あとマリコルヌも登場。
「昼の修練終了~!」
サイトの掛け声と同時に広場で素振りを終えた男子生徒含む少数の女子生徒達、あの騒動からフーケの騒動までで彼、彼女達の魔法の実力はこの修練の時間でメキメキと成長していた。
「今日もお疲れだね、サイト。はい、これ。」
「おーサンキュー。」
ギーシュからドリンクを手渡されサイトはそれをぐいっと飲む。
「ああ、そうだ、今度の休みに王都に行かないか?いい場所見つけたんだ。」
「・・・・ほーいいねぇ、行くか。」
ギーシュとサイトは怪しい笑顔をお互い見合わせ、ニヤリと笑う。
ふと生徒の人混みの先に見覚えのある生徒を見かけた、そのまるいシルエットは見覚えのあるマリコルヌ・ド・グランドプレが何か女生徒の前で固まっている。
「あの、マリコルヌ様、この手紙読んでいただけますか。」
女生徒はそれだけ言うと恥ずかしそうに赤面し、その場を小走りで走り去る。
マリコルヌは固まったままその手紙の封筒を掴んだまま眺める。
「・・・・お、おい、マリコルヌ?どうした。」
最近の修練で彼も大分痩せ、おなかは出てるが、筋肉質な体系に変わってきた、上半身裸でタオル一枚を首に下げた彼はゆっくりと無表情でサイトとギーシュに振り返る。
「ギーシュ、・・・サイト、僕、・・・・初めて女の子から手紙貰ったよ。」
風が吹き、寂しいような嬉しいような顔でマリコルヌは二人に視線を送る。
かぶき町 万事屋・・・・
「はぁ?ラブレターの返し方?」
銀時の机の前にぱさりとサイトの手により手紙が置かれる、銀時はそれを手に取り、目の前のサイト、ギーシュ、マリコルヌを見る。
封筒を開き、手紙を銀時は読み上げる
マリコルヌ様へ
初めまして、一年のブリジッタと申します。
陰ながらいつもマリコルヌ様の修練の様子を見て、手紙で私の気持ちを伝えようと思った次第であります。
学園の襲撃騒動での勇気やフーケ討伐の時の綱引きの雄姿を見て私はマリコルヌ様に恋心を抱いてしまいました、もしよければ次の休日の日、王都でデートをして頂けないでしょうか?
ブリジッタより。
「お前らこれ・・・。」
サイト含む三人は銀時に眼を合わせうん、と頷く。
「マリコルヌって誰?」
「「「いや、そっちィィィィ!?」」」
三人そろってのツッコミが万事屋に響く。
「マリコルヌってあれか?第四話目でシエスタにボコボコにされた。」
「それ僕だよ!ギーシュ!、マリコルヌこっち!」
「なんで今さら自己紹介しなきゃいけないんだよ・・・。」
「つーかまぁ、そうだな、モブキャラの一人くらいの扱いだったもんな。」
最後のサイトの言葉にギーシュとマリコルヌが白い眼で彼を見る。
「まま、落ち着けお前ら、そうかそうか、お前がマリコルヌね、分かったわかった、んで?このラブレターをお前らはちゃんと返したい、そういうことね?」
銀時は彼ら三人の今回の依頼をまとめるように話す。
「ま、そういうことだね、・・・僕たち二人で彼のラブレターの返しを考えてみたんだけど彼も納得いく仕上がりにはならなかったらしいんだ。」
「ラブレターなんてなんでもいいんじゃねーの?相手に気持ちが伝わればよ。」
ギーシュとサイトは顔を見合わせ、なぁ、と言う、だがマリコルヌは険しい顔で彼らの書いたであろうラブレターの返しを銀時に見せる。
可憐なミス・ブリジッタへ。
やあ、君の気持、とてもうれしいよ、僕も君の美しく細い指で書かれたこの手紙を貰って君の事を思う時間が日曜日まで増えて楽しい毎日が送れそうだ。
次の休みは王都のどこへ行こうか?昼はオススメの店があるからそこを予約するよ。
三時のティータイムには君の好きそうなスイーツがあるお店はどうだい?
夕食は僕のお気に入りの店を紹介しようか?
夜は一流ホテルを予約するから君の白く綺麗な股を開いてくれるとうれしいよ。
「最後が不純すぎるわボケェェェ!!」
銀時は得意な顔をするギーシュの頭にげんこつを見舞う。
「あいたた・・・だって銀さん僕たち男の子だよ?期待してもいいじゃないか?」
「期待するにしてももうちょっとオブラートに包め!なんで最後に男の本性ほぼむき出しにしてるんだよお前は!、次、サイトのだな?お前はなんか普通そうだなぁ。」
ブリジッタへ
手紙ありがとう、じゃぁ広場で待ち合わせしようか?
で、夜は股開いてくれるの?
「ストレートすぎるわァァァァ!」
サイトの頭に踵落としをぶち込み、銀時は手紙の下書きをギーシュのと同じく、ゴミ箱に投げ捨てる。
「お前なに?ご主人様に言いつけるぞ性欲の塊じゃねーか!」
「だって俺も男だぜ?最終的にトンネル工事できるかできないかで誘いの受け方変わるだろーよ?世の中の男全員が紳士だと思ったら大間違いってのを女も知るべきなんだよ。」
「だからって、二行であっちの誘いを出すかい、普通・・・。」
ギーシュははぁ、と溜息をつき、自分の友人、サイトの思考回路にあきれる。
「お前らダメだ、全然ダメ!俺が見本を見せてやっからそれ参考にして書け!」
銀時は筆を取り、紙に書き始める。
ブリジッタ様へ
お手紙ありがとうございます、君はものすごくうれしいです。
では日曜日学園の広場で待ち合わせしましょう。
恥ずかしながら僕は女性慣れしていないので日曜のデートに不手際があるかもしれないからうれしいです。
ところでブリジッタは海鮮料理は好きですか?昼はオススメの海鮮料理がある店に行こうと思ってるのでどうですか?
そこは貝を使った料理がたくさんあって一杯食べても飽きがこないんだ。
「おお!さすが銀さん、堅苦しい文でも、僕の特徴と女性への不慣れな感じが出てるよ!料理の話で日曜日までに会話もつながるし!これにしよう!!」
マリコルヌは喜んでその文の続きを読み上げる。
そして夜は君の股についてる赤貝をたくさん食べたいな。
「おっさんの下ネタじゃねーかァァァァ!」
マリコルヌは銀時の頭を蹴り上げ最終的に下ネタに行きつく手紙の下書きを床に叩き付ける。
「ま、まぁ今どき女の子への会話も下ネタを織り交ぜてしゃべるほうがウケいいんだよ。」
「初対面でできるわけねーだろ!何?あんたら全員僕の恋路邪魔したいの?」
突如万事屋の扉があき、見慣れた二人組が姿を現す。
「はぁ、・・・やっぱここにいたのね、サイト。」
「はあーい、おひさしぶり、銀さん。」
ルイズとキュルケが万事屋に訪問し、男達はあ、と自分たちの書いた手紙の下書きを隠そうとあせる。
「なに?なにしてたの?」
「え、いや、別に・・。」
「うん、なんでもない。」
「そそ、なんでもない。」
「さ、帰ろうか、サイト、マリコルヌ、午後の授業に出ないと。」
「・・・ナニコレ?」
ルイズは銀時の手紙を読み上げ、サイトを睨む。
キュルケもその文を見てうげぇ、と声を上げる。
「い、いや、マリコルヌがラブレターもらってさ、そのお返しの手紙の下書きを・・・。」
「・・・あんたら女舐めてんでしょ?ねぇ?」
「・・・・すいません。」
サイトはルイズに睨まれ正座して土下座する。キュルケはやれやれ、と言った顔で紙に筆でさらさらと書き連ねる。
「これでいいんじゃない?」
ブリジッタちゃんへ。
お手紙ありがとう、たくさん聞きたいことがあるけどデートまでの楽しみで手紙は簡潔にしておくよ。
待ち合わせは学院の広場でいいかい?
日曜のデートには朝から夜までたくさん君の事を教えてほしいな。
ヤラシイ意味じゃないよ(笑)
マリコルヌより。
「「「「か、簡潔にして清純!!ちゃん付けで先輩らしさアピールのしかも捉え様であっちの方を期待してます文章ゥゥゥゥ」」」」
四人の男はキュルケになぜか土下座する。
恋多き褐色のセクシー学生、キュルケは机に脚を組み手紙を見せつけ、得意げに笑う。
そこに男四人が土下座する光景にルイズは白けた顔で舌打ちする。
そして翌日。
「これ、昨日のお返し。」
「あ、ありがとうございます!!」
ブリジッタはマリコルヌから受け取った手紙を両手で受け取り、走り去っていく。
それを見守るルイズとキュルケ、サイト、ギーシュはうんうん、とお互い顔を見合わせ、マリコルヌの恋路を応援する。
「でもまぁ、さすがだよなぁ、キュルケ、俺らの中で一番できがいい、この手紙。」
サイトは昨日書いたキュルケの手紙を再度読みながら感心する。
「でしょ?女ってのは清純すぎても不純すぎてもダメなの、清濁併せ持った男に惹かれるものなのよ。」
「はいはい、女が女語らない、いくわよ。」
「・・・・・あれ、サイト?なんで君、その手紙持ってるの?」
ギーシュの問いかけにルイズとキュルケがサイトに振り向く。
「は?・・」
サイトはキュルケの書いたお返しの手紙を持っていまだに眺めながら感心していた。
サイトも自分の持つ手紙を無表情で見つめ・・・
「それが・・・」
「ここに・・・。」
「あるってことは・・・。」
「あの手紙は・・・。」
ギーシュとサイトは真っ青な顔で広場に駆け出す。
「「ちょっとまったぁぁぁぁ!それ下書きィィィィ!!」」
今ブリジットが持ってる手紙が銀時の下ネタ返信の手紙だった。
ひと悶着あったのは言うまでもない。
赤貝はごめん、やりすぎた。