Abissale solitudine~海の底に消えた鍵~ 作:紅 奈々
「じゃあ、自己紹介でもしようか。
ヴァリアーも人が居なくなったり入ってきたりと、新顔も居るからね。
さっき名乗ったけど、僕はマーモン。
ヴァリアーの霧の守護者さ。」
「俺もさっき名前言っちゃったけど、ベルフェゴールな。嵐の守護者♪」
「あたしはヴァリアーの母、ルッスーリアよ!
晴の守護者をしてるの~!」
マーモンが何故かその場を仕切って、自己紹介をする。
それに続いて、ベルとルッスーリアも改めて自己紹介をした。
「俺はレヴィ・・・・・・」
「こいつは変態ムッツリスケベの守護者、レヴィ・アン・ポンタンな♪」
「貴様、誰が変態ムッツリ・・・・・・」
「ボクはグレイ・ファブレット!月の守護者だよ~!
それにしても、良かった―!ここ、女の子居なくてムサいから、ちょっと反逆計画立ててたんだよね~!」
「貴様ぁぁぁぁ」
「
群れるのは嫌いだから、用がある時以外は話し掛けないで」
自己紹介をベルに遮られ、その後の言葉もグレイ・ファブレットと名乗った襟足が腰の辺りまで長い銀のショートヘアーに左目がグレーで右目を眼帯で隠している隻眼の中性的な少年(?)に遮られ、更に何か言いかけたかと思えば今度は、薄紫のショートカットに碧眼のハーフっぽい少女に遮られる。
その酷い扱いを受けたレヴィは沈黙して、のの字を書きながら部屋の隅でキノコ生産機と化した。
ちなみに、塚下ラクスは女だが、男装を主にしている為、グレイの中では男子カウントである。
「で、今は任務でこの場に居ない雨の守護者の
マーモンは此処に居ないメンバーの紹介も軽くする。
XANXUSの事を話した後で、会議室の扉が開いて、「う゛ぉぉぉぉぉおい!」と、大きな声が狭くもなく広いわけでもない部屋に響いた。
「ボスはここかぁ!?」
「五月蠅い、鼓膜が破れるだろう・・・・・・って・・・・・・!!」
突然の大声に驚いて出入り口に目をやれば、白銀の長い髪の男性に、その隣には、ダークブルーの長髪の少女が居た。
彼の声が五月蠅すぎて少女が彼に冷静に注意していたが、途中でそれをやめ、言葉を詰まらせた。
そのリオンとよく似た藍色の左目と、リオンとは異なる鳶色の右目が驚きに僅かだが見開かれている。
璃王も少女と同じ表情をした。
そして、そのお互いの唇からは、同時にお互いの名前が零れ落ちた。
「リオン・・・・・・ヴァルフォア・・・・・・?」
「ラル・・・・・・ヴァルフォア・・・・・・」
驚きの表情から一転、ラル・ヴァルフォアと呼ばれた少女はその色の違う双眸に涙を溜め、璃王の元へ走り寄った。
その勢いのまま、ラルは璃王に抱き着く。
「良かった・・・・・・っ!
あれから、ずっと、ずっと何の情報もなくて、誰も何もリオンの事は言わないから・・・・・・っ!
大丈夫か、リオン?何処か痛い所は?あぁ、こんなに傷だらけで・・・・・・可愛い顔が台無しだ」
リオンの顔に手を当て、何処か異常がないかを確認する、ラル。
相当心配していた様で、ラルは「良かった・・・・・・」と、璃王から離れると、浮かんでいた涙を拭う。
彼女――――ラル・ヴァルフォアは、璃王やセラの親族に当たる家系の娘で、璃王に対して辛く当たっていた他の親族とは違い、璃王をよく可愛がっていた。
璃王も自分を可愛がってくれていたラルに対してはとても良く懐いていて、ヴァルフォアの親族の中では唯一、姉妹の様に仲が良かったのだ。
ラルの話では、自分が消息不明になっているみたいじゃないか、と、璃王はラルを驚きの目で見る。
ラルは璃王の言いたい事が解った為、頷いた。
「リオンは、ヴァルフォアでは消息不明になっている。
リオンの生存を知っているのは恐らく、お前と
「そうか。
まぁ、何か知らないが、此処に居るそこのタコス以外はオレの事知ってるみたいだが・・・・・・一応、自己紹介はしておいた方が良いか、XANXUS?」
ラルの話に頷いた璃王は、二人の会話に置いて行かれた一部の人間の顔を見て、XANXUSに目を向けて問う。
すると、XANXUSは頷いた。
「そうだな。それでまた、どっかのタコスに闇討ちされても困るからな」
どっかのタコス―――床にのの字を書いてキノコを生産しているレヴィ・アンポンタン、
XANXUSにまでタコス呼ばわりを食らったレヴィは、キノコすら栽培できない程に落ちてしまった。
「ちゃんと覚えろよ、タコス。
オレは、ドーディチファミリーの次期ボスであり、世間では「
付け加えるなら、次期ルーン家当主であり、国王であるミオン・ルーンの
オレを一筋縄で殺れると思うなよ、タコス」
璃王――――基、リオン・ヴァルフォアは、レヴィを挑発する様に自己紹介をした。
挑発されたレヴィはそれを自身への侮辱だと捉え、「貴っ様ぁぁぁぁぁぁあああ!」と、怒鳴りながら立ち上がる。
その手には、サーベルの様な武器を握っており、リオンを殺す気満々なのが、
レヴィは殺気を
それを直立不動で見つめるリオンの視界を銀色のベールが遮る。
次の瞬間には、キィン、と言う金属と金属がぶつかり合う音、そして、グレイの声が聞こえた。
「あれだけの挑発で頭ぶっ飛んじゃえるってさ、よっぽど単細胞なんだねー、君の頭。
ねぇ、何なら、ボクのストレスを発散させて・・・・・・よっ!!」
レヴィのサーベルを払い、グレイはその端正な顔に笑みを浮かべ、レヴィを挑発する様に見上げる。
そのまま、レヴィを力任せに蹴倒し、その首筋にサーベルを宛がえば、レヴィは額に脂汗を滲ませる。
そのサーベルをレヴィの顎へと持って行き、切っ先を顎に宛がい、レヴィを見下ろして、嘲笑する様に言った。
「あれあれ~?リオンにリベンジするんじゃなかったの~?
ボクに負けてる様じゃぁ、リオンなんて倒せないよ~?
・・・・・・次、リオンに手を出そうとしたら、東京湾にコンクリ詰めして沈めるからね?ムッツリタコス」
最後の方の言葉は、冷ややかな視線を突き刺し、レヴィを脅す体で言った。
蒼い顔に口をパクパクさせて額に汗を駄々流しにしているレヴィを放ったらかして、グレイはリオンに向き直る。
「タコスがごめんねー。怪我はない?」
「あ・・・・・・はい、まぁ・・・・・・」
リオンは、何処かでグレイの顔を見た事がある・・・・・・?と、首を捻りながら、返事をする。
何か昔、何処かで見たことがあるような気がしないでもない。
直接会った訳ではないが、見たことのあるような顔だった。
幾ら考えても思い出せないので、リオンは「ま、いっか」と気にしない事にする。
「で、忘れてたけど、さっき、ラルと一緒に戻ってきたロン毛が、
「う゛ぉぉぉおい、誰がロン毛だぁ!!」
「うるさいなー。あんたの特徴って言ったら、左剣とロン毛、あと、
今、左剣外してるし、爆音声はないかなーと思ってロン毛で譲歩したのに、その言い方は無くない?
ってか、男風情がボクに近付くな!!」
グレイの紹介にスクアーロは不満を訴えるも、グレイの言葉にぐうの音も出ない。
グレイは、異論を訴えている間に詰め寄ってきていたスクアーロにサーベルの切っ先を向け、嫌悪感を剥き出しにする。
「しししっ、スクアーロ馬鹿すぎ。だから、カス鮫って言われるんだよ。
姫に近付いて良いのは、王子だけなの」
「なわけないでしょ、男は須くサーベルの切っ先以内に近付くな。
それと、姫と呼ぶなと何万回言えば解る、この堕王子が」
ベルがスクアーロを見下す様に言いながらグレイの肩を抱き寄せれば、グレイは殺気立った殺し屋の目でベルを睨み、何処からともなくナイフを取り出して、その切っ先をベルに向ける。
ベルは「じょ・・・・・・ジョーダンだって・・・・・・」と、顔を蒼くしながらグレイから離れる。
その光景を見たリオンはこう言った。
「あ・・・・・・貴女はもしかして、英国女王第七子、グレイ・ゼル・ファブレット王女・・・・・・!?」
リオンは驚きにその目を見開いた。
セラ・ヴァルフォア(13)(現時点)
並盛中学2年D組。
リオンと同じ容姿、似た声質の為、初見では双子若しくはドッペルゲンガーと勘違いされる。
リオンやラルとは親戚関係であり、ヴァルフォアの親類の中ではリオンとラルが唯一まともに連める人間。
ユリアの呪幻術師で、属性は闇。
特徴的な笑い方に違わず、その性格は偏屈な為、ヴァルフォアの中でも変わり者として扱われているが、リオンとは対照にヴァルフォア特有の呪いを持たぬ為、羨望や嫉妬といった感情を持たれる。
十二支の呪いを持たない代償に、リオンと意識を
その為、随時ではないが脳をリオンと繋いでいると、リオンの感じている事や深層心理を彼女自身も共有する事ができる。
リオンの意識の中に語りかける事も可能らしいが、メカニズムは解っていない。
雲雀とマーモン、どっちが好き?
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雲雀
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マーモン