「中々に酷いですね」
問題ない。いずれ全く出番が無い章も来るから
「えっ……」
ということでどうぞ
「お前ら。後は任せたぞ」
突如、エリゴールがガラスを割って逃走した。
「くそっ!! 向かうのブロックか!?」
「ナツ!! グレイ!! 二人で奴を追うんだ!!」
「む」
「お前達二人が力を合わせればエリゴールにだって負けるハズがない」
「むむ……」
しかし犬猿のナツとグレイ、お互いにガン飛ばし合っている二人が協力するとは思えない。
「聞いているのかっ!!!」
「「も、もちろん!!」」
しかしエルザの一喝で肩を組んで駆けていくのだった。
「二人逃げた」
「エリゴールさんを追う気か!?」
「任せな。俺が仕留めてくる!!」
「こっちも!! あの桜頭だけは許せねえ!!!」
二人を追って指のベルトを巻いた男、レイユールと、ナツと因縁のあるカゲヤマが離脱した。
「私達は彼等を何とかしないといけませんね……」
「女三人で何ができるやら……それにしても二人ともいい女だなァ」
サクラ達を見て下劣な欲望を顕にする鉄の森の男達。
そんな彼等に嫌悪感を感じたエルザ(ルーシィは別の空間に入っていたが)。
手を構えるがそれをサクラが制した。
「エルザさんは魔力を大きく消費しているでしょう。私がやります」
「だがサクラも相当に使っているのではないか?」
「私ならいくらでも回復できますから。ある程度減らしたらあとは任せますよ」
と、サクラは一歩前に出る。
そして腰に付けていた棒を取ると構える。
「警告します。命が惜しい方々は今すぐ退きなさい」
「はあ? そんな棒切れで何ができるってんだ!!」
「服を切り刻んでやらぁ!!」
魔法剣を召喚した者達がサクラに襲いかかる。
そんな彼等にサクラはため息をつき、魔法を発動させた。
「機竜の光刃……!」
何が起こったのか瞬時に把握できた者は少ない。
「ぐふっ」
「がはぁ……」
「な、なに……!?」
ドサドサと倒れ伏す男達。
その背後に棒の先から桜色の光の刀を形成しているサクラがいた。
「行きますよ。覚悟は良いですね」
即座にサクラは飛翔した。
光の剣はただの剣ですら容易く切り裂く。
言ってしまえば防御が無意味な剣なのだ。
「チイッ!! 遠距離魔法でも食らえ!!」
「ふっ!!」
光の刃が延びる。
長大な剣は遠くの敵を容易く切り裂いた。
「なっ、ぐあっ!?」
「次行きますよ……機竜の真空刃!!」
蹴り飛ばさされた鎌鼬が一気に敵を切り裂く。
更に地面に手を着いたサクラは開脚。高速回転を行い、斬撃の竜巻を起こした。
「更に……機竜の雷電波!!」
右掌からスパークを起こし、何名かを感電させて倒す。
しかし、まだ敵は減らない。
「もういいぞサクラ。後は私が一掃する」
「エルザさん……分かりました」
サクラが後ろに退くと代わりに前に出たエルザの鎧が剥がれていく。
と、その身を翼を携えた別の鎧が包んでいく。
「魔法剣士は通常、武器を換装しながら戦う。けどエルザは自分の能力を高める"魔法の鎧"にも換装しながら戦う事ができるんだ」
見ていたルーシィにハッピーがそう説明する。
「それがエルザの魔法。
纏う鎧は天輪の鎧。数多の武器を操る事が出来る能力を持つ鎧である。
「エルザ……!? こいつまさか……」
「舞え、剣達よ……
「ぐあ」
「ぎゃっ!!」
「うがっ!?」
宙に浮かぶ剣が円形に回転する。
その鋭い斬撃は残った敵を全て斬り倒した。
「こんのヤロォ!! オレ様が相手じゃあ!!」
「ま、間違いねえっ!! コイツぁ妖精の尻尾最強の女……
向かってきた男、ビアードを意に介さず一振りで沈める。
「ぐはぁっ!?」
「すごぉぉーーーい!! ちょっとホレそ♪」
残った大柄の男、カラッカはあまりの状況に恐れをなし、逃走した。
「エリゴールの所に向かうかもしれん。ルーシィ追うんだ!!」
「えーーっ!? あたしがっ!?」
「頼む!!」
ギロリと早く行けとばかりに睨むエルザに思わずルーシィも駆け出していった。
「………っ」
「エルザさん。大丈夫ですか?」
グラリとフラついたエルザをサクラが支える。
「ああ……やはり魔動四輪を飛ばしすぎたのが堪えたな……」
「ですが流石ですね……あの一瞬でここまでやれるとは」
「それはサクラもだろう。中々に腕を上げているようだな」
「ふふ……私はまだまだですよ。それより本当に大丈夫ですか?」
「ああ……少し離してくれるか? やることがある」
「あ、はい」
サクラが離れるとエルザは駅の入り口に向かう。
そして駅員からスピーカーを奪うと大声で告げた。
「命が惜しい者は今すぐこの場を離れよ!! 駅は邪悪なる魔導士どもに占拠されている!! そしてその魔導士はここにいる人間全てを殺すだけの魔法を放とうとしている!! 出来るだけ遠くへ避難するんだ!!」
いきなりの放送に衆人が呆然と沈黙する。
しかしエルザの言うことが理解できると彼等は一目散に悲鳴をあげながら逃げ出した。
「……これだけ人がいなければ呪歌を放つ意味があるまい。さて……奴はどう動くか……」
「エルザさん!! 戻ってきちゃダメです!!」
「サクラ? どうし……なっ!?」
エルザが振り返ると、駅が暴風に包まれていた。
「ん? なぜハエが外に一匹……そうか、野次馬共を逃がしたのはてめえか」
「! エリゴール!! 貴様がこれを!?」
「残念だが今は相手をしてる暇がねえ。中でじっとしてな」
風に弾かれたエルザは暴風に飲まれて駅に引き込まれた。
「エルザさん!! この……機竜の剛拳!!」
サクラが風の壁に拳を叩きつけるが逆に弾かれた。
「痛っ……!」
「やめておけ。中から出ようとすれば風が体を切り刻む。これが"魔風壁"だ」
「これは一体何のマネだ!!?」
「鳥籠ならぬ妖精籠ってところか。てめぇ等のせいで大分時間を無駄にしちまった。オレはこれで失礼させてもらうよ」
「何処へ行くつもりだ!?」
エルザは叫ぶが答えが帰ってくる訳もない。
「やはりこの駅は標的ではない……この先は終点、クローバー駅……まさか!?」
「サクラ!?」
焦ったサクラは駅内に駆け込む。
そして倒れているビアードを叩き起こすと問い掛けた。
「ぐえっ!? 何しやがる!!」
「答えなさい!! 貴方達の真の目的は定例会……ギルドマスターなんですか!!?」
クローバーの町にはマスターマカロフを含めた近辺のギルドマスターが集まっている。
彼等にララバイを使用して殺害すること。それがエリゴール及び鉄の森の本当の狙いだったのだ!!
「……ああ。その通りだ」
「何だと……おい貴様!! 魔風壁を解除しろ!!」
「む……無理だって……魔風壁の解除なんて俺達ができる訳ねえだろ……」
「くっ……」
「エルザ!! サクラ!!」
「グレイか!? ナツは一緒じゃないのか?」
「はぐれた。つーかそれどころじゃねえ!!」
グレイの焦りようから彼も真実に気づいたらしい。
魔風壁も見てきたようだ。
「無理矢理出ようとすればミンチになるぜありゃ!! こいつらは魔風壁の消し方知らねえのかよ!!」
八つ当たりのように鉄の森の男に蹴りを入れるグレイ。
そんな彼をサクラが止めた。
「やめなさいグレイさん。そうしたって何の意味も無いですよ」
と、エルザが何かに気づいた。
「そういえば彼らの中にカゲと呼ばれていた奴がいたはずだ!! 奴は確かたった一人でララバイの封印を解除した!!」
「解除魔導士か!? それなら魔風壁も!!」
「ならその人を探しましょう!! ナツを追ってるはずです!!」
駅の奥に走っていく三人。
その様子を見ていたビアードがニヤリと笑った事に誰も気付かずに……。
○
すさまじい爆発音が駅に響く。
「近いぞ!! 向こうだ」
「こりゃあナツに間違いねえ」
三人が走っていくと予想通りカゲヤマがナツに倒されていた。
「ナツ!! ストップ!! 彼が必要なんです!!」
「うお!? なんだなんだ!?」
「でかした!! クソ炎!!」
と、エルザがカゲヤマを吊し上げて剣を構えた。
「四の五の言わず魔風壁を解いてもらおう。一回NOと言う度に切傷が一つ増えるぞ」
焦っているのか、エルザは本気だった。
事情を知らないナツはそんなエルザに怯える。
「いいな?」
「わ……わか……ぐあ…!?」
しかし、突如カゲヤマは血を吐いて倒れた。
その背中にはナイフが深々と突き刺さっている。
刺したのはカラッカ。ビアードがエルザ達の突破口を潰す為にカゲヤマを殺させたのだ。
「カゲ!! しっかりしろ!! お前の力が必要なんだ!!」
「サクラ!! 治療をしろ!!」
「やりますけど!! 傷が深いのと気を失っているのでかなり時間がかかってしまいます!!」
カゲヤマを刺した張本人のカラッカは恐怖で震えている。
ナツも震えていたが彼は怒りによって震えていた。
「仲間じゃ……ねえのかよ……同じギルドの仲間じゃねえのかよ!!」
逃げ出したカラッカを逃がさず壁ごと殴り壊すナツ。
そのまま地面につき倒した。
「カゲ!! しっかりしないか!!」
「エルザさん!! ダメです!! 意識が無いですよ!!」
「それにこんな状態じゃ魔法は使えねえぞ!!」
「やってもらわねばならないんだ!!」
「それがお前達のギルドなのかっ!!!」
焦るエルザ達。怒るナツ。
初めて緊迫した様子の彼等を見たルーシィは声が出なかった。
「お……お邪魔だったかしら………」
「あい」
今回も新技紹介!!
・機竜の光刃
高濃度の光の剣を発生させる技。ガン〇ムのビームサーベルのようなもの。
基部となる柄が必要でサクラは自作の柄を六本。腰に着けている。
・機竜の雷電波
エネルギーを電気に変換して掌から放つ技。
威力は低いが人体の神経を感電させたり機械不全を起こしたりもできる。
さて……次回は魔風壁の突発……は多分原作通り。
そしてナツとサクラがエリゴールに挑みます!!
………ネタバレし過ぎだなこれ
ではまた次回!!