問題児たちが異世界から来るそうですよ!!馬鹿みたいな強い奴が来て大変になる模様 作:黒木龍牙
不定期投稿です。
眠さマックスです。
お休みなさい。
時は2071年
世界は腐敗していた。
オラクル細胞の塊、アラガミによる人工物の破壊。
それにより、人口は9割、死んだ。
ロシアで原子爆弾による、アラガミの消滅実験計画から早5年。
主人公、アキラは……。
「はぁ、戻れねぇし、どうすっかなぁ。」
途方に暮れていた。
あの時は意識が朦朧としていたがために、神機を置き忘れるわ、腕輪どっかに落とすわ。
アキラは右腕が義手だったため、腕輪が付いているかいないかがイマイチわかってなかったらしい。
ある人物に連絡をとったが、どうやらMIA(戦闘中行方不明)と、判定されたらしい。
戻るに戻れない。
ふと、右ポケットに違和感がある事に気がついた。
取り出してみると、それは白の便箋だった。
『黒木龍牙様へ』と書いてある。
「………………、飛んだサプライズをありがとよ。黒うさぎ、金糸雀。」
皆さんおわかりと思うが、これは問題児達が出てくる作品です。
すると、極東支部あたりで、転移魔法が使われたらしい。
魔力変動を感じたからだ。
アキラはもう一つのポケットから電話を取り出し、かける。
数回コールが鳴り、出る。
『はい、もしもし?』
「よう、元気してたか?」
出たのは俺の妹、アマリリスだ。
若干不機嫌……かな?
『で、なんなの?あんた、いなくなってることになってるじゃない。』
「ちょいと脱出に失敗してな。あ、そうそう。俺、こっちからいなくなる。」
『……………、どういう事よ。』
「異世界からの招待状が届いてな。」
『…………、呼ばれてるから行くって事?』
「そういう事、ちゃんとお前への魔力供給は、続けるし、戻ってくるから。」
『そ、分かったわ。みんなには言う?』
その発想は忘れてた。
うーむ。
「転生者のみに頼む。リュウ、アキヒト、シュウ、ヨシユキ、この四人だ。」
『了解。で本題に入るんだけど……。』
「ギクッ」
『なんで私だけドイツなの?』
「い、いや、お前が名前的に外国が良いって言ってたろ?」
『だからってなんで一人なの!?なんなの!?ねぇ!?死ぬの!?殺されたいの!?』
「こ、こえぇよ。うるせぇよ。声デケェよ。怒んなよ。」
『怒らずにいられないわよ!ねぇ!?』
「分かった分かった。戻ってきたら、お前の大好きなチーズケーキ作ってやるから。」
『…………、約束よ。』
「じゃあな。また……。」
『ええ、また………。』
俺は電話を切る。
さて、と。
空を見上げる。
この世界は、また、人が支配するのだろうか……。
アラガミは何のために、この世界に現れたのだろうか……。
考えるが結論は出ない。
また、この世界に来たら、考えよう。
そう思い、封を切り、手紙を取り出す。
俺は転生する。
別の世界。
ここは、アキラの過去の世界。
そこでは主人公のひとりが、寝ようと、ベットに腰掛けた時だ。
上から手紙が落ちてきたのだ。
「なにこれ?」
夜中の2時になっても眠れなかったので、睡眠薬を服用したのだが……。
とりあえず、龍兄に聞いてみるか。
アキラは、過去で黒木龍牙、アキルア、御坂美音といった感じで、いろいろな名前がある。
「龍兄〜、起きてるー?」
「おきてるけどー?」
「おおー、で、聞くけど、これなに?」
「へぇ?如月晴瑠様へ。便箋か………。これ、どうしたんだ?」
「………、寝ようとしたら、降ってきた………。」
はい?と、目を丸くして、晴瑠の方を見る龍牙。
すると、龍牙は笑い始めた。
「な、何よ……。」
「そうか!俺のギフトを犠牲にしただけあったっつーわけか!」
「だから!なんの話よ!」
と、話してると、睡眠薬が聞いてきたのか、フラッと倒れかけるのを、龍兄が支えてくれる。
「とりあえず、これだけ読んで、寝る。」
「ああ、ま、なんとかなるだろ。」
「え?何が?」
「いんや、おやすみ。また、後で。」
「うん。おやすみ………?」
龍兄は何かを言っていたが、聞こえなかった。
また明日、聞いてみよう。
ふぁああ………、眠い……。
さて、読むか……。
ーーー悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたしーーー
私の意識は闇へ。
浮遊感?
眠気が強い。
では、おやすみなさい。
「なんだっ!?」
「きゃあああああっ!?」
「………、落ちてるね……。」
『お嬢はなんでそんな落ち着いてるんやあああっ!?』
「おお!私は返ってきたあああああああ!!」
「……………zzzzzz」
「「「『ねてる!?』」」」
「向こう側の俺がなんとかするって思ってたなおい!それが今の俺かよ!くそっ!」
上空3,000メーターからのダイブ。
真下が地面なら、多少四人プラス一匹を助けたのだが、川だ。
ここが箱庭なら、水蒸気の層で、落下速度は軽減されるはず。
取り敢えず、寝ている俺の妹(リリスでは無い)を抱きかかえる。
そして、4本の大きな水柱がその川に立った。
赤髪で長髪の女の子が川から這い上がり、開口一言。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり出された挙句、それに放り出すなんて!!」
それに同意するように、金髪にヘッドホン、それに学ランの風貌の少女が言う。
「右に同じだくそったれ。一歩間違えばゲームオーバーだ。コレなら石の中に呼び出された方がまだマシだ。」
その理論はおかしいだろう。
俺の考えは、一般人と変わらないはずだ。
「いえ、それだと動けないでしょう?」
「俺なら問題無い。」
「そう…、身勝手ね。」
俺はそんな会話を聞きつつ、腕の中で、川に落ちたにもかかわらず、熟睡し続けている少女に目を向ける。
蒼の髪、細い体、160程度の身長。
服は緑色のパーカーに、薄い色のジーンズ。
確実に別の世界で、ここに放り出した俺の妹だ。
「まず間違い無いと思うが……、お前らにもあの変な手紙が?」
「ええ、そうよ?だけどまず、その“お前”って呼び方、やめてくれる?私は久遠飛鳥よ。そちらの猫を抱いているあなたは?」
「春日部耀、以下同文。」
「そう、よろしく、春日部さん。じゃあ、女の子を抱えているあなたは?」
「俺は黒木龍牙。で、こいつは妹の晴瑠だ。」
「で、晴瑠ちゃんはなんで寝ているの?」
「放り出される前が夜だったんだろ。睡眠薬でも飲んだんじゃねぇか?」
そう、と、たいして興味を向けていないような反応をし、もう一人に目を向ける。
「で、いかにも野蛮で、凶暴そうなあなたは?」
気づいてないのか?
まあ、見た目では男だしな………。
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と、三拍子揃ったダメ人間なので、用法と容量を守った上で、適切な態度で接してくれよ?お嬢さん?」
出た、この反応。
クソ長い上にクソうぜえ。
女子になっても変わらんな、十六夜のひねくれ方は。
「そう、取扱説明書をくれたら、読んであげなくもないわ。」
「マジかよ!今度作っとくから覚悟しとけよ、お嬢様!」
ここらはアニメ通り。
やははと笑う十六夜、水に濡れた事を嫌そうに顔を少し歪める飛鳥、それに関心を持たない耀、その様子を見ながら、寝ている晴瑠を介護する俺。
そして、ここの話をする事にする。
「じゃあ、街に向かうか?」
その瞬間、ビクッとうさ耳が跳ねた。
「分かるのか?」
「まあ、なんとなくだがな。亀の甲羅みたいなのが多分街だろう。なぁ?そこの箱庭の貴族、黒ウサギさん?」
「は、はい!?な、なんで名前が分かったんでしょうか!?」
と、飛び出してきたのは、ミニスカガーターベルト、巨乳の女の子、青色の長髪で、ウサ耳が生えている女の子だ。
俺がいた時は、まだ子供だったんだけど、大きくなったなぁ。
「なあ、俺らは召喚されたのに待たされたんだよな?」
ゆらりと、十六夜が言う。
「まあ、そういうことになるな………。」
「なら、問答無用!」
「え!?ひゃあああああ!?」
十六夜が跳び蹴りで、あたりの地面と、木もろとも蹴り潰した。
地面にはクレーターができており、木も粉々だ。
黒ウサギは間一髪で逃げ、木の上をピョンピョンと飛び回り逃げる。
それを耀が追いかける。
かなり早いはずなのに……。
時速20キロは軽く行っている。
すると、横にいた飛鳥が、こう言った。
「鳥たちよ、“あの女の動きを止めなさい”!!!!」
すると、辺りにいた鳥たちが跳んでいた黒ウサギの周りを囲む。
「ちょっちょっ!わわわわわっっ!!!!!」
鳥に行き先を阻まれ、速度が落ちて、俺の腕の中に落下する黒ウサギ。
黒ウサギはキョトンとして固まっている。
「大丈夫か?」
「え、ええ、まあ。」
と、降ろす。
その安心しきった黒ウサギの後ろに、いたずらをしようとする影が……。
「てい。」
「ふぎゃああああ!お待ちください!黒ウサギの素敵耳を触るならともかく!最初っから引っこ抜きにかかるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心のなせる技。」
「自由にもほどがあります!」
耀が黒ウサギのウサ耳を引っ張った。
力加減なく。
なんとか抜け出した黒ウサギは、耀が引っ張った理由に突っ込むが、また、その後ろに二つの影が……。
「へえ、これって本物なのか?」「ひぎゃ!」
「私も掴むわ。」「ふぎゃ!」
「え!ちょ!そ、それ以上は!!りゅ、龍牙さん助けてください!」
「お前ら……。」
俺がそう言うと、少し安心する黒ウサギ。
だが、俺は助けない。
「力加減しろよ?」
「「もちろんしない。」」
「ちょ!やめ!ああああーーーーー!!!!」
森に黒ウサギの絶叫がこだました。
「はぁ……、はぁ………、ありえないのですよ。まさか話を聞いてもらうために、小一時間かかるなんて………。」
「良いから始めろ。」
「おいおい、十六夜ちゃん。容赦ないねぇ?」
「………、ばれてんのかよ、………、へぇ?言うなよ?」
「ま、俺以外気づいてないみたいだし、いいんじゃね?」
「なにの話でしょう?というより、話しますよ?定型詩でいきますよ?いいですね?」
「早くしろ。」
「ようこそ!“箱庭の世界”へ!“我々”はあなた方五人にギフトを与えられたものだけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと、召喚しました!」
「ギフトゲーム?」
飛鳥が問う。
他二人もわかっていないようだ。
まあ、俺がおぶっている晴瑠は外の世界で、小説を読んだため、知っている。
もうそろそろ起きるかな?
「んー……………………、…………?」
「おはよ、晴瑠。」
「龍兄………?ここどこ?」
起きたばかりで、記憶が曖昧なのだろう。
俺は晴瑠を降ろして、状況を説明する。
黒ウサギの説明?
あ、ダミーに反応させてるし大丈夫だろう。
説明を流せ?
どうせ、他の小説を読んだから、知ってるだろうし、書かないよ?(メタい)
「箱庭か………。この前の小説?」
「そ、で、今は黒ウサギの説明なうだ。」
「え、それ聞かないといけないんじゃ?」
「じゃ、小説の説明でも読んどけ。」
俺はスキマで、俺の部屋に繋げ、小説を掴み、抜き取る。
それを晴瑠に渡して、俺は黒ウサギに向き直る。
ダミーをしまって、黒ウサギ達の話に耳を傾ける。
「“主催者(ホスト)”って何?」
久遠飛鳥からの質問だ。
これ以前の説明を読みたい人は、原作を読むか、または他の同人小説を読んで、どうぞ。
「ギフトゲームを主催し、管理する人のことですね。」
「誰でもなれるの?」
「賞品が用意できるのなら。それこそ、暇を持て余した「神々の「「遊び。」」」織り交ぜないでください!暇を持て余した修羅神仏から、商店街のご主人まで!ゲームのレベルも、命がけの凶悪かつ難解なものから、福引き的なものまで、多種多様に揃っているのでございますよ!」
つまり、どんなものでもいい。
クロスワードや、ビンゴ、なども、ギフトゲームになり得るというものだ。
天下一武闘会的なもので、戦い、勝ち続ければ、勝つことができたりもするのだ。
「話を聞いただけでは分からないことも多いでしょう。なので、ここで簡単なゲームをしましょう。」
「なに?」
黒ウサギはどこからか、トランプを取り出し、トランプをシャッフルしながら言葉を続ける。
どうやら、トランプを使ったギフトゲームを行うらしい。
「この世界にはコミュニティというものが存在します。」
唐突に話が変わった。
いや、これも、ここ、箱庭において大切な説明だ。
「コミュニティ、共同体、社会集団。この世界の住人は必ずどこかのコミュニティに所属しなければいけません。………、いえ、所属しなければ、生きていくことさえ、困難とされています。」
そう、コミュニティとは、簡単に言うとお互いに信じあい、チームとして、存在し、貿易、協力、取引などをしたりして、生活しているのだ。
すると、俺たちと黒ウサギの間に、カードテーブルが現れる。
「皆さんは黒ウサギの所属しているコミュニティに入れて差し上げても構わないのですが、ギフトゲームに勝てないような人材では困るのです。」
お、けしかけにかかった。
すると、服の裾を引っ張る感覚が。
どうやら、晴瑠が、説明を読み終えたようだ。
後手に晴瑠から小説を返してもらい、部屋にスキマから戻す。
すると、また、黒ウサギは挑発にかかった。
「ええ、全く本当に困るのです。むしろ、お荷物、邪魔者、足手まといなのです!」
「へぇ?俺らを試そうってのか?」
いい笑顔で言う十六夜。
「待ちなさいよ、私たちは一言も」
「自信がないのなら…………、断ってもらっても構いませんよ?」
晴瑠もイラッと来たようなので、みんなで、黒ウサギの挑発に乗ることとする。
「随分と面白い挑発をしてくれるじゃねぇか。」
「お、お気に召したようで何よりです。」
「ゲームのルールは?」
すると、黒ウサギはトランプを、マジシャンのように並べる。
さすが、“審判”と、言ったところか。
「この54枚のトランプを使います。この中から絵札を選んでください!ただし!」
黒ウサギは人差し指を立てながら注意を促す。
「チャンスは一回、一人一枚まで!です!」
「方法はどんなのでもいいの?」
「ルールに抵触しなければ。ちなみに黒ウサギは“審判権限(ジャッジマスター)”という特権があるので、ルール違反は無理ですよ?ウサギの目と耳は箱庭の中枢と繋がっています。」
へぇ、と、感心しつつ、黒ウサギを観察する。
この前までは小さいウサギだったのに、ここまで言うようになったのか……、と感心してしまった。
全く、どこのおっさんだ。あ、おれか。
「チップはどうする?」
「今回、皆様は召喚されてすぐなので、チップは免除します。あえて言うのなら、あなた方のプライドをかけるといったところでしょうか?」
やべえ、少しイラついてきた。
おれはこのころの黒ウサギは嫌いだ。
仲間の勧誘に必死だからか知らないが、うざい。
「私たちが勝った場合は?」
「そうですね………、その場合は、神仏の眷属である私が何でも言うことを一つ聞いて差し上げます!」
「へぇ?何でも………ねぇ?」
十六夜が黒ウサギの体を舐めるように見る。
まさか………、十六夜……………。
レズだったのか!?
「で、でも!性的なことはだめですよ!?」
「………、分かってるよ。」
いまの間は何だ、十六夜。
そんな感じで、白けた目で十六夜を見る女性陣。
まあ、そんなことは置いといて。
「で、やんのか?」
「ええ、まあ。」
「やろう。」
「しますか。」
「では!ゲーム成立です!」
すると、カードテーブルの上に羊皮紙のようなものが現れる。
これは“契約書類(ギアスロール)”だ。
参加者、勝利条件敗北条件、その他のヒントなどを書いている。
まあ、すべて、黒ウサギの言ったことを並べてるだけだが。
あ、その間に、俺らは黒ウサギのカードを調べたが別に問題はなかった。
「それでは!ゲーム開幕です!!」
すると、何かをしようとした飛鳥だが、十六夜が最初に前に出る。
飛鳥に謝罪の視線をやって、黒ウサギに声をかける。
「さっきは素敵な挑発をありがとよ。」
「い、いえ、気に入ってくれたなら何よりでございます。」
すると、十六夜は手を少し高く振り被る。
そして、こう言った。
「これは俺からの、お礼だ!」
十六夜がバンッとテーブルを叩き、数枚のトランプが裏返る。
なっ!?と言葉を失っている黒ウサギ。
「私これ。」
「私はこれ……。」
「じゃあ、私はこれで。」
裏返っている数枚のうち、絵札は3枚。
その3枚を飛鳥、耀、晴瑠が、取っていく。
「うう、箱庭の中枢からの情報によると、飛鳥さん、耀さん、晴瑠さんはクリアです……。」
うさ耳をしょぼんと垂らして、落ち込みながら言う黒ウサギ。
ですが!と、耳をピンと伸ばして反撃する。
「十六夜さんは、カードを」
「これか?」
「んな!?」
十六夜はカードを黒ウサギに見せると、黒ウサギの顔は驚愕に染まる。
俺はそれを覗くと、クローバーのKだった。
「んじゃ、次は俺か。」
「そ、そうでした!まだ一人、龍牙さんがいたのでした!」
「…………、なんか微妙に傷つくなぁ…………。ま、いいか。じゃ、これで。」
「即決!?カードは………、ジョーカー!?」
そう、龍牙が引いたのはジョーカー。
単純計算27分の1である。
まあ、それは狙って当てたらの話だ。
「おおー、たまたま当たった!」
「………、たまたま………、なのですか!?」
「おう、ま、確率では、二分の一だよ。」
わけがわからないといった感じで、落ち込む黒ウサギに、寄る俺。
「じゃあ、俺からの希望。もし、この後、歓迎会みたいなものをするなら、俺が料理を作っていい?」
「そ、それは………。」
拒まれた。
まあ、そりゃあそうか。
「いや……、まあ、それは良いか。じゃ、十六夜、どうぞ。」
俺はその場をのいて、十六夜に譲る。
「指名をありがとう。じゃあ、黒ウサギ、俺らが勝ったわけだが……。」
「せ、性的なことはだめですよ!?」
まだそのネタ引きずるか……、と少し凹む十六夜。
「ま、それも魅力的なことだが……。俺から聞きたいことは一つだ。」
これを聞けば、ここに来たことを後悔しない。
これさえ、聞くことができれば、後ろは振り返らない。
「この世界は、面白いか?」
この質問に、目を大きく見開く黒ウサギ。
そして、だんだんと笑顔になりながら言う。
「YES!!!!“ギフトゲーム”とは、人を超えた者のみが参加できる“神魔の遊戯”。外界にある物よりも確実に面白いことを、この黒ウサギは保証いたします!」
まんべんの笑みで、黒ウサギが答えた。
黒ウサギが気分ルンルンで前方を歩いている。
すると、十六夜が飛鳥に声をかけた。
「なあ、お嬢様。」
「なに?十六夜くん?」
「ちょっと、世界の果てまで行ってくる。」
「分かったわ、いってらっしゃい。あ、黒ウサギには?」
「言わないお約束だ。」
「そう、いってらっしゃい。」
さっぱりしてるねぇ……。
どうやら、世界の果てに行ったらしい。
「なあ、晴瑠。」
「なに?お兄ちゃん。」
「心配だから行ってくる。」
「うーん……。そんな心配するほどかなぁ?」
まあ、そうだな。
一発のキックでクレーターができるくらいだもんな。
「まあ、戻ってくるのが少ししんどいかもだから、エスコートしてくる。」
「はいはい、お人好しなんだから……。飛鳥さん!お話ししたいです!」
「あら、いいわよ?」
晴瑠は、お姉さん属性発生中の飛鳥についていった。
俺は、体内時間をいじくる。
そして、体内時間を1000倍にして、十六夜を追う。
少し走っただけで、体がGに襲われる。
まあ、そうだよなぁ。
というわけで、ポケットからキーホルダーを出す。
それは緋色のカブトムシだ。
それをヘソのあたりに当てると、ベルトになり、体の表面に装甲が展開される。
俺の能力の一つ、RIDER SYSTEMだ。
仮面ライダーになることができる。
そして、これは仮面ライダーカブト、かつて、水嶋ヒロが演じた、平成仮面ライダーの第七作。
超高速の世界で戦う最速のライダー。
それに成り、走る。
少し走ったところで、十六夜を見つけた。
俺は速度を落として、普通に戻し、装甲を解除して、十六夜と並走する。
「なんだ?ついてきたのか?」
「道は分かったから、箱庭までエスコートしようと思ってな」
言っておこう。
十六夜と、俺はほぼ音速の中走っている。
十六夜は苦笑しつつ、少し速度を上げたが、俺は気にすることなく、それについていく。
「これについてくるとか!お前!人間じゃねぇな!?」
「おめえさんもこの速度が出てる時点で、人間じゃねぇだろうよ!」
「やはははは!!違いねぇ!」
二人で笑っていると、どうやら、世界の果てに着いたようだ。
ここの端っこは下が見えないくらいに水しぶきが舞っている。
「おお、これはスゲェな。」
「だな。にしても、お前、胸抑えつけてんのか?」
「あ?それがどうしたよ。まさか、脱げってか?」
「い、いや、そういうわけじゃねぇよ!」
「何焦ってんだよ!その気があったってか!」
俺をからかってくる十六夜が少し可愛い。
何こいつ……、女になったらこんなに可愛いのか………。
「サラシとかコルセットだったら、まだ生乾きなんじゃねぇかと思ってな……。」
「ああ、心配すんな。つけてねぇから。」
「……………、まな板なんですねわかります。」
「おい、女としてそれは許しちゃおけねえぞ!」
「ヴァ!?あっぶねえじゃねぇか!!」
いきなり、十六夜は殴りかかってきた。
俺は簡単に避けるが、俺は十六夜より端っこにいたのだ。
「あ、」
「ちょっ!?」
まあ、簡単に言うと、十六夜が落ちそうになった。
俺は落ちそうになる十六夜の左手首を掴む。
「大丈夫か?」
「………、恥ずかしいから見るな。」
どうやら、すねてしまったようだ。
世界の果ての近く、トリトニスの湖に戻ってきたら、湖のそばで体育座りして落ち込んでいる。
まあ、そりゃあそうだろう。
怒って殴りかかり、そのせいで落ちかけたのを殴りかかった奴に助けられたのだから。
『おや、ここに人間が来るのは珍しいな。』
すると、湖から、龍が現れた。
蒼い鱗に包まれた蛇のような巨大な生物。
「おお!幻獣じゃねぇか!」
と、テンションが上がっている十六夜。
龍だ。
おお、子供みたいに目をキラキラと輝かして、龍を見ている。
どうやら、さっきのことはなしになりそうだ。
すると、俺らを見て、龍は言う。
『ここに来たということは、私にゲームを仕掛けに来たのか?まあいい。貴様らが望むは、試練か?それとも決闘か?』
十六夜は、さっきの関係を忘れるまでに、興奮していた。
何せ、現実にはいない幻獣と言われる生き物を、目の前にしているのだから。
「へぇ、俺らを試そうっていうのか?」
「じゃあ」
「「俺らを試せるか試させろよ!!」」
俺と十六夜は同時に言うと、同時に腹に一発づつ、十六夜は蹴り、俺は正拳突きを放った。
すると、龍はあっけなく、体をくの字に折り曲げ、湖に落ちてしまった。
その衝撃で、湖の水が跳ね上がり、雨のように降ってくる。
俺は傘を出し、十六夜を入れる。
「拍子抜けにもほどがあるぜ………。ってか、傘持ってたのか?」
「おいおい、俺はずっと持ってたぞ。和傘、好きなんだよ。」
まあ、書いていなかったから、皆さんは知らなくて当然だが、十六夜もしょうがないといえよう。
ズボンと同じ色をしており、走る際も、十六夜は、前を向いて走っていたのだから。
「ここにいたのですか!お二方!」
すると、後ろに黒ウサギがいた。
小説1巻の表紙と同じく髪が緋くなっている。
「ん?黒ウサギか?どうしたんだ?その髪は?」
「どうしたもこうしたもありません!幻獣、神獣に挑戦を受けさせられないうちに早く帰りましょう!」
「なあ、黒ウサギ。」
「なんです?龍牙さん?」
「受けたんだけど……。」
「はい?」
「だから、受けたんだよ。挑戦を。」
「はい!?」
『まだ終わっとらんぞ!小僧ども!!!』
「わわわ!?どうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」
『これでどうだああ!!!』
龍は荒れ狂い、起き上がった。
怒っているのか、目が緋く光っている。
龍は一つの竜巻を放ってきた。
「お二人とも!下がって!!」
「下がるのはお前だ!黒ウサギ!!」
「そうだぜ!黒ウサギ!黙って見てな!!」
俺と十六夜は竜巻を殴りつける。
「「ハッ!しゃらくせぇっ!!」
『なに!?』
「うそぉっ!?」
俺が竜巻を殴りつけた瞬間に凍りつき、十六夜によって破壊された。
そして、俺と十六夜は飛んで、龍の顔辺りまで跳ぶ。
「ハッ!なかなか面白かったぜ!」
「ふん。また、ゲームをしよう。」
俺と十六夜は龍に、かかと落としを食らわせ、龍を気絶させた。
着地し、和傘で、雨のように降りそそぐ、湖の水を防ぐ。
もちろん、十六夜も濡れないように。
「やはは、傘サンキュな。」
「変態紳士(ジェントルマン)は変態紳士(ジェントルマン)らしくしないとな?」
(この人たちが!この人たちがいれば!)
俺と十六夜は、笑い合う。
黒ウサギは今の戦いを見て、希望を持った。
今まで実現は困難だろうと、思っていた希望を。
読んでいただきありがとうございました。