恋姫✝無双 黄金の獣と聖杯戦争   作:月神サチ

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ふむ、この話は好みが分かれるやもしれぬが、あらかじめ言っておこう。


タグはちゃんと確認したかね?

考えたら負けだと諦めたまえ。

そしてメインヒロインはツンデレボクっ娘だと言うことを胸裏に刻みこんだかね?

この歌劇の女神は彼女だ。
異論は認めん、断じて認めん、私が法だ。
黙して従え。



ちなみに……。

獣殿の愛の本質は黄昏のそれとほぼ同じだということを理解しているかね?
ただ、彼の愛はあまりにも強く、それに耐えられぬモノが今までなかった……ただそれだけだ。
ゆえに彼は愛する証明として、壊すようになったのだ。
私はかの怒りの日での彼の行動をそのように解釈させてもらっている。

獣殿が愛する者を壊さないために手加減を覚えた……これはそんなifの思いが込められた歌劇だと理解してほしい。



話が長くなってしまったね。
それでは皆さま、今話は短いですが、ご観覧あれ……。


第5話 洛陽と性欲界淑女道?

 

 

「ふむ、思ったより活気がないな」

 

黄昏が始まる前、洛陽に来て最初に抱いた感想を口にすると、詠があきれた顔をする。

 

「声が大きいわよ。……でもそうね。ライニには同感ね」

 

「……とにかく、城へ行かないと……。ライニさん、先には詠ちゃんと私で行きたいのですが護衛をお願いできますか?」

 

月の問いかけに頷く。

 

「良いだろう。ただし、今の私は張遼や華雄ほどは当てにならん。なけなしの魔力をザミエルとシュピーネに割いているからな」

 

「……悪かったわね、私の供給する魔力がなけなしで」

 

膨れる詠に対し、私は口元を緩める。

 

「……と言うわけだ。霞、水蓮、卿も同行を頼む。ねね、恋、華雄は兵を休ませつつ、待機させておけ。おそらく此処の軍部の人間が来るだろうからその者の指示を仰げ」

 

「了解」

 

「了解や」

 

「……分かった」

 

「了解した」

 

「お前に言われるまでもないですぞ」

 

それぞれからの了承を確認した私が城の方を向くと、そちらからやけに目立つ服装の人物が複数の兵士を連れてこちらに歩いているのがかろうじて見えた。

 

「詠、どうやら高貴な人物がわざわざお出迎えに来たようだぞ」

 

「……どうしてそう言えるのよ」

 

怪訝そうな顔の詠に対し、私は肩をすくめる。

 

「サーヴァントは常人より能力が優れている。特に私は弓兵(アーチャー)に纏わるスキル、千里眼によって偶然、派手な服装の女性とそれを守るように兵士が見えただけだ」

 

「……あんたがサーヴァントだってすっかり忘れてたわ」

 

「……私もハサンのこと、サーヴァントだってすっかり忘れてた」

 

詠につられて水蓮もハッとする。

 

「無理もありません。我々以外の他のサーヴァントとまったく会わぬ上、いたって平和でしたからな」

 

気配遮断のおかげでどこにいるか分からないハサンが答えた。

 

「……念のため、洛陽内に他のサーヴァントがいないか偵察に行ってまいります。アーチャー殿、マスターをお願いいたします」

 

「任せたまえ」

 

アサシンの言葉に対し、私は頷く。

 

「……ずいぶんと信頼してるわね」

 

「だね。……長年背中を預けてきた主従みたい」

 

「……切り替えろ。来るぞ」

 

詠と水蓮の言葉に対し、私は窘める。

 

「さて、董卓は誰だ?」

 

兵を従えてきた美女の問いかけに月が前に出る。

 

「私です」

 

美女は月を品定めするように見た後、私たちを同様に見回す。

 

……私を見る時間が心なしか他の者より長かったな。

 

「……董卓は主要な将を連れてついてまいれ。お前たちの半分はこの者たちの兵を移動させよ」

 

「「「「はっ!」」」」

 

兵士たちがそう言って私たちを通り抜けて去っていく。

 

そして残った兵士と彼女は何食わぬ顔で城へ向かい始めた。

 

「「「「「……」」」」」

 

何か言いたげな顔をする一同。

 

だが彼女の言葉に従う他なく、しぶしぶついて行った……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

謁見の間につくと、彼女は唯一ある席に座る。

 

それに合わせ、兵士が礼とともに、部屋の隅に移動していく。

 

「さて、まずは自己紹介といこうかのぉ。……私は何進。字は遂高だ」

 

「改めまして、私は董卓。字は仲穎と申します」

 

「ボ……私は賈駆。字は文和です」

 

「私は華雄……です」

 

「うちは張遼。字は文遠や……です」

 

「恋は呂布、字は奉先……です」

 

「私は高順です」

 

「ねねは陳宮。字は広台です」

 

順に自己紹介が行われていき、私の番になった。

 

「私はライニ。董卓の部下……。異国の民だ。まだこの国の言葉になれぬ。だから言葉遣い……上手くない。許せ……」

 

ある意味間違っていない自己紹介なのだが色々間違っている。

あと他のメンバーが笑いをこらえている。

――あらかじめ打ち合わせしなければ爆笑してしまっていただろうな……。

 

「異国の者か。十常侍は嫌悪するだろうが、私はさほど気にせん。……改めてみるとなかなかどうして美形ではないか。どうだ?閨に来ないか?」

 

「ね…や……?良く分からんが……遠慮させて……もらう」

 

分からぬふりをして断る。

 

「……まあ良い。それとお前たちを何故私が呼んだかは察しがついている者もいるだろうが今宵は疲れているだろうから明日話すことにする。まずは宮廷の食事を堪能し、こちらで用意した部屋でゆるりと休むといい」

 

彼女が笑みを浮かべたまま、そう言って立ち上がる。

 

「まずは空腹を満たそう。……宮廷の料理など滅多に食べられぬだろうから、堪能するといい。……ついてまいれ」

 

何進はそう言って悠然と歩いて行った……。

 

「(……詠、ねね、水蓮)」

 

私は小声で3人を呼ぶ。

 

「何よ」

 

「なんなのですか」

 

「どうしたの?」

 

私は嫌な予感から3人に指示を出す。

 

「(詠は恥も外聞を投げ捨ててでも月と同室で寝ろ。ねねは恋のところだ。水蓮は詠たちの護衛にハサンを回せ。洛陽にはサーヴァントがいなかったのだろう?)」

 

「どうしたのよ急に。」

 

「(このような泥臭い権力闘争の真っ只中で人質になり易い卿らが別々の部屋にいられると守る側の労力が洒落にならんし、後手に回り易くなる。それに私は何進の閨に呼ばれるだろうから卿らの身辺警護ができん)」

 

「……どうしてそう思うのよ」

 

怪訝そうな顔をする詠。

 

「(欲に忠実な者が権力を持てば、権力を使って己を支配する底知れぬ欲を満たそうとする。……何進が私を見る目は色欲に塗れていたからな。先ほどのやり取りで諦めるような人物ではないだろう)」

 

肩をすくめると、詠がジト目で私を見る。

 

「(……そのような目で見られようとどうしようもない。それとも月の立場を危うくしろと?)」

 

「……戻ってきたら匂いが取れるまでボクたちに近づかないでよ。不潔だから」

 

「(私が積極的に動いたわけではないというのにこの対応は実に心にくるものがあるが……。了解した、(マスター)

 

私は肩をすくめながら、何進の後に続くことにした……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

夕食はなかなか豪勢だったが、毒見などが行われたためか、完全に冷め切っていた。

見た目と量こそ負けるが、味は私の作りたての方が圧倒的に良いと自信をもって言える。

――事実、恋と水蓮以外はいつもより食べる量が少なかったからな。

 

「ふむ、満足したようで何より。……では部屋に案内させよう。」

 

すると決心したように詠が手をあげる。

 

「……どうした、賈駆」

 

怪訝そうな顔をする何進をよそに、詠が立ちあがって宣言する。

 

「私は月……董卓との同室を希望します!!」

 

「ねねも恋殿……呂布と同室を望みますぞ!」

 

ねねも詠に続いて立ち上がり、宣言する。

 

微かに顔をしかめた後、何進が口を開く。

 

「何故いきなりそのようなことを言う?」

 

「えと、その……」

 

「その……あの……」

 

――言い訳考え忘れてたなあの二人。

 

「あの二人は、そっちの気がある。……おまけに他の人も身持ちが固い……。女日照りもいいところ……」

 

あきれた顔で説明すると、何進が笑いだす。

――卿らが言い訳を考えていればこのような手に出なかったのだがね。

……しまった。詠たちをフォローできるが、私の風評に大打撃という諸刃の剣だった。

演技だと気付いてくれればいいが……。

 

「こんな色男捕まえておいて生殺しとはかわいそうだな。……まあいい。部屋は人数分個室を用意してあるが、そっちで調整するといい。」

 

「……感謝する」

 

建て前なしの本音を告げると彼女が妖艶な笑みを浮かべる。

 

「女日照りならばその渇きを癒してやろう。……董卓、この男今夜は借りるぞ」

 

何進は月に対してそう言った後、私の手を掴んで引っ張り、部屋を後にした……。

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

 

 

 

 

いくつかの部屋を経由して連れてこられたのは、月明かり以外の照明がない広い寝室だった。

 

「なかなか遊び慣れていると見える。……お前が主導してくれぬか?」

 

妖艶な笑みを浮かべて誘ってくる何進に対し、私は無言を貫く。

 

「……その片言が演技だと霊帝の御前でばらしても良いのだぞ?」

 

「……」

 

「私のものになるならば、十常侍から彼女たちを私が守ってやろう。どうだ?」

 

私はため息をついてから答える。

 

「私が欲しければ篭絡することだ。卿はその方が好みと見たが……?そして、卿は私たちが十常侍(むこう)に寝返らぬように、董卓たちを守るように兵士に指示を下していたように見えたが……気のせいかね?」

 

私の言葉に対し、彼女は不敵な笑みを浮かべる。

 

「なかなかどうして分かっているではないか。ますます傍に置きたくなっ――」

 

おしゃべりな口をふさぐと、私の髪の一部が彼女にかかる。

 

「――んっ!……ずいぶんと積極的だな。女日照りとはあながち間違いではなかったようだな」

 

「私はさしずめ花だ。蝶が来れば蜜をもたらすが、来なければただそこに咲いているだけ……。ゆえに卿を受け入れこそすれ、拒否する理由はない」

 

私が不敵な笑みを浮かべると、彼女もまた、面白いと言いたげな顔をする。

 

「確かに植物のようだが花ではなく、食虫植物に見えるがきのせいか?」

 

「さてな」

 

私ははぐらかした後、彼女をそっと抱き寄せた……。






いかがだったでしょうか?
感想を前話からいくつかいただきました。
誠に感謝しております。



今話のいい加減ポイント(?)


・移動にかかった日数は書かなかった。
(理由はタグを見て察してください)


・洛陽来たなら皇帝に謁見しろよ!馬鹿か!?
だって設定上、霊帝と献帝って、英雄譚から新規参戦のあのロリ……なんですよ?
それにあの変態が絶対甘やかして夕方以降に謁見とかさせない未来しか見えないし……。
ちなみに英雄譚からのキャラデータ見つからねえという方はメールください。アドレスを添付しますので。
(もっとも、全部出すつもりはないけど)


・獣殿、不潔認定不可避な件について
ライニ「誠に遺憾である」


・何進と何太后とか十常侍の変態とか死ぬん?
……キャラとして面白いので、どうしようか困っています。
感想とかで意見プリーズ。

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