取り敢えず絶景を満喫した俺達は黒ウサギのコミュティがある箱庭の都市。正確には箱庭二一〇五三八〇外門とかいうところのカフェにいた他のメンツと合流したのだが……
「な、なんであの短時間に〝フォレス・ガロ〟のリーダーと接触してしかも喧嘩を売るような状況になっているのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備の暇もないじゃないですか!一体どういう
「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」
「黙らっしゃい!」
ハリセンが飛ぶ。
そう、何故かこいつらはここら一体をテリトリーにするコミュニティ、〝フォレス・ガロ〟のリーダーガルド・ガスパーに喧嘩を吹っかけていたのだ。
十六夜がニヤニヤ笑いながら黒ウサギを止める。
「別にいいじゃねえか、見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」
「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるのは自己満足だけなんですよ?この〝
黒ウサギの見せた〝契約書類〟は〝
そこにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品が書かれており〝主催者〟のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。黒ウサギが指す賞品の内容は、
「〝
「時間さえかければ立証はできるんだろーな。ガキ連中ももう殺されてんだろ?ただまあもっとも、立証する頃にまだアイツが箱庭の中にいるんならだけどよ」
そう。そこだ。箱庭の法は箱庭都市内でのみ有効なのだ。外は無法地帯。それぞれのコミュ二ティがそれぞれの法の下くらしている。その中に逃げ込まれれば箱庭の法で裁くことは不可能だ。
しかし、契約書類による強制執行なら話は別だ。どれだけ逃げようが〝
「はぁ〜……仕方の無い人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。フォレス・ガロ程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」
妥当な評価だ。十六夜一人いれば十分だろう。しかし十六夜と飛鳥は怪訝な顔で、
「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」
「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ。」
フン、と鼻を鳴らす二人。それに慌てて食ってかかる黒ウサギ。
「だ、駄目ですよ!お二人は同じコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと!」
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ」
「この喧嘩はアイツらが売ってヤツらが買った。それに手を出すのは無粋だって言いてーんだろ?」
「そういうこと」
「あら、わかっているじゃない」
「もう…………好きにしてください」
ああこいつ疲れ果ててんなって言うのがよく分かる声で黒ウサギは呟いた。
「さて、これからどうする?コミュニティに帰る?」
「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら〝サウザントアイズ〟に鑑定をお願いしないと。この水樹のこともありますし」
俺達は揃って首を傾げる。
「サウザントアイズ……直訳するなら千の眼か。コミュニティの名前なのか?」
「YES。サウザントアイズは特殊な瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」
「ギフトの鑑定というのは?」
「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することデス。自分の力を把握していた方が引き出せる力は大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」
同意を求める黒ウサギにそれぞれ複雑な表情で返す。思うところはあるのだろうが、拒否する声はなく、俺達はサウザントアイズの支店に向かった。
視点につくと閉店時間なのか看板を下げようとする割烹着の女性に黒ウサギは滑り込みでストップを…
「まっ」
「待った無しですお客様。うちは時間外営業はやっていません」
かけれなかった。流石というかなんというか……隙がない。
揉める飛鳥と黒ウサギと女性店員。入店許可のために〝名〟とを名乗れと言われると黒ウサギは言葉に詰まる。それに対して十六夜が何の躊躇いも無く
「俺達はノーネームってコミュニティなんだが」
「ではどこのノーネームか、旗印を確認させて貰っても?」
こう言われるとどうしようもない。〝名〟と〝旗印〟がないとはこういうコトかと思っていると……
「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィィィ!」
白い何かが店内から猛ダッシュで飛び出てきたかと思うと。黒ウサギに突っ込んでった。
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