恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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ここしばらく歯車が狂ったように調子がでない。
黄巾党編が(自分のせいで)思ったより長引いているのでだれてきているのかもしれん。
――自業自得か。

さて、今回の話も……サブタイトル見れば大体わかるな。

あと獣殿の花が終盤にて少々暴走している。
何故かはまあ、見てくれれば分かる気がする。
――私に乙女心は理解できんが、努力はしているとだけ覚えていて欲しい。


――では、皆さま私の歌劇をご観覧あれ……。


第12話 ギョウと袁家の知恵袋?

太陽がもっとも高くなった頃……。

 

「ここがギョウか……」

 

馬を止めた私は全景を確認しつつ、そう口にした。

――濮陽?

ベイとシュライバー、ベアトリスが異様なテンションで黄巾党を殲滅していたこと以外、特筆することはなかった、とだけ言っておこう。

 

「名家袁紹が治めてる場所ね。……噂通りの人間なら、出来れば会いたくないわね」

 

私の隣に馬を並べた詠が、私の言葉に反応する。

 

「噂……。一度聞いたら忘れない高笑い……だったよね?詠ちゃん」

 

思い返すそぶりを見せた後、一緒に乗っていた月が問いかける。

 

「それと名家であることを鼻にかけてて、相手の神経の逆撫でが得意らしいわ」

 

「うわ。それほんまなら会いとうないな」

 

詠の言葉に対し、結構ですといわんばかりのジェスチャーを馬上で取った霞。

 

「……私も同感だ」

 

華雄もしかめっ面をしながら答える。

 

「ねねも会いたくないありませんぞ」

 

某天才モグリ医者の助手の十八番ポーズをするねね。

 

「神経逆撫でですか……」

 

寧は姜維をちらっと見る。

 

「私は相当な量飲まなければそんなことはしませんよ」

 

寧の視線に対し姜維は肩をすくめる。

 

「……恋は正直どうでもいい……」

 

「恋様に同じく」

 

――腹ペココンビは精神攻撃に異様なまでの耐性があるせいか、まったく頓着していない。

 

「……一応目上の相手には礼節をわきまえているぞ。……一応だが」

 

傾はどうやら知っているらしく、思い出すように答えた。

 

「どちらにせよ、挨拶くらいせねばなるまい」

 

などと言っていると、町の方から数名の兵がやってくる。

 

「先遣隊より通達は受けております。田豊様が袁紹様の代理としてお待ちしておりますので、早速ですがご案内させていただきます」

 

口早に一人の兵士がそう言って案内しようとしたが、私が待ったをかけた。

 

「すまぬが兵たちを休ませるための陣を設置したい」

 

私がそう言うと、姜維が口を開いた。

 

「ハイドリヒ卿、私が指揮しておきます。――どなたか、兵士の方、同行お願いできますか?」

 

その言葉に兵士の一人が反応する。

 

「私が行きましょう。隊長は皆さまをご案内してください」

 

「頼んだ。――では皆さま、こちらへ……」

 

兵士の案内に、私たちはついて行った……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

(……下着が丸見えなのだが、恥ずかしくないのだろうか……)

 

城にて待っていた田豊を見た私が最初に抱いた感想は素直な疑問だった。

□□□□(わたし)”の記憶通りならば周泰や甘寧も見えてしまっていたが、あちらは普段はスリットの隙間から腰回り部分が見える程度。

しかしこちらは黒いストッキングを穿いているとはいえ、完全に下着が見えてしまっている。

 

――などと考えていたら、詠がジト目で私の足を踏み始めた。

 

「ようこそおいでくださりました、皆さま。主である袁紹様は晋陽におりますゆえ、私ができうる限りのおもてなしさせていただきます」

 

田豊がそう言って一礼する。

 

「久しぶりだな田豊。今はこの男が禁軍及び董卓軍の全権代理だ。今回の黄巾党鎮圧の総責任者もかねている。何らかの相談などもこの男に任せている。よって私はただのお飾りと思ってくれればいい」

 

開幕早々丸投げする傾。

それを聞いた田豊は眼鏡のブリッジを指で押し上げたあと、私を見る。

 

「……詳しいお話はまたあとにいたしましょう。皆さまが空腹かと思い、食事を用意させてあります」

 

「それは助かる」

 

私がそう言うと、田豊はおもむろに手を何度か叩く。

 

するとドアの一つが開き、椅子と長い机が数十人の兵士によって運び込まれ、数々の料理と食器が侍女たちによって並べられた。

 

「用意が良いな」

 

私が口元を緩めて言うと、彼女は微笑みを浮かべる。

 

「先遣隊の機動力と軍の行軍速度から到着日時を予想していましたので」

 

私が恋と水蓮に目線を向けると、2人とも首を横に振った。

 

「では、お言葉に甘えるとしよう……」

 

私がそう言うと、他の者も席についた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

食事を終えた頃。

 

田豊が目であることを訴えかけてきた。

 

「……さて、卿らは割り当てられた部屋などで時間をつぶすといい。私は田豊と話をしてくる……」

 

私はそう言って立ち上がると、彼女も立ち上がった。

 

「町をご覧になりたいのでしたら、何人かでまとまった上、兵士に声を掛けて外出の旨をお伝えください。兵士たちに護衛をさせていただきますので。……治安は問題ないはずですが、何分、皆さまは客人ですので……。ご不便をおかけしますが、ご了承ください。ではラインハルト様、こちらへ……」

 

一礼した後、私についてくるよう促した……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「さて、話と言うのは何かね?」

 

談話室のような部屋に案内された私は、早速本題に入る。

―侍女が持ってきたお茶を私は一口頂く。

 

「先遣隊より話は伺っております。――袁家も、賊討伐にご同行させて頂けないでしょうか?」

 

私は肩をすくめる。

 

「正直頷けぬな。ただでさえ練度にムラがあるのを考慮しつつ、どの部隊も一定以上の戦果をあげられるよう作戦を立てているのだ。これ以上増えた場合の苦労を考えたくはない。それに全権代理とは言え、一介の武官である私の指示を名家の兵が素直に聞くとは思えんのだがね」

 

私の言葉に少なくない動揺を見せる田豊。

 

「それはこちらから言い聞かせますので……」

 

私は尻すぼみになる田豊の言葉に対して、お茶をまた一口飲んだ後、理由を追加して挙げる。

 

「卿や卿の主君とその周りの主要な人物のことは私の子飼いの細作が調べ上げているから知っているが……。卿はともかく、他の者……特に袁紹はとても私の言うことを聞くとは思えん。たとえ連れていかずとも勝手についていき、いざ戦場になった場合にいきなり現れ指揮し始め、指揮系統が混乱する可能性が高いのだが……?」

 

私の言葉に呆然とする田豊。

 

「……本当に一介の武官なのですか?私にはとてもそうには思えません」

 

彼女の言葉に私は口元を微かに吊り上げた。

 

「どう思おうと、卿の自由だ。さて、話は以上かね?」

 

「……どうしてもダメですか?」

 

彼女はおもむろに立ち上がり、私に近づいた。

そんな彼女に対して私は考えるそぶりを見せた後、答える。

 

「……ふむ、袁紹の高笑いは戦場でもよく響くと聞く。黄巾党の注意を集めるおとりに近い役目ならば、出来なくもないだろうが……。」

 

私の言葉に田豊は希望を見出したようだが、私の言葉はまだ終わっていない。

 

「――しかし私の命令を聞くとは思えん。それに平原にて皇甫嵩、盧植が率いる禁軍およそ2万と、景帝の第9子、中山靖王劉勝の子孫らしい劉備と言う者が率いる義勇軍が合流予定だ。袁家の軍を借りるまでもないと思うが……?」

 

「……」

 

結果として上げて落とされた田豊はガックリと肩を落としている。

しかし、彼女は肩を振るわせた後、おもむろに顔をあげた。

 

「……ならば最後の手です。……男ならば篭絡してしまえば!!」

 

そう言って私を押し倒した。

私は椅子から転げ落ち、結果として田豊が仰向けの私に馬乗りの状態となった。

 

「……すまないが、媚薬の類には耐性があるのでな。あの程度は効かんよ」

 

一口目で気付いていたが、あえてスルーしていた。

 

「―――!?」

 

驚きで目を丸くした後、彼女は首を振る。

 

「でも既成事実さえあれば……」

 

「強姦されたとでも何とでもいえる。それによって、董卓と何進から節操なしと断じられ、全権代理を取り消されるだろう。何進ならば最悪の場合処刑出来るだろう。それを材料に交渉できる、か。なかなかどうして、社会的に大打撃を与える有効的な策だ。――前提さえ崩れていなければ、後は既成事実を作るだけで8割方は策が完成するな」

 

「そこまでわかっていてどうし――!!」

 

途中で気付いたのだろう。

 

この策の前提条件である、『何進と董卓がこの男(ラインハルト)の行動に対しての反応が、まとも(・・・)である』が成立していない可能性を。

この男なら、複数の女性と関係を持っていても、おかしくはない。

いや、確実に関係を持っている上、それを公にしていることをこの時の田豊は、直感に近いなにかで確信した。

 

「……念のため言っておくが、私は自分から女性を手籠めにしたことはない上、彼女らは私の周りに花が増えることを黙認しているだけだ」

 

双方の合意の相手以外に関係を持っていないと付け加えると、田豊は半ば悪あがきに近い発言をする。

 

「でも私が騒ぎ立てれば……」

 

「何進がせっかく見つけたおもちゃを手放すと思うかね?権力を最大限使って私を守るだろうし、万一の場合はさっさと全権代理の地位など放りだして大秦あたりまで行けば問題なかろう」

 

私がそう言うと、彼女はしおれた花のように生気を失う。

私は起き上がり、彼女の頭をそっと撫でた。

 

「卿のその主のために己の純潔を失うことすら覚悟したその姿勢を認めよう。……2日後の出立に間に合わせ、晋陽にいる袁紹たちを説得して見せれば、袁家の同行を許可しよう」

 

私の言葉を聞いた田豊はすかさず反応し、顔をがばっと上げた。

 

「ありがとうございま――。え!?なんで私が処女だと!?」

 

途中で慌てて私から降りて、少し距離を置いた田豊に対し、私は少しばかり黒さを含んだ笑みを浮かべた。

 

「『……ならば最後の手です。』の下りあたりから、初夜を前にした生娘さながらに顔を赤くしているからもしやと思ってな。中々どうして可愛らしい反応をしてくれる」

 

私は立ちあがり、服についたほこりなどを軽く叩いてはらった。

 

「さて、私はこれで失礼しよう。――卿も引き継ぎなどがあるだろうからな」

 

「―――――――!!」

 

田豊が何か言おうとしていたようだが、声になってはいなかった……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「……と言うわけで袁家の兵も引き連れていくことになった」

 

自室に戻ると詠と月、そして傾がいたため、簡単に先ほどの出来事を伝えておいた。

 

「……あんた大丈夫なわけ?」

 

「へう……。田豊さんの行動力は見習った方が良いのかな……?」

 

指揮云々に関して心配する詠と、田豊が押し倒そうとした云々に反応している月。

 

「まあ、この男ならばなんとかできる気がするが……。そんなことよりだ」

 

傾がおもむろに妖艶な笑みを浮かべた。

 

「アレから一度もしていないのでな。今から相手してくれないか?ライニ」

 

「私は一向にかまわんよ。……卿らはどうするかね?」

 

「へっ!?」

 

いきなり話を振られて動揺する詠。

 

「わ、私も混ざっていいですか!!」

 

「月!?」

 

親友の言葉に目を丸くする詠。

 

「だ、だって……。ライニさんがせっかく誘ってくださってるから……」

 

詠は何を思ったのか、私と月を見てから、傾を見る。

すると傾は詠を見てクスリと笑った後、詠とアイコンタクトをする。

 

「……!!ぼ、ボクだって!!」

 

詠がそう言って服を脱ぎ始めてしまったため、私は少しばかり慌てる。

 

「待て、まだ人払いの――」

 

「誰かに見られるのも、興奮すると思わないか?」

 

傾に抱きしめられて私の口は封じられた。

 

――途中で何とか人払いと防音の効果を持つ魔術道具を置けたので、誰かに見られることはなかった……。




いかがだっただろうか。

感想を心よりお待ちしているよ。


評価……?
( ∴)<知らんしいらんし、心底どうでもいい。
( ≖‿ゝ○)<異論は認めん、断じて認めん、私が法だ、黙して従え。


ということで、また次の幕でお会いしましょう。
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