ソードアート・オンライン 〜直死が視る仮想世界〜   作:プロテインチーズ

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セルジュ様、信長様、ザイン様、評価ありがとうございます!
お気に入り登録もいつのまにか60いってました。
本当に感謝です!

※ちなみにタイトルとあらすじを少し変えました。


再会別離

 順調にシキは真の意味のソロで攻略を進めていったらしい。

 彼一人で第三層〜第五層の《フロアボス》を倒してしまった。

 

 その間に俺とアスナはコンビを組んだまま、《キャンペーンクエスト》をして黒エルフのNPCのキズメルと行動をともにした。

 さらにディアベル率いる《アインクラッド解放隊》を分裂させようとして俺も《決闘》で殺そうとしたモルテというプレイヤーとの戦い。

 アスナと乗った《ティルネル号》での冒険。

 第四層での《キャンペーンクエスト》におけるエルフ達との戦い。

 PKという最悪の行為を何とも思わないプレイヤーの登場。

 

 様々な事があったが、その中で俺はアルゴにシキの情報を集めてもらうように頼んでいた。そして、その中で驚愕の事実が発覚した。

 

 ーーーシキがPKをしているーーー

 

 確かにシキは独断専行より酷い攻略をしており《LAボーナス》も独り占めをしていると言っても過言ではない。

 さらに第五層のゴーレムの《フロアボス》の《LAボーナス》がこれまた曲者で「ギルドのリーダーが地面に突き立てるとその半径15メートルの範囲にいるギルドメンバーのステータス値が上がる」というとんでもなく強いアイテムだったのだ。

 

 それをシキは第六層に進んでから突然、俺達攻略組の前に現れ、多少親交のあったらしいディアベルにあっさり渡したのだ。

 

「これは俺にいらん。あんたギルド作ってんならやるよ。あぁ……どうせならこいつらの処分も頼む」

 

 そう言うと、どう見ても《フロアボス》や簡単には手に入らないドロップアイテムをいきなり取り出しては無償で譲ると言い出したのだ。

 

「ちょ、ちょっと、待ってくれ! こんなレアアイテムを一遍に譲ると言われても……」

 

「なら言い値で良いよ」

 

 俺達が呆気に取られる中、

 

「貴方は何を考えているの? 《フロアボス》を独断専攻で倒すかと思えばアイテムをあっさり渡す。私、いやここにいる皆が貴方の考えている事さっぱり分からない」

 

 アスナが口に出した。それが始まりでシキのPK疑惑を糾弾する声も上がった。いくら《英雄》とはいえまだ表だったPKは行われていない。それをしているかもしれないプレイヤーが目の前にて恐怖を感じるのは当たり前だった。

 

 ディアベルが何とか抑えたが、キバオウなどは声を荒げている。俺のようなソロプレイヤーでさえ好かれていないのに、さらにその下を行くシキを嫌悪するのは当然だろう。それらの反応はシキは、

 

「別に。ただ俺は《フロアボス》を一騎討ちで倒したいだけ。アイテムをやるのは本当に俺が要らないだけだ。前にも言ったけど、別に他の奴に売ってもいいしな。後、PKに関しては本当だ」

 

 何だと! 

 俺は動揺と驚愕が半々だった。《英雄》と呼ばれたシキがPK……信じられなかった。だがあの枯れた態度と一致しない異常な強さを考えてるとどこか納得している俺がいたのだ。

 

「おい、本当にお前……PKを……」

 

「こいつ……本当に」

 

 攻略組が騒つく。そしてすぐに糾弾の声が上がった。中にはすぐに殺すべきや黒鉄宮の牢獄に入れるべきという声もあった。それらをディアベルは抑えてシキに問うた。

 

「シキ君。君ほどのプレイヤーがPKをするなんて何か理由があるんじゃないかい?」

 

 ディアベルはシキに大きな借りがある。シキはそれを貸しなんて思っていないだろうが。

 

「当たり前だろ、そんなの。俺が殺したのは三人。あいつらは俺を襲ってきたんだよ。それで反撃して思わず本気出したら殺しちまった」

 

「それは……本当かい?」

 

「あぁ、あいつら俺だと知らず攻略組と勘違いして数を使って強盗でもしようとしたんだろ。そんな命を背負おうとしない奴なんか死んでも仕方ないんだよ」

 

 シキの言葉に場が静まり返る。この世界で表だってPK行為やそれに準ずる行為は行われていないが裏では既に進んでいたのだ。この世界の不文則としてPKにPKで返しても罪に問わないとなっている。正当防衛でそうしないと死んでしまい元も子もないからだ。

 

 でも、それが分かっていて、尚のこと殺せる奴なんてそうはいない。殺すより難しい捕縛を選ぶだろう。俺もそうする。しかし、この《英雄》は違う。

 PKをするならPKで返す。つまり殺しなら殺しで対応するという事。それも気負う風でもなく、ただ当然の権利として告げた。

 

 そして、そのままシキのPKの処罰は流れてしまった。流石に正当防衛なら咎めよう奴は少なかった。少なかったという事は中にはいたのだが。そいつらはシキが脅しをかけるとすぐに黙った。

 

「うっせー。なら俺と《決闘》してもいいんだぜ。《ノーマルモード》でな?」

 

 その一言で反対意見は消えてしまった。そして、シキは驚くべき事を告げた。

 

「しばらく俺、《フロアボス》と戦わないからな。あんたらが望んだ《フロアボス》討伐戦がようやく叶うぜ?」

 

 またもや、爆弾をこの場に投げ込んで来た。

 

「シキ君、それは君がこの先《フロアボス》を手を出さないという事かい?」

 

「あぁ、そうだ。勘違いしてもらっちゃ困るから言うけど、あんたらの事を手伝う訳じゃない。ただしばらく《フロアボス》から手を引くってだけだ」

 

 だろうな。シキの性格からして間違っても攻略組と足並み揃えるなんてしなさそうだ。攻略組の面々もシキにあまり良い感情を持っていないしな。

 

「じゃあ、俺はこれで」

 

 それだけ言い残すとシキは攻略会議を後にした。

 

 そして第六層からシキは《フロアボス》討伐戦に出てこず、俺達攻略組が倒していった。初めての討伐戦はみんな緊張していたが充分に安全マージンを取っていたので死者を出す事なく勝利した。

 

 何を考えている、俺。今は第九層の攻略だぞ。ここにはいない奴の事なんてどうでもいいだろ。第九層《フロアボス》の討伐に喜ぶプレイヤー達。だがそこに《英雄》の姿はいない。

 

(シキ、お前は一体何を考えている? 今、何をしている?)

 

 その問いに答えられる者は一人を除いて誰もいない。




タイトルのネタ考えるの大変……
何でらっきょにあやかろうとしたのか、最初に投稿した自分を殴りたい……
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