恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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まず初めに、Faultさん、評価ありがとう。
……やはり低評価は一貫して最初の数話でついているな。

矛盾ないように頑張って書き直すべきか……?

それはさておき。

インターミッションの間は話数の表記が変則的になるのでそのあたりをご了承いただきたい。

簡単に言うと、その1、その2、……
となる。



そして、今回の話では、董卓軍のメンバーは洛陽にいない。
いわゆる引っ越しのために、長安に戻っている最中だ。
――護衛には、黒円卓のベイ、マキナ、カイン、ヴァルキュリア、レオンハルトがついているので問題はない(獣殿談)。


最後に、今後の展開などで矛盾が生まれぬようにしたら、ややこじつけ気味なところが生まれてしまい、そのしわ寄せがこの話に発生しているので、その点をご了承いただきたい。


――では、皆さま、私の歌劇をご観覧あれ……。


インターミッション1
その1 端姫と外出、そして……?


――新たな官職である皇帝契絆支の発表、そして私がそれに任命されたという激震から3日後。

 

司隷に住まう人々の間にもこの噂は流れていた……。

 

 

 

 

 

東の空が白み始めた頃、私は自信の部屋の机に向かい、写本に取り組んでいた。

 

――といっても、本編は書き終わり、乱丁、落丁のないよう確認しつつ、本を綴っているだけなのだが。

 

「まあ。もう起きていらっしゃったのですか?」

 

布の擦れる音と共に聞こえてきた声に対し、私は作業を中断して、声の主のいる寝台へと向き直った。

 

――そこには姉とは違った色香を纏う端姫が、一糸まとわぬまま、側臥位(そくがいい)から上半身を起こした状態で、こちらを見ていた。

 

掛けておいた毛布が、その半身を隠していた。

 

「睡眠は気が向いたときに少しすれば問題ない。本来のサーヴァントは睡眠すら不要なのだが、私はまともなサーヴァントではないので睡眠は一応必要なようだ……。もっとも、元々の私も、睡眠をそれほど要する身体ではないゆえ、それくらいは誤差の範囲だが」

 

私はそう言って、何故か綺麗になっている端姫の服と彼女の身体を清める道具一式を宝物庫から出した。

 

「……それにしても不思議ですわ。私が着て皺が多少あった服も、その蔵に入れたら皺ひとつなくなっているのですから。お姉様に聞いていた時は眉唾モノと思っていましたが、実物を見ると、信じざるを得ません。中はどうなっているのですか?」

 

私から服を受け取って傍らに置いて、少し熱めの湯の入った桶にタオルを浸しながら、彼女は不思議そうに言う。

 

「……見せるのも吝かではないが、卿との関係はこれきりになるだろうな」

 

「見せたくないのならば、素直にそのように言ってくださればよろしいですのに……」

 

「……」

 

私は彼女の言葉に返事をせず、再び写本を綴る作業に戻る。

 

すると、足音がして、私を背中に柔らかい感触と共に、首に細い腕が巻かれる。

 

「まだあの侍女が起こしに来るまで時間があります。……もう一回しませんか?」

 

端姫の言葉に私は肩を竦めた。

 

「……性欲過多だな、卿は」

 

「皇帝の側室となった今、宮城、場合によっては後宮から出られませんから、刺激に餓えているのです。あなたと体を重ねることは、今の私にとっては極上の刺激……。ならば必然的に、貪欲になってしまうのも無理はないと思いませんか?元々過多だということは否定いたしませんが……」

 

私は思っていたことを口にした。

 

「……ならば街に出てかけてみぬか?」

 

「……え?」

 

私は今だに感じる感触を堪能しつつ、続ける。

 

「卿の代役を演じているマレウスに引き続き代役を任せ、宝物庫にある幻惑の礼装を卿が纏えば問題はないだろう。どうかね?」

 

「……他の方々に何か言われませんか?」

 

私は首を振る。

 

「卿はそう遠くないうちに私が面倒見ることになっているのでな、そのうち手を出すのだろうと傾に言われていた。長安に荷物などを取りに戻っている詠が帰ってきたら、またため息つかれるが、その時は夜たっぷりと愛してやればよかろう」

 

「……せっかくのお誘いですので、受けさせていただきますわ」

 

耳元で囁く端姫。

 

「……だからと言って、せっかくの時間を無駄にしたくない……か」

 

巻きつけられたままの腕を見て、私は肩を竦めた。

 

「貴方様も満更ではないのではないのですか?」

 

「……良かろう。ちょうど一仕事終えたのでな」

 

私はそっと彼女の両腕の拘束を解いた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

美花の乱入、朝食時の楼杏や傾のジト目などがあったが、何とか対処し端姫を外に連れ出すことに成功した。

 

「……どうかね、端姫」

 

「人がたくさんいる所に出るのは久しぶりなので、少し怖いですわ」

 

そう言って私の左腕を抱き寄せる端姫。

 

「ふむ、では執金吾()の仕事ついでに、市場を冷やかしに行くとしよう。――はぐれてくれるなよ?」

 

「もちろんですわ。こんなか弱い女一人では、どうなってもおかしくはないので……」

 

彼女の言葉に私は口元を微かに吊り上げた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「賊の類だな」

 

「……みたいですわね」

 

市場を冷やかしたり、多少の買い食いなどをしていると、ある店の前に人だかりが出来ていた。

 

一般市民よりも頭1つほど高い身長のおかげで人だかりの向こうもよく見える。

 

実にありきたりだが、男が一人の女に短剣を突きつけている。

 

「こっち来るな!!来るとこの女を殺すぞ!!」

 

(セリフまでベタすぎる……。)

 

「……ラインハルト様、どうするのですか?」

 

興味と不安をないまぜにした顔で端姫が問いかけてきた。

 

「……助けよう」

 

「……どうやって助けるのですか?」

 

私はある場所へ目線を向けた後、告げる。

 

「私自身が助けても良いが、人質になっているあの少女が危険だ。私があの男の注意を惹ければ解決できる」

 

「……?」

 

首を傾げる端姫と共に、私は人混みを通り抜けた。

 

「なんだてめえ」

 

「執金吾兼皇帝契絆支をしている者だ。獣と覚えていればよい」

 

私がそう言った途端、野次馬などもざわつき始めた。

 

「さて、卿は何故そのようなことをしているのかね?」

 

「てめえのような金に汚い官僚のせいで、食うにも困る生活なんだ!!真面目に田畑耕してるのが馬鹿らしくなってくらぁ。それならいっそ、賊になった方が危険だが、農民やってるより楽できる!!」

 

「……私と己の利権に腐心する者を一緒にされるのは心外だ。――やれ、美花」

 

私がそう言った途端、男の背後に美花が着地し、男が反応する前に裸絞めで絞め落とした。

 

「ご苦労。――遅いな、卿ら」

 

遅れてやってきて、人だかりをかき分けてやってきた黒ずくめの兵を一瞥すると、兵士たちは血相を変えて姿勢を正した。

 

「「「「「申し訳ありませんでした!!」」」」」

 

「まだ慣れぬ仕事ではあるのは重々承知しているが、これでは治安悪化につながる。今後はより迅速な行動をとれるよう、各々が案を出して改善していくように。数名はこの男を連行し、残りは巡回に戻れ。見落としのないように気をつけろ」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

兵士が人質になっていた女性のケアをしているのと同時に絞め落とされた男を叩き起こし、連行していくのを横目に、私はひとりごちた。

 

「……警備体制の見直しが必要だな。あと人を割き過ぎだ。あの人数の四半分いれば十分足りる。……課題は満載だな」

 

すると美花が口を開いた。

 

「旦那様、まだ引き継ぎを命じられて4日目です。しかも担当の兵士は前からいた不真面目な者たちやこの街に不慣れな者たちがほとんどですから仕方ない部分もあると思いますわ」

 

「……やはり爪牙たちを使わざるを得ぬか」

 

「あ……あの……」

 

私が肩をすくめていると、声がした。

 

そちらの方を向いてみると、先ほど捕まっていた少女が立っていた。

 

(……鹿島?)

 

かつて知人が出していた同人誌の題材にされていたキャラとそっくりな少女で、違うのは服装くらいだろうか。

 

――あと目の色が紅い。

 

「助けてくださり、ありがとうございました」

 

頭を下げる彼女に対し、私は居心地の悪さを感じた。

 

「礼には及ばん。賊をもっと早く対処できなかったこちらの落ち度で卿が危険な目に合ったのだ。むしろこちらが卿に謝罪せねばならん」

 

私がそう言うと、彼女は慌てる。

 

「そ、そんな!!契絆支様のおかげで助かったのです。謝罪なんて不要です」

 

「そうか。……その代わりなるか分からんが、家まで送ろう。……すまぬが付き合ってくれぬか?端姫、美花」

 

「私は構いませんよ?どちらかといえば外に出ることそのものが目的みたいなものでしたから」

 

「私も旦那様のご命令とあらば喜んで」

 

どちらも聖母のような微笑を浮かべて返事をする。

 

「……ということだ。私のせめてもの償いをさせてはくれぬか?」

 

「あわわわ……。お、お願いします」

 

ややパニックになっている彼女に微笑ましいものを感じながら、私たちは彼女が落ち着くのを待った……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「えっと……公祐さん。これはどんな経緯があったのでしたっけ?」

 

「申し訳ありません。私にもこれは流石に理解しかねます……」

 

困惑する端姫と美花が目にしているのは……。

 

――上半身をはだけ、己の肉体美を主張しあう恋人と獅子を彷彿させるいで立ちの男。

 

――そして男の背後で手で顔を隠しながら隙間から獣殿の肢体を見ている者、ため息をついている者、苦笑いをしている者などをそれぞれが異なる反応をしている8人の少女。

 

「どうしてこうなったのでしょう……」

 

端姫は心境を思わずこぼした……。

 

 

 

 

 

――(回想)――

 

 

 

 

 

「ふむ、ここかね?」

 

「はい。わざわざ送っていただき、ありがとうございます」

 

それなりに大きな屋敷の前まで来た獣たち。

 

てっきりここでお別れして、また街を出歩くかと思ったのだけれど……。

 

「あ、あのっ」

 

「?」

 

「せっかくですから、上がっていってください。父も契絆支様と私的な場でお会いしたいと申し上げておりましたので」

 

少女の言葉で獣殿は眉をひそめる。

 

獣殿は少し間をあけた後、連れ添いに質問する。

 

「すまぬが、少し寄って言ってよいかね?」

 

「ええ。構いませんわ。一休みしたいと思っていましたので」

 

「私も構いませんわ、旦那様」

 

2人の言葉を聞いた獣殿は少女の方へ向き直った。

 

「では、お言葉に甘えさせてもらおう……」

 

 

 

 

 

客室に案内された後、彼女に似た少女が7人入ってきた。

 

獣殿が少女たちの顔を見て首を傾げていると、扉の方から声がした。

 

「これはこれは、皇帝契絆支様。拙宅にようこそおいでくださいました……」

 

そこにいたのは荘厳さを感じさせる男だった。

 

「む?卿は先日の……」

 

「司馬防、字を建公と申します。先日は貴殿の皇帝契絆支就任に波紋を生じさせ、申し訳ありません」

 

そういって、少女たちの前にあり、獣殿たちの向かいにある椅子に座った。

 

「卿が言わねば別の誰かが言っていただろう。――ところでそちらは?」

 

獣殿が疑問を投げかけると、司馬防は思い出したように言う。

 

「――私の娘たちです。貴方が助けてくれたのは、司馬恂です」

 

「なるほど。彼女たちは噂の司馬八達というわけか。全員がそろっている所を見ることが出来るなど、私は運が良いようだ」

 

獣殿がそう言うと、唐突に司馬防が上をはだけさせ、自らの鍛え上げられた体を見せつける。

 

「……」

 

獣殿も何を思ったのか、彼も上を脱ぎ、自らの半身をさらした。

 

 

 

 

 

――(回想終了)――

 

 

 

 

 

「……ふむ、貴方とは良き友になれそうだ」

 

ポージングをやめ、司馬防が手を差し出してきたので、私は握手をした。

 

「私もそう思う」

 

どちらともなく手を放した後、私たちは上着を再び羽織った。

 

 

 

 

 

「さて……何の話をしていましたかな?」

 

「噂の卿の娘たちを見れて運が良いと、私が言ったな」

 

「そうですか。どれも私の自慢の娘たちです。――断腸の思いですが、誰か気に入ったものがいましたら、嫁に差し上げましょう」

 

「いや……。私は私を好いた者で全てを捨てて私についてくる覚悟がない者を妻にするつもりはない」

 

「……そうですか。いえ、それくらいの覚悟は持っていてもらいたいと思うのは分からない話ではありません。出過ぎた真似をしました」

 

安心と不安をないまぜにした顔をする司馬防。

 

彼の娘たちも一人を除いて不安そうな表情をしていた。

 

「――む?卿は目が見えておらんな」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

私の言葉で動揺を見せる一同。

 

「……さすが皇帝契絆支様と言うべきなのでしょうか。曹孟徳すら誤魔化して見せた演技も、貴方には通じなかったみたいですね」

 

少女の一人がそう言うので、私は種明かしをした。

 

「目の動き方が少し変わっていたからな。完全に確信しているわけではなかったのだがね」

 

「……鎌をかけたのですか」

 

「ああ。――見たところ、光を感じる程度には目が見えているようだが……違うかね?」

 

様子からはじき出される予想を私は口にする。

 

「あたりです」

 

「ふむ、ならば皆と同じように見えるようにするといったら、信じるかね?」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

「……信じられません」

 

彼女の言葉に私は頷く。

 

「だろうな。丁度いい。――司馬建公。今後十常侍を始めとした皇帝の権威を悪用する宦官や官僚を排除するのだが、手を貸してくれぬかね?対価は前払いで、彼女の目を私が見えるようにしよう」

 

私がそう言うと、司馬防は信じられぬといわんばかりの顔をする。

 

「……皇帝契絆支はあくまで不敬罪の免除があるだけで、詐欺の類は罰せられることをご存知の上で申し上げられているのでしょうな?」

 

「無論だ。それに、私の言ったことが嘘か誠かは彼女自身が一番わかるはずだ。――彼女に見えぬと嘘をつかれてしまったら、例え見えていようとそれを示す方法がほとんどないだろうが……」

 

私がそう言いきると、彼はしばらく悩むそぶりを見せ、件の娘を見てから私に頭を下げた。

 

「……お願いできますでしょうか」

 

「ああ。ただし、私がこれから行うことを人には積極的には話したくなくなるように、まじないを掛けさせてもらう」

 

私がそういってそれっぽく指を弾く。

 

「話そうとすると、倦怠感を感じる程度だ。命にかかわることはまずない。――では建公よ、その娘と場所を交代してくれぬか?」

 

私がそう言うと、司馬防と彼女が場所を入れ替わった。

 

「……」

 

私は彼女に歩み寄り、彼女の目を除きこんだ後、宝物庫からあるアイテムを取りだした。

 

「今から卿らが見るのは、思いを糧に奇跡を起こす御業、詩魔法。その目でしかと見届けよ」

 

私はそう言い終わった後、詩を謳い始めた……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「―――」

 

謳い終わった私は、精神的疲労のあまり膝をついた。

 

「旦那様!!」

 

駆け寄ってきた美花を手で制す。

 

「案ずるな。――肉体には何の問題もない」

 

私はそう言った後、立ち上がり、少女に向き直る。

 

「――さて、治ったかね?そうでなければ困るのだが……」

 

「……見えます。貴方のことも……」

 

彼女は振り返って家族の姿を見て続けた。

 

「みんなの姿もはっきりと……」

 

すると司馬防が号泣しだした。

 

「ぉぉおおお……!!ものごころつく頃から見えなくなっていた目が見えるようになったのだな!!」

 

司馬防はそう言うと、こちらに顔を向けた。

 

「貴方には何とお礼を言ってよいのやら……!!」

 

「私は卿に持ちかけた契約を先んじて履行しただけに過ぎぬ。」

 

私がそう言うと、司馬防は頷く。

 

「――分かりました。私もできうる限り、貴方に協力いたしましょう」

 

「詳細は後日。――今は家族水入らずでその感動を共有するといい」

 

私はそういって、2人と共に司馬家の屋敷を後にした……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

感動を家族で共有していると、件の少女が口を開いた。

 

「父上」

 

「なにかね?」

 

「……あの方にこの恩をお返ししたいのです。あの方にお仕えしてもよろしいでしょうか」

 

その言葉を聞いた司馬防は豊かな白いあごひげを撫でて答えた。

 

「……そうですか。貴方たちももう独り立ちしても良い年を過ぎていましたね。私は止めません。ですがいきなり押し掛けては迷惑になるでしょう。私から後日話を通しておきます。それまでに、身支度を整えておきなさい」

 

「ありがとうございます。では、私は早速支度を整えに参ります」

 

彼女はそういって足早に去っていった。

 

「……あなたたちもそろそろ独り立ちを考えるべきです。……そうですね。袁本初、袁公路のところなどは伝手があるのでそこでもよいですが……」

 

「父上、何故唐突にそのようなことを?」

 

娘の一人が問いかける。

 

「……いつまでも、あなたたちがこの家に縛られているのは惜しいからですよ。この大陸のどこかに、貴方たちのその才を必要とする者たちは必ずいるでしょう。それなのにその才を使わずに朽ちさせることなど、私にはとても出来ません。――例え河内司馬家が貴方たちの代で絶えたとしても、私は何も言うつもりはありません。この家という箱庭から、大空に飛び立ってくれれば、子供を見守る親としては、それで満足です」

 

その言葉で黙りこくった娘たち。

 

司馬防はそれを誤魔化すように手を叩いた。

 

「さあ、お前たち。聆紗(レイシャ)の目が見えるようになったのだ。今日は盛大に祝おうではないか」

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

「旦那様、先ほどのあれは一体……?」

 

屋敷から出てきてすぐ、美花が問いかけてきた。

 

「アレは詩魔法と言うものだ。ちゃんと必要な道具と歌い手の技量さえあれば、卿らにも使えるモノだ」

 

「ですが、何らかの代償が必要なご様子」

 

「ああ。アレは精神的に疲労する。あと喉を酷使するのでモノによっては使えぬ者もあるだろうな」

 

「……私も使えるようになるでしょうか?」

 

端姫が問いかけてきたので、私は答える。

 

「どのような効果で、効果の範囲がどれくらいかによってことなるが、簡易なものならば、卿も必ず使える。ただ、どれだけその魔法を使用できるか、どの水準のものまで使えるかは、まだ何とも言えぬが……」

 

「お答えいただき、ありがとうございます」

 

彼女はそう言うと、私の前に歩み出て、こちらに向き直る。

 

「今日は久しぶりに外へ出られてとても楽しかったです。また連れていってくださいね」

 

「――まだ昼前だが、良いか。あまり長い間マレウスに代役をやらせるのは良くないだろうからな」

 

私はそう言った後、2人と共に、宮城へ戻ることにした……。

 

――このあと、それをうっかり空丹と白湯に端姫がしゃべってしまい、2人を外に連れ出す約束をさせられるが、それが果たされるのは、しばらく後になるだろう……。




いかがだっただろうか。

感想、誤字脱字の報告、評価などをお待ちしているよ。

――そう言えば、最新話投稿すると、その直後にお気に入りが一時的にへ澄んだけど、なんでだろう。一応、次の話を投稿するまでには、元の数に戻るか、少し増えるけど……。


私の戯言はさておき……。

では、また次の幕でお会いしましょう……。
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