な、・・・・なんで??
ルイズは驚愕した、なんで自分の姉がこんないかがわしい店にいるのか。
「おーう、ひさしぶりじゃねぇーかぁ!チリチリ頭ぁ、・・・ひっく。・・今日も女漁ってトンネル工事かぁ?・・ひっく。」
目の前のヴァリエール家長女は相変わらず酔っぱらって酒瓶片手に銀時に毒を吐きながら席に座る。
「まぁまぁ、銀時さん、全然懲りてないんですわね、英雄色を好む、かしら?」
次女はニコニコと笑顔で銀時に嫌味を言い、席につく。
「・・・知り合いか?銀時さん?」
そしてこの目の前のやけに凛とした男は女性スタッフ二人に左右から乳首を攻められ鼻血を流しながも凛としたまま銀時に話す。
銀時は白目を剥き、目の前の夜の街で会うはずが普通は無かろうと思われる知り合いに呆然とする。
お、・・・お姉さまかよォォォォォォ!
ルイズの頭の中にはその一言がしばらく響く。混沌とした夜の街で最悪のタイミングで泥酔した姉と混沌とした再会を果たした彼女であった。
「あっら~エレオノールちゃんおひさしぶりぃ~。トレビア~ンしてるぅ?」
「おう、相変わらず気持ち悪いな元カレの元カレよう~・・・ひっく。」
酔ったろれつのまわらないエレオノールに店主スカロンが抱き着く、彼女と彼になにがあったかは省略させてもらうが、どうやら元カレの一件は常人では理解できない解決となり、二人の仲はかなりいいようだ。
「あーんなマザコン知ったこっちゃねーわよ、いやねぇ、知ってたら教えてくれればいいのにぃ~イケズなお姉さんねぇ。」
「んなことより酒持って来い酒ェ!!こっちは見合い断られて孤独のグル〇並みに店探してんンだよぉ~・・・入った店がこぉーーーーーんないかがわしい店でも酒くらいだしやがれってんだァァァァ。」
銀時は前回の比ではない酔っぱらったエレオノールに戦慄する。
「お、・・おい、ルイズ、どうすんだ?俺はどうしたらいいんだ、教えてくれ・・・・ル・・ルイズ?」
ルイズは銀時の隣で何故か顎をしゃくらせ平然とサイトを引きずりながら店の出口に向かって脚を進める。
「では、お楽しみくださいませ、私は声優の仕事がありますので、あ、・・・・く〇〇やと申しますので、テレビで声聞いたら応援してくださいな、それでは。」
「待てやァァァ!お前それ中の人!」
銀時はルイズを止めようと叫び、手を伸ばす。
カトレアはそんなルイズの後頭部を片手で鷲掴み、相変わらずにこにことした顔で彼女の顔を見る。
「あら、ルイズじゃない、誰のモノマネ?しゃくれてるだけじゃない、中の人のファンを敵にまわしちゃだめよ。」
バレタァァァァァ!なんで!?
「いやばれるだろ、あきらめてこっちこいや。」
銀時はルイズの心の声になぜか突っ込む。
サイトは気が付いたのかうーんと、言いながら立ち上がり、目の前の見覚えのある姉妹に驚く。
「あ、ルイズの姉ちゃん?・・・なんでこんなとこに。」
「あら、使い魔さん、ごきげんよう、あなたもここに童貞でも捨てにきたのかしら?」
「誰が童貞じゃぁ!!?つーか出会いがしらに何言ってんのこの人?」
「カトレアぁ、分かり切ったことじゃなーいい、・・・・ここでルイズで捨てたんでしょ?そうでしょ?うへへへへ。」
「だから出会い頭でナニ言ってんだァァァ!誰が捨てるかこんなまな・・。」
「ふぅん!!」
ルイズの渾身のストレートがサイトの顔にめり込む。銀時も気が付いたが、このカトレアもどうやら酒が入っている様子だ。
「まま、・・おちつけ、お前ら、ルイズも今日は姉妹の再開を喜んでだな。・・・つーか、このままお前帰れねーぞ・・このままあのねーちゃん二人が帰ってかーちゃんに話して見ろ、・・・お前。」
ルイズは銀時の逆さにつるされた光景と過去の自分への教育と言う名のおしおきの数々を思い出す。
顔がみるみる青くなり、銀時に眼を合わせ、助けを乞う。
「いいか?とにかく酔わせろ、記憶がトぶくらいにな。サイト、お前も協力しろ。」
「なんで俺まで・・・。」
「・・・見ろ、お前。あのニコニコ毒舌ねーちゃんの姿を・・。」
サイトは言われるがままカトレアを見る、カトレアはあら?と首をかしげその豊満な胸を無意識に揺らす。
「・・・・・。」
「王様ゲームならあの胸をお前の好きなようにできる可能性が・・・。」
「やる。やります。」
「覚えてろよ、クサレ使い魔。」
ルイズの言葉をよそに、そう言い切り将軍の隣にサイトは鼻息あらげに座る、その隣の将軍もなぜかカトレアを見て再び鼻血を流す。銀時は知ってか知らずか彼に問いただす。
「将軍?なに・・その鼻血。」
「将軍家は代々、遠足前日はソワソワするタイプなり。」
「しらないわよ!どんだけよこしまな・・・・って将軍?・・・将軍ンンンン??」
ルイズは見覚えのある顔の将軍、茂茂を思い出す、・・・・完全に一致、写真でしか見たことないがアンリエッタと初めて銀時の国に訪れた際に教えてもらったのを思い出す。
「アンリエッタ姫の女官がこんなとこでこんな姿で言い逃れできねぇよなぁ・・・だったら最後まで協力しな、ルイズさんよぉ。」
あくどい顔で銀時はルイズに凄む、ルイズは颯爽とビスチェを翻し、将軍の隣に座る。
「よ、よろしくお願いしますわぁ、ほほほほ!」
銀時はニヤリと笑う。
これでいい、この二人とあの泥酔姉妹をエサに盛り上がったところで俺は風の如く、昔昔男ありけりの状態でここを逃げ出せば万事解決よぉ・・・
銀時は王様ゲームのくじの棒を作りながら考えを巡らせ、席に着く。
「楽しそうですわね、お姉さま、ここはルイズと一緒に遊びましょうよ。」
「王様ゲームぅ?なに、あんた、ワタシとエロい事したいの?へぇ~~エロィーー、銀時エロィ~~~。」
うっぜーなこの女、まぁいい、そうやってこのゲームに参加すればいいさ、もはやこうなったら将軍も知ったこっちゃねぇ、将軍にある程度この女共の痴態を楽しんでもらって俺はここから一刻も先に逃げ出せればそれでいいのよ・・・
女性スタッフは別のテーブルに呼ばれ、ここに残されたのは銀銀時含め、6人。
十分ゲームは楽しめる。
銀時はエレオノールの言葉を無視、そしてくじを見えないように握り、全員の前に差し出す。
「まぁまぁ、楽しみましょうや、んじゃいくぞー・・・王様だーれ・・・。」
「「「「だあああああああ!」」」」」
鬼のような顔で血眼になり、将軍と銀時をおしのけ、ルイズ、カトレア、エレオノール、サイトがくじにとびつく。
「あら、王様は私ですわね?」
「おい!しっかりしろ!将ちゃんんんん!!」
ぐったりとした将軍を揺さぶり、なんとか気が付いた将軍を銀時は彼の命を危ぶむ、それだけの衝撃をモロに食らった銀時も顔面血まみれだ。
「・・・じゃぁ、5番さんが・・・・・・全裸になれ。」
カトレアは冷徹にそう命令する。
数分の後、彼女達の目の前には全裸になったままソファに座る将軍の姿があった。
ここでもやっぱ将軍かよォォォォ!
銀時は心でそう叫ぶ。
「あら、凛々しい顔の殿方、あっちのほうは足軽なのですわね。」
「ぎゃあああああ!ホントに全裸になったぁぁぁ!」
「ぎゃはははは!侍の国の男は全員下半身も鞘に収まってるのぉ?あんたも見せなさいよ銀時ぃ~~~!」
カトレアは優しく将軍の下半身の感想を述べ、ルイズは汚物を見るように騒ぎ、エレオノールはついでに銀時の服を破こうとする。
「お前ら男のプライドに土足で踏みにじりすぎだろうがぁぁ!靴どころかザイルで踏み入ってんじゃねぇよ!」
サイトは女の生生しいコメントに突っ込むしかない。
「将軍家は代々、あっちのほうは足軽だ。」
全裸でも凛とした顔で将軍はそう言い放ったが鋭い眼には涙が溜まっている。
「やめろォォォ!なんでテメーは俺の服破くんだ!?」
「ぐへへえ!いいじゃない、・・・・あれ、なんかクサ・・・・うおえええええ!」
「どこに吐いてんだゲロ女ァァァァ!!」
銀時のズボンに手をかけ、謎の異臭にエレオノールは彼のズボンの中に吐しゃ物をまき散らせる。
「・・・はーい、んじゃもういっかいいくぞ。」
もはややる気のない銀時、女たちは虎視眈々と王様を狙う。
銀時は着替えを済ませ、はぁ、と溜息をつき、もうどうでもいいやとあきらめる。
「「「「王様だーれだぁぁぁぁ!!」」」」
サイトは眼を鋭く細め、女性陣が手の伸びる先に素早く手を伸ばし、くじに手を差し込んだ。サイトにはわかっていた、同じ木の棒でも若干曲がっている王様のくじの棒の形状、それを見極め、冷静にサイトはくじを一瞬で抜き取る。
まさか自分の剣の腕、相手の動きを見極める技がこんなとこで役に立つとは本人にも意外であった。
「わりぃな、ギーシュ。俺は願いを叶えるぜ。」
ふ、・・と笑みを浮かべ、サイトはカトレアの持つくじの棒を見る。
サイトは紅桜に右手を触れていた、今、彼は人間離れしたガンダールヴの動体視力を持つ、各々がくじを引く瞬間、各々の番号は彼にとって一瞬で目にし、把握するのもたやすい。
「相棒、俺はかなしいぜ。こんなことにつかわれてよう。」
「王様は俺だ、命令するぜ。」
カトレアは2番。それは分かっている。言うことは一つのみ。
「二番は俺を正面から抱きしめろ。」
「かっこよくねぇ、なにこいつ。」
ルイズは冷え冷えとした眼で自分の使い魔サイトを睨む。
「あら、私ですわね。」
カトレアは立ち上がり、サイトの正面まで歩き、にこにこと笑う。
サイトは内心、ドキドキしながらカトレアを見る、目の前には豊満な胸が揺れ、サイトは希望に満ちた顔でそれを眺める。
「ルイズから聞いてますわ、サイトさんの事は、・・・いえ、何も言いません、あの日からルイズがお世話になっているサイトさんの良き姉になろうと考えてました、どうかさみしいときは甘えて下さいな。」
「・・・姉さん。あんた・・・」
サイトは今までのエロい考えが吹き飛び、胸が熱くなった、カトレアは両手を広げ、さぁ、いらっしゃいなと一言彼に言う、サイトは心の奥に封じた孤独を埋めるように彼女の胸元に顔をよせる。
「家族を超えた母性愛、見事なり。」
将軍は涙ぐみ、銀時は隣のルイズをふと目にする。
ルイズは腕を組み、サイトがカトレアに甘える様子をまんじりともせず見ている。
「あれ?怒らねえのか?」
「・・・・今にわかるわよ。」
ルイズはそう銀時に言い放つとニヤリと笑う。
ああ、これがおっぱい、まな板じゃないおっぱい、このふわふわ感、まるで雲にいるよう・・ギーシュ、お前の無念は胸で晴らしたぞ、胸だけに。
あー心地いい、ルイズも大人になったらこうなるのか?いや、希望は少ないな、もう一個上の姉があれだし、・・・しかし長い事抱き着かせてくれるなぁ、ま、いっか、ルイズも怒ってねーし、・・ってかなんで怒らないんだろ?
・・・・あれ、なんか、苦しくね?
あれ・・・息ができない?
あ・・・胸に埋もれて息できねぇ。
ちょ・・やべ、もういいって、おネェさん、もう息できねぇし、いや、でもまだ楽しんだ方がいいかな?いいよね?
息ができね・・・し・・ヌ?
ルイズはタップしようかまよっているサイトの後ろ姿を見ながらビクビクと痙攣する彼の姿を憐れんだ。
「哀れね・・欲望に走った結果、呼吸もままならぬとは。」
ルイズはそう言い放つと自分の過去を思い出す、あれは幼少の頃、カトレアに甘えていた時に彼女の胸で窒息しかけた事を。それが今ルイズの目の前で再現されている。
ちーん。という効果音の中、サイトは床に気絶する。
その顔はどこか幸せそうだ、だが、ルイズはその顔をつま先で蹴とばす。
「さーて、んじゃぁもう一回、動体視力バカは死んだから欠席で、・・・せーの!。」
王様だーれ・・・
チュドオオオオオン!
突如ミサイルのように5人が囲むテーブルにミサイルのように落ちてきたナニカ。
土煙の中から、その人影はくじを持ち、佇む。
「だ・・誰?」
ルイズはよろよろと起き上がり、その人影に眼を凝らす。
「王様は私ですね、おはようございます、ご主人様。」
そこにはにこにこと笑いながらビスチェを着崩したシエスタが着地に巻き込まれ、気絶した将軍の上に佇み、銀時に眼を合わせる。
こいつの事忘れてたぁぁぁぁぁ!
銀時は心の中で叫ぶ、終った、淫行容疑で俺は捕まる、と放心した彼をルイズは冷ややかな目で銀時を睨む。
「なに?あんたシエスタになにしたの?」
「私の願いは銀さんと〇〇〇して子供三人の家庭を築き、りっぱな第一夫人になる事を命令しますわぁ!」
シエスタはそう言いながら銀時に飛びつき、首に腕を回し、銀時の乳首をいじる。
「シ、・・・シエスタ。」
ルイズは愕然とその光景を見る、が・・ひとりの女性が酒瓶を握り。
「番号で言えやクソガキガァァァ!」
シエスタの後頭部を酒瓶で殴り、エレオノールは吹っ飛んだシエスタの前に割れた酒瓶を投げる。
「エレオノール姉さま何やってんのォォォォォ!?」
ルイズはシエスタを心配しつつエレオノールの暴挙に驚く。エレオノールは悠然とシエスタに歩み寄り、鋭い眼で銀時を睨む。
「なに?あんたこういうのがタイプなの?・・ご主人様?へー・・・・そういう趣味あったんだぁ。」
「あらあら、エレオノール?・・・ああ、体だけ弄ばれて捨てられた二番目ですか。」
シエスタはゆらりと立ち上がり、エレオノールを睨む。
「え、ちょ、お前らなんで修羅場になってるの?まぁ後頭部瓶で殴られたらそうなるけど、ちょっと?っていうーか弄んでませんが?むしろ弄ばれたのこっちですが?」
「二番目?ナニそれ、淫乱メイドさん?こっちは大人として淫行に走る子供をしかりつけただけですが?」
「あら?愛があれば年の差なんて関係ないですわ、淫行?それも違います、愛があるので。それよりどいてくださる?今から私は銀さんと子供を作るんですから。」
「あー、そういうことね、でもね、こいつと一晩過ごした者として忠告しとくけどあんたみたいなおぼこに耐えられるかしら?こいつの野獣性に。」
「何誤解を招く事いってんの?それほとんどお前の事だろうが!!」
「関係ありませんわね、野獣だろうが先輩だろうが私は銀さんのシモの無数の元素の兄弟達を受け入れる覚悟はできていますわ、さ、どいてくださいな、まな板さん。」
「お前ら原作ファンバカにしてんだろ。つーかこんなとこで喧嘩して・・・。」
銀時が言い終わらないうちに銀時の顔面にはエレオノールとシエスタの両者の拳がめり込む、銀時はそのまま床に倒れ気絶。
「がはぁ・・・。」
シエスタは拳をベキベキとならし、エレオノールにガンを飛ばす。
エレオノールは懐から拳銃のような道具を出し、安全装置を解除する。
魔法アカデミーの研究開発の賜物、魔法銃、彼女の護身用で、特別性の魔法銃を彼女は弾丸の数を確認し、シエスタを睨む。
「「表でろ、土手で決着つけてやる。」」
・・・・・一発で終わらす。
・・・・アカデミー特製の魔法銃のサビにしてやらぁ。
のしのし、と二人してつぶやきながら外に向かうのを後目に、にこにことその光景を見ていたカトレアは・・・・
「まぁ、銀さんモテモテなのね。・・・・今日は楽しかったわ、またここでみんなで飲みましょうね?」
そう振り返りルイズに言うが当のルイズは・・・
「・・・もういいです。やりたくありません。」
客の少なくなった店内でルイズの言葉がやけに響く・・・
「銀時さん、・・・・銀時さん。」
「んあ?・・俺、どうしてたんだっけ?」
銀時は将軍に起こされ、頭を振る。将軍はほっとしたのか閉店間近の店内で銀時の前にブリーフ姿で立ち、さっきまでとは違う真剣な眼差しで彼を見る。
「・・・将軍?」
「ここに来たのは遊興にふけるためだけではない、銀時さんに頼みがあって脚を運んだ次第だ。」
「え?」
「銀時さん、私からの依頼を聞いてくれ。」
「・・・・。」
「私のダチ公を救ってほしい。」
「ダチ公??」
「ダチ公とそれを慕うもう一人のダチ公を救ってやってくれ。」
真剣な眼差しで将軍は銀時の前に正座する。
「アルビオンの皇太子、ウェールズとそれを慕うアンリエッタを助けてくれ。」
次回、アルビオン編へ。