《黒板消し》 《CD》 《花粉症》
これからあの子に言う言葉は決して相手が喜ぶものではない、時計の針を見ると午前8時、ホームルームはまだ遠い、長く話したくはないけど。
僕はいかにあの子の事を優しく断れるか考えて止めた、でもそんな色付いた言葉をあの子は受け入れないだろう、素直な気持ちで話した方があの子の為になる。
そうして僕は教室の前に立った、入っていい?と聞いたら間延びした声でいいよー、と返ってきた、この期待に満ち溢れた声を僕は今から壊すのだ。
僕は意を決して扉を開けると――黒板消しが落ちてきた
ボクは結果の分かりきった勝負は嫌いだ、勝つ方も、負ける方も……それが今回負ける方なら尚更だ。
だってあの子の方が絶対優しいしボクは男勝りだし!!!女のボクからみても彼女は可愛いと思うもん!!!!皆に優しいし可愛い服も似合うし……胸だってあっちの方が大きいし、どうしてボクはこんなにすとーんってなってるんだろう……
何となく近くにあったCDを見ようとしてやめた、CDに映る私の顔はどのような顔をしているのだろうか、泣いてるのか、悲しんでるのかな、なんて考えていたらコンコン、と扉を叩く音がした。
入っていい?と聞かれたのでボクはどうぞー、とぶっきらぼうに返事をした。君はガラガラと無骨な音を立てて頭に黒板消しを乗せて教室に入ってきた――ボクがどうせ振られるならと扉の隙間に挟んだ物だ。
あわわわ、過去のボク何してんの!?、ごめんごめんごめんと言いながらボクは君の頭をぱたぱたと払った、君はあなたもか、と笑っていた、どういうことだろう。
それで答えは……とボクはもじもじとした風に聞いた、結果は分かってるけども。
彼は僕は、君が好きだと言った、知ってたよあっちの方が可愛いし……え?
ボクは慌ててにもう一回言って!と君に言った。すると君は照れた様子でこう言ったんだ、彼女じゃなくて僕は君が好きなんだって。
目から溢れる涙はきっと花粉症とかのせいじゃなくて君からのもらい物だと思うんだ。ボクはつい嬉しくなっちゃって君に抱きついてしまったんだ。胸が濡れるのも構わないで彼は抱き返してくれた。
なんで君が彼女じゃなくて私を選んでくれたのか分からないけど今はそんなことはどうでもいいんだ、君がボクを選んでくれた事だけが嬉しいんだ。
ありがとう――ボクを選んでくれて。そんな想いを乗せてボクは君を強く、強く抱きしめた。窓には桜がひらひら散っているのが見えた。春はまだまだ終わらないらしいり
ボクっ娘、いいですよねぇ。