思いたい。
酔ったゴロツキ客、女目当てのエロ貴族、女に夢を抱いた少年、女子会がてらに訪れた女性客、魅惑の妖精亭に訪れる客はそれぞれ・・・
その中に一際高貴で凛とした佇まいの男がテーブル席に着く。
「お客様、お飲み物は何にします?」
「なぁ~んでェ、ガキばっかじゃねぇかぁ、・・・よう将ちゃん、何飲むぅ?」
「私は何でもいい、片栗虎、そちが選べ。」
あれはぁぁぁぁ!なんでこんなとこにぃぃぃぃぃ!
銀時は男性客二人に今も驚愕していた、なぜ、自分の国のトップがこの店に・・・
「さぁ、サイトさん、お客さんも増えてきましたし、私達は二階でおしゃべりしましょうか、・・・あの世の一人旅について。」
「え?なに?どこ行くって?俺旅行なんて決めてないよ??」
「ギーシュさんも二階でおしゃべりしましょうか。お疲れの様子なので最近水の秘薬でトぶ・・・疲れが吹き飛ぶポーションができたのを試してもらえますかぁ・・・?」
「モンモランシー!?今なんて言った?飛ぶ?トぶって言わなかった?」
ルイズはサイトを、モンモランシーはギーシュの襟首を掴み、二階の部屋へと二人を引きずる。
「お部屋に案内しますね。どうぞ~。」
「「おう、今夜は寝かさねぇよ、クズ共。」」
ルイズとモンモランシーは声をそろえ、スタッフに招かれるまま部屋に入室する。
ぎゃああああああああ!
二階の部屋からの悲鳴を最後にサイトとギーシュの声はしなくなった。
「・・・・。」
銀時は顔じゅうに汗をかき、音が聞こえなくなった二階を見つめる。
「んじゃ、楽しんでくださいね~。」
ジェシカはそういうと自分は厨房へと脚を運ぼうとする。
「ちょっとマテ。」
「へ?」
銀時はジェシカを素早く店の入り口から外に出し、店の様子、あの将ちゃんの様子をうかがう。
「な、・・・どうしたの?いきなりあわてて?」
「お前らどえらい客招き入れてくれたなぁ・・・あのお客さんはうちの国のトップ、征夷大将軍だぞ!」
「うん、知ってる。」
「知ってるの?」
「だって予約表にかいてあるもん、せいいたいしょうぐん、とくがわしげしげって。」
「なんでマンマで予約してんだぁぁ!アホなのかうちのトップはぁぁ!?」
銀時は頭を抱え、夜空に吠える。
「いいか?あの凛とした感じの客には失礼するなよ?それにうまくいけば大金がお前らに転がり込むぞ!!」
「へー、お金もちなんだ、じゃぁまかせときなって、特上の料理ふるまってあげるからさ。」
そう言ってジェシカは入り口から厨房へと腕をまくりながら鼻歌交じりに進んでいく。
「いや、お前、話聞いてる?うちの国のトップなんだって。失礼こいたら首飛ぶんだって!おい!話きけェェェェl!」
「・・・・ほう、変わったゴマ団子だな、ここの付きだしか。」
「食っちゃだめェェェェ!それ暗黒物質ゥゥゥゥ!!」
ルイズがサイトへの拷問用にこしらえた暗黒物質を口に運ぶ茂茂、銀時はその手をはらい、暗黒物質から茂茂を守る。
「おお!どこかで見かけた事があると思ったら銀時さんじゃないか!」
「おぉ~兄ちゃん、久しぶりだなぁ、まぁ座れやぁ、ちょうどここ三人掛けだしぃよぉ・・・。」
しまったぁぁぁ!顔覚えられてたの忘れてたぁぁぁぁ!
銀時は青い顔で両者を挟み、真ん中に座らされる。
「しっかし、ここはガキばかりだなぁ、・・・俺ぁ、もうちょい年のオネエチャンが好みなんだがよぉ。」
「失礼だぞ、片栗虎、よいではないか、・・・しかし、銀時さんの話はこちらでもよく聞いておるぞ、トリステインの英傑、坂田銀時、あのアンリエッタ姫がよくこちらに文を寄越してくれるのだが、・・同じ侍の国の住人として鼻が高い。感謝する。」
「い、いやぁ~運が良くてねー、っていうかなんで将軍様、ここにきたの?あなた国のトップってわかってる?」
「うむ、他国との付き合いもかねて、他国の庶民がどういう夜の生活を送っているか身をもって知るのもトップの務めと思ってな。」
「ケェ~~。本当に物好きなヤツだな将ちゃんはよぉお。」
ヤベェ、ヤベェよ、こんなのまるで重役に出社早々囲まれる新入社員じゃねぇか。
つーかここどういう店か知ってんのか?金で性欲満たす大人のディズニーランドに何でこの二人簡単に脚踏み入れてんの?スキャンダルもんだぞ!
銀時は回りをキョロキョロしながら週刊〇春を探すがいない、運がいい。
「お待たせしましたお客様~。」
そこにビスチェを着たスタッフの女の子が席に着く。
「当店では飲み放題、触り放題になってまーす、おこずかいくれたらサービスもいたしますよぉ?」
女の子の一人は片栗虎の肩に絡むように密着し、茂茂には抱き着くように密着して座る。
自然に国のトップにエンコー持ちかけてきやがったぁぁぁ!ヤベェ、この店摘発されんじゃ・・・・
銀時の不安を他所に、茂茂の鼻からは大量の鼻血が流れる。
「あら、お客様、鼻血・・・。」
「将軍家は代々、薄着の女の子の前では鼻血流し放題である。」
将軍期待マンマンじゃねーか!下々の生活を身をもって知るとかのたまって完全に遊びにきてるじゃねぇか!下々にテメーの下々弄ばれてんぞ!
「まぁ、面白い人、お名前を聞かせてもらえます?」
「征夷大将軍、徳川茂茂、将軍だから将ちゃんでいい。」
「まぁ、将軍なんて!、面白い人!」
「いや、モノホンの将軍だが・・・。」
「おい、失敬だぞチミ!この方は将軍・・・。」
「カワイイネエチャンもいるんだなぁ、おい、兄ちゃん、将ちゃんの相手たのまぁ、俺ぁ同伴してくるからよぉ、・・・あ、何かあったら俺もお前も首飛ぶからよろしくぅぅ。」
「ハァァァァァァl!?」
気が付けば松平はお気に入りの女の子を見つけたのかそそくさと店の外に同伴とのたまい女の子を連れだす、もう店にいる子なのに同伴・・・
アノクソオヤジ!俺に全部任せてどっか行きやがったァァァ!畜生ぉぉぉぉ!
茂茂に女の子のスタッフはもたれかかる、その祭におっぱいが茂茂の顔に密着するようにスタッフはわざとよろけるような仕草をした。
眼をかっと見開き、するとどうだろう、将軍の将軍が準備できたのを隠そうと、いきなり彼は脚をホストのように組みだした。
「しょ・・・将軍家は代々、・・。」
「いや、なんもないでしょ、将軍、つーか別にいいっすよ、隠さなくても。」
「将軍家は代々、いざとなってもあっちの方は隠密部隊であるべし。」
「うまくねーよ!あんた自分とこのお庭番バカにしてんのか!」
気が付けばこの茂茂、彼の反応を面白がる女の子二人がかりで乳首をいじられ、耳に息を吹きかけられ爆発寸前だ、それに見かねた銀時ははぁ、と溜息をつき
「あー、お前ら、そのお客さんはウブなんだよ、だからもうちょいソフトな遊び教えてやってくれや・・・。」
「うーん、じゃぁ、王様ゲームとかどうですか?」
「お!いいねぇ、じゃぁ将軍様、やりましょうかぁ。」
銀時は将軍にそう言うが、女の子はうーんと首を傾ける。
「でも人数四人じゃねぇ。」
四人で王様ゲームもできるが、盛り上がりにかける、銀時はううむ、と考えるが、今この店は満員御礼、スタッフは不足気味だ。
そこに二階の宿泊所から二人の人影を銀時は横目に見る。
「ち、もう伸びやがったか・・・これじゃおしおきのし甲斐がないじゃない。」
「ちょっと薬の配合ミスったわね、若干記憶がトんだかしら・・。」
ぼろぞうきんのようなサイトとギーシュを引きずり、ルイズとモンモランシーが二階から降りてきた。
「お、・・・おーいそこの彼女~一緒に王様ゲームしない?」
銀時はおそるおそる彼女達に声をかける、サイトとギーシュからは眼をそむけ、惨劇の現場を物語る彼らの様子に心の中で合掌する。
「はぁ?なんで私があんたとゲームすんのよ。」
「悪いけど私は帰らせてもらうわよ、ね、ギーシュ?」
「え、僕ギーシュってイウンデスカ?あなたはダレデスカ?」
ロボットのような言葉を発するギーシュを引きずり、モンモランシーは店を出る。
そこへすれ違うように別の一人の女性客が入ってきた。
人数は二人組、その顔は銀時もよく見知っていた。
ルイズもよく知っていた。っていうーか生まれた時から・・・
「へえ、お姉さま、ここはレストランですか?」
「ちっげーよカトレアァ、ここはあれよ、・・・・ひっく、・・オッパイパブよ。」
「まぁ、面白そう、ここにしましょう、姉妹会の次のお店。」
「ひっく・・・・あー、そうねぇ・・・お!久しぶりじゃねーかチリチリィ!!」
そこには完全に酔っぱらって片手に酒瓶を持ったルイズの姉、エレオノールとにこにこ笑顔を絶やさない優しいルイズの真ん中の姉、カトレアの姿があった。
ルイズはサイトを掴む手を離し、そして心で叫ぶ。
お姉さまかよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
将ちゃんヴァリエール姉妹の王様ゲームに突入。
まだ続く・・・