劇場版をやるなら追憶編をやると思っていたのですが、オリジナルですか…
もし劇場版の売り上げで2期をやるかどうかを決めるなら、是非とも売れてほしい所ではりますが…
作者としては最近電撃が続編よりも劇場版ばかりやることに少し抵抗を持っています。
SAOしかり劣等生しかり禁書しかり…
2期、3期を作るのが簡単でないことは分かっていますがファンのために是非とも続編を!!
…何だが語りすぎちゃいましたが、本編どうぞ!
やっと5日目がやってきた。
なんだか今日に至るまでがとても長く感じる俺。
ホテルの会場に来るまでの間にバスの事故が起こり、パーティーでは零を名乗るあやなと遭遇、そして一高に手を出す輩…
面倒ごとのオンパレードだ。
面倒くささを上回って最早楽しいと感じるまである。
…しかしだ。
今は忘れることにしよう。
今日はアイスピラーズブレイクの予選がある。
はっきり言って最初なんかで負けは想定していない。
が、一条と当たったときのことを考えて少しばかり考えていることがある。
一条にも負けるとは思っていないが、念には念を、だ。
「零夜君、そろそろ時間だよ」
そう考えていたところで俺は声をかけられた。
五十里啓先輩。
俺のピラーズブレイクのエンジニアを担当してくれている人だ。
とても優しい人で仲良くさせてもらっている先輩の一人だ。
「わかりました。じゃあ行ってきますね」
俺は五十里先輩に笑いながらそう告げ控え室を後にした。
***
「し、雫。零夜くん大丈夫かな…?」
そう不安げにほのかは雫に尋ねる。
しかし、雫はほのかのその問いにため息で答える。
「し、雫!?」
「ほのか、仮にも零夜は一高でトップの魔法師なんだよ?こんな一回戦なんかで負けるなんてありえない。それに零夜は一条選手にも勝つつもりでいるみたいだし、心配いらないと思う」
「それはそうだけど…」
雫の言葉にほのかは言い返せなくなる。
雫の告げたことが事実だからに他ならないからだ。
しかし、それでもほのかの中の不安は拭いきれず顔から不安は消えなかった。
そんなほのかに雫は二度目のため息を吐き心の中で思った。
(どうせ零夜のことだから試合はすぐに終わるだろう)
と。
そう雫が思ったところで周りに歓声が上がる。
主に女性の黄色い声が。
そんな声に雫は本日3度目のため息を吐く。
そんな雫の視線の先にいたのは………観衆に手を振る零夜だった。
客観的に見ても零夜の顔立ちは整っている。
昔で言うイケメンというやつであろう。
一高でも女子の人気は一番だ。
故に他校の女子が歓声を上げる理由も理解できる、と雫。
しかし………
「あわっ!?わわわっ…」
隣で慌てる親友、もといほのかを見ていては、ため息も吐きたくなる。
だからあれほど早く零夜に想いを伝えろと言ったのに、と。
そんなほのかから視線を外し再び零夜へと視線を向けると、零夜が指を立て鼻にあてた。
するとうるさかった歓声が一瞬にして止んだ。
どうやら零夜はスターでも気取っているようだ。
そんな観衆に雫は苦笑いしほのかに話しかける。
「…ほのか、始まるよ」
「う、うん…」
そうほのかが答えたのと同時に試合の開始を告げるランプが点灯を始める。
3、2、1…………
ブーッ
試合開始の合図と共に、一体零夜はどのように戦うのだろう?と雫が思った瞬間、光が会場を包んだ。
眩しいっ!と思い目を閉じてしまうも、雫はすぐに目を開ける。
そしてすぐさま目を会場の中央へと向けるとそこには………
相手選手の棒を全て破壊し、不敵な笑みを浮かべながらたたずむ零夜の姿があった。
「「……………えっ?」」
雫が声を漏らすと同時に、隣に座っていたほのかも同じことを口にした。
それもそのはず、眩しいと思って目を閉じていたのは5秒にも満たない時間だった。
その間に全ての氷柱を破壊するなんて…と。
彼…零夜が使った魔法は”雷<イカヅチ>”という魔法である。
名前の通り雷を起こす魔法だ。
殺傷性ランクはB。しかし世の中には伝わっていない魔法だ。
だが零夜は
もちろん零に関わることである。
それに気づきようのない観客…ほのかや雫も含み何が起こったかわからず会場は静寂に包まれる。
が次の瞬間、零夜が入場したとき以上の歓声が上がった。
しかし雫やほのかは、唖然と言うか呆れというかなんとも言えない表情を浮かべていた。
零夜のあまりの力に。
「本当に雫の言うとおり心配いらないかもね…」
「うん…」
***
その競技を別の場所で笑顔で見ていた女性が一人いた。
「ぜろくん…やっぱりぜろくんはすごいよ……」
そう、あやなである。
彼女は零夜の競技を見るため、第九高校の友人と共に観戦していた。
「あやな、あの子でしょ?あやなの言ってた幼馴染って」
「うん、そうだよ」
「なんかものすごくかっこよくない?もしよかったら今度私に紹介してよ」
「それはダメ。ぜろくんは私の……」
「そうでした、そうでした。ご馳走様」
「ちょ、ちょっとユウちゃん!?」
そう友人に言われたあやなは反抗するが、それは無駄に終わる。
なぜなら零夜は第九高校2年女子の間で、話題になっている人物であったためだ。
あやなは、過去の写真を友人たちに自慢しながら零夜のことをこれでもか、というくらい話した。まるで自分の彼氏であるかのように。
故に、零夜はあやなの彼氏として扱われてきたのである。
あやなもそれを理解したのかすぐに反抗を止める。
(それはそうと…すごいよぜろくん。一昨日教えたばかりの魔法をここまで完璧に使いこなすなんて…。私や零式の人たちでもここまでの威力を出せる人なんていないと思うし…。だからこそぜろくんが記憶を失ったことがすごく残念だよ…。零が求めた
そう思いながらあやなは寂しそうな目で会場から去っていく零夜を眺めた。
***
俺は一回戦が終わるとすぐに控え室へと移動した。
あの鳴り止まぬ歓声の中去るのはもったいない気もしたが、これから先何試合もあると思い直し、今は一人でこの場にいる。
とは言ってもまだ2回戦までは時間があるし、軽く腹ごしらえでもしとくか。
そう考えた俺は会場を出る。
するとそこには笑顔のほのかと、いつものように表情を変化させない雫が立っていた。
「あれ?二人ともどうしたんだ?雫はこの後試合だろ?」
雫もピラーズブレイクには参加していると思っている俺はそう尋ねる。
「うん。だから零夜に私の試合を見ててもらうように言いに来た」
俺の問いに対して返ってきた言葉はそんな言葉だった。
…まぁ言いたいことは分かるけど、俺だって選手であって腹ごしらえをしたいのですよ。
そう思ったことを伝えようとするが、
「ほら!雫の試合を一緒に見れるようにお弁当買っておいたんだ!」
そう笑顔で告げるほのかによって俺は言葉を飲み込む。
何とも用意のいいことで…
だが別に弁当があるなら別に断る理由もない。
雫の試合は興味があるし。
「分かった。じゃあ俺はほのかと一緒に雫の応援してるからがんばれよ」
「もちろん」
俺の言葉にそう短く答えると雫はその場を後にした。
その姿を見送ると俺とほのかも試合会場へと足を動かした。
***
その後雫はもちろん深雪も無事一回戦を勝ち抜くことができた。
まぁ当然といえば当然だな。
俺は幸い二人の試合と被らなかったため、二人の試合を見てから2回戦へと挑んだ。
その後の2回戦も俺は1回戦と同じ魔法を使い一瞬で試合を終えた。
つまりこれで明日の3回戦に無事進出したこととなったわけだ。
一条とあたるのは決勝…。
そう考えると、俺は自分でも驚くくらい胸が高鳴る。
どうやら柄にもなく楽しみにしているらしい。
…これまで俺と張り合える魔法師なんて、深雪ぐらいしか知らなかったから仕方がないかもしれないが。
「零夜くーん!」
そう一人部屋で考えていると、ほのかが雫をつれてやってきた。
何のようだ?と思いながらも俺は部屋のドアを開ける。
「どうした?」
「今日の試合の勝利を祝して一緒に食事でもどうかと思って…」
そう言われ俺は端末で現在の時間を確認する。
「食事?…あぁもうこんな時間だったのか。いいよ、行こうぜ」
時刻は午後7時。
ずっと考え事をしていたせいか、だいぶ時間が過ぎていた。
「だったら美味しそうなお店見つけたから行ってみようよ」
まぁ食事を食べれるならどこでもいいから店のチョイスは任せるけど、何であんなにテンションが高いのだろう…?
そう思いながら隣を見ると、
「零夜と私の勝利が自分のことくらいに嬉しかったみたい」
「なるほどな…」
そう告げ、俺たちは前方で今にスキップでもしそうなほのかを見て苦笑いをする。
ほのかの気持ちは嬉しいんだけど、自分のことにもしっかり注意を向けてもらいたいものだ…
***
6日目
今日はアイスピラーズブレイクの第三試合から決勝までが行われる予定だ。
ちなみに順番は俺が第一試合で深雪が最終試合、つまりは昨日とは同じということになる。
大会運営側は俺と深雪の試合を見て、視察に来ている魔法関係者の為に俺と深雪の協議の順番を変更したらしい。
俺は’雷’、深雪は’
お互いそれなりの魔法を使ったため仕方がないだろう。
運営の人たちには迷惑をかけたようで、なんだか少し申し訳ない気持ちがあった。
そんなことをほのかと話しながら会場へと向かっていると、その途中で三校の選手、クリムゾンプリンスこと一条将輝とカーディナルジョージこと吉祥寺真紅郎の二人が俺を待つように立っていた。
「第三校一年、一条将輝だ」
「同じく第三高校一年の吉祥寺真紅郎です」
「俺は第一高校一年の令式零夜だ。…で三高の顔であるお二人がこんな時間に何のようだ?」
向こうが自己紹介をしてきたのでこちらも適当に返しておく。
何故だか一条は闘争心むき出しで俺に視線を向けている。
そんな視線はスルーし俺はほのかへと視線を向ける。
すると……固まっていた。
まぁ騒がれるよりはいっか、と思い少し笑うと一条が
「…何がおかしい?」
とさらに視線を厳しくしながら俺に問いかけてくる。
やべっ、なんか挑発しちゃったっぽいぞ…。
別に一条に対しての笑いじゃないのに…。
そう思っていると今度は吉祥寺が、
「試合前だというのに彼女さんとデートですか?余裕ですね」
皮肉を混ぜながら挑発してくる。
…何だか思ってたのと違う。
もっとこう…何ていうか…スマートな感じをイメージしていたのだが、どうやらこの二人はなかなかに情熱的なようだ。
試合前の俺を挑発してくるなんてマナーもなってないし。
ここは一つ挑発してみるか。
「まぁ…そうだな。正直言うと俺は敵になる相手が新人戦にいるとは思っていない。だから別にデートの一つや二つしたところで俺の勝利に変わりはないだろ?」
……もし俺がこれを言われたらかなり腹が立つだろうなぁ。
我ながらよく言ったものだと思う。
そんなことを考えながら二人へと視線を向けると、二人ともつめたい眼で俺を見ていた。
「…お前の挑発確かに受け取った」
「試合を楽しみにしています」
そう静かな声で言い放つと二人は去っていった。
…一体なんだったんだろ?
結局今俺のところに来た理由を聞いていないし。
っていうかあいつも俺と同じ第一試合だったような気がしたんだけど、大丈夫なのか?
と、そこで放置していたほのかのことを思い出した。
「あっ、悪いほのか。何だかよく分からない話に巻き込んじゃって…」
今日はほのかも試合があるので変なことは起こらないでいてほしかったんだけど。
「……そ、そうだよね。試合前にデートしたって別に悪いことじゃないよね」
「何か言ったか?」
「!?な、なんでもないよ!?」
なにやらほのかがボソボソ言っていたのが気にはなるが、今はお互い自分に集中しなければいけないときだ。
「…ほのか、俺の試合を応援してくれるのはいいけど、自分のこともしっかり考えてろよ?お互い今日は優勝するかどうかが懸かってるんだから。新人戦優勝するんだろ?」
新人戦優勝、それは九校戦が始まる前にほのかや雫と話していたことである。
俺は皆が自分の実力を出し切ることができれば、優勝は現実的だと思っている。
「そ、そうだね!ここまで送ってくれてありがとう」
「気にするな。緊張しすぎて中条先輩に迷惑かけるなよ」
ほのかが少し緊張してると思った俺はほのかの緊張をほぐすためにそんなことを告げる。
「か、かけないよ!もうっ!」
「ははっ、そんだけ元気があれば大丈夫だろ。お互いがんばろうな!」
ほのかが程よい状態になったのを確認し、俺はそう告げ、自分の試合会場へと急いだ。
本日の魔法
雷[イカヅチ]
放出系の系統魔法で、物質中から大量の電子を強制的に抽出し、超放電現象を起こす放出系の応用魔法。
もともとの範囲はかなり広範囲だが、術者の力量が高いと威力を密集して発動することができる。
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