ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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ティファニアは連れ去られました、銃士隊に。

銀時はオスマンと地下で崩落現場の中で足止め。

ルイズ達五人娘はティファニアの秘密を見ちゃった。

真選組は・・・・。

サイトと近藤はルイズの爆破を浴びてアフロで失神。






第三十三話 ドラゴンにも好き嫌いはある

「ど、・・・どういう事?」

 

「あの子がエルフ?ってことは・・・・何?」

 

「エルフ。」

 

「どうしよう、デカメロンとか言っちゃった、・・・仲間に闇討ちされる・・。」

 

「・・・経験人数はいくつなんでしょう、あのエルフ。」

 

順番にルイズ、キュルケ、タバサ、モンモン、シエスタがそれぞれに言葉を放つ、その中でもタバサは深刻な顔で何かを考える。

 

「バカな事考えちゃだめよ。タバサ。」

 

「・・・・。」

 

キュルケのささやきにタバサはこくりと頷く。

 

「と、とにかく・・サイトと銀時を・・。」

 

ルイズが振り返った瞬間にルイズは黒い何かに鼻をぶつけた。

 

「いったぁ・・・何??・・・!!!!」

 

ルイズ達の目の前には眼が血走った斎藤、土方、お気楽な表情の沖田が立っていた。

 

「・・・・おい、女共、あのアバズレ共はどこ行った。」

 

土方がタバコの吸い殻を脚で踏み潰し、斎藤は血走った眼でルイズの眼を睨むように見る。

 

「え・・・あ、王都?」

 

土方の怒気にルイズは気圧され、ついつい話の内容を言ってしまう。

 

「ほー、・・・そうかい、外を見回るとかのたうち回りやがってあのメロン娘を連れ去る?いい度胸じゃねぇか。」

 

「土方さーん、巨乳の女の子捕まえてメロンとは言いすぎでェ。」

 

[処断する条件はそろった]

 

「ああ、斎藤、その通りだ、相手は馬に乗った・・・俺らも。」

 

「待って。」

 

三人の行動を制止するようにタバサがルイズの前に、土方の正面に出た。

 

「私の使い魔に乗るといい、・・・大人三人なら馬より少し早く飛べる。」

 

「すぐに用意しろ、今度と言う今度はあのアバズレ部隊全滅させてやらぁ・・。」

 

タバサはその土方の怒気の混染まった表情を無表情ながらも恐れながら、自分の使い魔、シルフィードを口笛で呼ぶ。

 

 

 

 

シルフィードに大人三人を乗せるのはシルフィードは嫌がっていた、タバサははぁ、と溜息をつき

 

「肉、三人前用意する。」

 

「おう、あのアバズレ共殺ったら食っていいぞ。」

 

[証拠隠滅にはちょうどいい。]

 

シルフィードは土方と斎藤の眼に怯え、ガクガクとタバサの影に隠れる。

 

「じゃぁ俺ァ一抜けしまさァ。土方さんと斎藤さんだけを乗せて行ってくんなァ。」

 

沖田はそう言い放つとタバサの肩に手を置く。

 

「できればあのV字ヘアの男を全部終わったらドラゴンの胃袋に納めてやりなァ。」

 

「む、・・・無理。」

 

タバサは不気味な顔で恐ろしい事を言う沖田に戦慄する。

 

「聞こえてんぞクソ、・・・まぁ行く駄賃代わりだ、これ、ドラゴンにやりな。」

 

土方は胸ポケットからマヨネーズを一本取り出し、地面にニュルニュルと放出する。

 

タバサとシルフィードは眼を点にし、その黄色い物体を眺める。

 

「食い殺していいですゼェ。」

 

沖田の合図と共にシルフィードはほぼ本気で土方の頭に齧りつく。

 

「ぎゃああああああああ!」

 

「バカやってネェでさっさと行けや土方。」

 

沖田は飽きれてドラゴンを止めようとする斎藤と頭を齧られる土方を背後に踵を返し、とある目的地に脚を運んだ。

 

「さて・・・。」

 

 

 

 

学院の厩。乗馬用の馬が用意されたその場所に沖田は脚を止めた。

 

「出て来な、こそ泥さんよ。」

 

沖田の声の後、沈黙が流れ、厩の影からフードを深くかぶった黒いマントの女性が憔悴しきった様子でゆっくりと姿を現した。

 

「・・・・よく、ここにいるのがわかったね。」

 

「ゴーレムが出現した一瞬、テメーが学院の外壁まで飛んでこのへんに落ちるのが見えたんでなァ、・・・観念しな、訳は分かんねーが異常に疲れてんだろィ。フーケさんよ。お目当ての娘も銃士隊に掻っ攫われちゃァ意味もねェ。」

 

フーケは左手に持った紅桜を地面に落とし、地面に手をついて見るからに苦しそうに頭を抑える。

 

「紅桜を甘くみたなァ・・・そいつは人間離れした力の代わりに精神と肉体を蝕む、テメーはもう限界だ、おとなしく観念しな。」

 

「あんたら、・・・ティファニアをどうする気だい?」

 

「あん?俺ァお上に命じられてそのティファニアを守れと言われたんでェ、悪いようにはしねェ、おとなしくお縄に・・・。」

 

沖田はフーケの様子の異常に言葉を噤む、フーケの体は震え、そして紅桜を手に取る。

 

「渡さない、・・・あんたらにも、トリステインのヤツらにも、あのジジィにも!!」

 

フードから見えるフーケの眼は薄赤く光り、紅桜を鞘から抜く。

 

フーケは地面を蹴り上げ、跳躍し、沖田に紅桜の刃を振り下ろす。

 

沖田は自身の刀を半身抜き、フーケの攻撃を受け止める、およそ女性の繰り出す一撃ではない衝撃が刀を通じ、沖田の体に響く。

 

「ち・・・女を斬るのは趣味じゃねェが・・。」

 

沖田はフーケの体ごと宙にはじき、抜刀する、重心を前にやり、フーケの脚目がけて刀を振り下ろす。

 

感触はあった、だが、その感触はまるで刃を金属に切りつけたような感覚。

 

フーケの錬金、土のメイジであるフーケはあらかじめ自身の脚にプロテクター代わりの金属の塊を瞬時に錬金し、脚に纏うことで沖田の一撃を防ぐ。

 

「ち!」

 

沖田は宙に浮くフーケの放つ蹴り、金属の重みで破壊の増した攻撃を鞘で防御するも鞘は弾かれ、沖田の顎をフーケの脚がかする。

 

「あの子は・・・渡さない!!」

 

「しまっ・・・。」

 

顎へのダメージは沖田の脳を揺さぶる、視界が揺れ、沖田は焦り、刀を構えなおそうとするが。・・・

 

フーケの渾身の紅桜の唐竹一振りが沖田の脳天に降ろされる、沖田の頭に刃が触れる。

 

瞬間。

 

ガキィィィィィ

 

フーケの紅桜は沖田の頭上で弾かれ、フーケの視界には黒髪の少年が映る。

 

「おい、面白い事やってんじゃねーの・・・。」

 

サイトはデルフを横薙ぎに振り終え、フーケは地面に着地し、サイトを睨む。

 

「・・・・なぁ、ロングビル秘書さんよ。」

 

「助かったぜィ、使い魔サンよ。」

 

「礼は後にしろよ、兄ちゃん。この女前から見たことある怪しい、と思ってたけどよ、あの酒場にネェちゃんかよ。」

 

「・・・。」

 

フーケはふう、と息を吐き、マントを脱ぎ捨てる。

 

その姿は異様だった、全身ぴったりのスーツに透けて映る幾何学模様の血管のような赤い何かの流れはフーケの全身を覆い、眼は徐々に真っ赤に染まる。

 

「完全に蝕まれてやがらァ。」

 

「おい、あれ、生きてんのか?」

 

「ああ、刀も意志を持ってるバケモンさ、ちびりそうならここで逃げてもいいんだぜェ。」

 

「冗談。」

 

サイトと沖田は刀と剣を構え、フーケと対峙する。

 

 

 

 

 

学院とトリスタニアの中継地点付近にあたるさびれた小屋の近くに馬車は止まった。ミシェルは馬車を降り、魔法薬で眠らせた数名の子供達を振り返るとどこか悩んだ表情で後続の部隊を見る。最後尾にはティファニアを乗せた馬車がまもなく到着する、そして自身の隊長であるアニエスが乗っている。

 

今回の事はギリギリまで知らされなかった、アニエスの上にあたるあの男、あの男からのアニエスへの指示だという。

 

正直迷っていた、あのティファニア、正体はエルフと知っている、敵対の種族とはいえ、一個部隊が出向くのは・・・しかも学院や他国の警察の介入も騙し、誘拐するとは一体何事なのか。

 

「こんなこと、私たちはしてる場合ッスか?」

 

一人、そうミシェルはつぶやき、空を眺める。

 

自分たちは姫様の護衛が任務のはず、だが、気が付けばあの男にうまく動かされ、護衛そっちのけで任務にあたる、それが姫様の為と信じ、・・いや、信じ込まされているとミシェルは思う。それに気が付かない隊長ではないはず。

 

「いや、疑うのはやめるッス。私たちの隊長が・・。」

 

「悪人なわけねえ・・・ってか?」

 

「な!!」

 

ミシェルの喉元には脇差がつきつけられ、斎藤の姿が夜のたいまつの光に照らされ、露わになる。

 

土方はタバコに火をつけ。刀をミシェルに突きつける。

 

ミシェルは咄嗟に剣に手を伸ばそうとする・・・が。

 

「やめろ!!ミシェル!!」

 

アニエスが縛られた状態で土方の後ろから姿を現す、そしてその後ろには眠ったままのティファニアが横たわる。

 

シルフィードの速度によって後方のアニエスの馬車に襲撃をかけ、アニエスを縄で捕縛し、土方達はその後、ミシェルの馬車にまで追いついた。

アニエスとは戦闘にもならず、土方、斎藤のコンビネーションでうまくティファニアにも怪我を負わせることもなく、アニエスを捕縛できた。もちろん、馬車は大破してしまったが・・・。

 

「ドラゴンってのは馬よりはるかに速いんだな。」

 

「この国での常識、覚えておいて。」

 

タバサは杖をアニエスに向けて土方につぶやく。

 

土方はふう・・と煙を吐き、先刻までの怒り狂った表情ではなく真選組の副長として冷静に言い放つ。

 

「御用改めである、神妙にお縄につきな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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