バカとテストと召喚獣~彼が変えていく世界~   作:隆斗

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これからもよろしくお願いします。


説明

説明

 

 

 

 

「なあ、明久。結局聞き忘れたんだがお前の種族は何なんだ」

 

明久達が明久の実家に向かっているその道中、雄二がいや人間組の全員が聞きたかったことを彼は代表して聞いた。

 

「ああ、そう言えば言ってなかったな。俺の種族は”人外”だ」

 

「いやそういったのじゃなくてじゃなぁ。吸血鬼とかそういう具体的なのを聞いておるのじゃ」

 

余りにも漠然とした明久の答えに思わず秀吉が口を挿んだ。

 

「いや、それであってンだよ」

 

「……という事は”人外”という種族があると?」

 

百合子のフォローに康太が問いかける。

 

「あぁ、ある。といっても”人外”は明久しかいないがな」

 

「吉井君しかいない? それはどういう事なのかしら」

 

人間組の中でも頭の回転が回る方の優子は何かあると踏んでそう質問した。

 

「アッ君だけがなんで”人外”なのかは分からないから答えることは出来ないけど、何で”人外”なんて呼ばれてるかなら答えられるわ」

 

「理由があるのか?」

 

これまで友香と腕を組んでイチャイチャしていた恭二も話に加わって来た。

 

「まあ、簡単に言うならば明久自体が大和王国ってことでござるな」

 

「それはいったいどういう事なのかしら」

 

ついには友香も入って来た。

 

「簡単な事ですわ。明久は過去、そしてこれからの”能力を持つ死者”の能力の集合体ですわ。詳しく言いますと、死んだ超能力者の能力を十全に使えるってことですわ」

 

『ッ⁉』

 

人間組は例外なく全員驚いた。

彼らが驚くのも無理はないと思う。それほどまでに明久は異常(アブノーマル)でチートなのだから。

 

「大和(ここ)風に言うなら『死者の能力を十全に使える程度の能力』ね」

 

「おお、久しぶりだな紫」

 

「ええ、久しぶりね明久。あなたが最近帰ってこないからみんな寂しがっていたわよ。勿論私を含めてね」

 

「それは悪かった」

 

何時の間にか玉藻とは明久を挟んで反対側にいた女性が話に入って来た。

人間組はそこに行き成りいたことに驚愕し、明久を除いた大和組は毎度のことに呆れていて、明久はごく普通に再会の挨拶をしていた。その際紫と呼ばれた女性とは明久を挟んで反対側に居た玉藻は少し不機嫌になっていた。そして明久はそれに気づいて心の中で苦笑した。

 

「紹介するよ、こいつは八雲紫。ここでは妖怪の賢者なんて呼ばれているスキマ妖怪だ」

 

「初めまして八雲紫よ。そしてこっちが私の式の藍」

 

「初めましてだな。紫様の式をやっている九尾の八雲藍だ」

 

いつの間にかゆかりの後ろに控えていた藍も自己紹介をする。人間組はまたしてもその事に驚くが流石に二度目なだけあって立ち直りは早かった。

 

「ま、まあ取り敢えず分かった、分からないけど分かった。じゃあ次の質問いいか?」

 

まだ若干混乱しながらも雄二が明久に問う。それを明久は了承し質問が再び始まった。

 

「じゃあ聞くが、そこに居る玉藻って奴とさっきのイスカンダルって呼ばれていた鉄人と声が似ている奴、そして俺達の乗っていた飛行機を落としたギルって奴は何者なんだ? そして出来ればそいつらの種族も教えてほしい」

 

彼の中では玉藻たちの正体に少し心当たりがあった。だがそれはあり得ないと思ったから雄二はこの質問をしたのだ。

 

「ギルことギルガメッシュとイスカンダルと玉藻は雄二が思っている通り、神話等に載っている英雄で間違いねぇ。そしてこいつらの種族は『守護者(サーヴァント)』ってやつだ」

 

「……何だそれは」

 

「この大和王国を守護する者ってことでそういう種族になっている。もう全員受肉しちまってるが、元々は英雄の霊などだな。他にも何人かいるぞ」

 

三度人間組は驚愕する。彼らが全然そんな風に見えないからだ。

 

「着いたぞ」

 

明久が呟く。

彼らの前に立っていたのは巨大な日本家屋だった。

今までの事にインパクトがあり過ぎた人間組はもうこれほどの事では驚かない。

質素な感じの門の前に立っていると、ギギギギギと門がひとりでに内側に開き其処にこの家に似合わないメイド服を着た銀髪の少女が立っていた。

 

「お帰りなさい。今回は随分と帰らなかったわね」

 

「ただいま。それより七久(ななひさ)と秋野(あきの)は?」

 

「二、三時間程前に討伐の依頼があったからそっちに行ったわ」

 

「了解。客がいるから茶と適当にお茶菓子を出してくれ。それより紅魔館の方は良いのか?」

 

「大丈夫よ、お嬢様も妹様も今は此処に居るから」

 

「……また遊びに来たのか」

 

ハァっとため息を吐きながら明久は、雄二達に自分について来るように言って先を歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

「さてこれからお前らに色々な事を話す。その話の途中で色々と質問したいことがあるだろうが話が全部終わってからにしてくれ、いいな?」

 

そう言って俺は向かい側に座る雄二、康太、秀吉、恭二、霧島、優子、工藤、小山に確認を取る。

彼らは一糸乱れぬ動きで首を縦に振り了承した。

 

「まずはこの大和王国———幻想郷の事から話す。ここは昔俺とここに居る紫とで千年くらい前に一緒に作ったモノだ。此処が出来てから暫くは『幻想郷』って呼ばれてたんだが、一時期妖怪達が無差別に人を襲ったりして治安が悪くなってな……。それで俺と紫は幻想郷を国にして王を作りそれで治安を良くしようとしたんだ。そんな時にちょうどあったのがさっき名前が出た七久と秋野の夫婦だ。二人は最初は王とその妃になることを嫌がっていたが、何とか『俺と紫が二人をサポートする』って条件で王と妃になって貰った。そういった経緯俺は二人の息子ってことになってる。ああ、念のために言っておくが血は繋がってないぞ。

そしてここにはいくつかの有名な場所や建物がある。紅魔館、博麗神社、命蓮寺、冥界、迷いの竹林、妖怪の山、魔法の森等々だ。他にも沢山あるがそれはまた今度な」

 

俺はそこで一回言葉を切り茶で喉を潤す。

 

「次に玉藻達の事についてだ。玉藻達英雄の霊通称英霊は特殊な降霊術が必要で、俺はそれを使ってこいつらを呼んだ。あっ、だが玉藻は天照大神の一側面だから普通にそこら辺に居て。そして俺と会って何だかんだで仲良くなって以来行動を共にするようになったんだ。

次に彼女の事だが、彼女は十六夜咲夜。先程言った紅魔館でメイド長をしてる。種族は人間?だ。ついでに言うと大和王国に居る人間の大半は咲夜の様に能力を持っている。そして人間の九割以上が少々特殊な一族だ。

さてここまでで何か質問は?」

 

大体言ったかなっと思って質問させる機会を与えると、恭二が手を挙げた。……手は挙げなくていいと思うが。

 

「明久、お前はいったい何歳なんだ?」

 

「確か……紫と同じかちょっと上だったと思うぞ」

 

俺がそう答えると雄二達は頭に?マークを浮かべた。ああ、そう言えば雄二達は紫の年齢を知らないか。

 

「千歳以上だと考えてくれればいい」

 

改めて俺がそう言うと雄二達は絶句した。まあ、今まで自分と同じ歳だと思っていた奴が実は自分よりかなり年上だと言われたら当然の反応だと思う。

 

「他には何かあるか? 七久と秋野にお前らを紹介するから二人が帰って来るまでは暇だぞ」

 

「えっと……さっきから気になってたんだけどその『死者の能力を十全に使える程度の能力』だっけ? それって結局何なの?」

 

今度は小山が聞いて来た。まあ彼女の疑問は分からんでもない。さっき説明し忘れてたし……。

 

「そのまんまの意味だ。例えば、過去に炎を操る能力者がいたとする、そいつはもう死んでいるが俺はこんな風にそいつの能力を使って炎を出す」

 

そう言いながら手のひらを上に向けて野球ボールくらいの火の玉を出すと、雄二達は子供の様にそれに見入った。

 

「そしてこの能力の特徴はまだあってな、一度使った他人の能力は以降は俺の能力になるんだ。まあそうならなくても使い放題だろうけど」

 

「……チート」

 

「全くじゃな」

 

「本当よね」

 

「うむ、全くだ」

 

「うふふ」

 

「アハハでござる」

 

「まあ、そう言われるのも仕方ありませんわね」

 

「いや、好きでこの能力持ったわけじゃないし。そんなこと言ったら紫の『境界を操る程度の能力』だってチートじゃないか」

 

「私はあなたほどはっちゃけてないし、ちゃんと自重してるのだからいいのよ」

 

「……理不尽だ」

 

流石にこれは落ち込む。

 

「じゃが、何故”程度”がついておるのじゃ?」

 

「それは知らん。気が付いたら自然と程度がついてたんだ」

 

この事は本当に疑問に感じる。大和王国の七不思議の一つにもなってるし。

 

「此処に来た時に飛行機の中で感じた違和感はなんだ?」

 

「ああ、その話をしてなかったか。その違和感は大和王国と他国との国境にある博麗大結界っていう結界を通ったからだ」

 

『博麗大結界?』

 

「ああ、ここはそういう結界で覆われている。お前らは疑問に思わなかったのか此処に来る途中、街中には普通に人間の姿じゃない者も多々居ただろう。飛行機は色々あってこの国の上を通れないが、この国の中を見る手段なんてたくさんあるだろう。なのに世界では妖怪や霊の存在が夢物語だと思われている。

それは何故か。その答えが博麗大結界だよ」

 

「てことはその結界には外からは中が見えないようにする効果があるのか?」

 

「いやちょっと違う。結界の効果は『防音』と『中の事が普通に見える』って効果だ」

 

効果は行っても雄二達は頭に?マークを浮かべていた。

まあ、今の説明で分かれって方が無茶か。

 

「要するに、藍や舞依の様に尻尾や獣耳を出して普通に歩いていたとしても、結界を通してみれば尻尾も耳もない普通の人間に見えるんだよ。

そして防音の方だが、ここは良くも悪くも血気盛んな連中が多いし、日常的に能力や種族の力を使った喧嘩も少なくは無い。表向きは治安も良く国内での争い事の無い国に日常的に爆発音等がしていたら変だから防音効果も付いてるんだよ」

 

俺の説明に雄二達は納得し、成程成程と首を縦に振っていた。

 

 

 

 

 

 

明久が雄二達に結界の説明をしていた頃、大和王国の国境付近では一組の男女を従えた一人の男がいた。

 

「さて、ここが大和王国別名幻想郷か。此処が今から俺のものとなるのを考えると中々悪くないな」

 

男の独白に男女は一切反応を示さずただ突っ立ている。

 

「行って来い俺の人形」

 

男がそう言うと、男の後ろに控えていた男が通常の人間ではありえない速度で大和王国へ走って行く。

 

「さあ、祭りの始まりだ」

 

これから起こることを想像した男は、そう呟いた。

大和王国側から何者かに見られているとも知らずに。

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