妖精の尻尾 機械仕掛けの竜姫   作:ファルコン・Σ

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今回は少し短いです
まあ閑話ですしね

「ただ大事な話が出てきます」

原作は大幅カットしてます
ではどうぞ


サクラの休暇

ギルドに帰還した翌日。

サクラは『数日ほどギルドを離れます』とマカロフに伝えて許可を貰い、ギルドを後にしていた。

 

その間、ナツとエルザが決闘をしたり、エルザが評議会に"形式上の"逮捕をされたり、ナツ達が無断で危険な"S級"の任務に行ったりしていたが、それはまた別の話。

 

 

妖精の尻尾から正面の大路地を真っ直ぐ進み、カルティア大聖堂の前を横切る。

そこからひたすら歩き、街を出て更にしばらく歩いたところに一軒の建物がある。

 

そこがサクラが育ての親、メカグラシルと別れてからの数年を過ごし、今は彼女が全ての利権を持っている孤児院である。

 

「……さて、やりますか」

 

孤児院の扉を開き中に入るサクラ。

と、中庭で遊んでいた子供達が彼女に気づいた。

 

「あ!! サクラおねーちゃんだ!!!」

 

「おねーちゃんが帰ってきた!!」

 

「おねーちゃぁぁん!!」

 

「おっと!! はいはい皆落ち着いて、ね?」

 

次々と駆け寄ってくる子供達。

その騒動を聞いて中にいた子供達も出てきてサクラに寄ってくる。

 

「おねーちゃん鬼ごっこして遊ぼうよ!!」

 

「ずるい~!! サクラおねえちゃんはわたしとおままごとするのー!!」

 

「一緒にサッカーしようよ~!!」

 

この光景だけでサクラがどれだけ人気者なのかが分かるだろう。

そんな子供達をポンポンと撫でて落ち着かせる。

 

「先にやることやってからですよ。カルラさんはいますか?」

 

「カルラ姉ちゃんなら自分の部屋で仕事してるよ~?」

 

「そうですか。ありがとう。じゃあまた後でね」

 

そういうとサクラは建物に入る。

そして一階の『カルラ』の札がかかっている扉に着いた。

 

「カルラ。入りますよ」

 

「おっ、サクラか!! 入れ入れ!!」

 

「失礼します」

 

中に入ると青いリボンをカチューシャ代わりに金髪を止めている少女がいた。

年齢はサクラと同じくらいだろう。

 

「お帰りサクラ。っても私の家は此処じゃないけどな!!」

 

彼女はカルラ・ラピュール。

孤児院のすぐ近くの村に住む少女でサクラとは仲の良い友達である。

サクラが仕事で孤児院を長く留守にする時などは彼女が子供達の面倒を見ているのだ。

 

「見たぜ新聞!! ギルドマスターを狙った奴等を倒したんだろ? 凄いよな!!」

 

「いえいえ。皆が居てくれたからですよ。私一人ではどうにもなりませんでしたから」

 

「謙遜する癖は変わらないねぇ。此処は立派に育っているのによ♪」

 

「ひゃあっ!? や、やめてください!!」

 

突然カルラが腕を伸ばしてサクラの豊満な胸を揉み始めた。

このカルラ。気さくで快活な性格なのだがセクハラ癖があるのが玉に傷だった。

 

「ほれほれ~♪ ここがええんか~?」

 

「ひう……ひゃん!! い、いい加減にせんかぁ!!」

 

「ごふっ!?」

 

サクラの右ストレート。

ぶん殴られたカルラは吹き飛んで壁に直撃した。

 

「か~。いってー」

 

「全く……本当に頑丈な体ですね」

 

魔法は使っていないとはいえ、固いサクラの拳で殴られたら相当に痛いはずなのだがカルラにダメージは無い。

 

「そんなに高い実力があるのだから、ギルドに入れば良いものを。マスターに推薦しますよ?」

 

「あたいはいいよ。いずれは家の家業を継がないといけないしな」

 

カルラにはカルラの事情がある。

それを知ってはいるもののやはり彼女の高い魔力も知っているサクラとしてはやはり惜しいと思う。

 

「ま、なんかあったら助けにくらいはなるぜ? あたいとお前は友達だろ?」

 

「………そうですね」

 

屈託の無い笑顔に思わずサクラも笑みが溢れる。

と、本題から逸れている事に気づいたサクラは改めてカルラに問いかけた。

 

「それで、私の居ない間に何かありましたか?」

 

「いや特に無いぜ。怪我も病気も失踪も誘拐も無し。至って平和だな」

 

「そうですか……よかった」

 

自分がいない留守中に何かあったら大変である。

とりあえず異常が起こったわけではないので安心した。

 

「………あの子は?」

 

「いや。帰ってきてないな………」

 

その返事を聞いたサクラの表情が暗くなった。

 

「そうですか……」

 

「なあ。こんなこと言いたくないんだがアイツはもう……」

 

「なんでそんなことをいうんじゃ!! わしはまだ諦めてない!!」

 

「お、落ち着けサクラ!! 外に聞こえるぞ!!」

 

「あっ………ごめんなさい」

 

「いや……気持ちは分かるよ」

 

 

まだ院長が存命だった頃。

サクラは今の子供達のように遊んでいた。

その時にはカルラも一緒に遊んでいたしもう一人、サクラと同い年の少女も暮らしていた。

 

[ほらほら~。サクラ早く早く~!!]

 

[早くしないと売り切れちまうぞ!!]

 

[待ってください~!! カルラ、シキ!!]

 

その少女の名はシキ。

サクラが孤児院に来てしばらく経ってからやってきた少女でサクラの親友だった。

 

[ほら。皆のパンを買うんでしょ!! 早くおいでよ~~!!]

 

[遅いぞサクラ~!!]

 

[ちょ、シキ達が早いんですよ!!]

 

女子三人。楽しく遊んだ思い出。

 

[二人はさ。大人になったら何したい?]

 

[あたいは父ちゃんの仕事を継ぎたいな!! 女でも出来るんだよってとこを見せてやる!!]

 

[私は人を助ける仕事をしたいです。その為にもギルドに入ります]

 

[いいねそれ!! アタシもサクラと同じギルドに入ろうかな~♪]

 

[そしたらあたいが依頼だすよ!! あたいの職を手伝ってくださいってな!!]

 

[なにそれ~]

 

[お断りします]

 

[何でだよっ!?]

 

三人で笑いあった日々。

しかし、

 

 

「行方不明になって五年……院長が亡くなったのもそのすぐ後だったよな」

 

「あの頃は本当に大変でした……私は数日ずっと泣いてました」

 

「立ち直ってからすぐにギルドに入ったよな。予定より早かった」

 

「仕方ないですよ。継続するためのお金が必要でしたし……でもギルドの皆さんは協力してくれてますし」

 

「それはありがたいことだよな。つーかお前そろそろ行った方がいいんじゃないか? 子供達待たせてるだろ」

 

「あっ。そうですね。すみません少し失礼しますね」

 

「おう。また後で色々話そうぜ」

 

「ですね」

 

そういうとサクラは部屋から退出していった。

それを見送ってからカルラは窓の外を見て呟く。

 

「シキ……お前今、何処に行ったんだよ………」

 

 

数日間、サクラは孤児院で寝泊まりをし、子供達の世話や部屋の掃除。カルラと共に事務仕事も行った。

 

そして子供達に見送られてギルドに帰ってきたサクラが見たものは、

 

 

 

 

鉄の柱が突き刺さり、半壊したギルドであった。




技紹介は無いので代わりにキャラ紹介

・カルラ・ラピュール
マグノリアの郊外の村に住む少女。
魔力はかなり高いが家業を継ぐ為にギルドには入らない。
ちなみにその家業は魔法具の雑貨屋及び運送。
男口調でセクハラ癖があるが性格は優しい。
モデルは『閃乱カグラ』の葛城。


次回から幽鬼編に突入。
頑張ります!!

ではまた次回!!
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