悪魔付きと呼ばれた少年の異世界入り   作:煌酒ロード

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や、やっと更新できました(汗


コミュニティの方針

「何を考えているんですか!!」

 

本拠の大広間でジンが叫ぶ。先ほどのことを言っているのだが十六夜はあっけらかんとした様子で、

 

「〝打倒魔王〟が〝打倒魔王とその関係者〟になっただけだろ。〝魔王にお困りの方、まずはジン=ラッセルにご相談ください〟キャッチフレーズはこんなところか?」

 

「まあそれでいいんじゃねえの?後あれだ、ジン=ラッセルじゃなくてジン=ラッセル率いるノーネームでもいいと思うぞ」

 

笑いながらそんなことを言い合う俺達二人。

 

「笑い事じゃありません!」

 

また叫ぶジン。そんなに叫ぶと喉が枯れるぞ。

 

「コミュニティの入口を見たでしょう!?魔王というのはあんなデタラメな力を持った奴なんですよ!?」

 

「ああ知ってる。あんな面白そうな力を持つ奴とゲームで戦えるなんて面白そうじゃねえか」

 

軽薄そうに笑う十六夜。しかしジンは今の一言が気にいらなかったのだろう。

 

「お、・・・・・・面白そう!?では十六夜さんは自分の趣味のためにコミュニティを滅亡に追いやるつもりですか!?」

 

ジンも頭にきているのか怒鳴り返す。そりゃそうだろう。今の発言だと、魔王問題を自分の所に集めるのは、十六夜がその方が面白そうだからと思ったからなんて理由に聞こえる。

 

「いいや、これはコミュニティの発展にも必要不可欠な存在だ」

 

「作戦・・・・・・?どういう事ですか?」

 

「その前に聞くけどなジン。お前、俺達を呼びだしたのはいいけどよ、()()()()()()()()()()()()()()()()んだ?あんな力を持つ連中とよ」

 

俺の台詞にジンが黙り込む。この様子じゃ何も考えていなかったか、まだ具体案が無いのだろう。コイツが今までコミュニティを背をって来た?本当にそうなのか疑わしくなるレベルだ。

 

「まずは・・・・・水源を確保するつもりでした。新しい人材が来れば、水神は無理でも水源を確保することは可能でしたから、しかしコレに関しては十六夜さんが予想以上の戦果を上げてくれたので素直に感謝しています」

 

「おう、感謝しつくせ」

 

「ちゃちゃいれんな」

 

俺は後ろから十六夜をこづく。なんか苛立った顔で見てるが気にしない。俺はジンに続きを促す。

 

「ギフトゲームを堅実にクリアしていけばコミュニティは必ず強くなります。たとえ力のない同士が呼び出されたとしても、力を合わせればコミュニティは大きくできます。ましてやこれだけ才ある方々が揃えば・・・・・・・・どんなギフトゲームにも対抗できたはず」

 

「期待一杯、胸一杯だったわけか」

 

十六夜に全く悪びれた様子は無い。俺はそろそろ話を聞くのを止めようとしていた。そんな様子に我慢の限界が来たのか、ジンは叫んだ。

 

「それなのに・・・・・・・・・・・・それなのに十六夜さんは自分の娯楽のためだけにコミュニティを危機に晒すような真似をした!!魔王を倒すためのコミュニティなんて馬鹿げた宣誓が流布されたら最後、魔王とのゲームは不可避になるんですよ!?そのことを本当に分かってるんですか!?」

 

俺はため息をつく。十六夜の顔からも、今まで浮かんでいた軽薄な笑みが消え、侮蔑の表情が浮かんでいる。俺は多分・・・・・・呆れて物も言えないって顔してるんだろう。

 

「バッカじゃねぇの・・・・・・?」

 

俺の第一声はそれだった。ジンが驚いたような顔をする。

 

「俺もそれに同感だ。」

 

これに同意する十六夜。本当に呆れた。口だけで誇りだどうだ言ってるガキの増長した考えを聞かされている気分だ。正直に言う。バッカじゃねぇの?

 

「そんな机上の空論で誇りがどうだ再建がどうだ言ってんのかよ・・・・・・お前マジでリーダーか?よくそんなんでこのコミュニティが持つな?口だけでっけぇガキと今のお前と何の変わりがあんだよ?まあその方法でも再建できるかもしれねぇな。何百年、何千年かかるか知らねぇけどな。」

 

「まったく同感だ。失望したぜ御チビ」

 

ジンは絶句する。しかしそんなのにかまってられる程今の俺達は寛容じゃない。

 

「・・・・・・所属するコミュニティってまだ変えれたっけ?正直もう抜けたい気分なんだけど」

 

絶句するジンを横目に半ば本気でそれを口にする。いくら格好いい目的があったって中身が伴ってないんじゃあダメだ。

 

「ま、待って下さい!」

 

引き留めようとするジン。

 

「じゃあ聞くけどよ・・・・・マジでお前どうやって魔王に勝つ気だよ?」

 

「だ、だからギフトゲームに参加して力をつけて」

 

本気でイラっと来る。こいつは俺達が言った意味を分かっちゃいない。自然と語気が荒くなる。

 

「そんなもんは大前提の話だっつってんだろうがっ!!まだわかんねぇのか!?俺が聞いてんのはどうやって魔王に勝つかっつーことだ!!それともあれか?前に滅んだコミュニティはギフトゲームに参加してなかったから負けたとでも抜かす気か!?」

 

本当に苛立たせてくれるガキだ。十六夜にそう叫ぶなよ。と言われ、少し落ち着いた口調で問う。

 

「加えて聞くぜ、前のコミュニティが大きくなったのはギフトゲームだけだったのか?」

 

「いえ・・・・・・」

 

コミュニティを大きくするのは人材によるところが大きい。しかしこのコミュニティには〝名〟も〝旗〟も無い。そんなところに優れた人材がこようなんて思わない。いや、優れて無くても来ようとは思わないだろう。

俺の続きを十六夜が語る。

 

「俺達にはコミュニティを象徴する名前も無ければ旗印もない。そんな状態じゃ口コミでさえも広まらない。だから俺達を呼んだんだろ?」

 

「・・・・・・はい」

 

「そんな状態じゃあ物を売買するときに無記名でサインするのと大して変わらねえ。〝サウザントアイズ〟が〝ノーネーム〟を客として扱わなかったのも当然だ。所詮名無しだからな。信用すると危険なんだよ。そのハンディキャップを背負ったまま、お前は先代を超えなきゃいけないんだぜ?」

 

「先代を……超える……!?」

 

ジンは雷でも受けたかのように固まっていた。先代のコミュニティ箱庭でも一目置かれるような存在だったらしい。成り行きでリーダーになった奴が直視したがるような現実じゃない。

 

「その様子じゃぁマジで何も考えてねかったんだなお前。」

 

「…………っ」

 

ジンはうつむいたまま喋らない。ようやくテメエが口にした事の責任の重さに気がついたらしい。

十六夜はジンの肩を強く握りしめ、

 

「名も旗も無いとなると――――――後はもう、()()()()()()()()()()()()しかないよな?」

 

ジンが何かに気づいたように顔を上げる。ようやく俺達の意図に気がついたらしい。なんのためにわざわざジン=ラッセルという名前を強調していたのかを。

 

「僕を担ぎ上げて……コミュニティの存在をアピールすると?」

 

「ああ。悪くない手だろ?」

 

自慢げな十六夜と長考するジン。そして有効な手段だと結論づけた。無論これには他の魔王の目をこっちに向けることになる。しかしその危険性も考慮した上での作戦だ。ついでに言うと今回のことはラッキーだ。ガルドは魔王の傘下。そしてゲスい悪党。勝てるゲーム。ここまで条件が揃っている。もし一度でもこのコミュニティが魔王の傘下に勝てば、同じく打倒魔王を目指す連中が集まるかもしれない。

俺と十六夜はそう思っている。

その事を十六夜から説明された後。ジンはかんがえこんで、

 

「一つだけ条件があります。今度開かれる〝サウザントアイズ〟のギフトゲームにお二人で参加してもらってもいいですか?」

 

「俺らの力を見せろっつーことか?」

 

「それもありますが主な理由はこのゲームは僕らが取り戻さなければいけないもう一つの大事なものが出品される。」

 

名と旗に匹敵するほど大事なもの。

 

「オイ、まさかそれ昔の仲間か?」

 

ジンいわく。先代は魔王を隷属させていたらしく。その魔王様が景品なんだと言う。

 

「つまり十六夜には仲間の元・魔王様を連れ戻して欲しい、と」

 

ジンは頷く。

 

「それとこれは別件ですが……最近この付近の街に黒いローブの変な人がいるらしくて」

 

「不審者か?」

 

ジンはわからないので調査がしたい。と答える。

 

「わーった。そっちは俺が何とかするわ。それでいいよな?十六夜?」

 

構わない。と言った後に十六夜は立ち上がる。そして。

 

「明日のゲーム、負けるなよ?負けたら俺抜けるから」

 

「はい。……え?」

 

ジンが絶句する。俺は呆れたように笑う。

 

「なんなら、英気を養うために、()()()()()風呂にでも入るか?仲良く三人でよ」

 

またジンが絶句。俺もかよ。とは思ったが十六夜は冗談だ。とだけ言ってさっさと風呂に入ってしまった。俺は最後に絶句するジンに

 

「まあ要は勝ちゃあいいんだ。難しく考えるなよリーダーさん?」

 

とだけ言い残して、部屋に戻った。




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