久しぶりで書き方が変わっているかも知れませんがご了承ください。
俺は夢を見ている…と思う。正直、信じられない後景が目の前に広がっている。
長い黒髪の女性が子供を抱いてとても優しい笑顔を浮かべながらその子供を見つめている。俺が見るからにその女性は雪ノ下雪乃で間違い無いと思う。俺が彼女のことを間違えるわけないし、あんな綺麗な人は世界中探してもどこにもいない。
高校時代だったらあんな笑顔を信じることは出来ないが、俺と付き合うようになってからは多くはないが優しい笑顔を向けてくれるようになったと思う。
信じられないというのは別のことだ。
…何故子供抱いているんだ?
俺はその、…あいつとまだそんな関係には進展していないし、夢の中で他の男の子供とも思わいたくない。…いったい誰の子供なんだ?
色々と考えているうちに子供を抱いた雪乃が俺の方への近づいてきた。
「どうしたの?何かあった?」
「あ、いや…何にもないよ」
「うふふ。何でそんなしどろもどろなの?昔に戻ったみたいね」
今の会話で何となく察したが、おそらく俺との子供で間違いないようだ。…ほかのやつの子供じゃなくて良かった〜。夢の中でも受け入れられないことだってあるからな。
「可愛いな」
「でしょ?名前は雪音にしようと思っているの。どうかしら?」
これは凄い夢だな。まさか出産直後とは。こんな夢を見ることもないので堪能しておこう。
「そうだな。俺としても[雪]っていう字は入れたかったし、何より可愛いから満足だ」
「本当?ならこの子は今日から雪音にしましょう!
ほーら雪音、ママとパパですよ〜?」
な、なんとあの雪乃さんがママっぽくなっている。おそらく現実で子供ができたら全く同じことになるのだろう。雪乃が雪音を可愛がり、それを俺が見ていて微笑ましく見守る。是非とも実現したい未来だ。
「まだ生まれたばかりだからわかんねーよ。とりあえず今は寝かしといてやれ」
「そうね。今すぐに写真撮ったり愛でたいところなのだけど仕方ないわね。私も流石に疲れているし」
「雪乃も体力無いのに無理して頑張ったんだから今は休め」
「今は八幡の言う通りにするわ。…キスしてくれるかしら?」
「い、今か?」
「え、えぇ。雪音が生まれてきてくれたのは本当に嬉しい限りなのだけど…その…」
「どうした?」
「八幡が雪音にばっかり愛情を注いでしまって私のことは相手にしてくれないんじゃないかって心配になったの…」
夢の中でも雪乃は雪乃だった。不安になれば愛情を欲しがる。ストレートに伝えることはなかなかないが、どこにいても変わらないのだ。
「そんなわけないだろ。俺の中で1番は雪乃ただ1人だよ」
自分の口にしてから初めて認識することができたかもしれない。子供が1人2人とできても俺の中での1番は雪乃なのだ。これは何があっても変わらないことだ。
「本当に?」
「俺は虚言は吐かない。誰かさんと一緒でな」
そう言って優しく雪乃にキスをした。
「うふふ、ありがとう。昔は虚言しか吐いていなかったけれど」
「それは忘れてくれ」
「無理よ。…なら私は休むわ。おやすみなさい」
「分かったよ。おやすみ」
俺も寝ようと思い、目を瞑るとすぐに意識が遠のいていった。
気づくとそこは…見慣れない天井…ではなく、雪乃の顔があった。
「うおっ?!」
「あら、おはよう」
「お、お、おはよう」
寝起きでびっくりしたせいでオットセイみたいになってしまった。
「なぜそんなにびっくりしたのかしら?…もしかしていやらしい夢でも見ていたの?」
一見笑っているように見えるが目が笑っていない。嫉妬のせいなのかめちゃくちゃ怖い。
「ちげぇーよ。雪乃が子供生んだ時の夢を見ていたんだよ」
「え?」
「ホントだぞ?赤ちゃんを抱いてた雪乃は凄い優しそうな顔をしてたぞ」
「そ、そう」
照れて顔を真っ赤にする雪乃は本当に可愛いと思います。
「今すぐには無理だけど子供が欲しいな」
「そ、そうね。大学卒業したら欲しいわね」
「そんなにはやいのか?!」
「ええ。本当は今すぐに欲しいのだけどさすがに大学生のうちはたいへんだと思うから。あと…」
「あと?」
「貴方と2人だけの時間を楽しみたいの…」
ずるいです。その表情。
顔を真っ赤にしながら上目遣いをし、目をウルウルさせてこちらを見ている。
「そ、そうだな。とりあえず卒業までは2人で愛し合おうな」
「ええ!」
2人だけの時間が楽しみたい、か。
確かに子供ができてからは互いを愛する時間はどうしても減ってしまうと思う。でも、やはり雪乃を1番としてこれからのことを考えていきたい。
幸せな家庭が作れるように頑張ろう。
本当に遅くなってすいません!
マイペースですが、更新していきたいと思っていますので待っていてください!