子珍しいから引かれちゃうんじゃないかな………って思って今までずっと誘われてたけど断り続けてたの」

 

「なるほど………確かにあり得ない話じゃないかもな」

 

とバルトが呟く。ブレイブデュエルは兎も角シューティングゲームを好きな女の子は確かに少ないだろう。

 

「何でシューティングゲームが好きだと引かれるの?別に良いと思うけど………」

「えっ……?」

 

予想外のスバルの反応にティアナはキョトンとしている。

 

「だってカッコいいじゃん!!」

「そ、そう………?」

「うん!!私一度やった事あるけど全然出来なかったし………凄いと思うよ!!」

「あ、ありがと………」

 

そんなスバルにティアナは初めて安心したのか笑顔を見せた。

 

「そんなティアナに朗報だよ。今日のイベントでレアのガンナーとストライカーのアバターをゲットできるチャンスがあるから、手に入れたらティアナの得意な戦闘が出来るかもね」

「ガンナー……」

 

それを聞くと最初に来た時よりもやる気の満ちた顔になる。

 

「ティアナはテストプレイしかした事なかったよね?そっちの君は………」

「ホルダーは持ってます!!お姉ちゃん達や妹達は持ってて、私も八神堂で貰うだけ貰いました!!………けどあの時シュミレーターははやてさんと同年代の男の子が喧嘩してて………」

 

バルトは心当たりがあったが、取り敢えず今は関係無いので置いておいた。

 

「じゃあ初めてなの?」

「はい!!」

「なら俺が見てやるよ。シュミレーター空いてるよな?」

「うん。みんなイベントに夢中だから」

「ならOKだな。やるかスバル!」

「お願いします!!」

 

押忍!!と武道の挨拶をし、シュミレーターに向かう2人。

 

「ティアナはいいの?」

「私は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ取り敢えず思った様にかかって来い」

「はい!!行くよマッハキャリバー!!」

『了解だ相棒!!』

 

ローラースケートを付けたスバル。

 

「珍しいな………武器と言う感じはしないがさて………」

 

と相手の動きを見計らっていると、ローラーが回転し、そしてスバルが動きだす。

 

(速っ!?)

 

咄嗟に避けたバルトの場所を超えて、先のビルに突っ込んだ。

 

「痛たた………」

「瞬間的なスピードは凄いな………いきなりトップスピードか」

「ま、まだまだ!!」

 

体勢を立て直したスバルはスケートの選手の様に体勢を低くし、片手を地面に付けた。そして勢いよく回転するローラー。

 

(………来る!!)

 

スタートと同時に一気にトップスピードで来るスバルの動きは異質だ。

 

「はぁ!!」

「くっ!?」

 

スバルの回し蹴りをなんとか防ぐ。

離れているにも関わらず、すぐ目の前に迫ってくる。タイミングも間も関係無かった。

 

(速さはライトニングよりも少し遅い………だが、あの加速力は脅威だ。さすがに距離があれば何とかなりそうだが、ミドルレンジまで近づかれたらスバルの距離になってしまう。後はあの加速はいつでも使えるかだな)

 

先程見たローラーの回転。あれが加速力を生み出しているのでは無いかとバルトは考えた。

 

「くそっ、攻撃が通らない………!!」

「甘いな!!」

 

痺れを切らして蹴りが大振りになった所を見て、斧でスバルを弾き返す。

 

「良し!!」

 

スバルが大きく体勢を崩したのを見て大きく距離を取った。

 

「逃がすかぁ!!」

 

スバルはバルトの意図など気にせず、直ぐに追いかける為、マッハキャリバーに力を込める。

 

(やはり………)

 

マッハキャリバーのローラーが高速回転した所でスバルは駆け出した。

 

「予想通りだな」

 

瞬間的なスピードには驚いたが、距離を取ればその分時間が出来るので幾らでも対応できる。

 

「ふん!!」

「うわっ!?」

 

スバルは頭を抑えられ、力ずくで倒されてしまった。

 

「………」

「一直線に向かってくるだけじゃ誰だって対応できるからある程度の工夫は必要だな」

 

そう呟きながら離れるバルトをスバルはじっと見つめていた。

 

「ん?どうした?」

「………師匠!!」

「………は?」

「次お願いします師匠!!」

「いやいやちょっと待て、落ち着け」

「はい?」

 

不思議そうな顔でバルトを見るスバル。

 

(その顔はむしろ俺の方だろ………)

 

と内心思いながら口を開く。

 

「いやだから何で俺が師匠なんだ?」

「だって色々と教えてくれるし、何となく武術をお母さんから教わってるみたいだから」

「……要するに先生みたいって事か?」

「うん!!」

 

と元気よく返事をするが、バルトにとっては面倒な状況だった。

 

「俺もまだ初めて1ヶ月経ってないから初心者みたいなもんなんだが………」

「関係無いです!!」

「俺は武術の経験とかないぞ?」

「関係無いです!!」

「俺、師匠とか嫌なんだけど………」

「関係無いです!!」

「おい………」

 

バルトの意見は関係無い様だ。

 

「お願いします!!バルトさん、いえ師匠!!」

(断っても折れるまで続きそうだな………)

 

と感じたバルトの答えは早かった。

 

「分かった。何か出来るとは思えねえが勝手にしな」

「ありがとうございます師匠!!」

「おいくっつくな!!」

「あたっ!?」

 

抱きついてくるスバルを引き剥がし、拳骨を落としたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か仲良くなったみたいだね」

「………そうですね」

 

その後何回かバルトがアドバイスするような形でブレイブデュエルを楽しむ2人。

 

「ティアナも一緒にやればいいのに………」

「………今からじゃ混じりづらいから………」

「そう………」

 

フェイトはティアナの性格をよく分かっていた。家族ぐるみの付き合いがあるのもそうだが、中々親友と呼べるような友達が出来ないとティアナの姉、リニス・ランスターから聞いていたのだ。

 

(あのスバルっていう子は良いきっかけになると思ったんだけどなぁ………)

 

そんな事を思ってるとゲームから2人が出てきた。

 

「この手ならばあの2人の隙を突く事が出来るとは思うぞ」

「はい!!頑張ります!!」

 

と元気よく挨拶をし、イベントの方へ向かう。

 

「あれ?スバル、イベントに参加するの?」

「ああ。一応難しいぞとは言ったんだが、『ランスターさんと一緒にもやりたいから、欲しそうにしてたあのガンナーを取ってくる』ってな」

「えっ………?」

「お前はどうするティアナ?」

「どうするって言われても………」

「あいつがお前の為に戦うのに見ているだけか?」

「でも………」

 

気持ちはあるが、どうしても後一歩が踏み出せない。そんな顔で俯くティアナ。

 

「………あいつは俺とやってる時もお前の事を考えてたぞ。あいつの想いに答えてやったらどうだ?」

 

「私は………!!」

 

そう呟いた後、意を決した顔でスバルの後を追った。

 

「へぇ………」

「何だよ?」

 

ニヤニヤしながらバルトの顔を見るフェイト。

 

「いえいえ、何かとても優しいなぁ……って思って。………ありがとね」

「ん?何が?」

「ティアナってどうしても後一歩踏み出せないところがあるから………その一歩を踏み出す勇気をバルトがくれたから………」

「べ、別にそんなんじゃねえよ」

 

微笑みながらお礼を言うフェイトに思わず照れてしまったバルト。

 

「でないとスバルの奴、ティアナを放っておいてずっと俺とブレイブデュエルしていたかもしれなかったしな………」

「それは流石に………あの様子だと無いって言えないなぁ……」

 

と苦笑いしながら呟くフェイト。

 

「まあ兎に角あいつらのデュエル見に行こうぜ」

「そうだね」

 

そう言って2人もイベントの方へと向かった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嬉しいなぁ〜!ランスターさんも一緒だなんて!!」

「そ、そう?」

 

イベントの順番待ち。名前を呼ばれるまで挑戦者達の戦いを見ていた2人だったが、嬉しさを我慢出来なかったスバルがウキウキしながら話し始めた。

 

「うん!!だってずっと一緒にやってみたかったんだもん!!」

「どうして私なの?あんたなら他にも友達沢山いたでしょ………?」

 

少し緊張しながらティアナが聞いてみた。

 

「う〜ん………勘!!」

「勘!?」

「うん!理由は分からないけど、ランスターさんを初めて見た時から思ったんだ。ランスターさんとブレイブデュエルをやりたいって!!きっとランスターさんのプレイしている姿はカッコいいって!!」

 

そんなスバルの真っ直ぐな言葉にティアナの顔が赤くなる。

 

「そ、それって………」

 

その後の言葉は緊張してハッキリと言えなかった。

 

「ん?ランスターさん何か………」

『お待たせしましました!!整理番号80番の方どうぞ〜!!』

 

「あっ、呼ばれた!!行こうランスターさん!!」

「え、ええ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、今度は2人か」

「次はどんな子達だろうね?」

 

待ち構えたなのはとヴィータを見て、少し後ずさりしてしまうティアナと目をキラキラさせるスバル。

 

「あ、あの!!初めまして中島スバルです!!!大会のビデオはイベントの画像見ました!!!とてもかっこよかったです!!!大ファンです!!!!」

「にゃ!?」

 

ダッシュでなのはの手を取り、堂々と大胆に告白するスバル。

 

「何してるの!!始まるんだからその前に作戦会議でしょ!!」

「えっ?ちょ!?痛いよランスターさん!!」

 

耳を引っ張られ連れていかれるスバル。

 

「あはは………」

「前の大会からなのはのファンも増えたよなぁ………」

「ヴィータちゃんもファン一杯いるでしょ………?」

 

そんなヴィータの呟きになのはは苦笑いしながら答えたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛たた……何怒ってるのランスターさん?」

 

スバルを引っ張り建物の陰に移動する2人。

 

「うるさい。………それと名前で良いわよ」

「え?」

「な、名前で良いって言ってるの!!」

「本当に!?良いの!?」

「え、ええ………」

「やったー!!」

 

と身体全体を使って喜ぶスバル。

 

「ちょ、ちょっと!!そんなに喜んでないでないでさっきバルトさんに聞いた作戦を教えなさい」

「作戦………?」

「えっ?何かアドバイスされたでしょ!?」

「ああ!!そうだった!!なのはさんと直接会えた感動ですっかり忘れてた!!」

 

あははと笑うスバルにティアナは深くため息を吐いた。

 

「それでよく勝とうだなんて思ったわね………」

「えへへ………」

「ほめてないから。それよりも早く内容を教えなさい」

 

そう言われ、スバルは説明を始めた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、待ってるけど出てこないな………」

「そうだね、流石にこれ以上は待ってるお客さんもいるし待てないかな………」

 

そう言って待っていた2人が動きだそうとした時だった。

 

「お待たせしました!!」

 

そう言って不意にスバルが2人の目の前に現れたのだ。

 

「ほう、正面からか。随分度胸あるじゃないか」

「ありがとうございます!!」

「だけどルール分かってるよね?今回はバルーンストライクだから手持ちのバルーンを割られたら負けだよ?」

「はい!!」

「チヴィットも居ないみたいだけど良いの?」

「はい、大丈夫です!!」

 

そう自信満々に答えるスバル。

 

「………まあ本人が良いって言うのならいいか」

「そうだね。それほど自信があるみたいだしちょっと楽しみかも」

 

と2人も期待する中、

 

「私聞いてないわよ………!!何でスバルは簡単にOKだすのよ………!!」

 

とその場で小さく地団駄を踏んでいた。

 

「それじゃあ始めようか。ルールはバルーンを全員破壊されるか、そっちはゴールまで辿り着くかだよ?」

「はい!!」

 

そう言ってスバルのローラーは回転を始める。

 

「!?なのは!!」

「うん!!分かってる!!」

 

スバルのローラーの動作に2人は身構える。

 

「行きます!!ウイングロード!!」

 

そしてスバルはすかさず空に複数の道を作った。

 

「これは!!」

「それじゃあ………スタート!!」

 

そしてスバルは地面を蹴る。

 

「なのは!!」

「分かってる!!ディバインシューター!!」

 

なのはは慌てて誘導弾を発射する………が、

 

「撃ち落とされた!?」

 

なのはの放った誘導弾は物陰から飛んできた魔力弾に全て撃ち落とされた。

 

「もう1人の奴か!!なのは!!あいつを!!あたしはあのもう1人を!!」

「うん!!」

 

ヴィータの指示でそれぞれが別々に行動を始める。

 

(あの子スタートは凄く速かったけどスピード自体はそこまで速くない………)

 

そう思いつつも狙いを定める………が

 

「くっ、狙いが………」

 

複数のウイングロードを飛び移りながら移動するスバルの行動はなのはの狙いを狂わせていた。

 

「アクセルシューター!!」

 

ディバインシューターよりも弾速の速い誘導弾がスバルを襲う。

 

 

 

 

 

 

『いいか、今のお前がなのはとあのちびっ子に勝つのは不可能だ』

『えっ、でも………』

『だが、戦いに勝てなくても勝利する事は出来る』

『?』

『いいか………』

 

 

 

 

 

 

「師匠、ティア、私やるよ………!!」

 

スバルはなのはの攻撃を見ず、そのままウイングロードを駆け抜ける。

 

 

 

 

『いい?この作戦は確かに唯一の手だと思うけどそう簡単に通る相手じゃないわ。………だから成功率を高める為にも私がスバルに向かう攻撃を防ぐわ。あなたはそれを信じて後ろを見ずに突き進みなさい』

 

 

 

 

「うん、分かってる!!」

 

(こっちの攻撃を完全に無視!?って事は狙いは………)

 

そう考えている中、再び魔力弾がアクセルシューターを捉える。相殺はされないものの、軌道が外れ、なのはのアクセルシューターは全て外れた。

 

(援護!?ヴィータちゃんはまだ捉えられていない。………となると相手は!!)

 

そう思いながら先のゴール地点を見る。

スバルは周りを気にせず、ウイングロードを飛び移りながらも一直線にゴール目指して動いていた。

 

「やられた!!」

 

相手の意図に気が付いたなのはは再び杖を構える。しかし今回は相手を追わず、その場に止まっていた。

 

(初めから私達を無視しての行動………あの複数の空の道は戦う為のフィールド作りでは無く、逃げる為の道。………だけど狙いさえ分かれば!!)

 

「アクセルシューター、アラウンドシフト!!」

 

なのはは周囲に展開したアクセルシューターを四方に一斉に発射した。

 

「うわっ!?」

 

そのアクセルシューターはスバルの展開したウイングロードを全て破壊し、スバルもウイングロードから落ちる。

 

「嘘っ!?こんなの!!」

「捉えた!!」

「!?」

 

ビルの屋上にいたティアナをヴィータのハンマーが捉え、外へと吹っ飛ばされた。

 

「きゃああああああああああ!!」

「えっ!?わっと!!」

 

しかしちょうどその落ちた場所にいたスバルに受け止められ、難を逃れた。

 

「ティア大丈夫!?」

「わ、私は………それよりも下ろしなさい!!」

「そう言うわけにも………うわっ!?」

 

鉄球がスバルの方へ飛んでくるが、それを何とか躱し、再びスバルは進む。

 

「速く下ろしなさいって!!」

「もうこのまま行こう!!こっちの方が速いしこの距離だったら逃げられる!!」

「そっそれはそうだけど………」

 

と顔を赤くしながら納得するティアナだったが、しかしそんな簡単に気がしてくれる相手では無かった。

 

『相棒、後方より魔力極大反応』

「「嘘っ!?」」

 

そんなマッハキャリバーの警告を聞き、2人一緒に驚く。

 

「私を囮にしてそうすれば………」

「嫌だ!!ここまで来たら一緒にゴールするんだ!!」

 

「いくよレイジングハート!」

『了解です、マスター』

 

そんなスバルの言葉も虚しく無情にもなのはの強力な砲撃が放たれようとしていた。

 

「ティア………ごめん!!」

「えっ!?きゃあああああああああ!!!」

 

力一杯上へ放り投げたスバルはなのはの方を向く。

 

「ディバインバスターエクステンション!!」

 

ディバインバスターよりも遥かに強力な砲撃がスバルに向かって放たれた。

 

『いいか、俺のスキルを貸してやる。もう駄目だと思ったら一矢報いる為に使え』

「師匠のスキルカード、そして………」

『後、このカード上げるわ。これは徒手空拳用の武器だからあなたなら使えるでしょ?』

「リボルバーナックルがあれば!!」

 

そう叫びながらカードをロードする。すると右腕にギアの様な腕輪の付いた手甲が装備された。

 

「よし!!行くぞ!!」

 

スバルは真正面から向かって行く。

 

「一撃必殺!!クリティカルブレード!!」

 

拳に魔力を込め、刃の様に拳を振るい、身体全体を使って斬り裂きに行く。

スバルを完全に飲み込むほどの砲撃であるが………

 

「嘘っ!?」

 

なのはの攻撃は引き裂かれてしまった。

 

「やった!!」

「だが、それで終わりだと思うな!!」

 

しかし上空からもう1人攻撃に移っていた人物が。

 

「テトーリヒシュラーク!!」

 

上空から真っ直ぐハンマーを振り下ろしてくるヴィータが居た。

 

「えっ………?」

 

スバルは全く予測も警戒もしてなかった。向かってくるヴィータに避ける事も最早不可能。

 

「吹っ飛べ!!」

 

為すすべなく、ヴィータの攻撃が通ろうとした瞬間だった。

 

パン!!

 

「えっ………?」

 

ヴィータの風船が割れたのだ。

 

「ティア!!」

「わ、私だって守られているだけじゃないんだから………速く助けてええええええ!!!!」

「落ちながら狙ったのか!?」

『相棒、また!!』

 

「ディバインバスター!!」

 

 

なのはの追撃がスバルに向かって放たれた。

 

「そんな2度も!!それにティアも………」

 

落ちながら狙う事に集中したティアナは、あのまま落ちれば無事では済まない。風船も衝撃で割れ、脱落となるだろう。しかし砲撃も迫っており、スバルの風船も巻き込まれるだろう。

 

「ええい、なるようになれ!!!」

 

そうして拳から放たれる一撃。

それはなのはのディバインバスターをぶつかり、威力が多少低いスバルの方が吹き飛ばされた。

 

「ティアアアアアアアアアアア!!」

 

しかし吹き飛ばされながらもその勢いに乗り、ギリギリキャッチするスバル。

 

「………まさか私と同じスキルまで使えるなんてね。そしてあの体勢での狙い撃ち………凄い2人組だね」

 

そうなのはの呟き視線の先には、

 

「やったー!!!」

「ちょ、だ、抱き付かないで!!」

 

喜びを分かち合う2人の姿があった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝っちゃったね」

「勝っちゃったな………」

 

2人のまさかの勝利に驚きを隠せないバルトとフェイト。会場も今日一番の盛り上がりを見せており、歓声が鳴りやまない。

 

「ラッキーな要素はあったけど、2人とも動きも良かったしセンスもある。目立ってたのはあの紫の髪の女の子だったけどあのオレンジの髪の女の子も射撃の腕が良かったな………」

「そうだな………って!!」

 

後ろから聞こえた声に聞き覚えがあったバルトは慌てて振り返る。すると後ろにはフードコーナーで売っているフランクフルトを食べながら見ているエローシュと、愛用のカメラを持った佐助が居た。

 

「何でお前等ここにいるんだよ!?」

「バルトがどっか行くからだろ?迎えに来たら何か面白い事やってたから見てたんだよ」

「良い写真も撮れた………」

 

そう言って満足気に笑う佐助。

 

「………大丈夫だよな?」

「問題無い………」

 

と言うが、とてもバルトには信じられなかった。

 

「バルト、この人達は?」

「………俺のチームメイトだ」

「フェイト・テスタロッサだな、初めましてリーダーの江口伸也だ。………でこっちが」

「小岩井佐助………」

「君がはやての言ってた色んな意味の要注意人物………」

「色んな意味は要らないけど………まあそう言ってもらえるのは悪い気がしないな………」

 

とまんざらでもない顔で呟くエローシュ。

 

「それにランキング2位に覚えてもらっているのは本当に光栄だよ」

「個人のランキングは関係無いよ」

「そうだな。………大会ではそれをたっぷりと見せてやるよ。それじゃ………」

「「は?」」

 

そう言い残していきなり走り去っていく2人。

 

「俺はどうすれば良いんだ!!?」

「適当に集合場所に来てくれ!!俺達も後から追う!!!」

「後からって………お前等の方が先に向かってるだろ!!!」

 

と言ったバルトだが、2人は店の外へと消えて行った。

 

「何なんだあいつ等………」

「さあ………?」

 

フェイトも訳の分からないと言った顔で2人の行った方向を見ていた。

 

「はぁはぁ………逃げられた………」

 

そしてその少し後に汗だくになった店員が現れた。

 

「どうしたんですか?」

「ああフェイトちゃん………じつはあの2人………アリシアちゃんや店に来ていたお客さんの写真を勝手に撮ってたんだよ………だから中身を見て、駄目だと思ったら削除しておこうよ思ったんだけど、あの2人が逃亡してたら………」

「捕まりそうになったと………」

 

そう言いながらバルトは頭を抑える。

 

「それじゃ私はこれで………」

 

店員は再び2人を追った。

 

「………何かごめん」

「バルトのせいじゃないから………」

 

そう話ながら2人はエローシュが逃げた方向を見ていたのだった………

 

 

 

 

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