俺らは黒ウサギに連れられて箱庭の中、コミュニティの本拠があると言われていた街に向かうはずだったのだが・・・・・・今は十六夜と森の中にいる。
どうしてそうなったかっつーと・・・・・・
「ちょっと世界の果てを見てくるわ!」
と言いいだした十六夜に悪ノリしてついて行った結果である。
「しかしまあ……なんで世界の果てなんざ見たいんだ?」
「そりゃお前、見てみたいからだよ。」
何を当たり前のことを、と言ったふうに答える十六夜。その顔をみると、見たいからか、と納得してしまう。
「んじゃあもう一つ聞いていいか?」
「おう、今なら一つと言わずに答えるぜ?」
「あれ、どうすんだ?」
俺の指さした方向は今から俺達が通る予定の道。そこにある湖を指差し、
「まさか泳ぐとか言わねーよな?流石にもう濡れたくねーぞ?」
「俺だって濡れたくはない。迂回できる道があると思う、探すぞ。」
まあ湖だからいくらでかいと言っても回り道して向こう側に行けないこともない。迂回できる道を探そうとした時、湖の湖面が盛り上がり、中から真っ白な大蛇が現れた。
『久しいな・・・ここを人が通るのは、』
「あれ、なんだと思う?十六夜」
「さあな?この湖の主とかじゃねえの?」
そう言ってヤハハと笑う十六夜。本当にそうだったらいいのにって思ってる顔だ、あれは
「マジかよ……生贄寄越せとか言われたらどーすんだよお前……」
『試練を選べ。』
「「はぁ?」」
ハモった。まああれだどこどこの主=試練みたいなのはあるけどさ。
「どっちが行く?」
「あ、俺行きたい超行きたい。」
瞳を輝かせながら言う十六夜に俺は苦笑混じりになるが、任せることにした。そろそろ黒ウサギも来る頃だし大丈夫だろう。
『ぬしが試練を受けるのか?
「上から目線で言ってくれるな、じゃあ俺をお前が試せるかどうか、試そうか!」
『図に乗るなよ小僧が!』
相手は湖の主。水を操り十六夜を襲おうとするが、
「ハッ、この程度かよ!」
殴り飛ばす。訂正はない。拳を振るう時の拳風だけで襲い来る水の槍をはじき飛ばす。
『バカな!?』
驚くのも無理はないと思うが戦闘中に思考に空白を作るのは愚か者のする事だ。そして白蛇はそれをしてしまった。
十六夜が白蛇の顎をかち上げる。その一撃で勝負はついた。
「お見事。」
「サンキュー」
負けるとは思っていなかったがここまで圧勝するとは思わなかった。素直に褒め言葉が出た。
「あれ死んでんの?」
「そこまではしてねえよ、殺しても面白くないしな」
なるほど。それには同感だ。障害も排除したし、さて世界の果てを目指そうかという時になって・・・
「こんのお馬鹿様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
見つかったことを悟った。
「予想より少し早いな」
「あれ?お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」
「どうしたんだ。じゃないですよ!一体どこまで来てるんですか!?」
「「世界の果て」」
「黙らっしゃいこのお馬鹿様!」
スパーンといい音のするハリセンで殴られた。
うん、地味に痛い。
「しかしいい脚だな。遊んでいたとはいえこんな短時間で俺たちに追いつけるなんてな。」
確かに遊びながら進んだとはいえ、俺達はかなりの距離を歩いていた。そこからこの短時間でここまで来たのだからかなりいい脚だと言えるだろう。
「むっ、当然です。黒ウサギは〝箱庭の貴族〟と謳われる優秀な貴種なんですから」
箱庭の貴族ね、なんかすごいって事しかわからん。
「ま、まあ、それはともかく!お二人が無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」
水神・・・、オイもしかして
「水神?ああ、アレのことか?」
と十六夜が指さしたものをみて黒ウサギが硬直する。ああやっぱりか、と思うより先に巨体が体を起こし
『まだ……まだ試練は終わってないぞ小僧ォ!』
「あっちゃー……めっちゃ怒ってんなぁ・・・」
「蛇神……!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」
「いやー……なあ?」
「なんか偉そうに『試練を選べ』って素敵なこと言われたからな、
『貴様……付け上がるな人間!我がこの程度のことで倒れるか!』
なら人間じゃない俺が出ようかとも思ったが、これは十六夜が買った喧嘩だ。手を出すような無粋な真似は辞めておこう。
蛇神が吼える。それだけで水は渦をなし、風は暴風となり水を巻き上げ竜巻と化す。水の竜巻に巻き込まれた木々が一瞬で粉々になって散ってゆく。触れてしまえば一瞬で人肉のミンチの出来上がりだ。
「十六夜さん、下がって!」
十六夜を庇うように黒ウサギが前にたとうとするが、その肩を十六夜がつかみ、黒ウサギを下がらせる。
「何言ってやがる。下がるのはテメエだろうが黒ウサギ。これは俺が
本気の殺気が籠った声。そんな声で言われれば黒ウサギも下がるしかないだろう。どのみち、一度始まったゲームは止められない。
『いい心意気だ小僧。その心意気に免じて、この一撃を耐えしのいだら貴様の勝利を認めてやろう。』
「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。
あまりにも傲岸不遜な物言いに、黒ウサギと蛇神は閉口、俺は爆笑してしまった。
当然だろう。傍から見れば十六夜に勝機など無いに等しいのだから。ただ言えるのは
「蛇神負けたな」
俺に言えるのはその位だ。
『フン・・・、その戯言が貴様の最後だ!』
竜巻のような水柱は蛇のようにうねりその圧倒的暴力でもって十六夜を砕く――――――はずだった。
「ハッ、しゃらくせえ!!」
怒号一喝。十六夜が振るった腕の一振りで水柱はすべて吹き飛ばされた。
「嘘!?」
『馬鹿な!?』
驚愕する二つの声。こんな力が存在するのならそれは人智を遥かに超越した力だ。神格持ちの神童でもない限り、あり得ない力量だ。
「ま、なかなかだったぜオマエ」
轟音。懐に飛び込んで邪神の巨体を蹴り飛ばす。たったそれだけで邪神の巨体は空高く飛び、湖面に打ちつけられた。オイ待て
「オイテメ十六夜ィ!こちとらもう濡れたくねえっつったろうが!」
あんだけの巨体がボールみたいに吹っ飛んで湖面に落ちれば当然水が飛び散るわけで……つまり本日二度目の濡れ鼠だ。
「ヤハハハ、悪い悪い。」
「お前ぜってー悪いとか思ってねーだろ……」
悪びれもなく言う十六夜に半ば本気で呆れる俺。
まあ取り敢えず蛇神様の祟が無いことを願おうか。
十六夜「後書きコーナー〜」
斬裂「なんだこれ……」
十六夜「後書きに決まってんだろ?」
斬裂「ああじゃあそれでいいわ。てかお前強すぎんだろ、マジで〇〇〇〇か?」
十六夜「オイ馬鹿やめろ。ネタバレになる。」
斬裂「いやタグにも出てるしピー音入るだろうし大丈夫だろ」
十六夜「メタもやめろ。後俺は正真正銘純粋培養の人間だ。」
斬裂「培養されてる時点で人間じゃねーだろ……。まあいい。後さ」
十六夜「ん?」
斬裂「本編の俺とお前の話し方わかりづらくね?」
十六夜「それはあるな。まあただどちらかと言うと砕けた喋り方をするのがお前。俺は少しマトモに喋る」
斬裂「その言い方だと俺がマトモに喋れてねーみてぇじゃねーかよ……」
十六夜「まあそう凹むなって、次回からはゲストが来るぜ。」
斬裂「お前の代わりにか、本家の後書きみたいだな」
十六夜「だからそういうの辞めろって……消されるぞ?」
斬裂「わりぃ……。それじゃあ皆様」
十六夜 斬裂「「ご意見ご感想お待ちしております」」