清涼祭デート
明久SIDE
坊主とモヒカンの二人に、個人的なOHANASIをした後、僕はフィリ達五人と休憩に言ってきていいと言われたので、着替えて学園内を回っていた筈だった。
しかし今は何故か時間ごとに一人と回っている。
〰〰〰〰〰〰フィリアーノ・シルビアの場合〰〰〰〰〰〰
三人称SIDE
今明久とフィリは隣にある二年B組の出し物である『縁日』に来ていた。学園祭で縁日もどうかと思う明久だったが、フィリが目を輝かせて楽しんでいるので、そんな些細な事は気にしない事にした。
フィ「明久明久」
明「何何、いいのでもあった?」
フィリに呼ばれて明久が向かうとそこは射的だった。何とも軍人のフィリらしい選択に、思わず明久は苦笑していた。
明「何か欲しいのあるの?」
フィ「うむ、あれが欲しいのだが……」
そこで言葉を一度切ると、フィリは明久の方を向いて上目遣いでお願してきた。
フィ「明久、取ってくれるか?」
ついでに可愛らしく首を傾げるフィリは、いつもの強気な姿とは違いとても可愛らしかった。取って欲しいと言った物も可愛いペンダントだったのが大きいだろう。
明「いいよ、ちょっと待っててね」
そう言うと明久は係りをしていたBクラス生に代金を払い、鉄砲を構える。その真剣な顔にフィリだけでなく、他の女性の客まで今までやっていたことを忘れて見惚れた。
明「……」
無言で標的を見つめ引き金を絞った明久。弾は、真っ直ぐにペンダント目掛けて飛んで行き見事に倒した。
その後明久は、お菓子等の物を倒して射的は終わった。
フィ「ありがとう、明久」
明「別にいいよ。それよりもつけてあげるから首上げて」
フィ「う、うむ」
気恥ずかしそうにしながらも、大人しく明久の指示に従い首を上げるフィリ。
明久は先程とったペンダントを、屈んで前からフィリの首に付けた。
明「フフッ、顔真っ赤だよ」
フィ「う、煩い!」
明「あ、それとこれはおまけね」
そう言って明久はフィリの口に自分のそれを優しくつける。不意打ちでやられたフィリの顔は真っ赤だった。それを見て明久がまた笑った。
周りからはキスはちょうど影になって見えなかった。
〰〰〰〰〰〰九条舞依の場合〰〰〰〰〰〰
三人称SIDE
フィリとの学園祭デートを楽しんだ明久は、次の相手である舞依の元へと向かった。
明「ごめん舞依、遅くなった」
実際明久は遅刻などしてないのだが、それでもい一応舞依の方が先にいたため謝っておく。
舞「いいわよ、私が早く来ただけだから」
舞依はそう言うと明久の左腕に抱き着いた。周りからの男の嫉妬の視線が明久に刺さるが、本人はどこ吹く風だ。
舞「じゃあエスコートお願いね」
明「了解、じゃあ行こうか」
そうして二人は歩き出した。
先程のフィリとのデートとは違い、舞依とのデートは彼女が大人っぽい所為かデートは、非常に落ち着いた大人のデートとなっていた。そんな二人は今新校舎の三年の教室がある四階に来ている。
二人はそこで三年B組がやっているお化け屋敷に入った。
舞「意外と本格的なのね」
明「そうだね、学園祭にしては高いレベルだ」
舞依の意見に頷く明久。彼女の言う通り、お化け屋敷はかなり本格的だった。光をほぼ完ぺきに遮断していたし、どこからか奇妙な音楽も流れてくる。だというのに、全く驚きもせずに冷静にお化け屋敷の出来を判断する二人。正直迷惑な客極まりなかった。
舞「キャッ!」
明「おっと」
それでも少し興奮していて明久より先を歩いていた舞依が、何かに躓いてこけた。そして明久の方に正面から倒れこむ舞依を明久は、しっかりと抱き締めながら受け止める。
明「…………」
舞「…………」
目線は舞依が下で明久が上になり、見つめあう二人。幸いにも後ろから他の客は来ていないようだ。
そしていくら光をほぼ遮断したと言っても、抱き合うほどの至近距離ならばお互いの顔くらいは見える。そして二人とも抱き合うのは慣れているので、顔には余裕の色が見られた。
ふと舞依の余裕な顔を見ていた明久は、急に彼女の慌てる姿が見たくなり行動に移す。
明「さっきの悲鳴、可愛かったよ」
舞「なっ!!?」
舞依の顎を手で上げ、改めて目線を合わせた明久は微笑んで一言そう言い、彼女が驚いてる隙に何か言わせる前にキスをして、その口を塞いだ。
舞「い、今のは反則よ」
キスが終わって開口一番に顔を暗闇でも分かるほどに真っ赤にして言う舞依に、明久は微笑みながら自分の存在を彼女に確かめさせるように強く抱きしめた。舞依もそれに応え強く抱き返す。二人はそのまま暫く抱き合っていた。
〰〰〰〰〰〰ルナ・クリシェリナの場合〰〰〰〰〰〰
三人称SIDE
舞依との学園祭デートが終わった後、明久はルナとの待ち合わせが所にいた。今回は明久の方が早かったようである。
ル「アキ~」
明久が待ち合わせ場所についてすぐに待ち人は来た。
ル「ごめんね~、待った~?」
明「うんん、僕も今来たところだよ。それにデートなら待つのも一興だしね」
そして二人は恋人繋ぎで手を握り、何気ない雑談をしながら歩き出した。
先ず二人が始めに向かったのは一年のクラスがある階だった。以外にも一年の出し物は三年や二年には劣るものの、本格的なものが多かった。二人はその中の一つに入った。いや正確には入ろうとした。しかしそれは叶わなかった。異端者(リア充)を狩る者たち+αによって。
F1「いたぞ異端者吉井だ! 捕まえろっ!」
FFF団『オオォォォォ』
本来は明久に黙って雄二やデートをしていない明久の嫁たちが足止め(殲滅)をしているのだが、その隙を掻い潜って来たのだろう。
島「吉井ィィィ、お仕置きよーーーー」
姫「吉井君、OHANASIですよー!」
姫路は体が弱かった筈だが、そんな事等なんのそのと言った感じで、島田と一緒に猛スピードで走って来た。
明「ルナ、ちょっとごめんよ」
ル「え? ちょ、なにキャッ」
ルナに断りを入れて明久は、素早く彼女をお姫様抱っこをして走り出した。彼なら迎え撃つことも可能だっただろうが、それをすると多少なりとも時間が掛かる。よって彼は逃亡を選んだ。ちなみに明久に抱えられているルナは、突然の事だったので顔を真っ赤にしている。それでも明久の事を見つめ続けている辺り流石というべきだろう。
明「撒いたかな?」
ル「多分大丈夫だと思うよ」
結構走ったにもかかわらず、息も荒げていない明久と何時もより真面目な感じで返事を返すルナ。今二人がいるのはカギが掛かっていた理科室だった(どうやって入ったかは企業秘密)。元々カギが掛かっていた為、今ここには明久とルナの二人しかいない。そんな中で二人はそれぞれ別な事を考えていた。明久はどうやったらまたあのルナの可愛い顔が見れるかを、ルナはFFF団+αがどうやって自分たちの所に来たのかをそれぞれ考えていた。
明「ルナ、頭にごみが付いてるよ。取ってあげるから、顔をこっちに寄せて」
ル「えっ! そう。だったらお願いしようかな~」
明久が悪戯っ子の笑みを浮かべているのを知らずに、ルナは明久の指示に従い顔を明久の方に寄せる。次の瞬間———————ルナと明久の唇は重なっていた。
ル「え? え? ちょ、な、え」
行き成りの事に先程急にお姫様抱っこされた時のように、顔を真っ赤にさせてテンパってるルナ。明久はその姿を愛おしそうに見ていた。
〰〰〰〰〰〰鮎沢美弥の場合〰〰〰〰〰〰
三人称SIDE
四人目のデートの相手である美弥との待ち合わせ場所には、明久と美弥二人同時に着いた。そして二人は早速美弥が明久の腕に抱き付き、学園祭デートを始めた。
美「これからどこに行くのでござるか?」
明「う~ん? 美弥が好きそうな所かな。後はついてからのお楽しみってことで」
そう言って意地悪く笑う明久を、美弥は仕方がない子供を見る母親のような目で見た。
二人が着いたのは、一年C組の出し物の『ダーツバー』だった。しかしダーツバーとは名ばかりで、ダーツの他にも輪投げや射的があった。
美「なあ明久、ダーツで勝負せんか?」
明「てっきり射的だと思ったけど、いいよ。じゃあ負けた方は罰ゲームとして勝った方の言う事を何でも一つ聞くという事で」
美「了解した」
こうして明久対美弥のダーツ対決が始まった。
勝ったから言うと勝負は明久の勝ちだった。そして今は罰ゲームをする為に屋上に来ていた。此処もまた彼ら二人以外に人影はない。
美「それで、拙者に何をさせたいのでござるか?」
明「ポッキーゲームをしよう」
行き成りそう言う明久に戸惑う美弥だが、罰ゲームなので従うしかないので抵抗はしない。一方明久は何処から取り出したのか、既にポッキーを加えて準備万端だった。そして美弥も、もう片方の端を加えてポッキーゲームがスタートした。
最初は目を開けていた美弥だったが、ポッキーを加えながらこちらを見てくる明久の流し目が余りにも妖艶だったため、直視することが出来なくなったので今は目を閉じている。きっと今美弥の顔は真っ赤だろう。だが彼女にはやめる気は毛頭なかった。何しろ明久とキスできるからだ。明久はこういった公共の場所では普段はキスをあまりしない。だから美弥は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらもやめる気は無かった。
そして無事二人がキスしてポッキーゲームは終わった。終わった後明久は、真っ赤になった宮の顔を見て一言。
明「真っ赤になってる美弥も可愛いよ」
その一言によって更に顔を赤くする美弥を明久は、もう一度軽くキスして今の気持ちを彼女に伝えた。
〰〰〰〰〰〰リニス・エドガーの場合〰〰〰〰〰〰
最後のデートの相手であるリエとの待ち合わせ場所に着いた明久は、先にいた彼女に遅れたことを詫びる。
明「遅れてごめんね」
リ「いいえ大丈夫ですわよ。私(わたくし)も今さっき来た所ですし」
そう言った後リエは、明久に手を出し言う。
リ「それじゃあ、エスコートして下さる?」
明「もちろん、喜んで」
明久はそれに応える様に左肘を出す。リエはそれに自身の右手を絡ませる。それを確認した明久は、彼女に合わせてゆっくりを歩き出した。
二人が来たのは三年C組がやっている喫茶店だった。此処は明久たち二年A組の『コスプレ喫茶』とは違い、何処にでもありそうな普通の喫茶店だった。しかし結構本格的で、紅茶の種類も豊富だった。
明久とリエは隣同士で肩を並べあって座った。そして明久はパンケーキとジャスミン茶、リエはチーズケーキとアールグレイを注文して、雑談しながら美味しく頂いた。
喫茶店を出た二人は途中でクレープを売っている所があったので買い、歩きながら食べている。因みに明久はチョコでリエはストロベリーだ。
明「ねえリエ、そっちも一口頂戴」
リ「ええいいわよ。だったらそちらのやつも一口頂戴ね」
明「うんいいよ。はい、アーン」
明久はそう言ってリエの口に自分の持っていたクレープを近ずけた。
リ「っ!!?」
リエはその事に顔を赤くして戸惑うものの、覚悟を決めて明久のクレープに食いついた。
明「おいしい?」
リ「ええ、チョコ味も意外とイケるわ」
明「じゃあ次は僕の番だね」
そう言って明久は口を開ける。それを見たリエは顔をさらに赤くして少し躊躇いながらも、自身のクレープを明久の口に持って行った。
明「へえ、意外とストロベリーもイケるね」
リ「…………」
リエはもう明久に言葉を返す気力もないのか、ただ顔を紅潮させ俯いている。
明「リエ、ちょっとおいで」
リ「え?」
戸惑うリエを余所に明久はリエを人気の無い所まで引っ張っていく。そしてリエの唇についていたストロベリーのジャムを舐めとった。
リ「!!? え、ちょ」
突然の事に顔を茹蛸の様に真っ赤にしながら戸惑うリエを無視して、軽くキスをした。
さらに戸惑うリエを抱き寄せて明久は、その耳元で囁いた。
明「真っ赤になって戸惑ったリエも可愛いよ」
すると彼女は首まで真っ赤にするが、それでも明久の事を強く抱き返した。そして二人はそのまま暫く抱き合っていた。
こうして五人の少女と一人の少年の学園祭デートは終わった。