バカとテストと召喚獣~彼が変えていく世界~   作:隆斗

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今回のでストックは無くなります。これからはさらに更新速度が落ちると思いますがよろしくお願いします。


清涼祭決勝

清涼祭決勝

 

明久SIDE

 

決勝戦開始の時間が近づいてきた僕と雄二は、未だに忙しさと戦っているクラスメイト達に(心の底から)申し訳なく思いながらもAクラスを後にした。

 

 

 

 

福原「それでは吉井君と坂本君、放送があるまでここで待ってて下さいね」

 

事前に言われていた控室に行くと、福原先生が居たが僕達に指示した後何処かへ行ってしまった。

 

明「ねえ雄二。決勝の相手って誰なの? 僕忙しくて結局誰か見て無いんだよね」

 

雄「お前決勝の相手位知っとけよ。相手は常夏ペアだよ」

 

呆れながらも答えてくれた雄二。しかし対戦相手の名前を聞いた時、俺の中で沸々と怒りが沸いて来たのが分かった。

その証拠に隣に居る雄二の顔が心なしか怯えている。

 

明「そうかあいつ等か。だったら手加減はしねえな」

 

雄「や、殺るのは良いが手加減はしておけよ。何でも決勝はサモンフュージョンでやるらしいからな」

 

明「そうなのか? ってことはフィールドバックも付くって事か」

 

そうかそれは良い事を聞いた。これで合法的にいたぶれる。

 

雄(明久が黒い。これは思わず同情するぞ、常夏変態)

 

雄二が隣で震えているのはどうしてだ?

 

司『それでは時間になりましたので決勝戦を始めたいと思います』

 

司会だと思われる人のアナウンスが流れると会場がドッと沸く。

 

司『まずは選手入場です。赤コーナー、数々の強敵を押しのけてここまで勝ち上がってきた強さは本物。噂では二年Cクラス相手にたった一人で勝ったという伝説も持つ二年Aクラス吉井明久‼ そして学力最下位のFクラスを学力最上位のAクラスに勝たせた伝説の代表。二年Aクラス坂本雄二‼』

 

明「……随分持ち上げてくれたな」

 

雄「ああ、負けた時はカッコ悪いな。それよりCクラス戦のことがバレてるがいいのか」

 

明「ああ気にして無い」

 

そんな事を話しながら俺と雄二は入場した。

 

 

 

 

雄「……すごいなこれは」

 

雄二の言う通りだった。

360度見渡す限り人、人、人。そのすべてが今から始まる決勝戦を今か今かと待ち侘びていた。

 

司『続きまして青コーナー、全体の参加人数は少ないながらもしっかりと決勝にコマを進めてきた三年生。三年生の威厳に掛けて勝つ事は出来るのか……三年Aクラス常村勇作。同じく三年Aクラス夏川俊平』

 

司会が坊主とモヒカンの紹介をすると、向こう側から堂々と入って来る二人が見えた。

 

司『それでは選手が揃いましたところで、試召戦争についてのルール説明をさせていただきます。試召戦争とは——————』

 

司会者(プロ)が試召戦争を知らない観客にルール説明をしている間、雄二とモヒカンが何やら話している。

 

雄「よぉ先輩方、もう妨害工作は良いのか?」

 

常「お前らが大衆の前で恥をかかないよう先輩からの優しい気遣いだったんだがなあ」

 

雄・常「「…………」」

 

お互いに挑発し合っている雄二とモヒカンが睨み合っている。

そのモヒカンの横で坊主が俺に、ニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべながらこちらを見て来るがスルーする。

 

明「坊主、お前らは何で竹原教頭の味方をするんだ。報酬として大学への推薦でも貰ったのか?」

 

俺がそう言うと坊主は驚きで目を見開くが、すぐにニヤニヤし始めた。

 

夏「そうだが、それがどうした。羨ましいのか?」

 

明「……」

 

下らな過ぎて何も言えなかったので黙殺する。

 

司『——————です。以上で試召戦争の説明を終わります。なお今回は最新技術の『サモンフュージョン』と呼ばれる召喚獣と一体になれるシステムで戦ってもらいます。勿論痛みなどはありません。教科は『生活』です。それでは……開始っ!』

 

明・雄・夏・常「「「「サモンフュージョン」」」」

 

 

 

三人称SIDE

 

司会者の合図に合わせて何時もと違ったキーワードを呟いた4人の体を光が包み込む。

明久と雄二は最早見慣れた自分たちの召喚獣の格好をしていた。

夏川と常村は伊達にAクラスを名乗っていないらしく、格好も金属製の防具と武器といった立派なものだった。

 

生活 二年Aクラス吉井明久 564点

   二年Aクラス坂本雄二 553点

 

     VS

 

   三年Aクラス常村勇作 364点

   三年Aクラス夏川俊平 381点

 

観客『ワァァァァァ!!』

 

最新技術と4人の点数を見て歓声を上げる観客達。

その反応を特別席から見ていた学園長のカヲルは満足げに頷いた。

 

常「な、何だそのの点数わっ! カンニングだろっ!」

 

夏「そうだ! カンニングだっ!」

 

雄「おいおい言い掛かりはよせよ。見苦しいぞ先輩」

 

明「それにテストの監督は鉄人なんだからカンニングなンてできるわけねェだろうが」

 

自分の嫁達を危険な目に遭わせられた怒りで明久の口調が百合子みたいになっている。

 

雄「おい明久お前そ……」

 

夏「オラァッ」

 

常「くらえぇ」

 

雄二はその変化に気づいて疑問に思ったが、それを明久に確認する前に夏川と常村が仕掛けて来たので聞く機会を失ってしまった。

 

明「遅ェンだよっ!」

 

雄「甘いぜ! 変態‼」

 

常「先輩って言うノリで変態っていうのやめろっ!! 字数とんといしか合ってねぇじゃねえか‼」

 

夏「あれ? 結構合ってる」

 

常「そこは今気に掛ける所じゃってうおおォォォォォ」

 

雄「スキありだぜモヒカン変態」

 

夏川と常村が変態と先輩について考えようとしている所に、雄二が拳を突き出すが二人は間一髪で躱す。

雄二を入れた三人がギャアギャア騒いでいる中、明久は静かに集中していた。

元々雄二は明久が集中し終わるまでの時間稼ぎであった。まあ当の本人はそんな事は忘れていそうだが、結果的に時間稼ぎはできているので結果オーライだろう。

 

明「……うるせェぞお前ら」

 

観客も違う意味で盛り上がっていた中、集中し終えた明久が腕輪を発動させ雄二は避けるようにして彼ら三人に雷を叩き込んだ。

 

夏・常「「ギャァァァァァァァ」」

 

雄「あ、危ねぇ」

 

恐らく昔何か武術をやっていたであろう常村と夏川も、さすがに雷を回避するのは無理だったらしく直撃とはいかないもののダメージを負っていた。

一方の雄二は先程の雷で自分の役割を思い出して冷や汗を流していた。

 

明「……雄二」

 

雄「な、何だ明久」

 

名前を呼んだだけなのに何故か怯えられることに疑問が沸くも気にせず続ける明久。

 

明「此処からは試合前に言った通り俺一人でやる」

 

それは確認というより宣言だった。

有無を言わせぬ宣言を雄二に一方的にした明久は、一人悠然と夏川と常村の所に歩いてゆく。

雄二はその姿をただただ見てる事しかできなかった。

 

明「さあ屑(先輩達)、……遊びを始めよう」

 

夏「はん! 一人でかかって来るなんていいどグハッ」

 

常「夏かゲハッ」

 

夏川が何か言う前に雷を纏った明久が雷速並みの速度で動き殴る。そしていきなり殴られた夏川を心配する常村の所まで素早く行きこちらも殴る。

 

夏「くそ~、痛ぇじゃねえか。ん?」

 

本当はフィールドバックが(安全の為に)ない為痛くは無いのだがそこは長年の癖だろう。

 

常「どうした夏川」

 

夏「俺達の点数があまり減ってねぇぞ」

 

常「……本当だ。どういう事だ?」

 

激しく吹っ飛ばされたはずなのにその割には点数があまり減っていない事に疑問に思った夏川と常村。

その質問に答えたのは二人に近寄ってきた明久だった。

 

明「そンなのは簡単だァ。俺がそうしたンだからなァ」

 

その理由を聞こうとした二人より早く明久が続きを口にする。

 

明「テメェらをボコボコにするためになァ」

 

明久はかなり怒り心頭だった。

楽しい筈の学園祭なのに教頭の下らない理由で妨害を受け。それに便乗した坊主とモヒカンの所為で妨害が悪化した。

大和王国にも学校はある。だが学園祭等の楽しい行事は殆ど無い。だからあまり経験したことない自分を除いた大和組に今日の清涼祭を楽しんでほしかった。だから明久は気合を入れて頑張った。しかし結果は明久の思い描いたものとは違った。

 

女子勢が誘拐された。

 

自分達のやっている喫茶店にクレーマーが出た。

 

その所為で楽しんで貰う筈の学園祭が台無しになった。

学園祭デートはできたが、其れより上の二つの出来事の方が印象に残ってしまっただろう。

だから明久は許せなかった。目の前の変態二人を、全ての元凶の教頭を。

 

夏「ふん。一発当たったからっていい気になってんじゃねぇぞ」

 

常「そうだ。調子に乗るなよ観察処分者がっ‼」

 

夏川が槍を常村が剣を振るって来るが、それらは明久に当たる寸前で止まった。

 

常「な、なに!?」

 

夏「ど、どうなってやがる!?」

 

明「返すぞ。しっかり受け取りやがれェ」

 

言うと同時に槍と剣が反射(・・)されたように二人が振るった方向とは真逆の方向に勢いよく跳ね返った。

 

夏「ガァ」

 

常「グヘ」

 

それぞれの武器が顔面に当たり間抜けな声を出す変態二人。

明久がやったことは至極簡単だった。

ただ磁力を使って槍と剣を止め、そのまま磁力で操って跳ね返ったように見せただけ、唯それだけだった。

 

明「弓よ!」

 

明久が叫びながら右手を前に出すと雷が集まっていき弓の形になった。

そして明久の手にはいつの間にか雷と風(空気)で出来た特大の矢が握られていた。

バチバチと帯電しているそれを弓に番え先程の衝撃で飛んで行った変態に向け狙いを定める。

 

夏・常「「ヒィ」」

 

それを起き上がって確認した変態二人は怯え口から短い悲鳴を上げる。明久の後ろから見ていた雄二でさえも恐怖を感じていたのだから仕方がないだろう。

そこで二人は気付く。明久の上と左右の空間にも雷と風又はその両方で出来た矢が大量にあった。

 

夏「チィ」

 

常「クソッ」

 

あれをくらったら一溜まりもないと本能的に感じた二人は、剣と槍を捨てもう片方の手に持っていた盾を正面に構えて明久に突進した。

 

明「くらえ」

 

明「風雷龍矢(ふうらいりゅうや)」

 

その瞬間大量の雷と風で出来た矢が奔流となって夏川と常村の二人に襲い掛かった。

 

夏・常「「ギャァァァァァァ」」

 

二人はなす術もなく風に切り裂かれたり雷に穿たれたりして、奔流に飲まれ点数がゼロになった。

 

西「勝者吉井・坂本ペア。よって優勝は吉井・坂本ペア」

 

観客『ワァァァァァァ‼』

 

鉄人が明久と雄二の勝利を告げる。シーンと静まり返った会場にはその声が良く響いた。

一拍おいて、

 

観客『ワァァァァァ‼』

 

会場中から歓声が上がった。それは明久と雄二を祝福する声や、最後の明久の技を見て興奮し歓声を上げる声等様々だった。

 

雄(チクショウ、俺は……俺はまだ明久に追いつけないのかよ)

 

そんな興奮状態にある会場の中雄二は一人、そんな事を思っていた。

中学の時に明久に自分の本当の気持ちに気づかされて以来、憧れ目標にしてきた親友兼恩人。

最近やっと追いついて来たと思った目の前に見えるその背中は、一国の王子という事を除いても大きくて眩しくて偉大で、つい頼りたくなるほど頼もしかった。

そして彼は改めて誓う。あの背中に追いつきあいつに頼られるような存在になり支えると。

奇しくもそれは、嘗て明久に救われた8人の少年少女が誓った誓いと言葉は若干違うながらも同じ誓いだった。

 

 

 

こうして一人の少年が新たな誓いを立て召喚獣大会は幕を閉じた。




アンケートの「クロスオーバー」と「その他」は感想にやってほしい原作名を書いて下さい。 遅くなった上に駄文感があるかもしれませんがよろしくお願いします。
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