ゼロの使い魔と万事屋銀ちゃん   作:銀桃

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場所は一度トリステイン魔法学院に戻ります。




第五十五話 男が集えばろくでもない

時間は夕刻、学院、ルイズの部屋

 

「ちょろーっと修練してくらぁ。」

 

「は?今から?珍しいわね。」

 

サイトは紅桜デルフを腰に下げ、ルイズの部屋のドアノブに手をかける。

 

「あー、ギーシュがさぁ、なんか魔法の訓練したいって言うから。」

 

「・・・・・ふーん、ま、先に寝てるかもしれないからあんまうるさくしないでよね。」

 

ルイズは本を見ながらサイトを送り出す、サイトはふう、と小さく息を吐き、部屋から出て行く。

 

ルイズは本から目を離し、サイトが出て行ったドアをじっと、見つめた。

 

 

寮、ギーシュの部屋。

 

ギーシュは自室のドアを開き、廊下を見渡す。だれもいない。

 

よし、とつぶやき部屋にロックをかけ、そろりそろりと廊下を歩く。

 

あともう少し、もう少しで寮から広場に出れる、・・・そう思ったその時。

 

「あら、ギーシュ、こんな時間にどこ行くの?」

 

「どああああ!」

 

ギーシュはびっくりした拍子に大声をあげ、目の前のモンモランシーを見て固まった。

 

「ちょっと、変な声出して・・・。」

 

「ああ、いや、すまない、モンモランシー、ちょっとサイトと約束してたのを思い出してね。」

 

「サイト?なんでまた・・。」

 

「ああ、悪いけどちょっと急いでるんだ、じゃぁ、また・・。」

 

「あ、ちょ、ギーシュ??」

 

ギーシュはモンモランシーから逃げるように広場へと駆け出す。

 

それを見てモンモランシーは腕を組み、ギーシュの背中を見てつぶやく。

 

「怪しい・・・・。」

 

 

 

 

 

学院、厩付近。

 

サイトは厩の物陰に隠れるように当たりを警戒しながら周囲を見渡す。

 

「サイト、待たせたね。」

 

「お、おう。・・んでどうすんだ?王都にまで行くのに馬使っちまうと足がばれるぞ。」

 

「ふふふ・・・気にするな、友よ。この僕が今日にかけてなにも準備しなかったと思うのかい?」

 

「一体どんな・・・。」

 

ギーシュは厩の後ろ、草むらの中にサイトとこそこそと狭いスペースをかきわけ、入り込んで行く。

 

「これを見たまえ。」

 

「おおおおお!地下通路?」

 

そこには真っ暗な空間にはしごをつけた簡易な地下への穴だった。

 

「苦労したよ、夜中にヴェルダンテに王都までの地下通路を掘らせて今日の準備をしていたんだ。」

 

「お前、最高だよ、ギーシュ!」

 

ガシ!と両者は腕を交差させ、友情を確認する。

 

「ここを降りてあとは歩くだけだ、ちょっと遠いけど用事を済ませて朝には帰って来れる。」

 

「ふ、・・バカにすんな、走るさ、お前もそうだろう?」

 

「ああ、そうだったね。」

 

 

 

はしごづたいに穴を降り、幅二人分の長い回廊のような地下通路を見て、サイトとギーシュは頷く。

 

「レディ・・。」

 

「ファイヤー!!」

 

二人は猛ダッシュで王都への秘密の地下通路を走る。

 

二人は飢えていた、この学院生活、辛くても仲間がいれば楽しい日々だった、だが、彼らは男だ、一言でいうなら、溜まっていた。

 

ある日ギーシュは王都に新しくできた店の情報を風の噂で聞く。

 

その噂を聞いた瞬間、ギーシュは心の友、サイトと今日、この計画に踏み出したのだ。

 

目指すは魅惑の妖精亭。

 

キワドイ恰好をした女の子に金の力を借り、あんなことや、こんなことができる店、そして酒も飲める、二人からしてみればまさに楽園である。

 

お互い貴族と騎士、金はある、あとは自分の欲望に任せ、あんなことやこんなことをお願いするのみ。

 

二人は走った、走って走って・・・

 

王都の外れの草原の地面、草むらから息も荒げな男二人が顔を出す。

 

「はぁ・・・はぁ・・・。」

 

息を荒げながらギーシュとサイトは穴から這い出て互いの顔を見る。

 

ニヤリとお互い笑い、肩を組んで王都に脚を踏み出す。

 

ここまで来ればあのうるさいギーシュの恋人、サイトの主人はいない、僕たちはあの胸では滾る男の欲望を満足できない。

 

そう言葉を謎の歌にのせて歩きながら悠遊と二人は夜の街を俳諧する。

 

だが二人は知らなかった。

 

彼らの後ろで普通に馬に乗って先にこの王都に到着していた彼女達、ルイズとモンモランシーが互いに指の関節を鳴らしながら自身の恋人と使い魔を睨んでいることに。

 

 

 

 

 

 

 

魅惑の妖精亭

 

夜も近づき、銀時は二階の宿泊用の部屋の扉を開け、ほろ酔い気分でベッドに横になる。

 

「はぁ、あいつら無理やり飲ませやがって。俺ぁガキに酌してもらってもムラムラこねーんだよ。」

 

恩返しと言うことでタダで酒をおごられ、スタッフ全員に酌をしてもらう、銀時は悪いなぁ、とも思いながらそれを飲んではいたが、自分の趣味ではない少女達の相手は失礼だが疲れる。だが銀時はあのモットーの魔の手から逃れた少女たちが日々を強く生き抜いているのを間近で見れて満足した。

 

「まぁ、でもいい感じに酔えた。満足満足っとぉ。」

 

眼を閉じ、銀時はいい感じで眠くなり、ゆっくりと眠りに落ちた。

下の階では少女たちが接客の準備をしながらはしゃいでいるのを子守歌に銀時はぐーぐーといびきをかく。

 

 

 

 

 

魅惑の妖精亭。

 

OPEN と書かれた看板にサイトとギーシュは唾を飲み込む。

 

「さぁ、行こう、サイト。」

 

「ああ、ギーシュ。」

 

さわやかな笑顔で二人は店の入り口のドアを開く。

 

「「「いらっしゃいませ!魅惑の妖精亭へようこそ!!」」」

 

二人はしばし固まった、そこはキワドイビスチェに身を包んだ年上の女の子、輝く笑顔、そしておおきなおっぱい、すらりと伸びる白い脚。引き締まったくびれのある腰つき。

 

「・・・・おほん、・・・大人、二名で。」

 

ギーシュははっとし、サイトの店員への返答に自身を取り戻した。

 

「ギーシュ、俺たちの戦いはこれからだろ、入り口で固まってどうする?」

 

「・・・そうだな、僕としたことが、すまない、行こうか。」

 

二人は再び肩を組み、ずんずんと店の中に入り、席につく。

 

「飲み物は何にしますか?」

 

「ビールふたつ!」

 

「はーい、女の子がすぐに持ってきますね、指名はありますか?」

 

「いえ、ありません、だれでもオッケーです!」

 

二人して親指を立て、笑顔で店員に微笑む。

 

「じゃぁ、今日、入った新人の子をつれてきますね~。」

 

店員は笑顔でそういうと奥に控えるスタッフを呼ぶ。

 

「サイト、僕、感激だよ。」

 

「ああ、年上の姉さんにでかいおっぱい、俺、もうここで暮らそう。」

 

泣きながら二人は頭の中の恋人モンモランシーとご主人ルイズを今日、今限り忘れることにした。

 

「しかも新人かぁ・・。」

 

「ああ、新人だよ。採れたてだ。」

 

新人、という言葉に男は弱い、あらゆるジャンル、新人=採れたてがイメージできる。

この言葉に騙された男はごまんと居よう、だが、ここではそれはない、店に入った瞬間彼らはそう確信していた。

 

「いらっしゃいませー、お客様、ここは初めてですかぁ?」

 

薄い緑色のビスチェが彼らの眼に飛び込み、

 

サイトとギーシュは心で キタ! とにやけた顔でそのスタッフの顔を見る。

 

「どうもー、新人のモンモランシーですぅ、・・・・・・・・世露死苦・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

ビシィ・・・・

 

彼らはそのスタッフを見た瞬間凍り付き、そのまま倒れ、店の入り口へと築地の冷凍マグロの如く滑り込む。

 

しかし、彼らの行方を白いビスチェを着た、もう一人の新人が脚で阻む。

 

「どうも・・・・新人のルイズですぅ、お客様、どちらに・・・。」

 

「「ちょっと築地まで・・・。」」

 

サイト、ギーシュは声をそろえ、ルイズに向かいつぶやく。

 

彼らにとってここは今、魅惑の妖精亭ではなく、ただの暴力バーに変わり果てた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

二階、宿泊用の部屋。

 

銀時は急に寝苦しくなり、ふと目を開ける。

 

そこにはビスチェを着崩したシエスタが寝ている銀時に四つん這いで跨っている光景だった。

 

「・・・・・・。なにしてんの?」

 

「あら、銀さん、お目覚めですかぁ?」

 

シエスタは上気した顔で銀時に騎乗し、謎の怪力で銀時の身を封じていた。

 

「え、・・ちょ、動けないんですけど。」

 

「じっとしててください、すぐ済みますから。」

 

そういうと彼女は彼の上着をはだけ、そこに顔を近づける。

 

「え、・・・お前なにしてんの?ここ18禁じゃないんですけれど、・・・じゃなくてなんでお前俺に跨ってんの、なんで俺脱がされてるの、なんでお前ほぼ裸なのぉ!?」

 

「好きです、銀さん、・・・だから既成事実作りましょう。」

 

妖艶な声で銀時の耳元でそう囁く。

 

「既成事実ってなに?あ、ナニか?じゃねぇぇぇ!お前何考えてんだァァァ!ちょ、離して、うごけな・・・。」

 

シエスタは潤んだ瞳で銀時の顔に自身の顔を近づける。

 

「今晩は私を愛してくださいな、銀時さん。」

 

彼女は瞳を閉じる、彼女の顔がどんどん銀時に迫る。

 

 

オィィィィ!なにこれ、なんでここまで来てまた18禁?この作品確実に作者終わらせる気マンマンだろォ!マンマンってそういう意味じゃないからね、サイト管理人さん、でもどうする、ここまで来たらヤルしかねーか?いや、でもこのギャグ長編から先はシリアス編ですって言っちまったし、フラグ回収するって言っちまったし!いや、でも考えてみろ銀さん、ここでもう18禁に新しくコーナー構えて執筆すればランキング上位行ける可能性もある!・・・・・イヤイヤ、ロックされたらなにもできねぇ、っていうかこの子何考えてんの?俺が好き?・・・お前未成年、俺おっさん、なんで好きになるの?既成事実ってナニ?あ、ナニか、じゃなくてェェェ、考えろ、考えて自分のできる事をヤレ、・・・・・だめだ、久しぶりの下半身の金時も準備がととのいつつあるじゃねぇか。股間の洞爺湖も熱さで亜熱帯の湖になってるじゃねーか、なんで?俺実はロリコンなのか?いや、まて、この国ではもういい大人扱いだっけ?16歳、酒も飲めるしタバコもオッケー、そう、この子は大人だ、歳の離れた大人じゃん、なーんだ銀さんうっかりしてた、だったらこのまま大人の世界に入るのもいいんじゃねーの、あーそうそう、そういうことかぁ・・・だったらズボンも脱がしてもらって・・・

じゃねーだろォォォォ!18禁にしちまったらダメだろ銀さん、え、あ、・・ズボンも脱がしてくれたのね、ありがとうございます。んじゃ今晩はよろしくお願いしまーす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アブねぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

銀時はシエスタを前世でスタンド使いに習った当身で気絶させ、彼女の意識を途絶えさせた。

 

 

「あーあぶねぇ、ホントに終わるとこだったこの作品。」

 

銀時は着衣を整え、彼女に毛布を被せる、そして寝息を立てる彼女の頭に枕を敷き、髪をやさしくなでる。

 

「お前にはもっといいヤツが似合ってらぁ。」

 

眠る彼女に微笑み、そう言い残し、銀時は洞爺湖を腰に携え、宿泊部屋のドアを開けた。

 

「終わったよ、花京院、アヴドゥル・・・。」

 

 

謎の言葉を言い残し、銀時は部屋を去った。

 

 

 

 

 

 

銀時ははぁ、と溜息を吐き、階段を下りるふと見れば入り口近くのテーブルに見慣れたサイトとギーシュがこの世の終わりのような顔をして、目の前に出されたダークマターを見て震えている。

 

「はい、サイトさん、あーん。」

 

「遠慮しないで、ギーシュさん、いっぱいありますよ。」

 

ガタガタとサイトとギーシュはそれを見て震える。

 

「おーいお前らなにしてんの?」

 

サイトとギーシュは銀時の顔を見て涙目で救世主を見つけた。

 

「「助けて!!銀さんころされるうううう!!」」

 

二人は銀時の後ろに隠れ、彼らを睨むルイズとモンモランシーを震えながら見つめる。

 

「助けて!暗黒物質を食わせる気だよ!!」

 

「いやだよ!僕、まだ死にたくない!宇宙の一部になんてなりたくない!!」

 

「はぁ?お前らなに言って・・。」

 

「どきなさい、銀時、そいつらに女舐めてるとどうなるか教えてやるわ。」

 

「貴族のくせにこんなところで欲望を吐きだそうなんて、いやらしい。」

 

銀時はその言葉が若干胸に刺さるのを感じながら彼女達をなだめる。

 

「まぁまぁ、お前ら、大目に見てやれよ、こいつらだって男なんだからよぉ。」

 

ォイ

 

「そ、そうだ、僕たちだって男だ!」

 

「そうだそうだ!!俺だって男なんだ、っていうかルイズ、お前になんだかんだ言われる必要はねーだろ!」

 

 

「あぁ!?」

 

「「ひぃ!!」」

 

ルイズの睨みとドスの聞いた唸り声にギーシュとサイトは銀時の背中に小さくなり隠れる。

 

「はぁ、ったくよ、あんまこいつら束縛してやんなよ、男ってのはなぁ。」

 

「銀さんは黙ってて!・・・・・あれ?そういえば店の奥から出てきたけどなんで?」

 

モンモランシーの疑問に銀時は うっ と言葉を詰まらせる。

 

ォイキイテル

 

「そ、それはだな・・。」

 

「あっれー?銀さん、もう終わったの?」

 

後ろからジェシカが気軽に声をかけてくる。銀時は心の中で叫ぶ。

 

しまったァァァァァ!

 

「終わった?なに?なんかしてたの?」

 

「なんか、っつーかナニってか・・・お、お前らに関係ねーだろう!」

 

「・・・・怪しい。」

 

「怪しいわね、あんた、なんか変な事してないでしょうね?」

 

「してねぇしてねぇ!銀さんはいつものみんなの銀さんだから!」

 

「あれ?シエスタは?」

 

「お前!客の個人情報何だと思ってんだァァァア!」

 

ジェシカに飛びかかりそうな銀時はジェシカの首をかしげる行動に、こいつ実は全部知ってんじゃね?と彼女の不思議そうな顔をしているのに若干腹が立つ。

 

 

 

ドンドンドンドン!

 

ふと銀時の足元に銃弾が浴びせられる、弾はそれているが、銀時はその似た場面をいくつも経験していた。

 

「ぉおい、きーてんのかぁ、にいちゃんん。さっきから声かけてンだろォ。」

 

「・・・・。」

 

白髪にオールバック、そしてかの国の警察の上官の制服に身を包み、片手には拳銃を構え、煙草をくわえたよく見知った顔がそこにはあった。銀時はそれよりも後ろの頭巾をかぶった和装の男に全身驚愕させた。

 

「あ。・・あ・・・あ。」

 

「片栗虎、ここはなんだ?」

 

「あぁ、こっちの国のキャバだなぁ・・・予約しておいたモンだがァヨォ、さっきから何度も読んでるの聞こえねェのかァ・・・オラァ・・。」

 

 

 

 

あ・・・あ、あれはぁぁぁぁぁ!

 

 

 

 

 

「みっつ数える前に席に案内しなァ、いち。」

 

ドォン!

 

「ひい!!・・・2と3はぁ!?」

 

「知らねぇなァ、男はな、1だけおぼえてれば生きて行けるンだァよォ。」

 

「片栗虎、乱暴なことはよせ、・・・すまない、席は空いているか?」

 

頭巾をかぶっていた男は頭巾を外し、そのきりりとした精悍な顔を銀時に見せる。

 

「この店は随分と楽しそうだな、余も一杯飲ませてくれないか?」

 

 

 

 

あ、・・・あれはぁぁぁぁぁ!

 

 

 

「あ、あのう、予約のお名前は?」

 

ジェシカがおそるおそる彼らに声をかける。

 

「・・・・・・・・・・征夷大将軍、徳川茂茂。」

 

後光の指す、茂茂の姿に銀時は眼がつぶれるような錯覚を覚える、そして、心の中ではお決まりのあのフレーズを叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

        将軍かよォォォォォォォォ!!

 

 

 

 

 




次回、将ちゃん魅惑の妖精亭デビュー話。

続く・・・・
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