最弱無敗の神装機竜~金色の救世主~   作:苗之助

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プロローグ3

「へぇ~、本宮さんって特級階層なんですね。」

「はい!そうなんですよ。・・・その、本宮さんって言うのやめてもらっていいですか?苗字ではあまり呼ばれ慣れてないので・・・。」

「あ、そうですか?じゃあ、椿さん・・・これで良いですか?」

「はい!」

古都国の中にある、地方の大きな屋敷。

日光が程よく当たる縁側を、椿さんと話しながら歩いていた。

正確には、運ばれているっていうのが正しいだろう。

今、ハルトは車椅子に乗り椿に押されながら、目的の場所に向かっていた。

(なんか、女性に運ばれるって情けないな・・・。)

そんな事を考えてると、ふと椿さんが質問をしてきた。

「そう言えばハルト君、見慣れない機攻殻剣を下げてましたけど、あれってなんて言う装甲機竜が出てくるんですか?」

「えっ・・・あれは・・・その・・」

(あれの存在を教える訳には・・・)

そう考えるとともに、無意識に機攻殻剣がある筈の左腰に手をやる。

と、そこで俺は重要な事に気づいた。

「・・・あり?」

腰に刺さっている筈の機攻殻剣が無い事に。

「・・・あのっ・・・椿さん・・・俺の機攻殻剣は?」

冷や汗をかきながら、引き攣った笑みで椿さんに聞く。

あれの存在を知られる訳にはいかないのだ。

あれが金色の機竜だってばれたら、面倒ごとに巻き込まれる確率大だ。

それだけは阻止しないといけないのに・・・。

そう思い、椿さんに聞いてみると

「えっ・・・ハルトくんの右腰に刺さってるけど・・・」

「・・・ヘァ!?」

そう言われて右腰に手をやると、確かに俺の愛剣が刺さっていた。

いつもとは逆側に刺さっていてから気づかなかった。

「「・・・・・・・・」」

二人の間に長い沈黙が訪れる。

(・・・ぬあぁぁぁ!?めっちゃ恥ずかしい!?)

顔が真っ赤になっていくのがわかった。

チラッと後ろを見ると、椿さんが顔をそらしていた。

よく見ると、肩が上下に震えている。笑いを堪えているのがわかった。

「はぁ・・・」

無意識に口から溜息をこぼす。

そうこうしている内に、目的の場所に着いた。

「あっ、着きましたね。」

襖の前で止まる。

中からは、揉めているのか口論が聞こえてくる。

(入りにくいな・・・)

しかし、結局は入らないといけないのだ。

俺は、椿さんに襖(教えてもらった)を開けてもらった。

「失礼します。」

部屋の中には、一人の女の子とその向かいに座る男、それを取り囲むように沢山の人が座っていた。

入った瞬間に、全員の視線がこっちに向く。

(うお!びっくりしたー。)

一斉に向いてきた視線。

その中には興味、警戒、疑問などの視線も混ざっていた。

取り合えず気持ちを落ち着ける。

「先日は助けていただき有難う御座います。私はハルト・デルクシオと申します。私の事で少し揉めていると聞いたので、参上した次第です。」

失礼の無いように細心の注意をはらいながら、挨拶をする。

顔に精一杯の笑顔を浮かべながら。

すると、男と向かい合って座っていた女の子がこっちに来た。

そして、

「・・・・・・・・・」ジー

俺の顔をジーと見つめ始めた。

橙色の大きな瞳。

その目からの視線からは、強い興味の視線を感じる。

「・・・えっと・・・・」

「・・・・・・・・・うん!」

ふと、女の子がそう呟いた。

「ねぇ!下僕にしても良いよね!お兄ちゃん!」

女の子が、向かいに座っていた男にそう言う。

うん、俺に決定権は無いのな。強制なんだな。

まぁ、断る気は無いから良いんだけど。

元々、死ぬ筈だった命だ。

恩は必ず返す。それが俺の流儀だからな。

下僕だろうが何だろうがやってやる。

すると、男は困ったような顔をして、頭を掻いた。

「いや、だから!得体のしれない人を家に置くわけにはいかないって言っただろ!?」

「いや!この人が良いの!この人飼うの?」

「えっと・・・あの・・・」

俺は、困惑の声を上げた。

辺りからは、「またか・・・」「何回目だよ」など声が聞こえてくる。

どうやら、さっきからこれの繰り返しらしい。

兄が、家に怪しい人間は置けないと言い、妹は絶対飼うの一点張り。

話はずっと平行線をたどったまま。

というよりこのお嬢さん、拾ったといい飼うといい俺のこと犬かなんかと勘違いしてません?

すると、頭を抱えていた兄がこっちに向き、困ったように言った

「すまない、こんな事に巻き込んでしまって・・・」

「あっ、いえ、大丈夫?です・・・えっと・・・」

どうやら、兄の方は礼儀正しい方のようだ。

茶色の短髪に黒い瞳、十人に聞けば十人がイケメンと答えるような顔立ち。

自然と人を惹きつけるような雰囲気をもった青年だった。

「おっと、自己紹介がまだだったね。俺は桐谷 悠介。んで、こっちが妹の姚華。」

「宜しくね!私の下僕さん!」

「は、はぁ・・・」

「・・・って!俺はまだ許可をした覚えは無いぞ!姚華!」

「えー!良いじゃん別に!」

「良い訳無いだろ!だいだい、いつもお前はそうやって・・・」

そうこう言ってる内にまた口論が始まった。

周りの家臣も呆れているようだ。

後ろの方に至っては、寝ている始末だ。

おいおい、この家大丈夫かよ。

(ったく、このままじゃラチがあかない)

そう思い、俺は二人の間に割り込む。

「ちょ、ちょっと一回ストップして下さい!」

そう言うと、二人がピタリと止まった。

俺は、二人に仲裁案を出した。

「姚華さんは俺を護衛にしたい!お兄さんは、実力も分からない輩に妹の護衛を任せたく無いんでしょう!?だったら、せめて俺の足の怪我が治るまで地下牢にでも放り込んで、治ったら試験でもやって実力を見れば良いでしょ!」

すると、二人は驚いたような顔をして

「「その手があったか!!」」

「阿保かてめぇらは!!」

こんな案もすぐに出せないのか!

俺は頭を抱える。

だが、仲裁案は出した。

これで話が進んでくれる筈・・・。

そう思ったのだが

「でも!私は今すぐ護衛にしたいの!!」

「・・・・・・・・・。」

飽きれて言葉も出ないっていうのはこういう事なんだな。

「じゃあどうすれば良いんだよ!」

俺の心を代弁するように、悠介が言った。

とんでもない我儘姫だな。一体どういう風に育てられて来たんだか。

すると、姚華が何か思いついた様な顔をした。

その顔を見た途端、俺の背中に寒気が走った。

うん、なんか嫌な予感しかしない。

その嫌な予感はすぐに的中した。

 

 

 

 

 

「じゃあ!八岐大蛇の毒を飲ませようよ!」

 

 

 

 

「・・・・・はぁぁぁぁぁぁ!!?」

え、何この子、何急に人に毒飲ませようなんて言ってんの?しかも笑顔で。

本当にどうやって育てられてきたんだよ。

「お、おいおい、流石にそれは酷くないか?てか、毒を飲ませんのは良いけど、それと実力を図るのって関係あるのか?」

「いや!毒を飲ませるのが良いって酷えなおい!」

「この毒を飲んで何とも無かったら、それだけ体を鍛えているっていう事でしょ?だったら私の盾・・・じゃなくて護衛にはぴったりでしょ?」

「おい、盾ってなんだよ盾って!」

「あぁ、成る程!」

「それで納得出来んのかあんたは!」

(この兄妹は本当に阿保なのか!?)

頼むから誰か、人に毒を飲ませる事に突っ込んでくれよ!

そう思っていると、椿さんが肩を叩いてきた。

「大丈夫ですよ、ハルトくん!一時的にとんでもない高熱や吐き気に襲われますが、熱がひいたら、たとえ腕が丸々一本無くなってても、新しく生えてくるぐらい回復しますから!貴方のその腕や折れた足を直せますよ!」

あ、毒を飲む事に関しては突っ込んでくれないのね。

そう思いつつも疑問をぶつける。

「その高熱で死ぬって事は・・・あったりするんですか?」

「・・・・・・・・・・・」サッ

椿さんは気まずそうに目を逸らした。

「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

何でそこで目を逸らした!

「ヤ、ヤダナーシヌワケナイジャナイデスカー(棒)」

「何で棒読みなんだよ!てかこっちを向いて言え!」

この反応から察するに、その毒には死ぬ可能性があるっぽい。

クッソ!何か、何か逃げ道は無いのか!

しかし、追い討ちをかける様に姚華がこう言った。

「まさか、命の恩人のいう事が聞けない!なんて言わないよね~。」

「ぬぐっ!・・・」

それを言われると逆らえない。

それがわかっていたのだろう。

俺の反応を、姚華は楽しそうに見ていた。

そして、自分の胸元を探り、八岐大蛇の毒であろうものが入ってる瓶を出した。

どっから出してんだよはしたない。

って、そんな事は今はどうでもいい。

問題は、俺の目の前に突き出されてるおぞましい液体だ。

突き出している本人は満面の笑みだ。

料理下手な彼女から物体Xを差し出されてる彼氏の気持ちが、今なら良くわかる。

震える手で、毒を貰う。

その瞬間、人の嘔吐物のような臭いが鼻をついた。

最早逃げ場など無かった。

周りからは「一気飲み!」という声が聞こえる。

お酒と一緒にすんなよ。

止めてくれる人は、誰一人としていない。

「す~、・・・は~、」

深呼吸を一つする。

もう、腹を括るしかない。飲むんだハルト。

頑張れ頑張れ出来る出来る気持ちの問題だって。

I can do it,We can do it,気合だ気合だ。(錯乱)

そうだ!別のものを考えるんだ。

ブドウジュースだ!これはブドウジュースだ!

ほーら、だんだんブドウジュースに見えてきた!(白目)

そうだ!今日からお前はブドウジュースになるんだ!ありがたく思え!(意味不明)

AHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA(自暴自棄)

よし!今ならいける!

「ハルト!いっきまーす!」

某親父にも殴られた事の無い少年の真似をしながら、ブドウジュース(毒)を口に含んだ。

 

 

 

 

その瞬間、意識が飛んだのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

「んっ・・・・んう・・・」

ん・・・ん?何だ・・・この声。

何処か色っぽい声を聞き、俺は意識を取り戻した。

しかし、まだ眠かった。

俺は自分の近くにある抱き枕を、自分の身に寄せた。

とても、良い匂いがした。

甘い匂い。

それに触り心地も良かった。

とても柔らかく、程よい弾力もあった。

(あぁ、ずっとこのままでいたい。)

そう思いなが、抱き枕を揉み、再び眠りにつこうとする。

すると、

「ふぁっ・・・んっ・あっ・・・!」

と、また声が聞こえてきた。

さっきよりも大きく、さらに色っぽい声だった。

(んん・・・うるさいな・・・。)

折角、気持ち良くねむろうと思ったのに。

なんなんだと思い、重い瞼を開けた。

そこには、

と、

だった。

「・・・・・・うわぁぁぁぁ!!?」

え?何で?何で姚華が裸で?

布団から転がり抜け、姚華に目を向けないようにして頭を働かせる。

しかし、その疑問に対する答えは出なかった。

「ん・・・んう?・・・どうしたの?ハル兄?」

「どうしたもこうしたも、何で姚華が裸で俺の布団に潜り込んでんだ!ってか、早く服を着ろ服を!」

取り合えず、姚華に服を着る様に言い、再び思考に落ちる。

落ち着け、狼狽えるんじゃぁない、ハルト・デルクシオは狼狽えない。

「水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ネオン・・・。」

「え~、まさか、幼女の私に興奮しちゃったの?」

姚華はそう言うと、俺の背中に抱きついてきた。

ーもちろん、何も衣服を纏わないで。

年齢の割によく成長した膨らみが背中に直接当たり、とても気持ち良かt

「ぬわぁぁぁぁぁぁ!!?」

お、おちけ、落ちケツ落ち着け!

冷静に対処するんだ。相手は幼女だ。

まず背中にある機攻殻剣の大根を抜いて詠唱符を唱えてジャガイモを出して神装の「煮崩防止」を使って

「大丈夫ですか!?悲鳴が聞こえました・・・が・・・」

そうこう考えると、俺の悲鳴を聞いた椿さんが戸を開けた。

俺の背中に抱きついている裸の姚華。

この光景を見た椿さんは、顔を紅くし

「し、失礼しました~。」

「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

ハルトは立ち上がり、椿さんを追おうとする。

すると、背中に抱きついていた姚華が、足まで使ってしがみついてきた。

そして、妙に甘えるような声で

「ねぇ、ハル兄・・・私、何か身体が暑くなってきちゃった。」

「ぶはぁ!!?」

何処でそんな言葉覚えてきたんだよ、この幼女は!?

そう思いつつ、しがみつく手を離そうとする。

と、そこへまた招かれざる客が入ってきた。

「ハルトテメェ!!何人の妹に手ェだしてくれとんじゃゴラァ!!」

鬼の様な形相をした悠介が、刀を持って入ってきた。

「誤解だ!これはこいつが!」

「え!?じゃあ、あの夜の事は嘘だったて言うの!」

誤解を解こうとするが、姚華が悪ノリしてくる。

本当にこの幼女は!

その言葉に、悠介の怒りのボルテージが上がる。

「このクソ野郎がぁぁぁ!!!」

そして、こんな状況でもまだからかってくる姚華。

「ねぇ、私を抱いて?」

 

 

 

 

 

 

「誤解だぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」

屋敷中に俺の叫びが虚しく響いた。

こうして、俺の古都国での暮らしが始まった。

家臣「ハルト殿、ストレスで死んだりしないよな?」

ハルトの受難はまだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




古都国での暮らしが始まる?次は原作だから飛ばします。
どうも、苗之助です。
如何でしたでしょうか。
今回はちょっと難しかったです。何故か。
次回からようやく、原作に入ります。
面白かったという方はお気に入り登録、感想、評価よろしくお願いします!
あと、この前評価を頂きました。有難う御座います!
それでは(・◇・)/~~~



母さんが 作ったチョコは 涙味 ~by 苗之助~
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