第一話と二話の間の話、その2です。
ジャラジャラと鎖を銀時は路上に捨て、首元をさする。
「で?お前もくんの?源外んとこによ?」
「当たり前じゃない、ひょっとしたら私の使い魔の血縁者かもしれないんでしょ?有力な手がかりになるじゃない。」
ない胸を張り、ルイズはずんずんと歌舞伎町の通りを歩く、銀時はその後ろを歩き、だるそうにあくびをする。
「おい、あんま先いくなよ、迷うぞ、道しらねーんだろ?」
「そ、それもそうね・・・。」
ルイズが言葉を発した時、ルイズの細い腹から間抜けな音が響く、仮にも女子、銀時に振り返る事なく道で立ち止まる。
「はぁ、・・・腹減ってるなら先に言えよ。」
「む・・・。」
「ちょうど行きつけの飯屋の近くだ、来いよ、おごってやんよ。」
「ま、まぁ、食文化に触れるのも大切よね!案内しなさい!。」
「けっ!正直におごってくださいもいえねーのかよ・・・・ういーっす、やってる?」
こじんまりとした年期の入った大衆食堂に銀時はルイズを連れて玄関を潜る。
そこにはもう一人の常連がいつものアレに箸をつけようとしていた。
「ち、・・・・これはこれは鬼の副長殿、今日も今日とて犬のエサにご執心ですかい?」
「ち、・・・今日はツイてねーや、隣で猫のエサにご執心のお客様が来店とはよ。」
土方はどんぶりから手を離し、銀時はどっかりと隣に座る。
ルイズも遠慮がちにだが、両者の真ん中に空いた席に座る。
「ちょっと、あんたたち知り合いなの?」
「いーえ?こんなVの字ヘアーのヘビースモーカーなんてしりませんけど?なんでも最近原作で出演の機会が全くなくて○ンピースのサ○ジみたいな扱いになるんじゃないかなぁと心底心配してる鬼の副長なんて私はしりませーん。」
「俺もこんな連載当初の初期設定忘れ去られた死んだ目の主人公の事なんざ覚えがねーな。」
「んだとコラァ!」
「やんのかテメェ!表出ろ!」
「どうでもいいけどおなか減ったんだけど、おごってくれるんじゃないの?」
ルイズの大衆の面前で大人げない大人を白い眼で両者を見る態度に土方も銀時も舌打ちをし、お互い反対方向に首を回し、座りなおす。
「うどんにそばに、ラーメン・・・。」
「お嬢ちゃん何にする?銀さん今日はカワイイお客さん連れてきたねぇ。」
店のおかみさんはルイズに優しく問いかける、ルイズはメニューをひとしきり見て悩む。
「外国の娘だよ、仕事でな、同棲中に浮気した彼氏を探しに来たんだとよ。」
「違う!」
バキ!っとルイズはメニューを見ながら銀時の顔面に拳をめり込ませる。
「・・・例のハルケギニアの人間か?」
土方はいつのまにか平らげた土方スペシャルの空のどんぶりをテーブルに置き、煙草に火をつけた。
腐ってもこの町の警護を務める組織の副長である、ルイズを見る目はさっきとは別人の目つきで彼女を見据える。
「う・・・許可証はあるわよ?・・・。」
「なーんでそんな重役がこんなヤツと大衆食堂にいるんだぁ?」
「あっれー?土方君そんな小さな女の子に興味があるの?もしかしてロリコン?気をつけろよ、ルイズ、ああいうクール装った人間ほど裏の顔はどうしようもない性癖抱えたオタクなんだよ。なぁトッシー?」
「古い原作キャラネタ押し込んでくるんじゃねぇよ!こっちは仕事で職質してんだよ!」
「うがああああ!いいかげんメシくわせろおおおお!」
どこぞのチャイナ娘のような表情でルイズは自分の空腹からくるイライラから怒鳴り散らす。
「叫ばなくたってもさっさと注文したらいいだろうがよ。ばーさん、いつもの。」
「はいよ、・・・はい、宇治金時丼銀時スペシャル。」
ルイズの眼の前には白米に大量の小豆が乗っかったモノが現れた。
「・・・・なにそれ?」
「何ってメシだろ。」
「メニューにないのも用意できるからね、お嬢ちゃん決まった?」
ルイズははぁ、と銀時と土方を見て落胆した。
「あのね、食事ってのはね?一日の活力になるものなの、なんていうか救われてなきゃダメなの。優秀な人間はその体の中に入れる食事から気を遣うのがあたりまえなのよ?あんたたちみたいな犬のエサや猫のエサ体に入れてたら体がそのうち壊れるし、一日が台無しになっちゃうのよ?」
ルイズはがっくりと肩を落とし、やれやれといった感じで自分のいつものレシピをおかみさんに耳打ちする。
「見ておきなさい、これが一流の貴族のレシピよ?」
「ほーう、そんだけ強気で言うんならけっこうな食生活送ってるんだろうな?」
「貴族のお偉いさんならいいもん食ってるんだろ?どれどれ・・・。」
「はい、おまたせ。」
そこに出たのはうどんの上にこれでもかとのせられたホイップクリーム・・・
「これぞヴァリエールスペシャルよ!!」
「「鳥のエサだろーがァァァァァ!!」」
土方と銀時は目の前でその鳥のエサを必死に食らうルイズに同時に突っ込み、ドン引きしていた。
「むぐむぐ・・・・うーん!やっぱこれがなきゃ始まらないわよね?」
「いや、一日台無しだろ。」
うどんホイップクリーム (温) 600円が裏メニューに加わったとさ。