ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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長いですが許してください。

トリステイン恋物語(?)はこれで終わりです。


行間大きく取りすぎているので気を付けて読んでください。





第四十九話 かけおち場所にはご注意を。

「うぇぇぇ!?銀さんがかけおちィ?」

 

新八が万事屋で朝から大声を上げる。

 

新八の目の前にいるルイズとサイト、そしてルイズの姉のカトレアの前で叫ぶ中、サイトはつまらなさそうに耳をほじりながらふう、と息をつく。

 

「そそ、そういうこと、今日からここは俺が社長になるからよろしく、銀さんの遺言だから。」

 

「何言ってるネ!銀ちゃんの遺言は私が女社長になって万事屋を仕切る事アル!」

 

「わんわん!」

 

「いや、銀さん死んでないよね?。」

 

神楽とサイトの言い合いに新八が冷静に突っ込む。

 

「ルイズの姉、カトレアですわ、正式にはカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌと申します、いつもルイズがお世話になってるそうで、49話目も登場できてホントうれしい限りですわ。」

 

「なんの話してんですか、お姉さん。」

 

にこにこと笑いながら脈絡のない自己紹介をされて新八は戸惑うばかり、

 

現状は仕事はないが万事屋の社長である銀時がいない、しかもかけおちした相手がルイズの姉だという事実にも驚くが、今は銀時の行方を探そうと二人がどこに消えたのかも想像がつかない以上、どう動いていいのかもわからない、そして昨晩最後に今回の件をどうにかしてほしいと頼んだ桂の行方も不明。

 

「はぁ、なにやってんだか、あの人。」

 

もはやあきれて新八は万事屋のいつも一同が集まる事務室のソファーに座る。

 

「お母さまも何も言わずに今回は解散しちゃったけど・・・・エレオノールお姉さま、本当に家から出てっちゃうのかな。」

 

ルイズの、家族が一人いなくなる、という事実にルイズはエレオノールを心配そうに頬杖をつき、はぁ、と溜息をつく。

 

「心配しなくても大丈夫よ、ルイズ。」

 

「・・・・ちいねえさま。」

 

ルイズを励ますように優しくカトレアは彼女の肩に手を置く。

 

「エレオノール姉さまは何も考えないで行動する人じゃないわ、ちゃんと考えているわよ。」

 

「そ、そうよね、ちいねえさま。」

 

「今頃二人で獣のように絡み合って一息ついてるでしょうね。ホント、うらやましい。」

 

「いや、それじゃ何も考えてないのと一緒でしょ、これ以上ロック対象に伺わせる発言止めてもらえます?」

 

「あらあら、ごめんなさい、童貞にはきつい話題でしたわね?」

 

「なんでわかったァァァ!童貞ってなんでわかったァァァ!?」

 

カトレアと新八のボケとツッコミの応酬にサイトは退屈そうにソファーにもたれる。

ルイズは頭を抱え、今後どうなるのか溜息をまたつく。

 

「やかましーネ、女と男の事情に首突っ込むなよ新八ィ。」

 

「わんわん!」

 

「それよりも、おおきな犬ですわね、触ってもいいかしら。」

 

「あんた自由すぎだろ!ホントにルイズのおねえさん!?」

 

「ええ、ルイズの姉、カトレアですわ、みなさんよろしく、正式にはカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌと申します、いつもルイズがお世話になってますわ。49話目も登場できてホントに・・」

 

「自己紹介から戻ってんじゃねぇ!話が前に進まないでしょうがァァ!」

 

「・・・・みなさん大丈夫ですよ?心配しなくても私の姉は何も考えて行動するようなひとじゃありません、きっとすぐここに二人で戻ってくると思いますわ。」

 

「・・・カトレアさん。」

 

笑顔でカトレアは心配する新八を慰めるように声をかける。

 

この母性の塊のようなルイズの姉に新八はどこか心休まる気が・・・

 

 

「二人仲良く、棺桶に入ってね?」

 

「演技でもないわァァァァ!!」

 

 

休まる気がしなかった。

 

 

 

 

 

 

一方・・銀時とエレオノールは風が激しく吹きすさむ約束の地へと足を運んでいた。

 

ここから二人の本当の生活が始まる、そう考えると、今自分たちが置かれている状況など苦とは思えない。

 

「本当にいいんだな、エレオノール。」

 

「ええ、どこまでもあなたについて行くわ、ダーリン。」

 

「・・・そうかよ。俺もいい嫁さん持ったもんだ。」

 

二人が立つ約束の場所、そこは果てしない地平線の海が見える断崖絶壁。

 

銀時とエレオノールは今、自由になる。身分も家柄も自分たちの仲を認めないのであればいっそのこと・・・

 

 

 

いや、約束の地はここではない、・・・本当の約束の地へ二人で堕ちよう。・・・

 

 

 

二人はそう決心し、崖の先に続く見えない階段に脚を進ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って待たんかいィィィィ!なんで心中しようとさせてんだバカヤローー!!」

 

「あれ?飛び込まないの?ダーリン。」

 

エレオノールは浮輪を持ち、銀時の背中をぐいぐい押す。

 

「お前だけ助かる気マンマンじゃねーか!なにその浮輪!?つーかなんで俺らここにいるの?かけおちの途中経過省略しすぎだろォォォォ!」

 

「えー、だってここ飛び込みの名所って聞いたから海の家でもらってきたのに。」

 

「それ違う飛び込みだろーが!アトラクションじゃないマジの飛び込みだから!!」

 

「あ、あそこに屋台あるわよ、行きましょダーリン!」

 

「人の話を聞けェェェェ!」

 

万事屋での心配と銀時のツッコミをよそにエレオノールは屋台のおいしそうなにおいにつられ、楽しそうに屋台に駆け出す。

 

 

銀時ははぁ、と頭を掻きながら楽しそうに走るエレオノールの背中を見ながらその屋台に同じく脚を運ぶ。

 

「へー・・・イカ焼きってやつね。食べない?食べないの?」

 

子どものようにイカ焼きに興味を示すエレオノール、銀時は貴族の食はなんとなくルイズを見て理解はしていたが、お祭りや海の家で食べるイカ焼きの味を知らないエレオノールがやけに面白く見えた。

 

「はいはい、イカ焼きごときでテンション上がるなんざ、貴族もたいしたことねーな。」

 

「・・・・もうちがうわよ、私は坂田エレオノール、おじさん、イカ焼き二つ!」

 

二人はお互い眼を合わせるが、恥かしそうにエレオノールと銀時は視線をそむける。

 

「・・・・あれ?」

 

イカ焼きの店主に声をかけても反応はない、後ろ姿のまま振り返ることもなく、店の主人は両者に返事もしない。

 

「おーい、おっさん、聞いてる?」

 

長い黒髪を布巾で後ろにし、店主はゆっくりと銀時に振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっさんじゃない!桂」  ドグシャ!   「カリーヌです。」

 

 

目の前の桂を手刀で延髄を打ち、一瞬のうちに意識を途絶えさせ、桂の後ろから鋭い眼のカリーヌがなぜかイカ焼きの店主姿で現れた。よく見ればエリザベスも横で血を吐いて倒れている。

 

 

「お、おおおおお!お母さま!?」

 

「つーかなんであんたもイカ焼きやってんの?」

 

「公爵家、領地を預かる身になれば下々の生活を身をもって知るのも領主の役目。・・・坂田 銀時さん、私の娘をよくも略奪してくれましたね?」

 

頭の布巾を取り、カリーヌは銀時の前に屋台から脚を運ぶ。

 

「まぁ最初はこうなるなんて思ってなかったけどな、娘に馬乗ったついでの乗りかかった船だ、俺ぁこいつと行くぜ。」

 

「見上げた根性ですわ・・・ですが、認めることはできません。」

 

「・・・・銀時。・・あんた。」

 

「馬乗ったということは関係をもったかどうか認めるということですわね?・・・・・噂にはきいてますよ、かの侍の国で起こった攘夷戦争の英雄、白夜叉こと、坂田 銀時、戦争に敗れたとはいえ、その心に持つ侍の精神と戦場で鍛え上げられた一騎当千の剣の腕でルイズと使い魔さんがお世話になったとか・・・。」

 

エレオノールは無言でこの坂田 銀時の経歴に驚く。

酔った勢いとはいえ、カジノでの騒動でのあの大立ち回り、彼女はどこか納得できる。

 

 

「もう昔の話みてーに聞こえるなぁ・・・俺はもうそんな大した男じゃねーよ、今は今後どうなるかわからないバカップルの旦那でしかねぇ。」

 

銀時はエレオノールの手を掴む、カリーヌに踵を返し歩く銀時に彼女は真っ赤な顔で引かれるがまま銀時の後ろを歩く。

 

「まぁ、不幸にはしねーさ、腎臓だろうが、肝臓だろうが売ってでも娘は幸せにしてやらぁ。」

 

「・・・・。」

 

今まで男の言葉から聞いたことのない言葉にエレオノールは赤面を通り越して顔から火が吹きそうになる。

 

「私の娘の為にすべて捨てると?」

 

「どうとでも取りな、じゃぁな、公爵さんよ。」

 

カリーヌははぁ、と溜息をつく。

 

「関係をもったがどうかの事実もわからずにそこまでセリフを吐ける男は初めてです。では、もうこれは必要がない、ということでよろしいですね。」

 

その言葉に二人は立ち止まり、無表情にゆっくりと振り返る。

 

 

「魔法アカデミー改良型、夕べの水晶、・・・・この虫眼鏡をその相手に向ければその人の夜を最大三日分遡ってみることができます、これがあればトンネル工事をしたかしてないかを確認できるのですが・・・いりませんね。」

 

カリーヌはそのアイテムをがけ下に投げ捨てる。

 

銀時とエレオノールはお互い手を振り払い、カリーヌが崖の下にめがけて投げる夕べの水晶を奪おうと必死の形相でそのマジックアイテムを掴もうとする。

 

 

「「それを先に言えぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」

 

 

二人が崖から落ちる様子をカリーヌは腕を組みながら海でエレオノールにアイテムを奪われ沈められそうになる銀時の両者を見てつぶやく。

 

「男と女はそう簡単なものではないんですよ、バカップルさん。」

 

 

カリーヌは優しく微笑むと踵を返し、上空から舞い降りるマンティコアに跨る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日、AM3:00

 

 

ガララララ

銀時「うーい、かえったぞぉー。」

 

エレオノール「なにここどこここぉ・・。」

 

銀時「なんでお前、ついてくんの、ま、いいや、寝よ。」

 

エレオノール「寝るわよーワタシも、あー気持ち悪い。」

 

銀時「あー布団。」

 

エレオノール「横失礼~。」

 

「「ぐおーzzzz。」」

 

 

 

土曜日、AM4:00

 

銀時「トイレ・・。」

 

エレオノール「・・・のどかわいた。」

 

 

 

 

土曜日、AM4;05

 

銀時「あーすっきり・・・・ぐおーzzz。」

 

エレオノール「トマトジュースあったー・・・あ、こぼしちゃった。」ビチャビチャ

 

銀時「ごおーzzzz。」

 

エレオノール「拭くもの、・・・・こいつのでいいか。」

 

ビリィィィィ

 

銀時の服を破り、こぼしたジュースを拭く。服はゴミ箱に。

 

エレオノール「あ、シーツに・・・まいっか。」

 

銀時「うーん寒い~~~。」

 

寒さで毛布と勘違いしたエレオノールに抱き着く

 

エレオノール「うーんなんか暑いー・・・。」

 

服をすこし脱ぐエレオノール

 

「「zzzzzzzz。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人はその光景を万事屋で全員と見ながらつぶやく。

 

「「セーフ・・・。」」

 

 

「「「「じゃねーよ!!この数話分の時間返せェェェェェ!!」」」」

 

 

 

サイトとルイズ、そして新八と神楽にボコボコにされる銀時を横目にカリーヌはエレオノールの肩を叩く。

 

「さぁ、帰りますわよ。エレオノール、帰って再度、貴族の何たるかを教えて差し上げますわ。」

 

「は、・・はい、お母さま。」

 

「あらあら、まぁまぁ、みなさん落ち着いて、銀時さん死んじゃいますわよ?」

 

なぜか笑顔で騒動を止めようとするカトレア。カリーヌは万事屋の玄関をあけ、屋敷に帰ろうとしている。

 

エレオノールはふと、夕べの水晶をじっと見た、銀時は今だ殴られ、蹴られ。

 

改良版の夕べの水晶は映像を記憶し、保存もできる。

 

「お、おい、マテマテ、死ぬ!しぬってその紅桜!!」

 

「いいんじゃねーの?こんなしょうもないオチに付き合わされる身にもなれや!」

 

銀時はサイトの紅桜を必死に白羽どりで刃を防ぐ。

 

そんな光景を見ながらエレオノールはふと、これまでの銀時のやりとりとセリフを思い出す。

 

 

「腎臓売ってでも、幸せに・・・か。」

 

つぶやいて、初めて聞いた口説き文句、エレオノールは夕べの水晶を手で掴み、そっと胸元に仕舞う。

 

「ま、かけおち記念として預かっておくわ、元ダーリン。」

 

銀時に聞こえないくらいの言葉でそうささやいたエレオノールはにっこりと笑うカトレアとカリーヌと共に万事屋を後にした。

 

 

 

トンネル工事の疑いは解け・・・

 

 

トリステイン恋物語、ここに完結!

 

 

「ああ、後日またルイズを屋敷に呼ばないと・・あの使い魔さんと話せなかったですわね。」

 

マンティコアに跨るカリーヌは万事屋を見上げ、にっ、っと笑みを浮かべる。

 

その顔は厳しい貴族の母ではなく、普通の母としての微笑みだった。

 

「まぁ、あの子は彼らと一緒にいれば心配ないでしょう、またね、虚無のルイズ。」

 

 

そう言い残し、カリーヌはマンンティコアを上空に旋回させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




母はもうルイズのまだ開花しない虚無の才能の事を知っている、という体で。この話は終了。

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