戦国自衛隊 in wonderful world 作:名無し様
「なぁ、聞いたか?」
「あぁ、また倒したらしいな。」
「こうも短期間に魔王軍の幹部を2人も倒してしまうとは………。」
冒険者ギルドでは、的場が率いる天導衆という組織について持ちきりだった。あちこちで、嘘かどうか分からない事が囁かれた。
無論、和真達もその話をしている最中だった。特に、爆裂魔法を一発しか撃てない欠陥アークウィザードのめぐみんは目をキラキラとさせてそれを話していた。
「あの人達の爆発は全くちがう。でも、爆裂魔法をこよなく愛する私は分かります。あの体の中まで伝わってくる衝撃、そしてあの独特の匂い。吸っていたらやみつきになりそうな匂いです。さらに、あの破壊力。あのデュラハンを一発で葬り去った威力。あれは感動しました。私も今度ぜひあの人達と共に行動してみたいです。そして、いつかあの「わかった!わかったから少し落ち着こう!な!」
えらい長々と、めぐみんが暴走しながら喋っており隣で一緒に食べていた和真に半ば無理やり止められた。
反対側に座っていた、アクアとダグネスも顔が引きつっているのが伺える。ただ、めぐみんは話を止められて少しムスッとした態度をした。
「え~っと、とりあえずめぐみんがいいたい事はわかったから少し黙っててくれ。」
「むぅ~。」
めぐみんは腑に落ちないと言った顔をして目の前にある野菜をモシャモシャと食べ始めた。
「それにしても、凄い戦いでしたね。魔法を唱える事もなく、敵がバタバタと倒れるのは一体あれは何なのでしょうか?」
「あぁ、銃の事か………。」
「カズマの世界じゃ、それが一般的な武器だよね。」
「?……カズマはあの人達の事はわかるのか?」
「まぁ、何て言えば良いかな……?」
和真は、的場達の所属していた組織を知ってはいる。彼の前の世界で住んでいた国の組織だから少なくともどうゆう組織かは一般的な事なら知ってはいる。
「あの的場さん達は、自衛隊って言う組織にいて自分の国を守る為の存在なんだよ。」
「……?軍とは違うのか?」
「ん~?まぁ、それとは違うかな……。」
的場の所属していた日本の自衛隊と呼ばれる組織は、とても特殊で普通の軍なら持っている物が無いのである。
そして、外国などの人や日本のそうゆう知識に乏しい人はよく軍隊と呼んでいる。
とにかく、的場達が所属していた自衛隊は一言では表しにくい組織である。
「……まあ、後でゆっくり話をしてやるからその話はここで一旦、終わろう。」
「わかった。」
ダグネスは、何となく察したのか意外とあっさりとひいた。曲がりなりにも騎士である為か和真はその姿を見て少し見直した。
「で?何の話をするのかしら?」
「それなんだが………。」
アクアが和真に問いかけて和真がそれに答えようとした瞬間に冒険者ギルドの扉が開き、そこから今絶賛話題中の的場達が入ってきた。
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異世界 漂流 32日目
あの冬将軍を討伐してから丸1日が経過した。
的場達は冬将軍を討伐したのだが、肝心の報酬が払われていない事に正直呆れていた。
冬将軍の討伐から領主達の勧誘は、静まりかえっていた。それは的場達の力を逆に恐れ始めたからでもある。
おそらく、これ以上余計な事をしていると自分達にその矛先が向くかを恐れているからだろう。
それでも領主の中では前より激しく勧誘、いや脅迫まがいの事をして何が何でも手に入れたいと考えている馬鹿がいた。
その内の1人にこの街、アクセルを含む地域をおさめている領主であるアレクセイ・バーネス・アルダープも勧誘(脅迫)をしている。
自分達に、冬将軍討伐の報酬が入らないのは十中八九その糞領主のせいだろうと考えている。
(だが、こちらに言う権限は無い。……何か向こうがアクシデントを起こしてもらえればいいのだが……。)
的場達は、この街に住んでいるだけで領主や国の偉い人に意見するなんてことはできない。まぁ、ある程度街の人からは友好的に思われているらしい。
街の問題の解決に幾つか関わってきたからでもあり、魔王軍を打ち倒す心強い集団だと考えている人もいるらしい。
と、そんな事を的場が考えていると冒険者ギルドの前に到着した。的場を含めて数名の隊員が冒険者ギルドの中へと入っていった。
冒険者ギルドの中は、賑やかだったが、的場達が入ってくると一気に静かになり、全員が的場達を見つめている。
的場達は、その視線に元のもせず突き進み冒険者ギルドのカウンターの前に立った。
「え、え~っと………。」
冒険者ギルドの受付嬢は困りながらも、笑顔を崩さずに先頭に立っている的場に話し掛け始めた。
「依頼を頼みにやってきた……。」
「あっ、はい。では、こちらに依頼したい内容と氏名、そして報酬金を記入してください。」
冒険者ギルドの受付嬢は一枚の紙とペンを取り出し、的場の前に置いた。その紙はざらざらとしておりあまり良い紙とは言いにくい紙である事がわかる。
的場は、その紙にすらすらと内容を記入していく。その間、他の隊員達は周りの冒険者を眺めたり、的場の書いている紙の内容をチラッと見ている。
そして十分程経ち、的場は紙に書き終わったのかその内容を書き終わった紙とペンを受付嬢に返した。
「確認いたします。………えっ!?」
受付嬢は驚いたように、的場とその紙を交互に見ている。先程までの笑顔が嘘のように驚いている。
「どうかしたか……?」
「い、いえ……これで大丈夫です………。」
受付嬢は、的場の言葉に圧されて何か言いたげな顔をしてギルドの掲示板にその依頼を新たに貼り付けた。
それを確認した的場は、後ろにいた隊員達と共に冒険者ギルドから出て行った。
冒険者達が的場の書いた依頼を見て驚いた。
その内容は以下の通り、
『《物品探し》
ある物を探して冒険者達に欲しい。それは簡単に言うと燃える水である。黒く若干の刺激臭がし、火を近づけると引火し激しく燃焼する。
正確な物でなくても、それに類似した物も受け付ける。さらに、物をそのまま持って来なくても情報でも可。
朗報を私は期待している。
報酬金:1500万エリス
天導衆 リーダー 的場毅』
この世界では、ちっぽけな存在。
それが日常の水面下で、じわじわと動いているのに一体何人の人間が気がついたか……。
それを知る人はいない………。