恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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まず初めに、遅くなって申し訳ない。

私なりに戦闘シーンを紡いでみた結果である。

今の私ではこれが限界だ。
勘弁してくれ。



それとウィル.さん、評価ありがとう。

可もなく不可もなくか……。

まあ、狂化EXの私が紡ぐ歌劇の評価としてはかなり上々と言える。

出来れば、皆さまにより楽しんでもらえるよう、努力するので見守っていただきたい。




蛇足だが、そろそろストレスがマッハのため、またニートが出現するかもしれん……。

まあ、私のどうでもいい身の上はさておき……。


では皆さま、私の歌劇をご観覧あれ……。


束の間の休息 ~2日目~

「……私と手合わせしたいだと?」

 

翌日の朝食後、また例の四阿にてくつろいでいると、恋が声を掛けてきた。

 

「見た限りライニはかなり強い。でも本気じゃない。……違う?」

 

「……否定は出来んな」

 

「恋ならライニと戦える気がする……。全力を見せて」

 

――聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・デスタメント)の一薙ぎは大体の方向で、一定の距離内であれば、防御や回避行動を行ったサーヴァント(被験者:アサシン)さえ風圧で吹き飛ばす程度の威力があるからな。

恋がいくら強くとも、全力は相手できぬと思うが……。

 

「……武器を縛った上での全力ならばよかろう。いくら卿と言えど、私の得物の一撃は受け止められぬだろうからな」

 

「自分より強い相手はたぶん初めて。べんきょうになる」

 

私は少し考えた後、ある場所へよったあとに恋の挑戦を受けることにした。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

練兵場にて、原罪(メロダック)の原典を佩き、ゲイ・ボルグの原典を手にする私に相対するのは彼の呂奉先。

 

筋力、敏捷がどちらもC+だが、はたして勝てるだろうか?

――初期のEよりはだいぶましか……。

 

このステータスでどこまで行けるか試すのも良かろう。

 

「判定は私がやります。恋さんはともかく、隊長は絶対寸止めしてくださいね。――下手すれば殺人事件になりますんで」

 

面倒だといわんばかりにくぎを刺す寧。

 

「無論だ」

 

オンオフが激しいと姜維から聞いていたが、ここまでとはな……。

普段のしっかりした態度からは想像できないほどだらけている寧に少しばかり面食らっている私は返事をした。

 

「では……始め!!」

 

ダルそうな態度が急激に引き締まり、いつもの寧に戻った。

 

「――行く」

 

恋の一歩は約10メートルを一瞬にして埋めた。

方天画戟が斜め下から迫ってくるが……。

 

「逆袈裟切りと見せかけた足払いとは面白いが、こうされたらどうするかね?」

 

私は下から彼女の武器を掬いあげるように片手でゲイ・ボルグの先を絡ませるそぶりを見せる。

すると彼女は自身の武器で私の武器を叩きつけるようにしたあと、バックステップを取る。

 

「ふむ、私が武器を掬いあげると同時に手放せば、こちらの虚をつける。そのとき私のがら空きの胴に一撃入れれば卿が有利な状態で仕切りなおすことが出来ただろうに……」

 

「反対の手が空いてたから。それに備えてた……。違う?」

 

「……流石と言うべきか。では少しばかり打ち合うとするか」

 

私はそう言って横薙ぎを繰り出してみる。

 

「――ッ。強いけど、防げる」

 

方天画戟の柄で防いだ恋は一瞬だけ顔を歪めるが、すぐに元に戻る。

 

「お次はこうだ」

 

弾かれてすぐに手元に引き寄せたゲイ・ボルグを彼女の胸元めがけて突きだした。

 

「――これは避ける。でも追撃は弾く」

 

左に避けつつ方天画戟で弾く恋。

 

「今度はこっちの番」

 

容赦なく切りつけてくる恋に対し、私はゲイ・ボルグの原典の柄で防ぎ、そのまま弾く。

 

「……気とやらで強化しているとはいえ、私が筋力ステータスで負けるか……」

 

受け止めた時の衝撃で少しばかり後ろに押された私は方天画戟などの重さから恋が発揮した力をはじき出して判断する。

 

「――こっちもさっきのお返し」

 

先ほどの私と同じように私の心臓めがけ、方天画戟を突きだした。

 

「ふむ、どう対応するか困るな」

 

私は方天画戟の横刃である月牙と本体を繋げている部分を柄で止めると、私の胸に届く前に止まる。

 

「……ふむ、このままでは負けるな」

 

私はゲイ・ボルグをスライドさせ、穂でそのつなぎ目を引っ掛けて逸らす。

 

「……嘘つき。全然余裕そう」

 

彼女の攻撃は激しさを増し始めるが、私は危なげなく逸らし、弾きつつ肩をすくめる。

 

「そう見えるならば僥倖。部下の前で情けない姿をさらすわけにもいかんからな」

 

私は完全にだらけている寧を一瞥した後、口元を吊り上げて答える。

 

――実際に今こうしていられるのは、エイヴィヒカイトを応用して魔力放出を疑似的に行っているからであり、出なければかなり危ないところが何回かあった。

 

「……ではそろそろ決着をつけるとしよう」

 

今度は私が恋の懐へ潜ろうと試みるが、無論方天画戟による突きが迫る。

 

「突きだしたとき、武器が縦では横に避けた時の追撃が面になる。――常人相手ならば、それを叩きつけるだけで脳震盪は狙えるが、両手に別の武器を持っていたらどうするつもりかね?」

 

私はすかさず突きを避けつつ、腰に佩いていた原罪(メロダック)を逆手で抜剣して追撃を防ぐ。

 

「……普通なら、その武器ごと薙ぎ払う」

 

少し困った顔をしつつ自身に迫りくるゲイ・ボルグを避けて踏みこんでくる。

 

「――小手先の技が通じぬか。……ここまでは卿相手に通用するとは思っていなかったが」

 

私はすぐさま武器の角度を変えて原罪(メロダック)を引っ掛けた恋に対し、私は一瞬だけ手抵抗し、相手が本腰入れた瞬間に手放す。

 

「――!!」

 

突然のことで態勢を崩す恋。

引き寄せようとしていた得物の向きを変え、慌てて私の首を狙うが、既に手元に引き寄せていた私のゲイボルグが恋の首を狙う方が早い。

原罪(メロダック)を引っ掛けて奪った後、仕切り直しという考えはなかなか良かったが、私の持つゲイ・ボルグの原典は既に恋の首につきつけられた。

 

「――そこまで!!勝者は僅差で隊長です!!」

 

寧の言葉に私と恋は戦闘態勢を解く。

それと共に原罪(メロダック)が地面に落ち、恋が少し残念そうな顔をする。

――後一寸近づいていれば、引き分けだったが、辛うじて勝てた。

 

「……ライニ、まだ本気じゃない。……ライニの本気が見れなかった。残念」

 

恋の言葉に私は肩をすくめる。

 

「……この状況で出せる全力を出していた。……気とやらの強化を踏まえても、卿の筋力が私のステータスを上回っているとは想定していなかったのは、私の慢心であり、反省点だな……」

 

おそらく素でCはあるはずだ。

 

先の打ちあいでの手ごたえからそれくらいはあると感じたのだ。

 

「……上には上があるって理解できた。あと工夫で多少の不利なら覆せることも、ライニの本気はライニが本当に命がけの時じゃないと見れないことも」

 

恋はそう言って私の原罪(メロダック)を拾い、私に渡してくれた。

 

――人目を気にしているから王の財宝(ゲートオブバビロン)を使っていない。

あと恋なら耐えられるだろうが、周囲の人間などがショック死しないために聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・デスタメント)を使っていない。

そういうことを踏まえれば、恋の言葉は正しい。

 

「隊長が本気になる時は、それこそ彼の英雄王か、大英雄と呼ばれるサーヴァントくらいだと思いますよ。そうでなければ、隊長の爪牙だけでだいたい事足りるので」

 

寧が冷静に指摘をする。

 

「……そうであればいいが。あと大英雄など、そう易々と召喚されるとは思わんがな」

 

寧の指摘に肩を竦めた私は宝物庫へ原罪(メロダック)を戻した後、落ち込んだ様子の恋の頭を撫でる。

 

「……いまだ人の域から脱していない卿に全力で相手することになってしまっては、私の立つ瀬がない。……今の私が弱すぎるとしても、卿が人としては桁外れの実力を持っていたとしてもな」

 

爪牙たちに顔が立たんではないか、と付け加えると、恋は何故か頬を赤くしてはにかんだ。

 

「……お腹がすいたのではないかね?私が何かおごろう」

 

この提案は恋の貴重な表情が見れたこともあるが、恋が空腹ではないかと感じたからだ。

 

「……そこまでじゃないけど、お願い」

 

自身のおなかを撫でた恋はこちらを見てそう言った。

 

「……隊長、惰眠貪ってた私を叩き起こしたのですから、部下にも奢ってくださいよ」

 

恋ばかり見ていたら寧がふてくされた顔で抗議してきた。

先ほどまでのきりっとした態度から、だらだらした態度に戻っていた。

 

「む、そうだったな。卿にも何か奢ろう」

 

「流石ですね、隊長。ごちになりま~す」

 

……緩み過ぎだな。

 

「……仕事ではないが、弛み過ぎだ。私の言ったこと、忘れたわけではあるまいな?このままでは部下たちを鍛えた、性格矯正計画の本格版を卿に施行するべきか悩んでしまうのだが……?」

 

私が彼女を諌めるように見ると、彼女は血相を変えて態度を正す。

 

「――!!以後気を付けます!!」

 

「よろしい。では町へ出かけるとしよう」

 

私がそう言って歩き出すと、2人がついてくるのを感じた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「……ねねまでいいのですか?」

 

「構わん。給金を詠から渡されるがほぼ手付かずなのでね。卿にも消費に貢献してもらおう」

 

私たちは街中を歩いていたら合流したねね、月、詠、水蓮そしてやっと復活した美花も巻きこんで、いくつかの店で買い食いをしていた。

 

「……そういえば、あんたイカサマ賭博師から巻き上げた金があったって言ったわね。もしかしてそれもほとんど手付かず?」

 

「ああ。いくつか本を売ったお金以外、今のところほとんど使っていない」

 

それに、食事は城の厨房で自炊で、材料は底なしの宝物庫から出しているため、食費はまったく金を使うことはないのだ。

――今回の買い食いを除けば、本を買う以外にお金を使っていなかったりする。

 

「どんな本を売ったかはおいおい聞くとして……。ボクとしては、ライニにはそっちのメイドがどうしてあなたのメイドになったのかをその時の様子も踏まえて教えてほしいんだけど」

 

ジト目でこちらを見る詠。

 

私の傍らには当たり前のように美花がいるからである。

 

浮気した夫を問い詰める妻の態度にそっくりなのは気のせいのはずだ……。

 

「私が旦那様の元に訪れたのは昨夜のことでございます。――桃香様……劉備様の元では、仕事がほとんどなかった事、初めてあったときからこの方に仕えるために生まれてきたと確信したことを伝え、旦那様のメイドとして雇っていただけるよう懇願させていただきました。――初めてのお仕事が夜のお世話だったとは思いませんでしたが、私は喜んで奉仕させていただきました」

 

恥じらう顔をしながら暴露していく美花。

……む?

呼び方がいつの間にか変わっていないか?

 

「――なにやらせてるのよ!この色魔!!」

 

「……私を呼んでくだされば、いつだって……へう」

 

「……?」

 

「……肉まんが甘くて仕方がない」

 

「――料理の腕は認めていますが、恋殿に手出しはさせませんぞ!!」

 

脛を蹴り始める詠に、勝手に自爆して赤くなる月、良く分かっていない恋と何故かイラッとしている水蓮。

そして恋をかばうように私と恋の間に移動するねね。

 

「私は強要した覚えはない。私がそんなことを言うと思うかね?」

 

「……あり得ないわね。あんたは来る者拒まず、去るもの追わず、関わらぬもの放置が基本方針だし……」

 

冷静になったのか、記憶を掘り起こして私の言葉を肯定する詠。

 

「……まあ、アンタは誰のサーヴァントか忘れないように振舞ってくれるなら、別にメイドの1人や2人は大目に見ておくわ。あとこ……恋人として、ボクや月のことをないがしろにしないように」

 

「――寛大な心遣い感謝しよう、マスター。無論卿らをないがしろにするつもりはない、詠、月」

 

「ふ、フン。分かればいいのよ、分かれば」

 

「えっと、恋人として傾さんのことも忘れないであげてください」

 

私の言葉に対し、そっぽを向く詠と、照れてながらも傾のことも忘れないように伝える月。

 

「……」

 

「どうした?恋」

 

こちらを見ていた恋に問いかけると、彼女は首を振る。

 

「……何でもない」

 

「……そうか」

 

――何か悩みがあるならば、誰かに相談するだろうから問題はないだろう。

 

こうして私の給金の一部は恋たちの小腹を満たすために使われたのだった……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

昼食後、恋はお昼寝のため、先日見つけたお気に入りの場所へ向かっていたが……。

彼女の見つけた、お気に入りの場所である四阿の傍にある芝の広がる場所の木には先客がいた。

 

「……ライニ?」

 

木の幹に背を預けているのは獣だ。

 

その獣は微睡みに身を委ねているのか、呂布の声に反応することはなかった。

 

「……」

 

お気に入りの場所で昼寝したいが、獣を起こすのは憚られる。

悩む呂布は彼のそばを静かに行ったり来たりし、視線を獣と、木の周りを向ける。

さて、どうするのだろうか……?

 

「……!」

 

何かを思いついたように呂布は獣のそばへとそっと近づき、彼を起こさぬよう、そっと膝に頭を預けた。

地面は芝なので、多少くすぐったいようだが問題はないようだ。

 

「……♪」

 

具合が良かったのか、うれしそうな顔をする呂布。

しかしそよ風と陽気な天気が彼女を微睡みへと誘ったようで、だんだん瞼が閉じていく……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「……あいつどこにいるのよ……」

 

以前『城』で読んでいた本の中で今度読もうと思っていたモノがあったことを思いだしたボクは、ライニを捜してた。

 

ライニの部屋には美花がいて、部屋を綺麗にしてたからどこに行ったか聞いたけど知らないって返された。

 

傾も知らないみたいだし、部屋にいた月も同じ。

 

兵士たちのいる陣かと思ったけど、姜維と寧に丸投げしてたからそれもないはず。

 

あと基本的に町の方にはいかないから城のどこかのはず。

 

――後行きそうなところって言ったら、四阿くらいだけど……。

 

 

 

そう思って行ってみると……。

 

「なんで恋がライニにひざまくらされてるの……?」

 

木の幹に背を預けてるライニとその膝で気持ちよさそうに寝てる恋がいた。

 

2人ともぐっすり寝ていて、ボクの声に気付いていない。

 

「……」

 

丁度ライニの隣が空いてるけど……。

 

何かに吸い込まれるみたいに、ボクもライニの傍に足が動いてて、気付いたら、ライニの隣で気の幹に、背中を預けてた。

 

――そういえば、ライニが寝る顔、初めてみたな……。

 

長安にいるときも仮眠してるって、ライニは言ってたし実際その直後の寝具に入ったこともあるけど、ライニが寝てるところは見たこともない。

 

ライニと寝た時も、寝てる姿は一度も見たことがないし……。

 

そう思い返したら、どれだけ貴重な顔かを改めて理解した。

 

「……なんだか、ボクまで眠く……」

 

なんだかとってもあったかいのに、程よく風が吹いているせいか、だんだん瞼が重くなってきた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

昼食後、不思議と眠気を感じて、木の幹に身を預けていたら、いつの間にか“□□□□(わたし)”がラインハルト(わたし)になった場所に来ていた。

目の前には、“□□□□(わたし)”をうっかり死なせた女神がおり、わざわざ座布団と、ちゃぶ台、お茶の入った湯呑みが用意されていた。

 

「何用かね?私を……。私の精神を呼び出したようだが……?」

 

「あ~、いや、その身体では、寝れないのではないかと思いまして……。寝てる時は無意識の力の制御出来てないみたいですしおすし」

 

何故か挙動不審な彼女に対し、私は肩をすくめる。

 

「間違ってはおらんな。一度目はうっかりベッドの一部を壊してしまったからな」

 

それ以来、仮眠と言っても、ベッドで横になり、目を閉じているだけだった上、洛陽以降一睡もしていない。

魔力の供給が十分となった今では、仮眠がなくても問題はなくなったが、気分としては睡眠がとりたい。

 

「そう思いまして、貴方の肉体を更新する旨を伝えようかと思いまして、呼び出しました

。――まず一つ目は、寝ている間だけ、筋力ステータスが常人まで落ちるようにしておきます。……ここまで来るまで、色々不便をおかけしたようなので、二つ目と言うか、お詫びで昔の貴方……ゲシュタポ長官だったころの貴方の姿になれるおまけをつけておきますね。昔の姿を思いだせば、変化できますし、元の姿を思い返せば、元の姿に戻れるようにしました。あと昔の姿でも、ステータス、宝具、あと今回の一つ目の効果に変化はありませんので、そこら辺は問題ありません」

 

「……それは助かるな」

 

髪が長いと髪を拭くのが面倒であるからな。

 

「……あ、姿が変わると、身体の汚れとかも消えるので、わざわざ身体を綺麗にする必要ありません。便利ボディですよ」

 

「……そうなのか」

 

まあ、気分の問題なので、どのみち身体を洗うだろうが……。

 

「私からは以上です。……あと、私自身はほとんど暇なので、たまには、私を思いだしてください。私は呼び出す大義名分ができるので」

 

「……善処しよう」

 

私がそう言うと、私の意識は、再び遠くなった……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「……」

 

目を覚ましてみると、詠が私の隣で寝ており、恋が私の膝で寝ていた。

 

「……ライニ、起きた」

 

私の微かな動きに気づいたらしく、眠たげに目をこすりながら起き上がる恋。

 

気付けば黄昏時が始まろうとしていた。

 

「……このまま詠を置いて置くわけにもいかんな」

 

私は寝ている詠をそっと横抱き――俗に言うお姫様抱っこ――して、詠を彼女の寝室に連れていくことにした。

 

「……手のふさがってるライニの護衛する」

 

「すまないな。」

 

恋がお礼とばかりに護衛を申し出たのでお願いしておく。

 

 

 

 

 

 

「月、すまないが夕食までに起きなかったら詠を起こしてくれぬか?」

 

月と詠の部屋のベッドに詠を寝かせた私は月にお願いしておく。

 

「はい。お任せください」

 

――可愛らしい笑顔と共に返事する月。

 

「では、私はこれで失礼するよ。夕食を作らねばらなぬのでね」

 

私は立ち去ろうとした後、月の耳元まで顔を近づけて伝えておく。

 

「(今夜は空いている。美花がいるが、構わぬなら夕食後、傾、詠と一緒に来るといい)」

 

「……!!はい。傾さんと詠ちゃんと一緒に行きますね」

 

彼女の喜ぶ顔はいつ見ても良いものだ。

 

私はそう思いつつ、部屋を後にした。

 

「……お疲れ」

 

部屋の前で待っていた恋が私をねぎらった。

 

「……夕食のデザートは何が言いかね?」

 

「!!ちーずけーき」

 

触角がピンと立った後、恋は目を輝かせて答えた。

 

「卿のために1ホール用意しておく」

 

「ありがと。……じゃあね」

 

恋はそう言って、去っていった……。

 

「……彼女が恋を知るのはいつになるのか、見守っていられれば良いが……」

 

どこか子を見守る父親の気分を味わいながら、私はひとりごちた。

そのあと、私は言葉に出来ぬ気持ちを抱えたまま、厨房へと向かったのだった……。




いかがだっただろうか。

感想、誤字脱字の指摘、おまけで評価もお待ちしているよ。
酷評も、私を育てるための大切な要素だと思っているので、多少は受けて受けている。
ただし、全体に対する酷評の比率があまり多いと
( ∴)<滅人滅相!!(データ全消し)
するかもしれんが……。

まあ私の戯言はさておき、

またもや次回予告をさせてもらおう。



《次回予告(?)》

「……やっと出番だ!」

「午前中はマスターと、越があのお兄さんと絡んでいるお話、午後はボクと星と、エミヤのお話の2本立てでお送りします!」

「……こっちの予定表には、訳の分からない2人の雑談回と獣たち不在の長安の一日が挟まれる、とありますが……」

「情報が錯綜しているようですが、どうしますかな、白恋殿」

「出番をもう少しくれたっていいじゃないか……」

「姉さん、元気出して!!」

(注)あくまでこれは製作中のモノです。
実物と彼女たちの発言の差異に関して本作品の作者は一切の責任を負いません。




――また次の幕にてお会いしましょう……。
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