恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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またあえて何より。

暇なら同時投稿している本作の後続作も読んでみてくれ。


それはさておき、今回の話だが……。

ぶっちゃけると内容的には29.5話的(29話の後なのだが、30話にするにはストーリー的にはほとんど関係ない)寄り道話。

それでもきっと楽しめると思うよ。



――では、今宵も私の歌劇をご覧あれ――!!


第30話 北郷一刀の人心地

偽帝討伐より半月後、オレたち反劉焉連合は過半数の兵を撤収させ、それぞれ1000程度ずつの兵のみを伴って洛陽に進軍した。

 

そして洛陽にたどり着くと司馬建公さんが陛下を丁重に迎え入れた。

 

陛下の疲労を考え、謁見などは明日行われることになり、その間の宿泊などをどうするかその場は困惑したが、ちゃんと用意されていた。

 

司馬建公さんの話によると、ラインハルトさんが暇つぶしに買って模様替えしたは良いが、結局使わずじまいだったと言う7つの屋敷が提供されることになった。

 

どのように使うかで少しもめたが、人数や友好関係、その他諸々などから袁紹、袁術、華琳、孫策、公孫賛と劉備、そして陶謙と孔融、劉表と鮑信という具合に分かれて滞在することで何とか収まった。

 

ちなみに、何故か結衣さんと結衣さんの友人(?)は華琳に向かって「契約はここまでです。では」とそっけない態度でどこかに言ってしまった。

 

華琳は残念そうにそれを見送り、他の者たちは薄情だの生意気など言っていたが華琳が一喝したが、割愛する。

 

 

さて、話を戻して……。

 

 

司馬建公が呼び止めた兵士たちに案内されてその屋敷に向かったが……。

 

広い。

 

丁重に俺たちを迎え入れてくれたメイドさん(ラインハルトさんが雇っているらしい)が言うにはもともとは十常侍が持っていたが、ラインハルトさんが何らかの取引をして買い取ったとのこと。

 

中を見ると外の雰囲気とはがらりと変わっており、完全に西洋風で面食らったが、沙和や真桜、季衣や流琉は興味津々で、華琳や栄華はいい趣味と評していた。

 

華琳がメイドごと屋敷を買い取りたいと言って「屋敷は旦那様とご相談くださいませ。私は……ふふっ」とメイドの中で一番えらいと思われる人から意味深な反応をされたり、部屋割りで誰が華琳の隣の部屋を使うかでひと悶着あったが……。

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

先ほどとは別のメイドの一人に案内されて、部屋を空けてみると……。

 

「……調度品とかもこだわってるんだな」

 

別の国に迷い込んだのかと一瞬錯覚してしまった俺は、部屋の家具などを見て感想を述べた。

 

天蓋付きのベッドに、本格的な羽毛入りの掛け布団ややわらかい寝具、羽毛の入ったクッションとそれの乗せているソファー。

 

机やイス、本棚なども華美ではないが、艶のある落ち着いた高級感をかもし出している。

 

窓には見るからに質のいい生地を用いたカーテンがあり、机の上には夜も大丈夫なようにランプが置いてある。

 

水差しとコップは向こうで使っていたものと同等の透明度を誇るガラス。

 

西洋風だとは思っていたが、ここまで本格的だとは思っていなかったので、それ以上の感想が出なかった。

 

「御用がありましたら鈴でおよびください。夕食が出来ましたら、参りますので、それまでゆったりとおくつろぎくださいませ。御用が無いようでしたらこれで失礼いたしますが……」

 

黒髪の瀟洒(しょうしゃ)なメイドはそういって優雅に一礼する。

 

「あ……。出来れば風呂とかに入りたいんだけど……」

 

長らく風呂に入っていなかったし、それに服なども汚れているし、と付け加えると、彼女は少し悩むそぶりを見せた後、答えた。

 

「お手数ですが、お召し物のために採寸させてください。急ぎこちらで用意いたします」

 

そういって懐からメジャーらしきものを取り出した。

 

「あとお風呂についてなのですが、お風呂自体はすぐにでもお使いできます。しかしこの屋敷にはひとつしかないので、他の方との順番などの問題がございます。そのため、すぐに入れるかと言われますとお答えいたしかねます……。私といたしましては、大衆用の浴場、「銭湯」をご利用なさるのがよろしいかと。幸い近くにございございますし、順番を気にせず早く汗を流すことができます。……男女別の関係で、湯浴みのお手伝いは出来ませんが、それでも問題なければ、ですが」

 

オレの聖フランチェスカの上着を脱がし、手早く採寸を行うメイドさんの提案に頷いた。

 

「……ならそうするかな」

 

一瞬メイドさんに湯浴みの面倒を見てもらう自分を想像してしまい余計な反応をしてしまいそうになるが、深呼吸をして落ち着ける。

 

「承知いたしました。では、支度をいたしますので少々お待ちください」

 

オレの採寸が終わったらしい彼女はそういって優雅に部屋を後にした。

 

「……ん?」

 

改めて部屋を見回してみて、机の上に紙がおいてあることに気が付いた。

 

「なになに……。『屋敷利用についての注意事項』?」

 

オレは首をかしげながら読んでみた。

 

要約するとこんなことだ。

 

『鈴を鳴らせば手空きのメイドが来るが、面白半分に呼んでいると鈴を鳴らしても来なくなるので用が無ければ呼ばないことを強く推奨する』

 

『家財の破損については言及しないため、何らかの不備、破損があった場合は至急メイドに連絡を』

 

『調理の関係で食材管理などはメイドが行っている。そのため、食材などは無断で使用せずに、事前に伝えておくこと』

 

『大体の雑用をメイドに命令できるが、買い物(内容による)などの内容や他の雑用などの兼ね合いなどによっては命令を受けられない、または案内までならする場合などがあり、屋敷に入った時点でそれを了承したものとする』

 

『耳飾のあるメイドに手を出し(性的、暴力的どちらも含む)した事が発覚した場合、命は保障されず、屋敷に入った時点でそれを了承したものとする』

 

『耳飾の無いメイドに手出し(性的、暴力的どちらも含む)した場合、当人の希望次第で身元を引き受ける義務が生じ、屋敷に入った時点でそれを了承したものとする』

 

「……」

 

メイドさんが過労死しないかと、華琳が同行していた耳飾付きのメイドさんに手を出さないか心配になってきたが、きっとメイドさんは人数いるし、華琳ならたぶん彼女の部屋にもあるであろうコレにも気がつくはずだろうとオレは思うことにした。

 

「申し訳ございません。湯浴みの道具一式と、お召し物、それと銭湯の入浴券をお持ちしました。ではご案内いたします」

 

メイドさんはそういって部屋を後にしたので、俺もそれに続いて外に出て、入り口に向かうと……。

 

「あら、一刀どこに行くの?」

 

途中で華琳に呼び止められた。

 

「ああ、風呂に入ろうと思ったんだ。風呂自体は沸いてるらしいんだけど、ひとつしかないって聞いたから、それならオレは近くにある銭湯に行こうと思ってさ」

 

オレが振り返ってそういうと、彼女は目を丸くした。

 

「あら、この屋敷のお風呂は沸いてるの?」

 

華琳が俺を案内していたメイドに問いかけた。

 

「はい。お風呂のお掃除1刻とその前後1刻ずつを除き、いつでも入れるようになっているはずです」

 

「なら、今から入れるのかしら」

 

心なしかうれしそうに華琳はメイドに問いかけた。

 

「はい。5,6人ほどでしたら一度には入れる広さですので、のんびりとくつろげるかと」

 

「ありがとう。なら春蘭たちと一緒に入るわ。じゃあね、一刀」

 

「ああ。じゃあな」

 

華琳はそういって自分の割り当てられた部屋に戻っていった。

 

「待たせて悪いな」

 

「いえ、問題ございません」

 

その瀟洒な態度を崩すことなく、彼女は返事をする。

 

「じゃあ行くか」

 

「では、引き続きご案内いたします」

 

オレはそうして、銭湯まで案内されたのだった……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

こうして、銭湯に入ったわけだが……。

 

俺のイメージしていた銭湯そのもので、オレは完全に哀愁を感じてしまったのはここだけの話。

 

入浴券というのは、いわゆるチケットや切符みたいな扱いらしく、番台さんがそれを入るときに回収された。

 

ちなみに普通にお金でも払えるようだが、番台さんは面倒そうにしていた。

 

そして風呂を堪能したあとメイドさんが用意していた服に着替えたのだが……。

 

俺の制服とよく似た服、そして向こうで市販されているような下着だ。

 

というか、むしろこっちのほうが着心地などがいい。

 

メイドさんに作った人紹介してもらって、同じ服量産してもらいたいものだ。

 

そう思いながら銭湯を出ると……。

 

「お待ちしておりました、北郷様」

 

入り口のすぐ傍で待っていたメイドさんが待っていた。

 

「あ、すみません。お待ちさせてしまって」

 

あわててお詫びするが、彼女はそれよりも気になったことがあるようだ。

 

「まあ、ぴったりですね」

 

「えっ……ああ!! そうなんですよ。すごい着心地良くて、まるで俺のために仕立てられたみたいで」

 

オレは一瞬困惑したあとに服のことだと気が付いて感想を述べた。

 

「そうですか。その服を仕立てた人を良く知っていますので今度来た方が喜んでいたとお伝えしておきますね」

 

「あー。出来たらその人紹介して欲しいな。同じ服作って欲しいから」

 

オレがそういうと、彼女は少し困った顔で告げた。

 

「では、後日ご案内いたしますが……」

 

「が?」

 

「……いえ、案内するときにお伝えします。それよりもそろそろ戻らないと夕食の時間になるかと」

 

なにやら意味深な発言だったが、懐中時計らしいものを取り出して確認するメイドさんの言葉のおかげでそれどころではなかった。。

 

「えっ、そうなの。ついつい長風呂しちゃったからだよな。急がないと」

 

オレは急ぎ足で屋敷へと戻った……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

何とか時間までに食堂にたどり着き、席について一息つく。

 

「おい、あんちゃん。どうしてそんなに息切らしてるんだ?」

 

隣からした野太い声に反応してそちらを向くと、風呂に入ったらしい風が首をかしげていた。

 

どうやら風の上にいた宝慧に風が腹話術で問いかけたようだ。

 

「ちょっと銭湯……大衆浴場まで足を運んで風呂を満喫してたんだけど、思ったより時間過ぎててさ」

 

「おやおや、風みたいにお風呂で居眠りしましたか?」

 

風がきょとんとした顔で問いかけてきたのでオレは否定した。

 

「いや、そんなことは無い。ってか、風はしたのか!?」

 

「ちょっとばかり居眠りしてしまいまして、顔から前のめりに倒れてしまい、メイドさんをあわてさせてしまいまして……」

 

珍しくばつの悪そうな顔をする風に少し驚いていると、春蘭が痺れを切らしたらしく、大声を上げた。

 

「食事だと聞いたが何も無い上、いつまで待たせるつもりだ!!」

 

「申し訳ありません。最後の方がまだでしたので……」

 

そういって華琳の傍にいるメイドが謝ると同時に扉が開いた。

 

「おそくなってすまないっす」

 

「華侖、探索するのは結構だけれど、食事の時間には、間に合うようにして欲しいわね」

 

華琳は少し不機嫌そうに華侖をしかった。

 

「今度から気をつけます!!」

 

「はぁ……その空いてる席に座りなさい」

 

ため息ついてる華琳とは対照的に華侖は妹の柳琳のとなりにご機嫌なまま座った。

 

「では、皆様お集まりのようなので、お料理をお持ちいたします。……まずはお酒と共に味を楽しむ料理をお召し上がりくださいませ」

 

華琳の傍にいたメイドさんがそういうと、入り口からメイドたちがお盆に料理を載せて入ってきた。

 

「料理は前菜、お吸い物、向付、焼き物、煮物、揚げ物、蒸し物、酢の物がございますが、酢の物だけはこれらの料理の最後にお召し上がりください。このあとお持ちするご飯、椀物、香の物を食べる前の口直しになっておりますので。お酒は旦那様が再現された天の酒。……北郷様はご存知の日本酒だそうです。皆様が普段飲んでいるお酒より少し酒精が強いので少しずつ料理と共にお楽しみください」

 

「まさかの会席料理!?」

 

オレが思わず突っ込みを入れると、華琳の傍にいたメイドさんが反応した。

 

「私のことは孫公祐とお呼びくださいませ。あと会席料理にしましたのは旦那様が『屋敷の雰囲気とぜんぜん合わぬかもしれぬが、ナイフとフォークを使った料理よりも食べやすいはずだ』という理由がございます」

 

さりげなくオレの心が読まれてることに戦慄しつつも、配膳された料理を見た。

 

前菜に山菜料理。

 

季節を感じさせる鮮やかさがあり、目でも楽しめる。

 

お吸い物は色こそあるが透明感があり、懐かしい香りがする蜆の入ったお吸い物。

 

……鰹と昆布の合わせ出汁だろう。

 

向付は白身の鯛と赤身の鰹のお刺身。

 

そのコントラストもさることながら、味の対比もしっかり味わいたいところ。

 

焼き物は金目鯛の塩焼き。

 

単純だからこそ、素材の味と、料理人の腕が試される一品。

 

煮物は……筑前煮っぽいな。

 

なぜか煮物だけ失敗して頭を抱えるラインハルトさんが脳裏に浮かんだがスルーする。

 

揚げ物はフキノトウやたけのこ、菜の花、そして海老の天ぷら。

 

天つゆと藻塩、どちらにつけても良いように両方用意してあるのは、オレとしてはうれしい。

 

蒸し物は茶碗蒸し。

 

茶碗蒸しの具材といえば竹の子や銀杏、しいたけやかまぼこなど色々あるが、何が入ってるのかは食べてみてのお楽しみ。

 

酢の物は車海老と帆立貝の黄身酢掛け。

 

その酸味が舌に残った味をリセットしてくれるから、次来る料理の前に食べるのがみそなのです。

 

徳利に入ったお酒についてはノーコメントで。

 

一応向こうでは未成年だったから。

 

などとオレが感想を思い浮かべていたら、華琳が首をかしげた。

 

「……天では、こんなもの食べるの?」

 

蜆や刺身を不思議なものを見るような目で見る華琳に、孫公祐さんは答える。

 

「生の魚は基本日持ちせず、この地域ですと生のまま食べるとまず当たりますからね。それに貝などは海の近くにいる方しか食べません。見慣れぬならそのような反応は当然でございます。品質管理は旦那様が規定した最も高いもので私がどちらも安全を確認しましたので、問題なくご賞味いただけます」

 

一同が興味深そうに見ているのを横目に、オレは鯛の刺身を醤油さしにたらした醤油につけて一口。

 

淡白だが、噛めば噛むほどうまみが増していく。

 

これぞ白身魚の真価である。

 

「……孫公祐さん、これ真鯛?」

 

鯛は鯛でもどの鯛か見た目では判断つかなかったが、食べてみた感覚で問いかけてみた。

 

「はい。天において真鯛は白身魚の中で、もっとも高級な魚とされ、魚の王様と呼ばれているそうです。もうひとつは鰹と言いまして、この時期の鰹はさわやかな味わいがあり、天では昔、鰹一匹で家が買えたといわれるほど希少価値があるとか」

 

「そうそう、じいちゃんが同じこと昔言ってたな」

 

なぜか食卓で初鰹が出ると毎回のように「江戸時代ではな、初鰹一本高くて3両したんだぞ」っていってたから、よくおぼえてるし、悪友が読んでた寿司の漫画で鯛のことを知って驚いたんだよな……。

 

あと鰹の尻尾は5分くらいゆでたあと、水に冷やして一本一本ほぐし、綺麗にすると爪楊枝にできる。

 

これ豆知識ね。

 

「へぇ……。この黒いのにつけて食べるのね?」

 

「はい、旦那様が暇なメイドに作らせた醤油でございます。香り、味共に調味料の一種として使いどころは多いそうです」

 

「……へぇ。面白いわね」

 

「不思議な味ですが、料理に使えば味に幅が生まれそうですね!!」

 

料理も出来る華琳と、料理好きな流琉が醤油に興味を持ったようだ。

 

……そういえば自然と使っていたが醤油なんてこっちに着てから一度も見かけていなかったのに、あの人はどうやって作ったんだ!?

 

「あ、あと味噌もありますので、北郷様も懐かしい味を味わえるかと」

 

「!?」

 

思い出したように付け加える孫公祐さんの言葉にオレの開いた口がふさがらない。

 

「へえ、どっちも一刀が作れなかったのに、よく作れたわね」

 

「旦那様が言うには、どちらも材料が材料なのと、一人で作るには工程と注意点が多く、書物でもない限り、常人が全て記憶していることはあまり無いとのことなので仕方ないかと。あと、熟成なども加味しますと製作には年単位の時間が必要になりますのでそれも原因かと」

 

「……それなら仕方ないわね」

 

孫公祐さんがオレを弁護してくれたおかげで頸の皮一枚繋がった気がした。

 

「……しかしうまいな、この酒。もう一本あるか?」

 

ふと最初のお酒お代わりの声がいつものメンバーと違うことに気が付いたのでそちらを見ると……。

 

珍しく秋蘭が徳利に入っていた酒を一番に飲み干していた。

 

「はい、お取替えいたします」

 

秋蘭の傍にいたメイドがそういって秋蘭の持っていたものと部屋の隅においてあった三段あるカートの真ん中の段から取り出したものを交換し、空の徳利をカートの下の段に置いた。

 

「どれもお酒に合っていますから、ついついお酒が進んでしまいますね」

 

心なしか頬を紅潮させている稟がそういった後、もう一杯酒を飲むと、どこか遠い目をしながらつぶやき始めた。

 

「ずるいですよ、結衣さん。散々やりたい放題しておいて、急にいなくなるんですから。華琳様の心を奪って……」

 

「まったくだわ。散々私たちの仕事奪っておいておいて給金はほとんど要らないとか、馬鹿にして……!!」

 

「はぁ。結衣さんに着せたい服、色々ありましたのに……」

 

桂花の言葉はもっともだが、栄華の言葉は色々不味い気がする。

 

「あの、華琳様……?」

 

ふと心配になってきたのか、急に良いがさめたように柳琳が3人の愚痴に対して何か言おうとしたが

 

「良いわよ柳琳。お酒が入ってるしここには身内しかいないわ。……たまには言いたいこと言わせてあげないとね」

 

笑顔で華琳はそういった。

 

少ししたら華琳は考えるそぶりをした。

 

その直後

 

「……今夜は3人纏めて可愛がろうかしら」

 

なにやら不穏な声が聞こえた気がするが、オレハナニモキイテナイ。

 

「……なんだか楽しくなって来たっす!! だから脱ぐっすよ!!」

 

ひゃっはーと言わんばかりのテンションになった華侖に気がついた柳琳は血相を変えて姉を取り押さえる。

 

「姉さん自重して!!」

 

「柳琳放して、服脱げない!!」

 

なにやらとんでもないことを始めそうなところに、メイドの一人が華侖の前に氷水を差し出した。

 

「まだまだ料理はこれからです。服脱ぐのはそれからでも遅くはありませんよ?」

 

「……それもそうっすね」

 

急にテンションが下がった華侖は水を飲んだあと、残った料理を平らげ始めた。

 

「あ、にーちゃんそれ頂戴。ボク全然食べたり無いから」

 

向かいに座っていた季衣がそういうと、オレが反応する前に塩焼きを掻っ攫っていった。

 

「あ、こら季衣!! 兄様の分食べちゃ駄目!!」

 

流琉が気がついたがそのときには既に季衣の胃の中に……。

 

このままではせっかくの料理が食べれないと悟ったオレは、あわてて料理を食べる。

 

「……すみません、風はお酒より、普通のお茶が良いです」

 

「はい、かしこまりました。…………どうぞ」

 

「どうもです」

 

風は風で自分のペースで料理を楽しんでおり、

 

「なんや、凪、ぜんぜん酒減ってないやん。もっと飲まんかい!!」

 

「凪ちゃん、もっと飲むの~」

 

「私は酒より料理を味わいたいのだ。これ以上飲んだら明日に響きそうだからな。それよりお前たちは飲みすぎだ!!」

 

「「え~」」

 

真桜、沙和、凪は三人仲良く飲んでいるみたいだ。

 

「……どうぞ」

 

「おお、香風、気が気が利くな!! ……どれ私も注いでやろう」

 

「ありがと」

 

何故か香風と春蘭が互いに酌をしながら飲んでいる。

 

「か、カオスだ」

 

オレは困惑しながら、そうつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

そのあと、ご飯と味噌汁、あと香の物がきたあとに水菓子である果実を食べたあと、ほとんどが酒を飲み倒した。

 

結果酔いつぶれていくものや、引き際を見極めて切り上げたものがいたが、たぶんほとんどが二日酔いになるのだろう。

 

オレは飲まなかったけどな!!

 




いかがだっただろうか。

感想、評価、誤字脱字報告をお待ちしているよ。

では、また次の幕にてお会いしましょう……。













<次回予告?>











「王の話をするとしよう」

「汝、覇道を以って何をなす?」

「将臣……姿は変わってしまいましたが、相変わらずコレは変わりませんね(アムッ)」

「タマモキャット……」

「悲しい、悲しい話をするぞ元ご主人。運命(Fate)というのは残酷なものなのだ」

「さーて、こやつの恥ずかしい話をこのさいころの数だけ暴露するかのう。【3D10:5+1+9】個じゃ!!」

――ガタッ。

――ガタタッ。

――ドンガラガッシャン!!!

「……胃薬がだんだん手放せなくなってきた……!!」

「貴様らそこに全員直れ!!」

「げぇ、りえしょん!!」

「うまく遠くに飛ばしたはずの妹たちが戻ってくる!?」

「私たちの立ち位置が……」

「いっそアイドルやってみない?」




「最近出番無くて暇だな。」

「そうね、姉さん」

「よ~し、コレであの獣が驚くかしら?」

「がんばるんだもん!!」

「空丹様! 白湯様! そのメイド姿素敵です!!」


:あくまで予告です。内容の差異につきまして、作者は一切の責任を負いません。

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