ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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銀時対マチルダ(岡田似蔵)




第三十九話 紅桜

左手の熱い感覚にサイトはうん、と頷く。

 

 

「準備はできたでござるな?」

 

「ああ、わりぃな。」

 

サイトはデルフを地面から抜き取り、万斉を見る、万斉は仕込の刀を正眼で構え、サイトを見る。

 

「銀さんが苦戦してる、ルイズ、あっち頼むわ・・。」

 

「命令してんじゃないわよ!・・・いいわ、先に行くわ。」

 

ルイズが横を通り過ぎるのにも関わらず、万斉はまっすぐサイトを見る。

 

「・・・あんたイイ人だな。」

 

「今興味があるのはヌシでござる、ガンダールヴ、その力を見せてもらうでござるよ。」

 

サイトは走り去るルイズの背中を見て万斉を見る。

 

「そっか、でも・・・。」

 

 

 

 

万斉の視界からサイトは消えた、そして次に万斉の視界は赤く揺らぐ。

 

「ルイズを待たせるわけにはいかねーんだ。」

 

サイトは万斉の背後でデルフを納刀し、ルイズの後を追いかけた。

 

仕込の刀が砕け、念のために捕縛用の弦を放つ三味線と弦ごと切り裂かれた万斉は地面に膝をつく。

 

「なるほど・・・・女を待たせる趣味はない、・・・で、ござるな。」

 

圧倒的なスピードと斬撃で万斉の刀を破壊し、弦を裂きデルフの峰で頭に一撃、それに対抗できることもできなかった万斉は自身の心に敗北を感じ、倒れはしないが朦朧とする意識の中でサイトの後ろ姿を見る。

 

「いずれ、また会おうでござる・・・。」

 

万斉はゆっくりと絶たれる意識の中、サイトに微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすが・・・、あの男が名前を託した子供でござる。」

 

 

万斉の頭には一瞬廃屋の子供の姿が脳裏に浮かぶ。

 

「これも、数奇な運命・・・。」

 

万斉は地面にゆっくりと伏せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マチルダの攻撃は圧倒的だった、離れれば学習した魔法を放ち、間合いを詰めれば紅桜の直接攻撃、銀時の体には無数の傷と火傷が作られ、銀時は苦戦していた。

 

なにより戦い方は完全にサイトと同じだった、それでけなら対応できるが、紅桜の肉体の素早さを底上げしたような動きに翻弄される。

 

「ち!!ちょこまかと!!」

 

「ほーら、離れると魔法がくるよぉ~。」

 

マチルダの顔で別人のような口調、ティファニアは間近でその声を聴き、ただただ不気味に感じるしかなかった。

 

「マチルダ姉さん!!どうしちゃったの?」

 

言葉が届くわけでもなく、マチルダの肉体は銀時との斬り合いを楽しむ。

 

ティファニアは自分の使える虚無の魔法、眠りと忘却を使おうと、息をすう、が。

 

「おっと、そうはさせないねぇ。」

 

ティファニアの口に触手が絡みつき、彼女の言葉を防ぐマチルダ、銀時はそれを見て、さらに激昂し、マチルダにとびかかる。

 

「テメェ!!女の格好して女拘束するのがそんなに楽しいかよ!」

 

「おっと、そんな趣味はないねぇ。それより・・・。」

 

木刀と剣が交錯し、つばぜり合いになるもマチルダはニヤリと笑う。

 

「もっと殺し合おうじゃないか。」

 

銀時の木刀をあっさり跳ね返し、腹ががら空きになった銀時の胴体部分に刃が襲う。

 

「くそ!!」

 

銀時は左手でその突きの刃を掴む、左手からは血が滲み、それも構わず、銀時の上段からの一撃がマチルダの脳天を叩きつけた。

 

マチルダは地面に顔を叩きつけられるが、余裕の表情で起き上がり、銀時にさらなる乱撃を浴びせる。その一撃、一撃が重く、銀時の右肩に刃が突き刺さった。

 

「ぐああああ!」

 

「どうだい、俺の紅桜は・・・。」

 

マチルダの肉体の頭の部分のダメージはすぐさま再生し、その表情は銀時の余裕のない表情を見て笑う。

 

「さぁ、もう終わりかい。あっちの小僧のほうが今回は楽しそうだ。」

 

ニヤニヤと笑いながらサイトの方を見るそこには倒れる万斉、サイトはいない・・するとマチルダの体に違和感を感じる、マチルダの眼は自身の右手を見る。

 

「ほう・・・これはこれは・・。」

 

銀時の木刀が紅桜と手の癒着部分に突き刺さり、銀時がその木刀を掴む。

 

「よそ見してんじゃねーよ。クソ野郎。」

 

銀時は紅桜を切り落とし、マチルダの顔面に渾身の拳を叩き込む。よろけるマチルダの肉体だが・・

 

「紅桜を切り落としたかい。でもねぇ。」

 

右手は再生し、マチルダの背中の刃の翼が動く。

 

「この体はもう俺のものさぁ!!」

 

刃はそのまま銀時に無数に放出され、間近で銀時の体を切り刻む、刃は銀時の体に突き刺さり、勢いで銀時は後ろに吹き飛ぶ。

 

「がはぁっ・・。」

 

血を口から吐き、銀時は苦しそうにうずくまる。

 

「さぁ、終わりだよ、白夜叉・・・。」

 

紅桜に手をかけようとしたその瞬間に右手が爆破される。

 

「・・・ん~?」

 

背後のルイズの爆破にマチルダはルイズを見る。ルイズは杖を振るい、マチルダに爆破を浴びせまくる。

 

恐怖にかられる前にルイズは持てる精神力すべてを爆破の連打に集中した、土煙の中で見えない敵にルイズはその魔法を止める。

 

「銀時の次は私よ!!かかってきなさい!」

 

ルイズは息も荒げにそう言葉を放つと土煙の中のマチルダを見る。

 

「何をやった・・・?」

 

「な・・・。」

 

爆破のダメージでマチルダの体はボロボロだ、再生しようと肉がうごめくがなかなか再生できない、まったく再生できないが、ゆっくりと傷が癒えるのを確認したマチルダはゆっくりとルイズに歩を進める。

 

「おいおい、傷がなおらねぇよ、どんな魔法だい?」

 

ルイズに触手を伸ばし、マチルダは怯える表情のルイズを見て、不気味に笑う。

 

「さわんじゃねぇぇぇぇ!!」

 

上空からサイトがデルフの一撃をマチルダの刃の翼目がけて叩き込む。

 

刃の破片が飛び散り、マチルダはサイトを睨む。

 

「よく来たねぇ、いい子だ坊や。」

 

「うるせえええ!」

 

サイトは触手を斬りはらい、ルイズを抱きかかえると跳躍で間合いを開く。

 

「逃がさないよ、たき火は好きかい?」

 

マチルダの左手から無数の火球が放たれる、サイトはデルフでその火球を吸い込み、デルフもまた得意げにサイトをほめる。

 

「教えてないのによくわかったな、相棒。」

 

「へ、ガンダールヴの武器情報は正確じゃねーか、お前、魔法吸えるなら吐く事もできるのか?」

 

「いや、それはできねぇ、けどよ。」

 

デルフのささやきにサイトはふーんとルイズと頷く。

 

「いい作戦思いついたぜ、なぁ、銀さんよ。」

 

「・・・そうかよ、じゃぁ、もう一丁いっとくか。」

 

ルイズの前に血まみれの銀時と傷だらけのサイトが立ち、ルイズは杖を構える。

 

「いい?合図したら一斉にかかるわよ。」

 

「「了解、ご主人様。」」

 

 

得意げにサイトと銀時がニヤリと笑い、お互いの木刀とデルフを構える。

 

 

 




三人+一振りの作戦って?

次回に続く!
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