Abissale solitudine~海の底に消えた鍵~ 作:紅 奈々
それと、この小説の夢主、リオン・ヴァルフォアのオチを決めたいと思うのですが、雲雀かマーモンで悩んでいまして。
そこで、アンケートを採る事にしました。
詳しくは、「募集アンケ追加です、紅奈々です。(「海の底に消えた鍵」未読の人はネタバレ注意)」を参照に。
皆様のご協力、よろしくお願い致します。
それと、他のアンケにも投票して下されば嬉しいです。
アンケへの投票、お待ちしております。
「・・・・・・で、幾つか質問がある。
答えて貰おうか」
街の郊外への閑散とした道を歩きながら、璃王はマーモンに話を掛けた。
マーモンは、この子はこんな言い方しかできないのだろうか・・・・・・と、外見とのギャップがちょっと、残念だと思いながら、頷く。
「まず、お前の素性を教えろ。
さっきは何となく付いていく様な雰囲気になっていて訊きそびれたが、素性のはっきりしない人間に付いていく気は無い。」
「・・・・・・それもそうだね」
璃王の問いの後にマーモンは少し沈黙して、声を絞り出した。
そのフードの下の目を少し伏せる。
そして、次の瞬間には、淡々と話し始めた。
「僕はマーモン。
ボンゴレファミリー独立暗殺部隊ヴァリアーの霧の守護者さ」
「暗殺部隊ヴァリアー?
そんなお前が、オレに何の用だ?」
マーモンの回答に訝しむ様に璃王は問いを重ねる。
思い当たる事があるとすれば、随分前くらいに依頼の帰りに闇討ちに遭ったので返り討ちにした黒服の男が居たっけな・・・・・・そいつと似た服装をしているマーモンを見て、璃王は、あぁ、もしかして・・・・・・と、嫌な方向の考えに及ぶ。
これは、黙っていた方が良いな・・・・・・。
まさか、ヴァリアーの隊員が闇討ちなんてするとは思わないだろう・・・・・・。
そんな事を考えていたら、マーモンが口を開く。
「マオ・ルーンからの依頼さ。
君を保護してくれ、ってね。
どうやら、君の状態については彼も想像できてたらしいね?
君の事については、リボーンから話も通ってるし、ボスも了承済み」
マーモンの話によると、どうやら、ヴァリアーの闇討ちは関係がない様で、璃王はほっと胸を撫で下ろす。
そして、次に璃王は、さっきからずっと気になっていた事を訊く。
「さっき、沢田に向かって言った言葉だが・・・・・・」
「あぁ、あれ?
あれは、本気だよ。
ボスも沢田に対して本気で怒ってるし、皆・・・・・・」
「いや、そっちじゃない。」
璃王が質問しようと口を開けば、マーモンは璃王が質問を言い終わらない内から答えようとした。
だがそれは、途中で璃王に遮られる。
璃王が訊きたいのは、「何故、マーモンがそこまで沢田に怒っていたのか」だ。
特に面識があったわけでもないのに、マーモンのさっきの言葉じゃまるで、仲間を傷付けられたかの様な言い方ではないか。
璃王はその事を指摘しようとして躊躇する。
少し間を置いた後で、璃王は言葉を紡いだ。
「自惚れかも知れないが、あんな言葉じゃまるで、お前らがオレを仲間かなんかだと思っている様に聞こえたんだが?
オレ個人はヴァリアーとは面識ねぇし・・・・・・寧ろ、ヴァリアーとは昔・・・・・・」
後者の話で語尾になるにつれ、璃王は目を伏せる。
その後の言葉は、マーモンによって物理的に遮られた。
そう、璃王が継ぐドーディチファミリーと、ボンゴレの独立暗殺部隊ヴァリアーは、同盟ファミリーでありながらその方向性を違え、ドーディチの二代目から五代目とヴァリアーの三代目から五代目まで、つまり、ドーディチは三世代、ヴァリアーは二世代に渡って抗争と対話を繰り返した。
和解をしたのは以外にも最近の事で、ドーディチの八代目とヴァリアーの八代目まで交渉と譲歩が続いて、決着していた。
そんな過去を知っている璃王だからこそ、仲間意識を持たれる事は有り得ない、と思っていたのだ。
璃王の言葉を遮る為に璃王の唇に当てた人差し指を引いて、マーモンは返す。
「一体、何世代前の話をしているんだい?
老い耄れ世代にあった啀み合いなんて、今の世代の僕等には関係のない事だよ。
それに・・・・・・」
淡々と言うマーモンだが、途中で言葉を止める。
それは、次の言葉を躊躇っている様にも見えた。
そして、マーモンは璃王の頭をポン、と叩く様に撫でる。
「先代のボスの子息が頼み込んできたんだ。
断る筈がないだろ?
先代には皆が可愛がって貰ってたからね」
「・・・・・・なるほど・・・・・・?」
マーモンの話に何だか釈然としないながらも、璃王は一応、それで納得する事にした。
先程の言葉の続きを言わなかったのは何か事情があるのだろう、と璃王は思う事にする。
掘り起こす気もないし、興味もないからだ。
「ところで・・・・・・」と、マーモンは話題を変える様に璃王に目を向けて言う。
「体は大丈夫かい?」
街の郊外の森に入って少しした所でマーモンは璃王を振り返る。
璃王はやはり、顔色も悪いし、フラフラと足取りも覚束なく歩いている。
先程からそんな璃王に気を使う様に歩調は合わせて歩いていたマーモンだが、一応は心配になってくる。
「大丈夫だ、何ともない。オレに構うな」
「強情なのは、どっちに似たんだか・・・・・・」
「何か言ったか?」
璃王の言葉にマーモンは、ボソッと呟く。
先代のヴァリアーのボスと、現在
その為、先代のドーディチファミリーのボス夫妻の事は、マーモンも知っていたのだ。
マーモンの呟きは璃王には良く聞こえていなかったみたいで、マーモンが「なんでもないよ」と言うと、璃王は首を傾げながら「そうか」と頷いた。
「でも、ちまちま歩いてると、アジトに着くまでに夜が明けてしまいそうだから・・・・・・」
言うとマーモンは、璃王をふわっ、と抱き上げた。
一瞬、何をされたのか解らなかった璃王は状況を把握すると、その腕の中から逃れようと、マーモンの体をない力で押す。
意外にもしっかりしている体に、璃王はマーモンが男である事を知って、尚更に抵抗する。
「はっ、離せ!
手なんか借りなくたって、一人で歩ける!
見くびるな!」
抵抗する璃王を物ともせずにマーモンは、しっかりと璃王の体をホールドする。
小柄のクセに何処に力あるんだよ、こいつ!?と思っている璃王は、自分の力が上手く入っていない事に気が付いていない様だ。
とは言っても、幾ら男だと偽ろうが、所詮は璃王も女。
男の力になんか敵う筈が無かった。
璃王は抵抗するのも疲れてしまい、最終的には「あー、もう、好きにしろ」と、抵抗をやめた。
抵抗がなくなった分、先程よりも身軽にマーモンは樹と樹の間を駆けて、アジトへ向かっていった。
雲雀とマーモン、どっちが好き?
-
雲雀
-
マーモン