戦国自衛隊 in wonderful world   作:名無し様

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冬将軍

 

 

異世界 漂流 30日目

 

 

 

「状況開始。周囲を警戒せよ。」

 

 

的場の命令に、隊員達が一斉に自分の小銃を構えて周りを警戒する。その行動から、隊員達がかなりの練度であると伺える。

 

 

『前方、およそ2000にターゲットを確認。あちらはこちらに気づいていない模様。』

 

 

「了解。監視を続けろ。」

 

 

現在、的場達は雪の降りしきるの中でとある要件を頼まれた。

 

 

本来はそのあたりは冒険者達の仕事であり、冒険者ギルドに属していない的場達がする事ではない。

 

 

今回、的場達が頼まれたのは数日前現れたデュラハンと同じ魔王の幹部である雪精の主でありこの世界の冬の風物詩、国で特別指定モンスターに認定されている大物。

 

 

通称、冬将軍。その討伐である。

 

 

何故頼まれたかと言うと「魔王の幹部であるデュラハンを倒した程の実力ならば冬将軍も一緒に頼みます。」という感じで頼まれた。

 

 

最初は的場はそれにわざわざ行く必要もない、そう考えていた。基本的には無害であるならば戦う必要はないし、隊員達を危険にさらす事は極力しないようしている。

 

 

しかし、的場達は現状、かなり切羽詰まった状況だった。デュラハンを倒した情報は国のあちこちに広がり、それなりの知名度がある。

 

 

それを国の偉い貴族が、野放しにするつもりなんて一切ない。何かと、 理由をつけて自分の所に置いて起きたいらしい。

 

 

この街、アクセルを含んだ領地の領主にもしつこく勧誘してきた。

 

 

無論、的場達はその用件を全て却下した。しかし、貴族達は勧誘を超えて脅迫紛いな事をしてくるようになった。

 

 

そんな馬鹿共を、黙らせる為にもここら辺でもう一つ戦果を上げてあまり変な事をしたらそちらにも被害が及ぶぞという事を理解させる為にこの仕事を引き受けた。

 

 

「情報によりますと、ターゲットの冬将軍は雪精を持っていると高確率で遭遇するそうです。」

 

 

事前に街で、冬将軍について調べていた与田二尉が的場や他の隊員達にその情報を伝えて行った。

 

 

そして、隊員達は5人一班に別れて雪精を捕まえに行った。的場や残りの隊員達は車両の周りに残っている。

 

 

 

 

もうすぐ、吹雪がやってくる。

 

 

 

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冬将軍は色々と憤慨していた。

 

 

さっきまで雪精を虫取りみたいに捕まえていた冒険者に対しても。……まぁ、その集団はDOGEZAをしたから1人ころしただけで許してやったが。

 

 

また、 別の集団が雪精を取ろうとしていた。しかも、今度は3つの集団が。

 

 

今まで、こんなに忙しかったのはなく、冬将軍はイライラがかなりつもっていた。

 

 

とりあえず、雪精を助けるのとその集団をさっさと追っ払うために冬将軍はその集団に向かった。

 

 

 

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『ターゲット、移動を開始。ターゲットはB班に接近。B班は第1地点に移動。A班は第3地点にC班は第2地点に移動。』

 

 

ターゲットである冬将軍が、3つある班の内1つに食いついた。的場達は地図を見てターゲットと班がどのように動いているか、逐一確認している。

 

 

『A班、第3地点に到着。B班の到着を待ちます。』

 

 

『C班も第2地点に到着、Α班と同じくB班の到着を待ちます。』

 

 

冬将軍は情報によると日本の武士の格好をしていると情報がある。ならば、攻撃方法も刀のような物を使用していると考えられる。

 

 

的場達の武器は接近戦や白兵戦には滅法弱い。良くて、ナイフなどしか持っておらず近づかれたら確実に的場達がやられる。

 

 

だから、敵に近づかれないように小銃で弾幕を張って敵の足を止める事が主な戦闘方法であり、この世界だと何かと嫌われそうな方法である。

 

 

『B班!第1地点に到着!ターゲットは思いのほか速い!早くしてくれ!』

 

 

「解った。B班はそのまま走れ。A班とC班、攻撃を開始しろ!」

 

 

B班が全速力で走っており、その後ろに冬将軍が鎧を着ているとは思えない速さで迫っている。そして、B班の隊員に攻撃しようとする。

 

 

すると、ちょうど冬将軍の両側からマズルフラッシュが光り冬将軍に弾丸が当たる。

 

 

それは、地球の戦術で機関銃などの自動火器を使用した戦術の一つで、二つの火器から放たれる火線が交差するところから、十字放火と呼ばれる。

 

 

この戦術は、第一次世界大戦で誕生して現代でも防御において大きな効果を発揮する戦術である。

 

 

相互支援原則に従った武器の配置例の代表格であり、相互にお互いを支援しあうことで攻撃側が防御側陣地へ到達することを困難にしている。

 

 

そんな事も知らず冬将軍はわざわざ的場達のキルゾーンに連れて来られたのだ。

 

 

まぁ、最も冬将軍は戦う敵の数が極端に少ないし、戦った事のある相手は大体、日本からきたチート転生者達だからこんな戦術は知らないに等しいかもしれない。

 

 

それに、この世界は銃と呼ばれる存在は多分ないに等しいと思う。………どこかに銃を作っている奴もいるかもしれないが。

 

 

とにかく、銃に対しての知識が乏しい冬将軍はまんまと的場の罠に引っかかったのだ。

 

 

冬将軍に5.56mm普通弾、12.7×99mm NATO弾などの銃弾が冬将軍に殺到する。

 

 

冬将軍は飛来してきた銃弾を避けようとするが右からも左からも銃弾が飛来して冬将軍の鎧を削っていく。

 

 

しかし、さすがは魔王軍の幹部。銃弾を受けてもある程度耐えている。すると隊員達の内、何人かが手元に何かをつかみそれをおもいっきり冬将軍に投げた。

 

 

『手りゅう弾!』

 

 

隊員達の何人かがそう叫んだ。隊員達が投げたのはMk2 破片手りゅう弾で陸上自衛隊が使用している手榴弾である。

 

 

手りゅう弾は、冬将軍の足元に転がり、その内の幾つかは冬将軍が切断してしまった。そして数瞬おいて爆発、冬将軍の片足が引きちぎれた。

 

 

冬将軍は、完全にバランスを崩してその場に勢いよく倒れ込んだ。それ見計らい隊員の1人がある物を取り出した。

 

 

それは、現代にも使用されている対戦車兵器、84mm無反動砲である。

 

 

84mm無反動砲は榴弾、対戦車榴弾、照明弾などの多彩な砲弾を発射できる。そのため、現在でも長く使用されて愛されている。

 

 

1人の隊員が84mm無反動砲を担ぎ、冬将軍に向ける。

 

 

すると、もう1人が後ろから対戦車榴弾を詰め込みそれを確認すると、合図として射手である隊員の頭を軽く叩いた。そして、装填した隊員が射手の隊員の後ろから腰に抱きつく。

 

 

射手である隊員は、そのまま対戦車榴弾を冬将軍に向けて発射する。84mm無反動砲の後方から猛烈なバックブラストが尾を引いた。

 

 

砲身のライフリングで高速にスピンがかかったHEAT 751 対戦車榴弾は高速で冬将軍に突き進み、─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────その対戦車榴弾を冬将軍が切断した。

 

 

 

さすがは魔王軍の幹部と呼ばれる程である。銃弾よりかは遅い対戦車榴弾を完全に見切っていて瞬時に片足で立ち上がった。

 

 

そして、いわゆる居合い切りで咄嗟に対戦車榴弾を切断したのだ。ただ、信管に接触しなかったのはおそらくまぐれだろう。

 

 

そのままの速度で切断された対戦車榴弾は反対側に着弾して土煙を上げた。隊員達はその光景に唖然としており銃撃が一瞬やんだ。

 

 

その隙に、冬将軍は危険だと判断したのか片足で必死に逃げようとしている。しかし、それを逃す程やわな事はしない。

 

 

隊員達は冬将軍が動けないように、もう片方の足を集中的に狙う。だが、銃弾は冬将軍に着弾するもまるで効果がない。

 

 

しかし、隊員の1人がMk2破片手りゅう弾を投げて冬将軍の足元に転がせた。そして、爆発した手りゅう弾は冬将軍の片足を見事にもぎ取った。

 

 

すると、84mm無反動砲を担いでいた隊員がまっていましたと言わんばかりに冬将軍にまた照準をむける。砲弾も装填したらしく腰に装填した隊員が抱きついている。

 

 

そして、もう一度発射された対戦車榴弾は冬将軍の胴体に吸い込まれるように着弾した。

 

 

対戦車榴弾を直撃した冬将軍は粉々に砕け散り、辺りには破片が散乱していた。

 

 

「状況終了。総員、街に戻るぞ。」

 

 

的場は奇跡的に残っていた冬将軍の兜を拾い上げて自分たちが乗ってきた96式装輪装甲車に乗ってアクセルに戻って行った。

 

 

その後、その雪山には雪精が主を失った悲しみか、吹雪が3日3晩続いたと言う。

 

 

 

 

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