暗殺教室〜金色の闇は何をみる?〜 作:暁のしらべ
――修学旅行当日
駅へ直接集合なので私はひとりで来ていた。すると、途中でカルマや渚、杉野とばったりであった。
「あ、夜美ちゃん。おはよう」
「おぉ、夜美!おはよう」
「ヤミちゃんおはよぉ〜」
3人が挨拶をしてきたので私も挨拶を返した。
「おはようございます。渚 杉野 カルマ。3人で来たんですか?」
「おう!どうせいっしょの班だしな。だから待ち合わせして一緒に来たんだよ」
「そうですか。仲がいいですね」
「まぁな」
そこから、修学旅行恒例の話が始まり、いつも通りのE組弄りを受け、新幹線に乗り込む私達。
A~D組はグリーン車で、E組は普通車。
まさに、いつも通りの展開ですね。
すると、この前の全校集会の時に、渚に絡んでいたD組の男2人が顔を出して嫌味を言ってくる。
「学費の用途は成績優秀者に優先される」
「おやおや、君達からは貧乏の香りがするね」
むかつく顔で言ってくる。
「……そうは言いましても、あなた達も貧乏の香りがしますね。お金持ちって言う人は、あんな風に言うのですよ?」
私が指を指した先に人物はいた。
「ごめんあそばせ。ご機嫌よう生徒達」
イリーナ先生がいかにもセレブっぽい恰好をしてやってきた。
D組の二人も驚いて口を開けてる。
「イリーナ、なんだその恰好は?」
すると、烏間先生が額に青筋を浮かべ聞く。
「女を駆使する暗殺者として当然の心得よ。狙ってる暗殺対象ターゲットにバカンスに誘われるって結構あるの。その時、ダサい格好だと幻滅させてしまう。そうなったら折角のチャンスを逃しかねないわ。イイ女は旅のファッションにも気を使うのよ」
確かに、いつものイリーナならそうするでしょうね。
でも今回は……
「着替えろ、目立ち過ぎだ。どう見ても引率の教師の恰好じゃない」
烏間先生は怒りを抑え言う。
「堅いこと言ってんじゃないわよ烏間!ガキどもに大人の旅の――」
「脱げ、着替えろ」
烏間先生は冷静に、そして静かに怒りを込めた殺気を睨みながら出す。
結果、イリーナ先生は新幹線のトイレで、寝間着の服に着替えさせられたのだった。しくしくと泣いているイリーナ。……今回は相手と場所が悪かったね。
「あれ?なぁ、電車出発したけど、殺せんせーは?」
殺せんせーがいないことに杉野が気づき、全員で辺りを見渡す。
……すると、新幹線の壁に張り付いてる殺せんせーが窓から見えた。
「殺せんせー!何してるの!」
渚が携帯電話で殺せんせーに連絡を取る。
『駅中スイーツ買ってたら乗り遅れました。次の駅までこの状態で行きます』
「それって大丈夫なの?」
『ご心配なく。保護色にしてますから、外からは服と荷物が張り付いてるだけにしか見えません』
「それはそれで不自然だよ!!」
……うん。凄く不自然。謎の服とカバンが引っ付いてると言うより、電車の速度に合わせて浮いているようにしか見えないね。
結局、次の駅に着いた瞬間、殺せんせーはいつものごとく目にも止まらない速さで中に入って来た。
「いやぁ、疲れました。目立たないように旅するのは大変ですねぇ」
「そんなでかい荷物持ってくんなよ」
「ただでさえ、目立つのに」
「……それ以前に、存在自体が国家機密の殺せんせーがこんなに目立っちゃいダメでしょ」
私の言葉に全員が頷いた。
「その変装も近くで見ると人じゃないってバレバレだし」
「まず、付け鼻から変えようぜ」
すると、菅谷が何かを投げていた。
「おお、凄いフィット感!!」
「顔の局面と雰囲気に合うように削ったんだよ。俺、そういうの得意だし」
どうやら、殺せんせーの鼻を作っていたようだ。いままでつけていた偽の鼻とは違い、顔の形とあった丸く小さな鼻でした。
菅谷の意外な一面ですね。ほんと、こんな集まりの時って何処にいてもみんなこ意外な一面が見れますよね。
……と言ってもまぁ、私は学校自体が初めてだから、テレビで見た程度の知識なんですけどね。実際、テレビやネットで語られる修学旅行って、そういう友人やクラスメイトの意外な特技を見つけた〜なんて話をよく見ましたし。
しばらく、みんなでトランプや何故かUNOをして暇つぶしをしていた。
「あ、私何か飲み物買ってくるね」
「私も行く〜」
「それじゃ、私も……」
神崎さんが言うと、茅野さんに奥田さんの順で、女子メンバーで飲み物を買いに行った。
……あれからひたすら遊んで京都に着いた。
そこからはバスに乗り、宿へと向かった。
ちなみにA〜D組はホテル、しかもA組は個室だそうです。そしてE組は安くてぼろい旅館なのです。
……でも、私はどちらかといえばこういった趣のある旅館の方が、京都らしくて好きだ。わざわざ京都にまできてホテルなんて泊まりたくない。高級なら、ホテルではなく旅館がいい。…………やっぱり、日本で旅行にきて泊まる場所は旅館だよね〜。日本の"和"というのはとってもいいですよ。うん!
……コホン。取り乱してしまい失礼しました。
さて、旅館に着についたのはいいのですが、着くとさっそく殺せんせーは、ソファに座りグッタリしていました。どうやら新幹線とバスの乗り物酔いでダメージが凄いみたい。現にいまにも死にそうな顔をしていますし。
「大丈夫?寝室で休んだら?」
岡野と片岡と磯貝の三人が対先生ナイフで刺そうとするが、殺せんせーはグロッキー状態なのにも関わらず躱す。
……ふむ。スキがないですね。流石です。
「いえ…ご心配なく、先生枕を忘れてしまったんで1度東京に戻ります…」
「あんなデカイ荷物持ってきて……枕忘れないでしょ……普通」
誰かが言った言葉に私達はうんうんと頷いた。
……それよりも、あんなにもあったのに荷物を忘れるなんて……もしかして殺せんせーって…ドジ?
「神崎さん、日程表見つかった?」
「……ううん」
私がへんなコトを考えていると、隣の神崎さんがカバンを探りながら何かを探していた。
「神崎さんは真面目ですねぇ。独自に日程表をまとめていたとは感心です。でも、ご安心を先生手作りのしおりを持てば安心です」
そういいながら懐から辞書……というよりも広辞苑の様なしおりを取り出してきた。いったい何処に入れてたんだろ…あんな太いモノ。
「それ持って歩きたくないからまとめてんだよ!!」
みんなにツッコまれる殺せんせー。
「確かに入れたはずなんだけど、何処かに落したかなぁ」
普通なら落としたと思うのが普通なんだけど、神崎さんはしっかりしてるし、落すようなことしないと思うのですが…………ふむ。なにか嫌な予感がします。……これは今回の修学旅行、気をつけなければいけなさそうですね……