Abissale solitudine~海の底に消えた鍵~   作:紅 奈々

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久々の更新です。
長々とお待たせしてしまってすみません・・・・・・orz
この頃、色々と立て込んでいまして。
でも、最終話まで頑張って行きたいと思います!
目指せ、最終回三作品目(ネット上にうpしている作品で)!!

はい、そんなワケで、ヴァリアー到着です。


第十楽章 VARIA―独立暗殺部隊ヴァリアー―
標的1


それから、璃王はマーモンに連れられ、ヴァリアーのアジトに到着したのは、日が沈みきった後だった。

マーモンに抱えられたままアジト内に入った璃王は、ずっと無言のまま、俯いている。

それ程までに嫌だったのだろうか、と思ったマーモンは少し悪い事をしたかな、と思った。

そのまま歩いていると、階段を上がって一番奥の部屋へ着いて、そこの扉がを開ける、マーモン。

そして、少し広めのその部屋には、デスクに座っている紅い三白眼が印象の黒髪の男が居た。

マーモンは、「連れてきたよ、ボス」と、彼に声を掛ける。

声を掛けられた、ボスと呼ばれた男は、その三白眼をマーモンと璃王に向けた。

底冷えする様な鋭い眼光に、璃王は背筋が凍るのを感じる。

十代目のヴァリアーのボス――――XANXUS。

璃王は、初めて対面する彼に本能的な恐怖を抱いた。

 

 

「お前が、リオン・ヴァルフォアか」

 

 

低く、威圧感のある声が、璃王に問う。

璃王がマーモンに「降ろしてくれ」と小声で言うと、マーモンは頷いて璃王を降ろした。

XANXUSの紅い目を見て、璃王は「そうだ」と、しっかり頷く。

 

 

「眼帯を取れ」

 

 

XANXUSの言葉に璃王の藍色の目が翳った。

右目は嫌いな色。血の様に真っ赤で、それは「バケモノ」の証として忌み嫌われていた。

初対面の殆どは璃王の目を見ると気味悪がる。

バケモノを見る様な目で自分を見るのだ。

それが嫌で、璃王は右目を隠し通してきた。

それを今、此処で晒せと言うのか……。

璃王は眼帯を外す事を躊躇う。

 

 

「・・・・・・、っ・・・・・・」

 

 

眼帯に伸ばそうとする手が震え、額には嫌な汗が滲む。

璃王にとって眼帯を外すという行為は、対人恐怖症の引き籠もりが外に出て対話をするくらいの苦痛を伴う。

心臓が脈打って、動悸を伴った。

拒絶された恐怖がフラッシュバックして、頭がどうにかなりそうだ。

それは、璃王の激しいトラウマだった。

さっき、マーモンに同じ事を言われた時は回避できる環境があった為、落ち着いて対処ができたが、執務室の様な狭くて逃げ場のない環境では、何も対処のしようもない。

喉の奥と目頭に嫌な熱を感じた。

 

 

「・・・・・・ボス。

右目の事はあまり・・・・・・。

右目の事でトラウマになっている事があるみたいなんだ。

・・・・・・ボスも知ってるでしょ?

()()()()の事・・・・・・。」

 

 

いつまで経っても眼帯を外そうとしない璃王に、マーモンは何か事情があるのだろうと察して、眼帯へ伸ばしていた璃王の右手を途中で止める様に左手でそっと包んで降ろさせると、躊躇いがちにマーモンは璃王のフォローをする。

璃王は、自分を庇ってくれたマーモンの顔を見る。

すると、視線に気付いたマーモンが、「大丈夫だよ」と、璃王の頭を撫でた。

 

 

「あぁ、そうだったな・・・・・・。

良いだろう。右目の事については勘弁してやる。

リオンだと言う事は、お前が確認したんだろ?」

 

 

後者の言葉は、マーモンに投げられたモノで、マーモンは「確認済みだよ」と、頷く。

 

 

「なら、良い。

会議室に先に行ってろ。

カス幹部共を集める」

 

 

XANXUSの言葉に「うん、解ったよ」と、マーモンは頷くと、璃王の手を引いて執務室を出て行った。

 

 

 

執務室を出た後、会議室に入った所で、館内放送が流れる。

それは、会議室に集合、と言う内容だった。

それを聞いた後に、璃王はマーモンに「おい」と声を掛ける。

 

 

「手・・・・・・」

 

 

璃王に言われてマーモンは、自分が璃王の手を掴んでいた事を思い出して、「あぁ、ごめん」と乾いた調子で言って、璃王の手を離した。

璃王の手には、マーモンが手を握っていた時の感覚と温もりがまだ、少し残っている。それは、嫌な感覚と温もりじゃない。

璃王はさっき、マーモンが手を握ってきた事に不思議と不快感は感じず、寧ろ、懐かしさを感じた。

それを振り払う、璃王。

自分は、彼とは初対面の筈じゃないか。

懐かしい事なんて、何一つない筈だ。

 

 

「それと・・・・・・さっきは、どうも」

 

 

璃王の感謝の言葉にマーモンは頷いた。

それから、適当な椅子に座ると、マーモンは近くの本棚から適当な本を一冊手に取って、読み始めた。

 

 

「俺がいっちばーん・・・・・・って、あり?

マーモンと・・・・・・あ、リオンだー!ホントーに来てる!」

 

 

名前を呼ばれた事に反応して璃王が会議室の入り口に目を向ければ、前髪で目を隠したクラゲみたいな金髪の男性がこちらに向かって歩いてきていた。

彼もどうやら、自分の事を知っている様だ、と、璃王は思う。

 

 

「お前は・・・・・・切り裂き王子(プリンス・ザ・リッパー)?」

 

 

「そ。

切り裂き王子・・・・・・って、あり?

忘れたの?俺だよ、俺!」

 

 

璃王の言葉に肯定するも、切り裂き王子、と璃王に呼ばれて男性は首を傾げ、璃王の顔を覗き込んだ。

璃王はその顔に困惑な表情を浮かべる。

 

 

「オレの知り合いにオレオレ詐欺師やサイコパスなんか居ないんだが・・・・・・彼奴以外」

 

 

本気に取れる璃王の反応に落胆する男性に、マーモンは「ベル」と呼びかけると、首を横に振った。

それを見たベル、と呼ばれた人物は何かを察したのだろう。コクリ、と頷いた。

 

 

「あぁ~、ごめん、ごめん。

昔、会った事あった様な気がしてたけど、あれはセラだったな!

しししっ、ホント―にセラに似てるな。

俺はベルフェゴール。ベルで良いぜ、よろしくな!」

 

 

少し不自然な言い換えだが、璃王はそれ以上は追求せずに、「よろしく・・・・・・」と、ベルが差し出した手に手を伸ばす。

そこでハッとして璃王は、その手を引いた。

何をやっているんだ、オレは?

人間は(すべから)く拒絶するのが自分のスタンスじゃないか。

それなのに、「よろしく」まで言って、握手しようとした?

自分の行動に「有り得ない!」と叫びたくなった、璃王。

すると、後から後から人がぞろぞろと入ってきた。

 

 

「あらぁ~、貴女がリオンちゃんねぇ~!可愛いじゃないのぉ~!」

 

 

「よ・・・・・・妖艶だ・・・・・・」

 

 

「レヴィ、キモい。リオンの半径50メートルに近付くな」

 

 

緑の前髪を一部に集めている髪型のオネェ口調の男性がハイテンションで璃王に駆け寄っていくと、後から、タコスを擬人化した様な・・・・・・ゲフンゲフン、如何(いか)にも女子供であろうが容赦しません。とでも言う様な凶悪面の黒髪の男性が近付いてきて何か呟いた。

すると、レヴィ、と呼ばれた彼はマーモンに銃口を向けられ、睨まれる。

マーモンの言葉にザクッと何かがレヴィの心に刺さり、部屋の隅に項垂れる。

それを見た璃王は呟いた。

 

 

「タコスを擬人化した様な顔の三十路くらいの凄く弱そうな・・・・・・誰だっけ、何か、見た事がある気がする・・・・・・」

 

 

記憶が出かかっているんだがなー、と、璃王は言いながら、無理矢理記憶を掘り返そうとする。

その様子に、マーモンは「リオン?」と、不思議そうに声を掛けた。

いつだったか・・・・・・。たしか、つい最近だった気がする・・・・・・と、璃王は頭を捻る。

そして、「あぁ」と、思い出した様な声を出した。

 

 

「思い出したぞ・・・・・・お前、随分前に闇討ち失敗して、オレに返り討ちにされたザコ隊員じゃねぇか・・・・・・。

何故、此処に居るんだ?呼ばれたのは幹部だけだろうが?」

 

 

璃王の言葉に、その場の空気が凍り付いた。




ちなみにこの作品、例に漏れず原作から大きく脱線しています。
リング争奪戦はとっくの昔に終わっているし。
ゆりかごの時期も若干ずれてるし。
何か、リング争奪戦はあまり話が浮かばないんですよね。
というか、原作に沿って、が苦手です。
どうせ書くなら、原作とは違った話を書きたい。
そんな紅です。

雲雀とマーモン、どっちが好き?

  • 雲雀
  • マーモン
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