恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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初めに……。

ぶっくおふさん、可愛い=世界さん、城雅さん、評価ありがとう。

2話目で評価1を付けられたのは少しばかり納得しつつ、悲しいものがあったが、貴重な評価だ、ありがとう。

他2人は8と高得点を付けてくれたようだ。

感動のあまりダンス某ニートダンスしてしまったよ。

――そこ、ウザいとか言わないで。

まあ私のことはともかくだ。

これで第1章もほとんど終わりだ。

――長かったなぁ。



戯言はこのくらいで……。


では皆さま、私の歌劇をご観覧あれ……。


第17話 決戦 そして……

 

 

 

 

 

「おう、食料の輸送か。……また随分と回収してきたな。どこから取ってきた?」

 

「聞いて驚け。最近調子乗ってた官軍どもから巻き上げてきたんだよ。オレの策略で食料あらかた奪って追い払ったんだ。残りは全部焼き払ったからな。しばらくは戻ってこれねえと思うぜ」

 

「そいつは吉報だ。張角様たちに、ご報告してくるといい」

 

「へへっ。あの方たちを間近で見られるのは報告の時くらいだもんな。ちょっくらいってくらぁ。チビ、デク、部下たちと共にこの食料を食料庫に運び込んでくれ。くれぐれも、荷物は丁重に扱ってくれよ」

 

「分かっていますよ、兄貴」

 

「いってらっしゃいなんだな」

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「獣の旦那。着きましたぜ」

 

劉辟の声を聞いた私は、荷台の中から顔を出した。

 

周囲はすっかり日が暮れ、遠くにかがり火がいくつか見える。

 

「検品もせぬとは、ザルもいいところだな。おまけに兵士をろくに確認しないところなどもな」

 

私はそう言って、荷台の上に乗せていた布をどかして出たあと、軽く伸びをする。

 

「っていうか、オレたちも黄巾党の服装すればよかったんじゃ……?」

 

別の荷台から北郷が這いだしてきながら疑問を口にする。

 

「そんな粗末なもん着れるかよ。ハイドリヒ卿が命令でもしない限り、絶対に着ないね」

 

「ベイに同じく。そんなもの着る人の神経が分からないよ」

 

ベイ、シュライバーが別の荷台から出つつ、ベイは顔をしかめて、シュライバーは不満げに反応する。

 

それに続くように、ヴァルキュリア、レオンハルト、カイン、マキナ、恋、霞、寧、夏侯姉妹が別の荷台から出てきた。

 

「卿らご苦労。もう着替えて構わんぞ」

 

私がそう言うと、荷車を運んでいた1000の私の兵士たちが、それぞれ自分の運んでいた荷車を漁って着ていた黄巾党の服から自分の服に着替えを始めた。

 

「……む、婦女子諸君はそこの角を曲がったところに待機しておいてもらいたい」

 

私がそう言うと、女性陣は指定した場所まで移動して行った……。

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「さて、確認するが、やることは分かっているかね?」

 

私が問いかけると、各々が頷く。

 

ベイが嬉々として答える。

 

「オレとレオンハルトで南門を焼き払う。ついでに近辺の家屋も燃やしておくか。頼りにしてるぜ、レオンハルト」

 

「……」

 

ベイの言葉に対し、レオンハルトは無言のままだ。

 

「ウチと恋は手勢500率いて東門を押さえる。……なんか、放火魔みたいであまりええ気持ちせんけどな」

 

「……これはこらてらるだめーじだから。必要な犠牲」

 

霞の複雑そうな心境に対し、恋が霞の肩をポンと叩いて慰め(?)た。

 

――あと恋、何故その言葉を知っている?

 

――微妙に使い方を間違えているように見えるのだが……。

 

「私はシュライバー少佐とともに北門の担当です。別に2人でも問題ないんですが、一応ハイドリヒ卿の兵士300借りていきますね」

 

ヴァルキュリアが気が乗らないと言いたげな声で答える。

 

「私と姉者、北郷はそちらの戒とマキナ殿、ハイドリヒ卿の兵士200と共に張三姉妹のいる天幕に向かい、3名を保護。その後ハイドリヒ卿と合流し、北門から脱出です」

 

「道案内はオレたちに任せてくれ」

 

「なんだな~」

 

夏侯淵が目的を答え劉辟、波才が案内役であることをアピールした。

 

「元譲さんと妙才さんは出来る限り自分の身は自分で守ってほしい。ボクとマキナ卿、ハイドリヒ卿の兵士はあくまで御使い様の護衛だからね」

 

そっちの2人もね、とカインは補足をする。

 

「当然だ。北郷ではあるまいし、自分の身くらい自分で守る」

 

カインの言葉に夏侯惇は当たり前だといわんばかりの反応を見せる。

 

「……たとえ守られていたとしても、常に周りに注意を払っておけ、天の御使い。ここは戦場だ。一瞬の油断が命取りになる……」

 

「あ、はい……」

 

マキナが珍しく他人に助言を送り、北郷はマキナがしゃべったことに驚きつつもしっかり反応を見せた。

 

「よろしい。私と寧は卿らの行動に呼応し、食料庫(ここ)に火を付けた後、逃げ惑う敵に追撃をかける。ある程度減らしたのち、御使いたちと合流する。各門の担当者は状況に応じて脱出か西門に敵を追い立てるかを決めてもらう。――何か質問はあるかね?」

 

私は一度言葉を区切って全員を見る。

 

誰も特に反応を示すことなく、私を見ていたので、私は口を開いた。

 

「では、作戦を開始する。――諸君の健闘を祈る……」

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「……寧」

 

「どうしました?隊長」

 

首を傾げて問いかけてきた寧。

 

「卿はやはり……」

 

「私はやはり……何ですか?」

 

私は言おうとしたことを飲みこみ、首を振る。

 

「いや……。今のは私の戯言に過ぎん。忘れておけ」

 

「えっと……はい。そうします」

 

腑に落ちない様子の寧。

 

「それよりも、済まぬが予定を少し変更する。卿はこれから武器庫を押さえに行ってくれぬか?鍵をかけておいて、出せなくさせるだけで構わん」

 

「……隊長はどうするおつもりで?」

 

怪しいと言いたげな表情で寧は問いかけてきた。

 

「予定通り状況を見計らい、食料庫(ここ)に火を付ける。その後、武器庫付近にいる卿を拾って北郷と合流する」

 

「……了解しました。隊長……」

 

どこか不満げな態度の寧は、そういって屋根の上に跳躍し、そのまま屋根伝いに南へ向かって駆けていった。

 

それを見届けた私は虚空に向かって話しかける。

 

「待たせてすまなかったな。これで邪魔は入らんぞ」

 

「……いつから気づいてた?」

 

その言葉と共に、私の前に、紅い槍を持った青いタイツの男が陽炎のような揺らめきと共に現れた。

 

「ほんの少し前だ。人質を取ることをしなかった卿に感謝する」

 

「人としての道を違えるなっていう、マスターの命令だからな。その分、てめえには手加減しねえけどな」

 

私は肩をすくめる。

 

「出来ればお手柔らかにお願いしたいものだな」

 

私がそう言った瞬間、私は首を右に傾ける。

 

私の頭があったところには、紅い槍が突きだされており、避けていなければ頭を貫かれていただろう。

 

「……安心したぜ。この程度も避けられねえ奴なんか相手してもつまらんからな。安心しろ、今度はてめえが武器を構えるまで待っててやるからよ」

 

男はそう言って、20歩ほど後ろに下がる。

 

私はあたかも私の得物を水平に持つように構える。

 

「……?」

 

怪訝な顔をする男を放置し、詠唱する。

 

Yetzirah(形成)―」

 

Vere filius Dei erat iste(ここに神の子 顕現せり)

 

どこからか聞こえてきたカールの言葉と共に、私の得物が私の手の中に現れた。

 

「――Longinuslanze Testament(聖約・運命の神槍)

 

私は得物を持ち直し、男を見据える。

 

「……武器持たせず、奇襲した方が良かったかもな」

 

焦りの声色とは裏腹に、男の顔には待ってましたといわんばかりの表情が浮かんでいる。

 

「ああ。あと言っておくが、下手に距離をとったり、私に隙を見せると、宝物庫の宝具が卿に襲い掛かるゆえ、全力で掛かってくることをオススメしよう」

 

「……その余裕、どれだけ保てるか見ものだな」

 

男の言葉に対し、私は口元を吊り上げた。

 

「私はアーチャー。真名はラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ。――卿も名を名乗れ、光の御子よ。まさか戦の作法を知らぬわけではあるまいな?」

 

私がやや挑発じみた言葉を吐くが、男は顔をしかめる程度だった。

 

「てめえアーチャーの癖に槍で戦うのかよ。……まあいい。オレはランサー。真名は知ってるだろうが、クー・フーリンだ」

 

「では、血沸き肉躍るひと時を始めるとしよう」

 

私がそう言った瞬間、相手は射程範囲に私をとらえるところまで接近していた。

 

そして先ほどとは打って変わり、本気で私を殺しに来ていると分かる一突きを放つ。

 

私はそれを交わしつつ、胴を薙ぎ払うように一閃する。

 

対してランサーは自身の得物を引き寄せつつ、私の槍を流すように槍の反対側を私の槍の下側に入れて弾き上げようとする。

 

私は即座に槍を掬いあげの範囲から逃し、一度間を置こうとバックステップをとるが、向こうはそれを見逃さなかった。

 

「もらった――」

 

「果たしてそれはどうかな?」

 

私がそう言ったと同時に宝物庫の宝具が私を追撃しようとするランサーの頭上からランサーを襲撃した。

 

「――ッ!!」

 

慌てて避けたところに私は袈裟切りをするも、それは防がれる。

 

その手際の良さに、内心で称賛を送った私は結果として、一瞬動きを止めてしまった。

 

それを見逃すランサーではなく、結果として戦闘の主導権が相手に渡った。

 

ここぞとばかりに繰り出される突き、薙ぎ払い、叩きつけ、袈裟切り……。

 

いずれもなかなかのものだが、正直物足りない。

 

――すこしばかり本気を出させるとしよう。

 

私はそう思い、一度距離を置いて口を開いた。

 

「……思ったよりも手ごたえがないな。英雄として一流といわれていても、所詮は狗か」

 

「――オレのことを狗と呼びやがったな……?」

 

「左様。骨のある戦士だと思っていたが、骨に噛みつく狗畜生だと分かって、大いに失望した。いくら神代の英雄といえど、所詮は私の敵ではなかったということだ」

 

「……」

 

怒りを薄皮一枚の理性で押さえているランサーを横目に、私は続ける。

 

「ああ。案ずるな。所詮知名度補正による能力がなければ、ただの雑魚だったと、卿になにかと因縁がある赤い弓兵に酒の席で話してや――」

 

私が言い終わる前に、ランサーの薙ぎ払いが私に襲い掛かった。

 

「やればできるではないか。ほら、獲物はここだ。よく狙え」

 

私は片手で持つ得物で防ぎ、空いた手でかかって来いと挑発する。

 

「―――」

 

言葉にならぬ怒りと共に、ランサーは攻撃を繰り出す。

 

――突き、薙ぎ払い、袈裟切り、叩きつけ。

 

いずれも先ほどのとはくらべものにならぬほど鋭く、重く、速い。

 

されど時折フェイントを混ぜているあたり、怒るほどに頭が冴えわたる性質なのだろう。

 

「やはりこうでなくては興ざめだ。だが、すまんな。卿の攻撃が当たろうと、今の私の防御を貫けぬ」

 

私はそう言って、ランサーの突きを受けて見せる。

 

その時の音は、さながら金属の塊同士がぶつかり合い、弾きあう音と言えばよいだろうか。

 

「――!!」

 

本能的に察したのか、私と間合いをあけた。

 

「今の私を倒すためには、卿は宝具を放つ他ないが私は生憎待ってやるつもりはない。さて、どうするかね?」

 

私の言葉にランサーは少しばかりの沈黙を見せた後、何かを決断したように口を開いた。

 

「――アサシン、時間を稼げ」

 

『よかろう!!』

 

途端に背後に感じた殺気。

 

「――アサシンか」

 

私は振り向きざまに一閃すると、髑髏の仮面を付けた黒ずくめの暗殺者は倒れる。

 

「さて、さっさと始末――」

 

『させぬ!!』

 

ランサーと私の間に立ちふさがるは、私よりも大柄な髑髏の黒ずくめ。

 

「――時間稼ぎにもならぬな」

 

私がそう言って、横薙ぎにすると、その薙ぎ払ったアサシンの向こう側で待っていたランサーは……。

 

突き穿つ(ゲイ)――」

 

――笑っていた。

 

まるでオレの勝ちだといわんばかりに。

 

死翔の槍(ボルク)!!」

 

その刹那に体を動かすも、完全に避けることなどできるわけもなく。

 

私は対軍宝具の一撃をその身で受けた。

 

 

 

 

 

「なんて野郎だ。こっちの切り札喰らって、まだ生きてるのかよ」

 

数十メートルに及ぶ宝具がもたらした傷の向かい側に立つ黄金の獣をみたランサーは驚愕の表情を浮かべた後、倒れこんだ。

 

『ランサーの宝具で勝てぬとなると、こちらではもはや手はありません』

 

打つ手なし、とあきらめ気味のアサシン。

 

獣は大の字で倒れこんでいるランサーの元まで歩む。

 

「だが、防いだ片腕を持って行くだけの威力はあった。正面から受けていたら、私は死んでいたかもしれぬな」

 

左肩のあったところを中心にくり抜いたようになっている傷口を一瞥し、獣は右腕でランサーの首筋に得物をつきつけた。

 

「ランサーの健闘、そしてアサシンの人格の一部の勇姿を称え、此度は卿らの命は取らぬ。次会うときに期待しよう」

 

獣はそう言って、左肩から先を再構築し、同時に宝具の一撃で破れ去った軍服の上を再生させたあと、起き上がったランサーから距離を置き、傍に落ちていたランサーの得物を放り投げて返した。

 

「……次会った時は必ず、お前の息の根を止めてやる」

 

「楽しみにしていよう」

 

獣がそう言うと、ランサーはあきれ顔をした。

 

「慢心して足掬われそうだな。オレ会う前にくたばったりするなよ。そうなってた方が正直ありがたいが」

 

「忠告感謝しよう。いずれ卿とは戦うことになるだろうが、卿には負けぬよ」

 

獣の言葉に何か言おうとしたランサーだったが、頭を掻いた後獣に背を向けた。

 

「……いくぞ、アサシン。予定が狂ったことを報告しないとな」

 

『……了解した』

 

獣と共闘しているハサンのように、どこから聞こえているか分からぬアサシンが返事をすると、ランサーは姿を消した。

 

「……さて、他の場所も火の手が上がっていることだ。さっさと火を付けて寧を回収するか……」

 

獣はそう言って、宝物庫から油入りの壺を取りだした……。

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「――隊長、遅いです」

 

膨れ気味の寧が武器庫となっている、倉庫の上で待っていた。

 

「すまぬな。少しばかり寝ていたら――」

 

「嘘ですね」

 

バッサリと切り捨てる寧。

 

「先ほど敵のランサーおよびアサシンに接触。ランサーに宝具撃たせた結果、左肩から手にかけて全損。衣服も上がほとんど消し飛んだ。そこでこの世界で喰らった魂の消費で肉体と衣服の再構築をして敵を逃がした。最後に、食料庫の中身をあらかた宝物庫におさめて、代わりに油で派手に燃えるようにしてから燃やしてこちらに来た。それだから遅くなった。ですよね、隊長?」

 

「何故分かったのかね?」

 

「さて、どうしてでしょうか?――まあ、隊長の予想通りですけどね」

 

「……」

 

私が反応に困っていると、彼女はどこかいたずらっ子のような笑みを浮かべる。

 

「この身体の周りでおきてることと、()とつながりのある隊長のこと以外見れませんし、もうこの外史は、管理者以外の出入りがほぼ不可能となってるので、テコ入れも実質出来ません。今の()できるのはせいぜい、隊長が私のことを思ったあと、寝てる間だけ隊長の精神を呼び出して、隊長が受け取り拒否できる祝福などを贈ることくらいです。良くも悪くも、隊長にとっての無粋な真似はしませんし出来ません。……安心しましたか?」

 

「ありがたいといえばありがたいが……。そうなると計画の最終段階は大幅に見直す必要があるな……」

 

私がそう言うと、寧は疑問符を浮かべる。

 

「……そう言えば隊長の計画って一体何ですか?」

 

「……洛陽に戻ったら話す。今はカインたちとの合流が先だ」

 

「了解です、隊長」

 

私は頭の中で計画を練りなおしつつ、北郷たちのいる場所まで向かうことにした……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

郭嘉の予想を大幅に上回り、門から出てきた敵の士気はがた落ち、おまけに指揮系統を司る人間のほとんどが、門の付近で踏みつぶされたか、内部に潜った部隊によって始末されたため、戦う前から敗走状態であった。

 

その出口の先に待ち受けるは朝日に照らされた混成軍。

 

――もはや彼らには絶望以外存在しないといっても過言ではなかっただろう……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

――二日後の朝

 

黄巾党の兵の死体を丁寧に葬った我々は、最後のあいさつとして、軍議に集合した。

 

「黄巾党の首魁(しゅかい)張角、およびその()の張宝、張梁の討伐に成功し、黄巾党本隊も壊滅した。卿らのおかげで漢は再び平和に向かうだろう。これもすべて、卿らの尽力あってこそだと私は思う」

 

華琳を含め、ほとんどの者が面倒と言いたげな顔をしているが、私は続ける。

 

「卿らの戦果はしっかり伝えておく。とりあえずは以上だが……」

 

私の言葉の変化に一同の視線が集まる。

 

「とりあえず、各々の家に帰るまで気を抜かぬようにな。ここで気を抜いて帰路で賊に負けたなどと言う知らせを聞いたら、あまりの衝撃で戦果をまとめた書簡などを焚書してしまうやもしれぬからな」

 

「「「「「…………」」」」」

 

おそらく全員が思ったことは

 

『本気でやりそう』

 

の一言に尽きるだろう。

 

「私からは以上だ。……卿らからは何かあるかね?」

 

私は確認のために周囲を見回す。

 

しかし、これと言って反応はなかった。

 

「では、解散だ。再び会い見える時を、楽しみにしている……」

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

黄巾党の鎮圧の一報は瞬く間に大陸中へと広がり、束の間の小康状態が大陸に訪れたのだった……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「本当に叶うのだな?管輅」

 

「無論だ。私が言ったことが嘘だったことは一度でもあるかね?―――殿」

 

「む……否だ。だが妻子を置いてくる意味があったのか?」

 

「無論。そのために―州の刺史に、君の息子がなれるようにしたのだよ。地位が盤石のモノとなるまで洛陽に訪れられては面倒になるゆえに。本来妻子には消えてもらった方が都合が良かったくらいなのだが、貴方がどうしてもと言うのでこの方法を取らせてもらった。……はて。この話は前もしたはずなのだが……」

 

「む、すまぬ。この数か月で色々起こりすぎたのでな。その話を覚えきれていなかったようだ」

 

「……確かに色々ありましたので仕方ないこともあるでしょう。しかしこの先は仕方ないで済まなくなります。その点を留意なされよ」

 

「……忠告感謝しよう」

 

「……では行きましょう。貴方の野心は必ずや満たされましょう。そして……」

 

――わが友の歌劇の礎となれ。

 

――総ては我が愛する女神のために……。




いかがだっただろうか。

感想、誤字脱字の指摘、評価などをお待ちしているよ。

ではまた、次の幕にてお会いしましょう……。
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