デュラハンの不遇さにいくらなんでも同情してしまいます。
早く八幡たちにも、デュラハンと出会わせたいなぁ…
「ふぅ、腰が痛い…。」
あのあと、カズマ達のパーティに加わり寝るところがないだろうからといった理由でカズマの寝床に案内してもらったまでは良かったんだが、そこはまさかの馬小屋、しかもさっき会ったばかりの男と、頭が少し緩いとはいえ美少女がいる屋根の下、気を遣ってそう簡単に眠れるわけもなく、しかも馬小屋なので寝にくいしで全く休むことができなかった。
そしてカズマ達が今何をやってるかというとクエストを探しているらしい、俺の実力を見るためだそうだ。
そんなに期待されても困るんだがな。
しかしさっきから「カエルは嫌ぁぁぁあ」とか、「文句を言うなこの駄女神!」とか聞こえてくるんですけど大丈夫ですかね。カエルそんなやばいの…帰りたくなってきちゃった。
すると、カズマ達がテーブルに戻ってきた。
「ハチマン、とりあえずクエストが決まった。ジャイアントトードっていうモンスターなんだが、ここらへんだと一番弱くて狩りやすい。」
「あぁ、わかった。だが…後ろの三人は大丈夫なのか…?」
なんか後ろの女性陣三人が明らかにおかしいんですけど
めぐみんは目を虚ろにしながら
「カエルのあの生臭さを思い出してきました。やはりやめましょうカエルなんて他の冒険者が倒してくれますよ。それよりもっと雑魚がたくさんいて一撃が爽快そうなクエストに行きましょうよ。」
なんって言ってる。
ダクネスに至っては、
「粘液塗れ…ハァハァ…想像するだけで…んんっ…!」
いや、こいつはこれが普通なのかもな…
「カズマさん、カズマさん、もっと稼ぎの良いクエストにいきましょうよ、カエルなんてやめてほら、これなんてどう?グリフォンとマンティコアが喧嘩をしているので仕留めてください。って、クエスト」
「アホか!」
「でもでも、二匹まとまってるところにめぐみんが爆裂魔法を食らわせれば一撃じゃないの。」
「お前はその危険な魔獣をどうやって一箇所にまとめるつもりだよ…」
っと、カズマはアクアの提案に頭を抱えている
しかしあれだクエスト行くだけでここまでグダグダになるとは本当にこのパーティまとまりがないな…この先大丈夫なのか…。
まぁ、とにかくジャイアントトードのいるところについたわけなんだが、予想外にカエルがデカい。確かにこれはアクアや、めぐみんが気持ち悪がっても仕方ない気がするな。
そんなことを思っていると、カズマがアクアに話しかける。
「おい、駄女神、今日はお前本当に何もしなくても良いからな」
「カズマさん安心してそう何度も食われるほど女神は、バカじゃないわ、前回も前々回も打撃攻撃だったからダメなのよ。今回は、魔法で行くわ、見てなさいカズマさん!今日こそはっ!活躍して見せるわ!」
「おいっ!待て!アクア!まずお前攻撃魔法覚えてないだろ!」
しかしカズマの叫びは届かずアクアはカエルに突撃し…食われた。アクアの咀嚼に忙しいのかそのカエルは動かなくなった。
流石女神、身を挺して時間を稼いでくれるなんて。
「はぁ、まぁあのバカはあとで助けるとしてダクネスはめぐみんが、爆裂魔法を打つ間の援護を…って、おいダクネスはどこに行った?」
俺がカエルの群れが集まってるところを指差す。
「いや、アクアが走るのと同時にあの群れに突っ込んでいったが」
「なにしちゃってんのぉぉぉ!」
カズマが思いっきり空に向かって叫び始める。
いや、うん、気持ちはわかる。俺はぼっちだが、周りに合わせるのは得意だ、むしろもう空気に溶け込みすぎで空気扱いされちゃうレベル。
ただ、このメンバーは強調性というものがなさすぎる。自分の欲望に忠実というか、いやそれは悪いことじゃないんだけどね?
「か、カズマ、そろそろ私も爆裂魔法を打ちたくなってきてしまいました。ダクネスのいるところは無理ですがほら、あそこをみてくださいあんなにいっぱいいます。今なら一匹残さず消し去れますよ。」
その言葉を聞いたカズマがすぐさまめぐみんを止めようとするがすでに詠唱を終えようとしていて
「おい、めぐみん今はまだやめろその爆裂魔法の音で他の奴らがこちらに寄ってく「『エクスプロージョン』ッ!」
めぐみんの杖の先から放たれたその光は、遠くにいたカエルの集団の真ん中に吸い込まれるように突き刺さると…!
その直後、目も眩むよな強烈な光、そしてあたりの空気を震わせる轟音とともに、カエル達は爆散した。
カエルのいた場所にはとんでもない大きさのクレーターができておりその爆発の凄まじさが、わかる。
「これが…爆裂魔法か…すごい…」
俺が爆裂魔法の凄さに驚いているとカズマが、
「おい!なにやってんだ、ハチマン!今の音を聞いたカエルがこっちによってくるぞ!」
確かに、ダクネスが突っ込んでいったカエル集団がこちらに気づいたのか向かってくる。
「いや、めぐみんにもう一度爆裂魔法を打って貰えばいいだろ」
そういえば、めぐみんさっきまでそこにいたのにどこに消えたんだ…?
すると俺の足元から声が聞こえてきた。
「ふ…。ハチマン残念ながら我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力ゆえ、消費魔力もまた絶大。つまり一度打ったらその日はもう打つことができません。」
本当になぜこの子達ってこんな残念なのかしらん?
仕方ない、ここはカッコよく決めてしまおう。
「はぁ…仕方ないこの力を試してみたかったからな…ちょうどいいか…」
「おぉ!ハチマンの隠された力が解放されるんですね!」
めぐみんにそう言われ急激に恥ずかしくなってくる。
い、いやあれだから、中二病の頃の俺を目の当たりにしてるみたいで恥ずかしいだけだから!そういう厨二ぽっいことは、もう卒業してるから!なんか、雰囲気に飲まれて口走ったとかじゃないから!
などとくだらない言い訳を頭の中で考えつつ先ほどカズマから習得した。初級魔法を思い出す。
「『ティンダー』ッ!」
ティンダーとは、火の初級魔法で火を出すのだがまぁぶっちゃけ攻撃には使えない。ライターの役割になるぐらいだ。
しかし俺の能力があればできるはずエリスも可能だと言っていた。
「『レベルブースト』ッ!」
力が溢れるような感覚に襲われる。早く放てと言われてるようだ。
「うお、うぉぉぉ!喰らえ!」
俺は全部の力を出し切るかのように叫ぶ。
「『エクスプロージョン』ッッッ!」
そして、めぐみんの時と同様に目も眩むような光の後にとんでもない轟音が鳴り響く。
あっ…思わず打ってしまったがダクネスは巻き込まれてないよな…
そんな心配を知らぬかのように後ろのめぐみんが
「ナイス爆裂!ナイス爆裂ですよハチマン!まさかハチマンも爆裂道を歩む同士だったとは!」
と興奮していてカズマは、
「なんで、初級魔法しか覚えてないのに爆裂魔法を?」
と驚愕している。なんか少しいい気分だな。チートに憧れる若者の気持ちがわかるぜなんてことを思いながら後ろを振り返り、めぐみん、カズマに返事を返そうと思ったら
目の前が真っ白になった。
目が醒めるとまた白い部屋にいた。
「は?」
すると目の前にはエリスがいる。
そんな困惑している俺を見てエリスが一言
「えーと、比企谷八幡さん。あなたは死んでしまいました。」
…は?
比企谷八幡
レベル1
スキルポイント4
習得スキル 初級魔法