ベルさんがダンジョンに挑むのは間違っているだろうか 作:ハガル_ゴールド
ベルさんに変身を中断しようと思ったらレベル4相当必須
ベルさんの髪の毛は
「では、行きます」
そう言ってベルが目を閉じ、全身に力を籠める。
瞬間、ベルのあの姿を見たアイズや神であるロキ以外全員に悪寒が走った。
「……っ!?待て」
「全員落ち着け!」
流石にフィンやリヴェリアはすぐに冷静さを取り戻したのか、武器を構えてしまった自分を含めた団員全員に檄を飛ばす。
確かに感じ取った何かは危うい力ではあるが、ロキが止めない以上危険ではないと判断したからだ。
「……魔法とも違う力みたいやな、
「……風?」
ベルを中心に風が巻き起こる。
それと同時にベルの体格が変貌し、急成長を遂げるように巨大化していく。
それに合わせて、年月を物語るかのように白い髪の毛も渦を巻きながらドンドンと長くなっていく。
そして風がやめば、そこには光り輝く何かの力の波動を纏った戦士が立っていた。
長い時間が経過したように思われるが、実際にかかった時間は1秒程度である。
「……確かにミノタウロスなら瞬殺だろうよ……」
「見掛け倒しの筋肉でもなさそうだ……」
「…………髪の毛、長すぎないかしら」
「確かに服ははじけ飛ぶだろうね……ズボンだけ無事なのが解せないけど」
体格だけで判断するのは間違っているかもしれないが、それでも目の前に存在する何らかの力が凝縮されてるベルであればレベル2など赤子以下にしかならないと理解した。
それと同時に急激に力を引き上げるのだからそれほど長く変身出来ないだろうという事も。
そしてやはり一番目線が向くのは髪の毛の長さである……重力に逆らってずっと上に伸びていてそれ自体が奇妙だった。
「どのぐらいなれる?」
「30秒で勝手に解ける」
アイズの問いに対して偉く低い声が出てきた、そして割とオドオドしていた印象がなくなっている。
ベルの声とはわかりづらいのだが、それでも知ってさえいればベルが成長したらそのような声になるであろうという感じの声である。
そして片腕を上げて筋肉を隆起させているが、ただのカッコつけである。
「……一時的に強制的に成長させる【術】、かな?」
「魔法でも
「……
フィン、リヴェリア、ロキはその様子を見ながら知恵を絞り出すが……知識にも前例としても存在していないそれに予想など出来ない結論を下した。
詳しくはベルが語るのを聞くしかないのだろうが、ひとまずは。
「試験はしなくてもいいなこれは」
「低い階層でのイレギュラーにも対処できそうだね」
「つーか、他のとこにやるの惜しいわ」
ベルの入団が決まった……戦いを見てセンスがあるか適性があるかを担当するレベル3の面々は明らかにホッとしていた。
あんな筋肉モリモリの化け物っぽい何かと打ちあうなんて見た目的にも明らかに感じ取れてしまう強さ的にも嫌である。
ベートもベートで実力主義者であるがゆえに元々が弱かろうと強くなるという反則有りとはいえ実力があると認めたのか声を上げようともしていなかった。
というよりも恩恵で強化されてるようなものなので人の事は言えないのである。
それによって反対意見を言いそうな者も居なさそうである。
* * * * *
出来レースのようなものではあるが、正式に入団し、ベルはロキの私室へと連れられた。
恩恵を授ける為であり、同行する者はいない。
後で信頼できる者(主に幹部)に話すつもりではあるが、授ける行為と更新だけは一対一で行うものである。
「とりあえずその上の布取っ払ってベッドに座り」
「はい」
緊張しているが、それでもしっかりとした足取りでロキに背を向ける。
自分の指をかんだ後、ベルの背に向かって軽くなぞりあげる。
「あの、くすぐったいんですね」
「我慢しーや、ウチの眷属にする為に恩恵を授けてステイタスを記してるんよー」
そう言って、作業が終了したのか読み取ったステイタスを見ながら紙に書き記していく。
【
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ベル・クラネル
Lv.1
力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力:I0 念:H123
《魔法》【】【】
《スキル》
【
●早熟する。
●アイズ・ヴァレンシュタインへの懸想が続く限り効果持続。
●アイズ・ヴァレンシュタインへの懸想の丈により効果向上。
【
●恩恵無しでの天賦の才を全て投げ出してようやく得られる力を顕現させる
●このスキルは成長する
●念の知識を全て獲得し、すべて使用可能にする
【制約】
●通常時、どのようなものであろうと念を使用する場合、念の最大値分を消費する
●制約を消す事は不可能
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「これは……ああ、こりゃ……うん」
「え!?何かまずかったんですか!!?」
二枚書いてて良かった、と途中でスキルの欄だけ書かずにおいた紙を見せようと思ったロキが苦笑いしているとベルが不安になったのか動きはしなかったが慌てだす。
「大丈夫、大丈夫……ちょっとびっくりするもんが見えただけやから」
「そ、そうですか?」
情景一途に関してはリヴェリアやアイズ達の話を聞いたのである程度の見当がついており、眉をひそめていたが、欲しければ全力で来いと言ってベルさん(何故か団内で定着)で来られて終わりそうなので成長するなら良しとする。
というかベルに明かすにはあんまりすぎるスキル内容だ……自覚して暴走してベルさんになられても困る。
問題はベルさん化するであろうスキルだが、スキルのルビがひどかった。
定着したベルさんそのまんまやないか!?と内心で叫んだほどである……隠し事が苦手そうなのだがベルさんの方は既に本人が使える以上隠せない。
フィンやリヴェリア達を信じて何とかしてもらおうと放り投げておいた。
(というか英雄顕現成長するって、あれ以上成長するんかい……で、制約ってのは英雄顕現を発揮する為に必要なもんなんやろうな……)
「終わったで、これがベルの初ステータスや」
「あ、ありがとうございます」
ベルに渡した紙には情景一途の文面だけを消去したものだ……表示させてからかうのもいいが、ただでさえ規格外であろうスキルが2つもあるのは他の神の娯楽提供を加速させ、チョッカイを出す者が多くなりそうだ。
隠し事が苦手そうなので、少しでも注目が集まらせないようにまだベルが把握していない方を隠しておいたのだ……きちんとデメリットの方の制約も公開しておいて。
「……魔法じゃなかったんですね」
「まあ、ベル自身が編み出した何かって事だと思うで?例えば、そこのステイタスにある念……ん?」
余りにも自然にあったためスルーしていて初期から0じゃないのは凄いなーという感覚でしかなかったが、改めて見て固まった。
……記憶に間違いが無ければ他の者に存在していなかった能力だ。
―――間違いなく、ベルさん化に関わりのあるステイタスである……堂々と欄に居たせいで気が付かなかったが。
(レアスキルじゃなくてレアステイタスってどうなってんねん!!?)
「ベル、間違いなくこれがベルさんが該当するんやけど、これに心当たりは――――」
「えーっと……アレになる時に全身からあふれ出てブワーってなる感覚がそれになるのかなあ……?僕の村でも見えた人とそうでない人とか居ましたし」
ロキの未知への興奮に対して、ベルは考えながら魔法かなーと今まで勘違いしていた力の根源を説明する。
ところどころ敬語が抜けているが、力に対しての曖昧さが関係しているのかもしれない。
「あ、見えた人の多くってこの力をなんとか教えて理解してくれた人だった。僕のアレと同じのを使えた人居ませんでしたけど」
「まさかの開祖かいいいい!!?」
己の子供のイレギュラーさにロキはこれから前途多難になるだろうと頭を抱えていた。
誰にも知られておらず、奇妙な力としか認識できなかったそれを初めて扱えてなおかつ教えれる者など知られてしまえばチョッカイを掛ける神々が多いだろう。
ロキが知る限り、行えた者および教えられる者が目の前にいる一人しか居ないのだから尚更だ。
例え、大派閥の一員であろうとも向こう見ずで突撃してくる神も居る筈、太陽神とかアポロンとか羊飼いの守護神とか。
「ベルっち、色々と大変なことになるからちょい会議する為にフィン達呼んでくるわ、ここで待っとき!」
「え、あ、はい……」
原作と違って名前がもろに出てる
しっかりとロック掛けてくれるファミリアに入れて良かった