ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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サイト対銀時 決着です。

第一話目で定春出すの忘れてた、改訂済。




第十話 侍と死神

時間は少し、遡る。

 

キュルケ、タバサは銀時とサイトとの一騎打ちに目をしばし奪われていた、そのせいで上空から落ちる二つの影を見逃すキュルケ、がタバサは別だった。赤い髪の少年と灰色の髪の中年男性、二人とも大きな傘を手にしている、あれが武器かどうかはわからないタバサだったが、キュルケの服の裾を引っ張る。

 

「な、・・なに?」

「学院に二人侵入した、かなり強い。」

「え!?・・。」

「ここにいても仕方がない、行く。」

「そうね。あの二人に割って入る事できそうにないわ。」

 

キュルケとタバサが二人して学院に向かうのを銀時は眼で追う、サイトはデルフを構え直し、サイトに弾丸のように間合いを詰める。

 

袈裟懸け、唐竹、逆袈裟、片手突き、二人はあらゆる技を駆使し、お互いの急所を責める、サイトの口角は次第に上がり、銀時の表情は余裕がなくなってくる。

 

お互いの一撃が交錯し、両者の間合いが広がるように後方に互いが退く。

 

「いいね、あんた強いよ。」

「そりゃどーも、最近のガキは義務教育で殺し合いでもやってんのか?」

 

サイトは瞬時にデルフを鞘に納める、 高速の抜刀。銀時は正眼に構える。

 

間合いを再度一歩で詰め、銀時の眼の前で放たれる 抜刀。

一撃は銀時の木刀を叩く、その衝撃で銀時の腕が上がり、腹ががら空きになる。

 

「!!やべぇ!」

 

サイトは銀時の焦りに答えるかのように、左手に持った鞘を銀時の右わき腹にたたきつける。

 

「義務教育はうけてねぇけど戦場仕込みの技ならあるぜ。」

「がは・・・・!!」

 

銀時の口から血が零れる、サイトは間髪入れずに銀時に回転胴回し蹴りを放つ。

脚は頭部に打ち込まれ銀時は地面に叩き付けられる。

 

「侍ってのは主君に忠誠を誓うんだってな、この国の騎士だってそうさ、大した金額でもない金貰って、死ぬときは誇りのためだとのたうち回って死ぬ。・・・誇り?なにそれ食えるの?うまいの?」

 

銀時は息も荒げにサイトの顔を見る。

 

「さて、まぁこんなもんか、あの女の足止め時間はクリアしただろ。金も貰ったしあの女との契約も成立か・・・ああ・・デルフ、お前をかすめ取ったかわいいお嬢さんとやらにも挨拶でもしとくか?」

 

「・・・・。」

 

銀時は俯き、なにも言わない。サイトはデルフを鞘に納め、肩に担ぐ。

 

「かすめ取るじゃねぇ、召喚したんだよあの娘っこは、お前さんをな、まぁなんの間違いが俺だけ召喚されちまったがな。」

 

「メイジの使い魔ねぇ、傭兵も止めたことだし、おとなしくそっちに鞍替えしてみっか?・・・まぁ逆に俺がその女使い魔にしてもいいだろうけどな?」

 

「・・・。」

 

デルフは何も言わない。

 

「あの女のバックにいるあの二人も強そうだったな、さっさとやっつけて終わらせるか、まぁどうにかなるだろ。さすがに目の前で学生皆殺しは目覚めが悪いや。こう見えても女子供に手をかけた事はないんでね。」

 

「待てよ・・・。」

「・・・・あぁ?」

 

銀時はゆっくりと起き上がり、木刀を構える。まっすぐサイトを見据え、その漆黒のサイトの瞳に目を合わせる。

 

「俺は誰かに仕えたことなんてねぇよ、俺が侍でいるのは約束を守る事だけだ。」

「約束?」

「あの娘、ルイズに約束したからな、使い魔を見つけてやるってな。」

「へぇ、ルイズってのか。」

「あいつはまだ弱え、だがお前より立派だ、前に進もうとしてる力はお前より強え、確かにお前の剣は大層なもんだよ、戦場を生き抜いただけはある。」

「・・・・。」

「いや、今のおめぇは死んでやがる、死んで死神になってあてもなく戦場をさまよってやがる、そんなお前を使い魔だなんてあいつの前に合わせるこたぁ、おれにはできねぇ。」

 

サイトは無言で抜刀を瞬時に銀時に向ける、が銀時の眼はその動きをとらえ、サイトの剣を握る右手を左手で掴んで抜刀の動きを阻止した。抜かれることのないデルフはどこかあきらめた声で・・

 

「にいちゃんの言うとおりだぜ、おめぇさんはいつのまにか戦場で心が死んでやがる。」

 

「・・・・。」

 

何も言わず、何も考えずにサイトは銀時の木刀の一撃を左肩に受ける。

衝撃はサイトの体を地面にたたき伏せた。

 

「一人前の貴族に中途半端な半人前を連れてこれるかっつーの。」

 

銀時は木刀をサイトに突きつける。サイトは地面の土を握りしめる。

 

「俺の生き方理解してもらうつもりはねぇよ、どっちにしろ正しい生き方は生き残った者の口からしかしかいえねぇからな。」

 

サイトから一歩、二歩と距離を開ける、銀時は木刀を右横薙ぎに構える。

 

「俺に必要なのはこの平賀 サイトだけでいい、正義も、常識も必要ねぇよ。」

 

デルフを鞘ごと左手に掴み、立ち上がり、抜刀の構えを取る。銀時はサイトの目を見据え言い放つ。

 

「ああ、同じ国、同じ男としてのよしみだ、お前は・・・・。」

 

サイトが銀時の眼を見据え、言う。

 

「てめぇは。」

 

「「ここで死んで行け」」

 

二人が同じ台詞を偶然発し終えると同時に互いに最高の一撃を放つ。

 

互いの刃は激しく、刹那に交錯し、お互いを弾いた。サイトは鞘を捨て、デルフを上段に構える。お互い次が最後、サイトの一撃はむなしく空を切る、銀時はサイトの攻撃をあっさり避け、サイトの後ろを取る。

 

「お前に死神は似合わねぇよ。お前は。」

 

銀時の木刀はサイトの背後から背中に袈裟懸けに叩き込まれる。

 

地面に勢いよくサイトの体が叩き付けられ、土煙が当たりに漂う。

 

「使い魔からやり直しな。」

 

サイトのジャケットの背中の死神は斜め一文字に切り裂かれていた。

 

死神、平賀サイトの最後だった。

 

空中に放たれたデルフが地面に突き刺さる。

 

「にいちゃんよ、ご苦労だったな、礼を言うぜ。俺の相棒を一人始末してくれてよ。

こいつは物心ついた時から戦場で育った、ある時は騎士、ある時は傭兵、ころころ自分の立つ場所だけを変えてな、・・・俺は剣だ、持ち主が振るえば振られるだけ。こいつの心は終ぞ俺の言葉は響かなかったが。」

 

サイトは地面に寝たままごろり、と寝返る。天を向き、その外れた眼帯から覗くもう一つの目でサイトは曇った空を、小さい光の宿った両目で見上げる。

 

「お前さんの剣がやっと俺の相棒の心に届いたみたいだな。」

 

眼帯をしていたサイトの目、その目には薄く、ルーンが刻まれていた。

 

「デルフがなくなった時、俺の目には一人の少女がたまに映っていた、すぐに消え、また映る、その繰り返しよぉ・・・そうかよ、こいつが。」

 

「お前の主、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール様だ、覚えときな。」

 

銀時はサイトから踵を返し、学院の中へと足を進める。

 

その銀時をサイトは見ながら、再び天を眺めた。

 

「なぁデルフ。」

「なんだ、相棒。」

「この生意気そうな女、仲良くなれるか?」

「・・・。」

「久しぶりに思ったよ、・・・・強くなりてぇ。」

 

自分の持ち主の目から流れる純粋で透明な液体にデルフはこう言い放つ。

 

「その娘っ子と強くなってみな、相棒、力だけじゃねぇ、心も一緒にな、そうすりゃ俺はおめぇさんの二度と負けない剣になってやらぁ。」

 

サイトは起き上がり、背中の敗れたジャケットを脱ぎ捨てる。

 

「だったら、きちんと挨拶しねぇとな。」

 

そこにはもうサイトの姿はなかった、あったのは地面に転がる髑髏のジャケット、・・・死神の抜け殻だけだった。

 

 

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