ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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真選組とアニエス率いる銃士隊のお話。




第二十三話 女子高がラピュタなら男子校は火垂るの墓

江戸の守護、真選組の屯所。その道場では激しい掛け声と男達が女の兵士に剣を教える光景があった、今日は真選組と銃士隊の合同稽古であった。

 

「ここをこう持つんだよ。」

 

「こうですか?」

 

「そう、でもってここはこう。」

 

男も女も関係なく、剣を交える。真選組の剣の技術、異国の銃士隊の技術。

その二つがお互いを認め、お互いの技術を高め合う。

 

「合同練習は正解でしたな、アニエス隊長殿。」

 

「ああ、異国の剣を学べるいい機会だ、感謝する。」

 

近藤、アニエス両者は肩を並べ、両隊の練習風景を厳しく眺める。

 

「しかし、銃士隊の甲冑は変わってますなぁ、こっちと違い露出が多い。」

 

女性ばかりの部隊の隊士は水着のようなインナーに甲冑という恰好の銃士隊の装備に近藤はアニエスに問いかける。

 

「こちらは馬での移動が多いからな、人にもよるが、・・・あまりよくないか?」

 

「よくねぇ・・・こっちは隊士を局中法度で頭は押さえてるが下半身は言う事聞かねぇみたいだ、露出が多いんだよ。」

 

土方はタバコに火をつけ、アニエスに素直に感想を言い放つ。

 

「?よくわからんが、貴殿たちの素振りは変わっているな、腰を大きく後ろに引いてるが。・・・あれは何か意味があるのか?」

 

気が付けば真選組隊士が極端に腰を引き、回りをキョドりながら竹刀を振り回している。

 

「あーあれはですな!!上半身を徹底して鍛えているんです、はは!珍しい素振りではあるのですが・・。」

 

近藤は男の生理現象についての説明はせず、アニエスに言い訳がましいセリフを述べる。

 

「では・・胆力のトレーニングか?あれは。」

 

「へ?」

 

 

 

「高ぇよ、もうちょい下げろ。」

 

「は、はい、・・沖田隊長!!」

 

「おいおい、練習中に喋るんじゃァねェよ。」

 

「は、はい、・・沖田様ぁ!」

 

「だから椅子がしゃべんじゃねェよ。切腹させるぜ。」

 

「申し訳ありません!!沖田サマァ!!」

 

近藤土方の眼の前には四つん這いになる銃士隊の女兵士の背中に悠然と座る、メスブタ使い、沖田がそのサディスト欲を満たしていた。

 

「総吾ぉぉぉぉ!なにやってんだテメェェェェ!」

 

「何って土方さん、椅子に座ってるんでさァ。」

 

「お前それ、銃士隊!椅子じゃねーだろ!!」

 

「いえ、私は椅子です!何がなんでも沖田様の椅子なんです!」

 

「椅子がしゃべんじゃねェよ、殺すぞ。」

 

「はい!沖田様!!」

 

「どうでェ、普段は姫様を守る銃士隊でありながらこんな芋侍の椅子になった気分はよ?」

 

「最初は恥辱にまみれた屈辱でありましたが、今では沖田様の体重を感じると下腹部に喜びが・・・。」

 

「おいおいおいおいおい!待てぇぇぇ!これ一応R-15だから!危ない発言止めさせろ総吾ぉ!」

 

「いやだな、土方さん、これは胆力のトレーニングですぜ?隊士ともなれば敵に捕縛されて蹂躙される場合もあるでしょうや、俺ァその精神力を鍛えようとしてんでサァ。」

 

「隊士の精神捕縛してんのお前ェェェ!蹂躙してんのもお前ェェェ!」

 

土方のツッコミと沖田のドSに近藤はアニエスをおそるおそる見る、アニエスはうむうむと頷き。

 

「戦場ではよく聞く話だ、肉体を蹂躙されようとも、精神は高くあれ、か、勉強になる。」

 

「いや、あれただの調教なんですけど。」

 

ツッコミのその時、近藤の隣の道場の壁に真選組の隊士が勢いよく竹刀をもったまま吹き飛ばされた、近藤は驚き、飛んできたその方向を見る。

 

「ふん、今ので10人目、アニエス隊長!ここでは練習にはなりませんよ?」

 

「・・・はぁ、ミシェルのやつ。」

 

「鼻の下を伸ばしている貴様らでは相手にならん、もっと強いヤツを前に出せ!このままでは練習にならんわ!」

 

ミシェルは勢いよく竹刀を沖田に向け、これ見よがしに挑発する。沖田は人間いすから腰をあげ、その転がってきた竹刀を手に取る。

 

「オモシレェ・・・ここは俺が・・。」

 

その言葉をさえぎるように沖田の肩に手を置き、オレンジ色のアフロが沖田目の前に姿を現す。

 

「おやおや、俺よりおっかねぇのが出てきたぜ。」

 

オレンジのアフロの下に覗く鋭い眼、アフロの狼、事・・

 

「三番隊隊長、斎藤 終兄さんのお出ましだァ。」

 

二刀の脇差型の竹刀を握り、ミシェルの前に現れた斎藤は何も言わず、構える。

 

ミシェルは竹刀を正眼に構え、しばらくの沈黙のあと、勢いよく前に飛び出した。

斎藤もそれに合わせ脚を踏み出す。

 

 

 

一時間に渡る手合わせの果てに勝者は斎藤へ軍配が上がった。

 

「よし、これにて稽古は終了だ。各自ゆっくり休めよ!」

 

近藤の激励に隊士たちはさっきの斎藤とミシェルの手合わせの話をしながら食堂の方に脚を運ぶ、しかし、いまだにミシェルと斎藤は睨み合い、竹刀を置く気配はない。

 

「おい、ミシェル、修練は終わりだ。」

 

「終兄さん、もうおわりですぜぇ。」

 

アニエスと沖田がミシェルと斎藤の肩に手を置く。

 

終はなにも言わず、沖田に振り返ると、食堂に脚を沖田と運ぶ。

 

「あんな使い手がいるとはな。今回は勉強になっただろう、さぁ、いくぞ。」

 

ミシェルは悔しそうに竹刀を床に落とすと、俯いたままアニエスに返事もせず、食堂とは別の場所に脚を運んだ。

 

「やれやれ、すまないな、あいつは人一倍、いや三倍は負けず嫌いでな。」

 

「いや、斎藤にあそこまでついていけるのはあの子だけだろう、斎藤は口ベタだから何も言わないが、いい好敵手に会えて満足だろう。」

 

近藤は腕を組み、食堂に向かう斎藤の背中を見る。

アニエスはふう、と溜息をつくと、ミシェルを励まそうと、ミシェルの脚を運ぶ先を追いかける。

 

「で?土方さんの見解を聞きましょうかねィ、巷で広がる違法薬物の売人を取り締まる輩とあの娘っ子が関係してるって、本当ですかい?」

 

沖田はさっきまでと違ってタバコを咥える土方を鋭い眼で見る。

近藤も真剣な面持ちでその答えを聞こうと顔を向ける。

 

「・・・・・答えはクロだ。あのミシェルとかいう娘っ子を泳がせて、頃合いを見計らって、しょっぴく。」

 

沖田は溜息をつき外を眺める。

目の先にはミシェルの話を聞きながら叱咤するアニエス。

 

「やれやれ、女ってのは信用できねぇ生き物でさぁ。」

 

 

その話を道場の隅で密かに聞く影があった、影の主は斎藤 終。

 

鋭い眼は外のミシェルに向けられていた。

 

剣の達人は何も言わなくても、その相手の心が分かるという、斎藤が感じたミシェルの心の声、それは 憎しみだった。

 

斎藤は携帯を手に取り、ふう、と溜息をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




しばらく真選組関係の話を書きます。


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