いよいよ戦いが始まります………どうなることやら
そしてサクラが戦う相手は!?
「…………酷い」
何本もの鉄柱が突き刺さり、無惨な姿になったギルドを見てサクラは悲しく呟いた。
「! サクラか!! 帰ってきてたのか!」
「エルフマンさん……」
「昨夜だ。ファントムにやられちまってよぉ!!」
「………ファントムですか」
北東のオークの街に建つギルド。
妖精の尻尾と同等の実力ギルドと同時に犬猿の仲である。
以前から小競り合いはあったのだが此処までの襲撃は初めてであった。
「………これ。鉄竜の仕業ですね」
鉄の柱に触れたサクラが判断する。
『鉄竜のガジル』。幽鬼に所属する魔導士の中でも特に強い実力を持つ男でナツやサクラと同様、滅竜魔導士。
「………怪我人はいるんですか?」
「いや夜中の誰もいない時間帯だったからいないぞ」
「そうですか………」
「今は皆下にいる。サクラも来い」
「ええ………」
○
しばらくしてからナツ達が帰ってきた。
が、怒り狂うナツとは対照的にマカロフはむしろふざけていると言っていいレベルで落ち着いていた。
「ナツ……悔しいのはマスターも一緒なのよ。だけどギルド間の武力抗争は評議会で禁止されてるの」
マカロフが立ち去ってからミラがそう言うが直情的なナツがそれで納得できるわけもなく、イライラが募る。
「………………」
「? おいサクラ。何処に行くんだ?」
「病院に行ってきます」
マグノリア病院。
サクラは入院中のモミジの見舞いに来た。
「…………………」
「サクラ~。ずっと黙ってるけど何があったの~?」
「モミジは気にしなくても大丈夫ですよ」
笑顔を見せるサクラだがやはりその表情は作り笑いだ。
彼女としてはまだ重体のモミジに心配をかけたくないと思っているのだ。
が、今は離れているとはいえ彼女の相棒であるモミジには見破られていた。
「もしかしてギルドが襲われたこと?」
「!? なっ、なんで」
「町中で騒ぎだもん。あたしの耳にも入ってくるよ~~」
「………そう、ですよね」
「悔しくないの?」
「ギルド同士の抗争は禁止ですよ。マスターも……」
「ち~が~う~!」
パンパンと布団を叩くモミジ。
きょとんとするサクラにビシッと指を突き立てると。
「サクラがどう思ってるか聞いてるの!!」
「わ、私が?」
「サクラはいつも人を優先してて自分のことは後回しだもん。そんなんじゃいつか潰れちゃうよ」
いつになく真面目な口調でのモミジにサクラは少し気圧された。
「たまには素直に自分の言いたいことを言わないと。それがサクラの為なんだからね?」
「…………………」
「サクラ! いるか!?」
と、そこにカナが入ってきた。
「カナさん!? 病院ではお静かに!!」
「それどころじゃないんだ!! ちょっと来てくれ!!」
「は、はい……?」
南口公園。
そこに植えられている一本の木に人が磔にされていた。
その光景を見てサクラは絶句する。
「レビィさん……! ジェットさん……! ドロイさん……!」
三人とも酷い重体で傷だらけだった。
そしてレビィの腹部にはファントムのギルドマークが刻まれている。
「………」
ギリッと掌から血が滲むほどに握りしめる。
サクラとて、仲間が傷付けられて黙っていられる程大人しくない。
それはギルド全員が同じである。
マカロフは杖を固く握りしめた。
「………ボロ酒場までならガマンできたんじゃがな……ガキの血を見て黙ってる親はいねぇんだよ……」
バギッ。と杖が砕ける。
その表情は憤怒そのものだった。
「戦争じゃ」
○
マグノリア病院に送られたレビィ達をルーシィに任せ、ギルド総出で殴り込む。
入口の扉をナツが粉砕し、騒いでいたファントムのメンバーは呆然とした。
「なっ………」
そして、直後に開戦となる。
「おおおああ……らあっ!!!」
両手に炎を纏ったナツが回転しながら突撃して吹き飛ばす。
怒りの限界を超えているナツを止めるすべなど何処にもない。
「誰でもいい!! かかって来いやぁ!!!」
「ちょ、調子に乗るんじゃねえぞコラ!!」
「やっちまえーー!!!」
遅れてファントムま反撃に移るが復讐に燃える"妖精の尻尾"の勢いは止まらない。
すれ違い様にグレイが次々と凍らせ、トゲの豪腕を振るうエルフマンが一気に吹き飛ばす。
「機竜の回連銃!! 連射型・機竜の咆哮ォ!!」
両手の十指から魔法弾を撃ち、口からビームを連射するサクラ。
エルザは巧みな剣捌きで反撃を許さず切り伏せる。
「マスター・マカロフを狙え!!」
一斉に襲いかかるファントムの魔導士達。
しかし巨大化したマカロフは纏めて掌で叩き潰した。
「ぐおあぁあっ!!」
「ばっ、バケモノ!!!」
「貴様等はそのバケモノのガキに手ェ出したんだ。人間の法律で自分を守れるなどと夢々思うなよ」
「ひっ、ひい……」
そんな乱戦のようすを梁の上から見ている男が一人。
鉄竜のガジルである。
「あれがティターニアのエルザだな……他のS級は参戦せず……か」
「ガジルっち~」
と、そんなガジルの更に上から声がする。
天井に逆さまに立ち、露出の多い服を着ている少女がいた。
「その呼び方やめろっつってんだろ。鉄屑にすんぞ」
「あやー。メンゴメンゴ♪ それより行かないの? 押され気味でチョーヤバくない?」
「今はやっかいな奴がいるだろ。奴が消えたら暴れるさ」
「やっかいな奴ってマカロフのこと? うわ意外とセコいじゃん」
「じゃあオマエが行って奴と戦ってこいよ」
「怖いからパス~」
と、マカロフはジョゼを探してその場を離脱した。
それを見てガジルはニヤリと笑う。
「おー。マジぴったしなタイミング~。行くの?」
「へへっ……そォだな。ひと暴れしようかね」
「じゃ。アタシも行こっと♪」
まずガジルが飛び降りる。
そして腕を変化させた鉄の棍で強襲をかけた。
「はァーーーーー!!」
「ぐおっ」
「がっ!?」
「ナブ!! ウォーレン!! なんだアイツ……自分の仲間までやりやがった!!」
「来いクズども!! 鉄の滅竜魔導士、ガジル様が相手だ!!」
そこに腕に魔物を接収したエルフマンが挑んだ。
「漢はァー!! クズでも漢だぁ!!!」
その豪腕を鉄の棍で受け止めるガジル。
反撃とばかりに右腕、左腕、脚と連続で畳み掛けるが全て回避され、受け止められた。
「ほう……なかなかやる」
「漢は強く生きるべし」
「じゃあこんなのはどうだ?」
エルフマンが掴んでいる足から更に鉄の棍が弾けた。
エルフマンは回避したが近くにいたファントムの魔導士が巻き込まれる。
「貴様!! 自分の仲間を!!」
「なに余所見してやがる」
額を打つ一撃。
吹き飛ばされたエルフマンを踏み台にして今度はナツが飛び出した。
「ガジルーーーー!!!」
「ぐあっ!?」
「俺がフェアリーテイルの滅竜魔導士だぁ!! エルフマン!! こいつ寄越せ!!」
「貴様!! 漢と漢の決闘の邪魔をするのか!!」
その時、吹き飛ばされたガジルが起き上がり、ナツの腹を突いた。
しかしナツはそれを受け止める。
「!!」
「こいつがギルドやレビィ達を…………くたばれぇっ!!」
「何!!?」
力任せに投げ飛ばすナツ。
さらにガジルを追って追撃する。
が、
「させないよん♪」
「ぐあっ!?」
真横に吹き飛ばされた。
そこに居たのは先程ガジルと話していた少女。
手には先程までには無かった深紅の鎌が握られていた。
「………何しやがる」
「あっれぇ? 助けてくれた人にその態度はないんじゃない?」
「余計なことすんなっつってんだヨ」
「あーヤダヤダ。戦闘狂はこれだから………」
「なんだオマエはぁ!!」
復帰したナツが少女に襲いかかる。
が、少女は冷静に対応した。
「
深紅の鎌が液体化、刀に形状が変化してナツを切り伏せた。
「ぐあっ!?」
「血、竜……だと!?」
「嘘だろ!? "幽鬼の支配者"にもう一人滅竜魔導士が居るなんて」
驚愕するエルザのグレイの言葉に少女はクスクスと笑う。
「情報操作は基本じゃん? 手の内は隠さないとね♪」
と、少女は掌を翳す。
するとフェアリーテイルの魔導士達の顔色が少し悪くなった。
「なん、だ。これは」
「まさか……血を吸われているのか……!?」
「アタシは"血の滅竜魔導士"。名は……」
「シキ・ヴァンリラ」
少女、シキを狙った弾丸。
吸血を中止し、それを回避したシキがそちらを見ると、
「………間違いであってほしかったです………何をやっているんですか貴方は!!!」
「ふふ。お久しぶりだねぇ。サクラ? 会いたかったよ………♪」
妖精の火竜と機竜。
幽鬼の鉄竜と血竜。
マグノリアの四人のドラゴンが此処に集った。
技紹介 いきましょー
・機竜の回連銃
腕を高速回転させて指から弾丸をガトリングのように連射する技。
両手で使用すると更に強力。
・連射型・機竜の咆哮
ブレスのバリエーション技。間隔の短いビームを連続で口から放つ技。
回連銃と併用することで大火力を得る。
前回回想に出たシキ。
今回幽鬼側で登場。サクラと戦うことになります。
モデルは『閃乱カグラ』の四季。
何故戦わなければならないのか……次回をお楽しみに