実に嘆かわしい。
役者がいくら良いと言えど、演出家がダメならば歌劇は盛り上がらない。
だが、始めた以上、行き詰るまで進むつもりだ。
――最悪、永劫回帰(なかったことに)すればよいだろうし……
P.S 2015年2月5日 深刻なミスを修正
――某日某所
「私はセイバー。騎士として、貴方に勝利をささげましょう」
「かたっ苦しいから、もっとフランクに行こうぜ?」
「む、しかし私は騎士としての矜持があるので……」
「……まあいいか。セイバー、お前の真名を教えてくれるか?」
「私はステルケンブルク・クラナッハと申します。以後お見知りおきを」
「……一騎打ちになったとき、うっかり真名言うなよ?」
「……気を付けます」
――*――*――*――
「サーヴァントランサー、召喚に応じ参上した。よろしく頼むぜ、マスター」
「その紅い槍……お前はまさか」
「へえ、オレのこと知ってるのか。……それなら、オレを狗って呼んだらどうなるか、分かってるな?」
「……無論だ。……ちなみにアサシンが家にいるが、手を出すなよ?」
「あ?まさかどっかのマスターから奪ったのか?」
「ああ。偶然近所の役所勤めだった屑な地方官吏がマスターだったのでな。……手駒は大いに越したことはないだろう?水入らずで一騎打ちするタイミングを作るにも、安全確保のためにもアサシンは有利だからな」
「まあ、強い奴と戦えるなら特に文句は言わねえ。……あ、そういやアサシンって、片腕が包帯で巻かれてるハサンって奴か?」
「いや、ちがうな。中にはザイードと名乗ってたやつがいたが、皆ハサンと名乗る多種多様な人物だ。あれは多重人格が宝具と化したモノだと思うが……。なんでそんなことを聞く?」
「あ~いや、何でもねえ。こっちの話だ」
「……まあいい。これから頼むぞ」
「おうよ!オレに任せとけ」
――*――*――*――
「な、なんだ?」
「君がボクのマスターだね?初めまして!!ボクはシャルルマーニュが十二勇士アストルフォさ。……あ、クラスはライダーだ。ライダーって呼んでね!」
「あ、あすとるふぉ?らいだー?」
「……なんかぎこちない呼び方だね。とっさの時にちゃんと呼べるようにまずは練習練習!」
「おい、ちょっと待て!まだ仕事が……」
「そんなのあとあと。命あっての仕事でしょ?」
「その言葉、間違ってないけど、なんでこうなった!?越――!!仕事頼んだ!!」
「姉上!ボクを過労死されるつもりですか!!」
「戻ってきたらちゃんとやるから、急ぎの案件だけでも頼む!!」
「……姉上を引っ張っていったあの桃色の髪の人、誰なんでしょうか?」
――*――*――*――
「……まさか、本当にサーヴァントが召喚出来るとは……。む? 2人? サーヴァントは、一人のはずですが……」
「たぶん2人で一体という扱いだから……だと思います。オレの予想が正しければ、オレかエスカ……彼女のどちらかが倒されると、もう1人も動けなくなると思います」
「えっ、そうなんですか、ロジーさん」
「サーヴァントという性質と、オレたちが同時に召喚されたってことを考えれば、これくらいの仮説は立てられるだろ」
「えっと、そうですねー……」
「……まさかサーヴァントとしての知識も2人で一人分なのか……?」
「それって不味くありませんか?」
「不味いですね」
「……とりあえず、キャスターらしく、他のサーヴァントに対抗するための道具を作るぞ」
「はい、ロジーさん!!」
「……将臣がいたなら、私だって……」
「……? その人は、一体」
「私の、恋人です……」
――*――*――*――
「サーヴァント、アーチャーだ。……君が私のマスターかね?」
「へっ!?お兄さん誰?」
「……アーチャーと呼んでほしい」
「あ、うん。よろしくね、亜茶さん」
「……では聞くが、ここがどこで、今は何年だね?」
「え?ここは幽州たく郡たく県桑里のそばだよ。それで、今は熹平7年だけど……」
「そうか……」
「?」
「幽州たく群、熹平7年……陳寿の記した通りならば、三国志の序盤の序盤だな。おまけに桑里のそばの川で
「えっと、どうしたの?亜茶さん。顔が怖いよ」
「君の名前は?」
「あ、まだ言ってなかったね。私は劉備。字は元徳だよ。よろしくね」
「……そうだ、セイバーが女の子だったくらいだ。劉備が女の子だろうとおかしくはない……」
「……大丈夫?亜茶さん」
「大丈夫だ。問題ない」
「……ホントかなぁ……」
――*――*――*――
「ライダーゲオルギウス、召喚に応じ推参しました。さあ、頑張りましょう」
「本当に召喚できちゃった……」
「……か弱き少女がマスターですか。……私の力の限り、貴女を守りましょう」
「蒲公英は少女だけど、弱くないよ!!」
「……しかし見たところ、魔術の心得は無いようですが……。神秘を内包したモノでなければサーヴァントにダメージを与えるのは困難なのですが……」
「ま、魔術?神秘?なにそれ」
「……まさか何も知らないのですか……?」
――*――*――*――
「サーヴァントアサシン。影より貴殿の呼び声を聞き届け、参上した」
「……えっと、私は高順。よろしく」
「よろしく頼もう、マスターよ」
「ん、よろしく。……ところで」
「?」
「聖杯戦争ってなに?」
「……順を追って説明しよう。疑問は説明の後、まとめてでお願いできるか?」
「ん、分かった。でも昼から恋様と一緒に兵の調練しないといけないから、手短に」
「あい分かった。では聖杯戦争について説明しよう……」
――*――*――*――
「……う……ぁ……」
「オレは周陽ってんだ。よろしくな」
「……ぁぁ……うぅ……」
「はあ?名前つけろって?いきなり言われてもな」
「……あぁ………うぅぅ……。ううぅ……ああぁ………ううぅ……」
「ならフランでいいか?」
「……う………。……ぁぁぁぁあ!!」
「ああ、そう言えばこの本に書いてあったな。分かった。基本的にバーサーカーって呼ぶから、心配するな」
「あぁ…うぅ……」
「……そんなにうれしかったのか……」
――*――*――*――
目を覚ますと、目の前には尻もち着ついた深緑の髪と赤い眼鏡が特徴の少女がこちらを見上げていた。
――彼女はまさか……。
「……確かにサーヴァントとして召喚されてもおかしくはない転生特典として与えられたが、よもや本当に召喚されようとは……」
彼女の右手に光る令呪、そして彼女から流れてくるごく微量の魔力から確信した私は自然と口にしていた。
「ほ、本当にできた。」
彼女が驚きと歓喜をないまぜにした表情でそう言うと、いきなり立ち上がる。
「アンタはボクのサーヴァントよ。ボクの命令には絶対服従なんだからね!」
仁王立ちのドヤ顔を彼女がするが、彼女には残念なことを伝えねばなるまい。
「……ドヤ顔のところ、申し訳ないが、一言言わせてもらおう。確かにサーヴァントに対して、強制力のある命令は出来るが、それは令呪を使うからこそできるのであって、全ての命令に強制力があるわけではないぞ」
すると彼女と私の間に謎の沈黙が広がった。
そして彼女は顔を赤くしてぷるぷるしている。
おそらく枕があるなら顔をうずめて足をパタパタさせるに違いない。
「「…………」」
……む?
そう言えば今の私のクラスはアーチャーなのか?
それともランサーか?
まさか月の裏の英雄王ように、クラスなしか?
――などと考えていると、彼女が沈黙を破った。
「と、とにかくボクがマスターなんだから、大人しく従いなさい、アーチャー!!」
私はアーチャーなのか。
まあいい。
私としても、可愛らしい少女に従うのもやぶさかではない。
――私の爪牙が今の私の想いを聞いたら、何と言うだろうか……。
などと思いつつ、私は答えた。
「可能な限りは、従っても良い。……ただし、今は無理が利かんがな」
私の答えに対し、彼女は怪訝な顔をする。
「は?なんで?」
「魔力の供給がほとんどない上、霊体化が出来ぬ状態だ。宝具を使おうものなら、すぐに魔力切れで消える。……故に無理が利かんと答えたのだ」
私が理由を述べると彼女は困惑の色を露わにした。
実際に魔力もかなりギリギリの供給な上、本当に霊体化できぬのだ。
「……それって、ボクのせい……よね?」
彼女は申し訳なさそうに問いかけてくる。
「……卿は魔術など全くの素人なのであろう?」
「え、そうだけど……」
「ならばそうであっても仕方ない」
私は彼女の目線に合わせるため、膝を折る。
「私は卿のサーヴァントとして召喚された。故に卿が私を捨てぬ限り、私も卿に尽くそう。……ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ、私の真名を卿の胸裏に刻んでほしい。」
彼女の手を取って彼女を見つめながら私は真名を告げた。
「ぼ、ボクは賈駆。字は文和。貴方たちの真名の重要性は知ってるわ。だからボクも真名を預けるわ。ボクの真名は詠。よろしく、えっと……らいんはると……」
何故か顔を赤くしているが、まあいい。
……しかし、しまったな。
私のフルネームは長い。
少年時代の愛称で呼ぶようにお願いするか。
「真名は長い。ゆえにライニ、と呼ぶといい」
「ライニ……ライニ……。わかったわ。よろしくね、ライニ」
「ああ。よろしく頼むよ、マスター」
こうして、私は詠のサーヴァントとなったのだった……。
いかがだっただろうか。
つまらんと言うものが多数だと私は予感している。
むしろ感想を書く猛者など稀有だと確信できる。
ちなみに、今回から、いい加減なポイントをここに書かせてもらう。
(タグでもかいてあるが、クレームが怖いので念のため書かせてもらう)
ここに書いてあることはいい加減なので、詳しいことは自分で調べるように。
今回は一点。
・劉備とアーチャーのくだりは年号こそあっているが、年はいい加減。