つい最近ゼロの使い魔を大人買いしたり飼い猫が体調不良になったりして睡眠時間が削られまくっているが、私は元気だと思う。
では今回の内容をかいつまもう。
今回は第二章の締めくくりにして、インターミッション2への導入と考えてくれればいいだろう。
そのため、インターミッション2で、色々な人物が出てきても驚かないでもらいたい。
……私の話もこの辺にして……。
――では、今宵も私の歌劇をご覧あれ――!!
それぞれの屋敷に泊まった翌日、オレたちは新たな皇帝である劉弁陛下から招聘された。
玉座の間の左右には武官と文官の高い位を持つ人物たちがそろっていた。
入り口から見て右側にラインハルトさん、呂奉先を始めとした武官がそろっているので反対側は文官たちなのだろう。
「此度はそなたらの機転、そしてそこにいる黄金の獣の尽力によって、偽帝は倒れ、流す血は少なくて済んだ。私はそなたらに褒美を取らせようと思う。まずは黄金の獣」
「……」
ラインハルトは全てを睥睨することをやめ、玉座の前の階段の手前に歩み出た。
「そなたの願いを叶えよう。そなたの大将軍職を含めた漢が与えた全ての役職を剥奪し、これ以降宮城に足を踏み入れることを禁じる」
「陛下!?」
司馬建公を始めとした他の三公やある老人が困惑を見せるが、ラインハルトはお構いなしに答える。
「ならばもはやここにいる意味はない。卿の行く道に幸多きことを願う」
ラインハルトさんはそう言うと、そのままオレたちの横を通り過ぎて玉座の間を後にした。
「……袁本初」
「は、はいっ!!」
「そなたには并州そして冀州牧の任を命じる」
「御意にございますわ!」
陛下と袁紹のやり取りを聞きながら、刺史と州牧の違いについてと前の勢力図を思い浮かべる。
―刺史は州を治める人で、華琳の 陳留太守などの太守を州単位で統括する人だ。牧というのは、刺史の権利に軍事権を足したと思えば大丈夫なはずだ。
今度は勢力図を思い浮かべた。
―確か冀州っていったら、劉備たちがいた平原も含まれるはず。なら劉備はどこに?
「次に袁公路!」
「はいなのじゃ!!」
オレの疑問の答えは後回しになったようだ。
「そなたには豫州牧の任を与える」
「わかりました……のじゃ!!」
丁寧な言葉を使おうとしているが、出来ていないのにオレがコレでいいのかと困惑していると、次の人が呼ばれた。
「公孫伯珪」
「はいっ!!」
「そなたには幽州牧に任を……」
あとは大体作業のように孔文挙、陶恭祖、劉景升、鮑允誠がそれぞれ青州、徐州、荊州、揚州の牧に任命された。
……鮑允誠だけ左遷に見えたのは俺の気のせいであるはずだ。
それはさておき、これであとは華琳と、劉備の扱いだけだが……。
「曹孟徳!!」
「はっ!!」
「そなたには兗(エン)州牧、および司隷校尉を任命する」
「御意」
……司隷校尉とは、洛陽とか河内などを含めた司隷という地域における刺史に該当する。
つまり、陳留太守から、異例の大出世である。
開いた口がふさがらないと言うのはこのことだろう。
そう思っていると、次に劉備の名が呼ばれた。
「そなたを益州牧に任命する。混乱の最中にあるという益州を平定せよ」
「は、はいっ!!」
……益州か。
オレの記憶が正しければ、天の要害によって一種の独立国家と化している地域で後に劉備が蜀を建国して支配する地域だった気がするが、このタイミングじゃなかったはずだ。
たぶん高確率であの人が一枚噛んでる気がする……。
そしてコレで終わりかなと思ったが、陛下が口を開いた。
「最後に、そなたらは1ヶ月間洛陽に滞在してもらう。必ず毎朝毎晩それぞれの屋敷で確認を取らせるからそのつもりで。コレは私が皇帝になって最初の勅令だ」
「「「「「!?」」」」」
突然の宣言に困惑する一同。
「この1ヵ月はいわば猶予期間だ。どのように過ごすかは各々の自由だが、この期間が無駄にならないことを私は祈っている。私からは以上だ」
陛下はそう言うと、そのまま玉座の後ろにあるらしい扉からその場を後にした……。
――*――*――*――
「本日、旦那様は面会をお断りしています」
華琳は宮城を出た後、その足でラインハルトさんの屋敷に訪問したが、屋敷の門の前に立っていたメイドさんがそう言った。
「面会を断るのは何故かしら」
「申し訳ございませんが、それはお答えできません」
華琳の問いかけにメイドは無機質な態度でそう答えた。
「なに!! 華琳様に向かってそのような口答えをするのか!?」
春蘭が早速怒りだすが、メイドは全く気にするそぶりもなく告げる。
「ご用件がございましたら後日にお願いします。火急の用でしたら、私にお伝えください」
「……春蘭。彼女たちは忠実に職務を全うしているだけなのだから怒っても仕方ないわ。みんな、出直すわよ」
華琳は春蘭を窘めたあと、踵を返した。
やけに素直に引き返したな。
オレはそう思いながら、華琳たちの後に続いた……。
――*――*――*――
「ふむ、サーヴァントだけを集めて何をするつもりかね? まさか『悪いがここで死んでもらおう』などと思っているわけではあるまい」
私は黄金の獣に呼ばれ、マスターである桃香を伴い、彼の男の屋敷にライダーとそのマスターと共に訪れた。
そこには白いドレスを着た虚ろな瞳の少女と黒髪の男、特徴的すぎる旗を自身の隣に立てかけている少女、白い髑髏の仮面に黒いマント、黒い布で覆われた棒のような右手と不気味な外見をしている人物と水色の髪の少女。
そして白い髪の青年ととピンク色の髪の少女と黒髪の養女。そして屋敷の主であるラインハルトとそのマスターの賈文和。
計7騎のサーヴァントとそのマスターが一堂に会することになろうとは私も思わなかった。
「ではこれから、聖杯戦争についての情報交換、そして今後それぞれの行動方針を確認しようと思う」
彼はそう言うと、懐から紙を取りだしてつづけた。
「まずは私と我がマスターの方針だが、現在敵対しているのは二つの陣営。マハーバーラタに出てくる施しの英雄カルナを中核とした計4騎の陣営と、百貌のハサン、ケルトの光の御子であるクー・フーリンの陣営だ。現在それ以外とは停戦・不戦協定、あるいは同盟、中立状態にある。現在の方針は、その二つの陣営の撃破。――以上だ」
すると隣にいた旗を持つ少女が反応した。
「私はルーラーとして呼ばれた理由の解明と共に、サーヴァントの魂喰いが行われていないかなどルーラ―としての役目を果たすつもりです」
「バーサーカーはあんまりしゃべれないからオレが言わせてもらうけど、とりあえず金髪のアーチャーと同盟中だ。そっちのアサシン、キャスターとは不戦協定を結んで、ルーラ―とは中立。目下の敵は金髪のアーチャーの敵対勢力。まあ、こんなところだ」
黒髪の青年の言葉を聞いた隣の少女はうー、といって頷いた。
それに続いて髑髏の仮面の人物が話し始めた。
「こちらはラインハルト殿と同盟。そちらのバーサーカー、キャスターとは不戦協定をむすんでおります。また、ルーラ殿から監視対象になっていますな」
「まあ、もしそんなことしたら、ライニが黙ってると思えないから、大丈夫だとは思うけど」
アサシンの言葉に隣に座る少女がめんどくさそうに補足する。
「こっちはバーサーカー、アサシンの言う通り3騎の不戦協定を結んでいて、金色のアーチャーとは同盟中。あとルーラ―さんの監視対象になってます」
南雲結衣と呼ばれていた少女はめんどくさそうにルーラーを見ながらそう言った。
「こちらは現在ライダーを除いたどの勢力とも中立関係だ」
「こっちも赤のアーチャー以外とは敵対も協力もしてない状態だな」
白蓮も私の言葉に続いた。
「ふむ、ではおおよその状態を確認したうえで改めて聞きたい。卿らは聖杯を求めるかね?」
「「「「「!?」」」」」
ラインハルトの問いかけに一同は動揺する。
「私は実のところ別の手段で受肉する方法を見つけたのでもはや聖杯に用はない。私のマスターは元々聖杯などいらんと言っているしな」
「……ライニが一緒にいてくれるなら、ボクは聖杯なんてどうでもいいから」
頬を染めながら賈文和はそう言った。
「私は聖杯にかける願いなどありません。ルーラ―とはそう言うクラスですから」
ルーラ―は真面目な顔で答えると、バーサーカーのマスターがそれに続いて答える。
「オレは楽に生活したいと思ってたけど、今はバーサーカーを受肉させてやりたい」
「……」
そっとバーサーカーがバーサーカーのマスターの手を握る。
その雰囲気が完全に恋人のソレである。
何があったのか、ラインハルトに聞こうとしたが……。
「愛の形は色々だ。双方が愛しあっているなら、第三者が口出しするのは無粋だ。――もし否定したら、親父とおふくろたちも、その子供であるオレ自身とあいつを否定することになるからな」
窘めるような声色で釘を刺したあと、ラインハルトは後半にまるで別人のような声で呟いた。
「私は特に願いなんてない。アサシンは何か願いはあるみたいだけど、無理なら諦めるって」
ラインハルトの言葉について、詳しく聞こうと思ったが、アサシンのマスターの言葉にさえぎられた。
「はい。私の願いはこの名を歴史に残すこと。しかしその世界で名を残しても意味があるのか少々疑問なので保留かつ、無理なら諦めます」
アサシンは複雑そうな声色で自身のマスターの発言を肯定した。
「私は既に目的を達成しているので、聖杯なんかには用がありません。強いて言えばキャスターたちの受肉でしょうか」
「オレたち、人生は満足するものだったから、別にそこまでしてもらわなくても……」
「でも、せっかくだしこっちのおいしいものたくさん食べたいな」
マスターの言葉に青年は遠慮しているが、少女の方はどこかの騎士王を彷彿させる発言をしている。
「私は聖杯にかける願いなんて特にないけど、ライダーは受肉だっけ?」
「うん」
マスターの問いかけにアストルフォは頷く。
「私は……ないのかな。アーチャーも特にないんでしょ?」
「……ああ」
今更かける願いなどないし、聖杯が汚染されているならなおさらだ。
マスターもおそらく以前に言われたことを思いだしたのか、首を横に振った。
「……なるほど、ならば聖杯を見つけ次第、壊してしまっても問題ないな?」
ラインハルトは冷静に問いかける。
「やはり寧の言う通り、聖杯の中に何やらろくでもない何かが入っているの?」
結衣の問いかけにラインハルトは頷いた。
「ああ。先日西に赴いた私の部下たちがサーヴァントを2騎倒したのだが、その折にどこからか禍々しい気配を感じた。私の記憶が正しければアレは私とカール、そしてもう1人の覇道神が全力を尽くさなければ退けられぬ存在のものだ」
「……それは本当かね?」
私はラインハルトに問いかけると、彼はあきれた顔で答えた。
「嘘を言ってどうする。私はその存在を撃退するため、そしてその後のための準備をしている。だがあと8騎落ちたらおそらく聖杯は実体を得るのでな。可能な限りサーヴァントが脱落する事態を避けたい。故にここにいる7騎による共闘を、私は提案する」
「「!?」」
驚く私のマスターと、白蓮を横目に、私はラインハルトに問いかけた。
「こちらに求める条件と、こちらへ見返りは?」
「そちらに出す条件は『この共闘に賛同したサーヴァント、および関係者へ危害を加えることを禁止する』、『現在私が敵対してるサーヴァントによってサーヴァントが脱落しない』だ。見返りは『洛陽にいる間の安全』と、『希望するなら洛陽を去った後に私の爪牙による護衛』をつけよう。自慢に聞こえるかもしれぬが、私の爪牙は並のサーヴァントを撃退することもできる。三騎士ならばヘラクレスやカルナといった大英雄と互角に渡り合えるだろう。条件としては破格だと思うが……?」
「悪くない条件だが、マスターはどう思う?」
私は自分で確認した後、マスターに問いかけた。
「んー。私はいいと思うけど……。白蓮ちゃんはどう思う?」
「私はその共闘に参加するさ。サーヴァントのマスターも命を狙われる可能性がある以上、安全を考えるのは当然だろ? 私は魔術なんて全く使えないから、ライダー以外に頼れる相手がいない。桃香は信用できるけど、距離的に助け合えるわけじゃない。そんな状況にこの提案は渡りに船っていってもいい」
白蓮の言葉を聞いた我がマスターは少し考えた後、ラインハルトに対して答えた。
「だったら、私たちも共闘するよ」
「ふむ、よかろう。では契約は成立した。本日のサーヴァントとマスターの集まりはここまでとしよう。では解散だ」
ラインハルトがそう言うと、他のサーヴァントとマスターはそれぞれ部屋を後にした。
私たちもそれに倣って部屋を出る。
そしてそのまま屋敷を後にしようとすると、背後から声がした。
「ああそうだ。私を登用するなら詠に話を通してくれ。彼女は私のマスターなのでね」
「あ、はい」
「えっ、アーチャー登用できるのか?」
ラインハルトの言葉に素直に頷く我がマスターと、普通に驚く白蓮。
「ああ。先ほど言った通り、私のマスターに話を通し、彼女が頷いたら、の話だが」
「ちゃんと雇用の条件を提示して、それが問題ない水準で、それとさほど差がないなら別にいいわよ。もっとも、ライニ以外の分もちゃんと用意してもらわないと困るけど」
賈文和はそう言ったあと、思いだすように続けた。
「まずライニに、メイドとして雇うなら美花、月、ボクでしょ……。あと武官として華雄、恋、水蓮、霞、寧。文官として姜維とねねは確実……。あとはライニが養ってるから、細かいところはライニと相談して」
「じゃあ、今度朱里ちゃんと雛里ちゃんを連れてくるからね」
「出来たらその護衛にも仕事してもらいたい……」
何故かハイライトの消えた目で、白蓮はそう呟いた……。
いかがだっただろうか。
感想、評価、誤字脱字報告をお待ちしているよ。
ああ、あとインターミッション2についてだが、リクエストを募集しているよ。
出来ればどんな内容が見たいとか、誰と誰のやり取りが見たいなどのリクエストしてくれると紡ぎがいがあると言うものだ。
候補は反劉焉連合にいたメンバーと、西に赴いたメンバーを除くラインハルトの陣営のメンバーだ(なお、ある程度したら戻ってくる)。
私の独り言はこのくらいにして……。
では、また次の幕にてお会いしましょう……。