戦国自衛隊 in wonderful world   作:名無し様

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決断

 

 

 

異世界 漂流 14日目

 

 

的場が交戦を許可してから、ものの数分で騎士のアンデットは全滅した。隊員達は15人いたが、騎士達に殺されてその数は8人に減った。

 

 

殺された隊員の遺体は73式中型トラックに積み込み、街まで丁重に運んでやった。

 

 

街に帰ったら、守衛の人が先ほどの爆発は何かと聞いてきた。それは、特殊な魔法だと言ったら納得してくれたらしい。

 

 

それと、騎士のアンデットについて話すとちょうど的場達が襲われていた頃に、魔王の幹部であるデュラハンがやってきたらしい。

 

 

恐らく、そのアンデットナイトというモンスターは、そのデュラハンが連れてきた奴ららしい。当のデュラハンは的場達が襲われているのを眺めてそのまま去り、街の正門に現れたらしい。

 

 

倉庫拠点で、待機していた隊員達が慌ただしく隊員の遺体をトラックから下ろして横一列に並べる。

 

 

しっかりと、隊員のドックタグを片方とり、もう片方を隊員の手に握らせる。そして、その前で全員黙祷を捧げる。鉄帽を脱ぎ、自分の胸に押し当てる。

 

 

その後、隊員の遺体を土に埋葬した。隊員達は、全員無言で作業をした。先日まで生きていたものが死に、傍観していた。

 

 

「与田、……後は、任せる……。」

 

 

「………………分かりました。」

 

 

的場は、そう言ってテントの中に入った。その腰には、先の戦闘で奪った、アンデットナイトの剣がある。的場は、その剣を鞘から抜き、その刀身を眺める。

 

 

その剣は、一つの刃こぼれも無くどことなく日本刀に類似している。刃渡りは約70cmほどで柄の部分が包帯で巻かれている。

 

 

刀身を眺めていると、また騎士達の目をも思いだす。

 

 

(あの目………。正に、必死に生きようとしている者の目だ………。)

 

 

的場はこの世界でこれから自衛官が続けられるかが、心配だった。また、あんな戦闘になったら今度は何人の隊員が死ぬかが気が気でなかった。

 

 

このままで、……本当に、いいのか………………。

 

 

自分の頭の中で、まだ自衛官を止めるべきでない、と言っている自分と、このままで本当にいいのかと思っている自分がいる。

 

 

先が、見えないこの生活もいつまで続けられるかわからない。

 

 

 

(…………一体………どうすればいい………………。)

 

 

その日、的場は寝ずに朝まで考えた。

 

 

 

 

 

 

 

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異世界 漂流 21日目

 

 

 

あれから、一週間が経った。

 

 

和真達が、隊員が死んだことを聞き駆けつけた。その中にいたアクアと言う少女が何やらスキルを使おうとして隊員たちを蘇らせようとした。

 

 

しかし、いくら蘇らせようとしても隊員たちには効果が無かった。アクア曰わく、的場達はこの世界の異分子である故にこの世界の法則が通じないらしい。

 

 

ついでに、回復魔法の類も試したが効かず、ますますこの世界の厳しさを突きつけられた。

 

 

「………………………。」

 

 

「……的場一佐………。」

 

 

的場達は、今亡くなった隊員達の墓の前にいる。それはただ遺体を埋めてそこに名前が書かれた木の板を建てただけの簡易なものだった。

 

 

その前にいる、的場の手には亡くなった隊員達のドックタグが握られており、それには所々血が付着している。

 

 

「俺は、………この世界を………甘く見ていたらしい……。」

 

 

的場は、絞り出すように声を発した。

 

 

「俺は……この瞬間から、………自衛官であることを………辞める………。」

 

 

「!的場一佐!」

 

 

その言葉に、隊員達は驚きの表情が現れる。

 

 

「この世界に、とばされて早くも20日が経った。我々は、何の為にここにとばされた……?ただ、死ぬ為にここにとばされたのか?」

 

 

的場は、一拍置いてしゃべりだした。それは、だんだんと力強くなっていく。

 

 

「違うっ!」

 

 

「「「「…………!」」」」

 

 

「俺は、考えたのだ………!これからも、自衛官であり続け、戦闘の度に死者を出すのかと………。」

 

 

「ま、的場一佐………。」

 

 

「この世界が今、我々に戦いを仕掛けている。俺は、戦う!」

 

 

そう言って、的場は襟に付いている自衛官のバッチをむしりとった。隊員達はそれに、唖然としている。的場が、バッチを取り終えるとそれを地面に捨てた。

 

 

そして、亡くなった隊員達のドックタグを掲げた。

 

 

「俺達は、……ここで戦い!そして、生き抜くんだ!」

 

 

その言葉に反応されたように、他の隊員達も自衛官を象徴するものをすべてむしり取り、捨てた。

 

 

 

すると、街に冒険者ギルドのアナウンスが流れて来た。

 

 

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装して戦闘態勢で街の正門に集まってください!』

 

 

 

「「「「………。」」」」

 

 

 

「全員、装備を整えて集合。」

 

 

 

「「「「了解。」」」」

 

 

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっ!………特に、冒険者サトウカズマさんとその一行は、大至急でお願いします!』

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界で、彼らの砲火が上がるのはもうそう遠くはない。

 

 

 

 






オリジナル設定:的場達、自衛官は[このすば]の世界の回復魔法及びスキルが効かないバットステータスが付加されている。


[このすば]の世界に正式な方法で来てない異分子であるためこの世界の回復魔法や呪いの解除及びスキルが効かない。

ただ、デュラハンの呪いなどの攻撃の魔法及びスキルは普通に通用する。


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